あらすじ
奈良の鹿を見習って、他の県でも一種類ずつ動物を放し飼いにしたらどうかと考えてみたり。古本屋で買った『ヤング愛情学』の回答者のテンションの高さに驚いたり。歌人・穂村弘の不思議でファニーな日常へようこそ。名コンビを組むフジモトマサルのイラストも満載。西加奈子が本文・イラストを担当した「偽ょ偽ょっ記」収録。
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完全に掴まれた、この世界に与していたい。近くに居る人まで素晴らしい正しい生き方をしているとおもうような影響力まである、著者の周りには強烈な磁場が出来ていてぐいぐい引き寄せられる、歌人すごいなー。あまりにも感受性が豊か過ぎてしんどい思いをしてるんじゃないかと勝手に同情してしまうけど以外と本人はケロッとしてるんだろうなー。そのほかのものも読んでみたい。すこしでも影響を受けたい、この世界の住人になりたい。
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日記のような日記でないような、にょっ記に続くにょにょっ記です。
穂村さんは考えます。世間のありとあらゆることについて考えます。考えれば考えるほど、ぐるぐる思考の渦を成していきます。納得できる着地点を見出したら新たな疑問がわき上がり、思考の渦から抜け出せなくなります。それでも穂村さんは考えます。
淡々としながらもツボを突いた感覚に、読みながらニヤニヤが止まりません。電車の中で読んでいたら、変な人確定です。困ったもんだ。
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『テレビで海の番組を観る。
画面一杯に現れた大きな烏賊が真っ黒な墨を大量に吐いている。
ぶわぶわぶわぶわぶわぶわぶわ。
凄いなあ、と思う。
あれでお習字をしてみたい。
なんて書こう。
「いか」かな。
それから、蛸が出てきた。
やっぱり墨を吐いている。
ぶわぶわぶわぶわぶわぶわぶわ。
これも凄いなあ。
なんて書こう。
「たこ」。
と、みせかけて「いか」。』
『「うちがわからうちがわから」という呪文を習う。
そう云いながら、ヨーグルトを嘗めると美人になるらしい。』
「声をあげて、泣け。昔、私も数多くの失恋をした。片思いをした。破れるたびに、私はダルマのように、強くなった」
『快適さを追求している筈のホテルの部屋の殆どが、ひどく乾いているのはどうしてなんだろう。
小便小僧を設置すればいいのに。』
「失礼しました。当学院は校舎内での標準語の使用は原則的に禁じられているものですから」
「あ、そうなんですか」
「はい。標準語に頼らない環境をつくることで、生徒さんたちが少しでも早く関西弁に慣れることができるようにという配慮なんです」
「レッスン&リピート、パート1、ちゃうんとちゃうん」
「ちゃうんとちゃうん」
「ちゃうんとちゃうん、ちゃうんとちゃうん」
「ちゃうんとちゃうん、ちゃうんとちゃうん」
「いいですよ。その調子」
『子供が大人になるのは給食のせいだ、と教えてくれたことがあった。
給食のパンを毎日持ち帰って家の金魚にあげてたら、仔猫くらいの大きさになった、というのだ。
ユミコちゃんは声をひそめて云った。
「給食には大きくなる薬が入ってる。だから、みんな大人になるんだよ」』
『二十年ほど前の母に云われて驚いた言葉を思い出す。
「四捨五入ってなーに?」』
『テレビで世界陸上を観る。
実況中継なので、さまざまな種目がくるくると映し出されて、ついていけないことがある。
画面が切り替わった一瞬、これは男子? 女子? と迷う。
迷ったら女子、と唱えながら観る。』
『高松さんからメールが来る。
高松です。
今、高松にいます。
それだけです。』
『若い男の子に言われる。
「西さんは絶対いいお嫁さんになりますよ。」
うるせぇ。』
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神保町の古本市で、たまたま立ち寄った店でたまたま見つけ、たまたま知っていた「穂村弘」という名前(永井玲衣さんの本で見かけた)と、たまたま見たことのあるフジモトマサルさんのイラスト(村上春樹さんの本で知った)と、たまたま西加奈子さん(好きな作家の1人)の文も収録されていることもあり手に取った。
穂村さんの「歌人」という肩書きからすると、最初の一冊として読むのは変化球なのかもしれない。蕎麦屋のカレーみたいなものか。でも「この人の話は面白いな」と思うには充分すぎる内容だった。これだから古本探しはやめられない。
本との出会いは人との出会いに似ている。たまたま知り合った人の話がとんでもなく面白かった、なんて最高だと思う。
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ゆるくて心ほぐれるものを欲していたら、まさかの出会い。穂村さんの思考回路というか妄想を覗き見させてもらい、思わず笑ってしまった。このくだらなさ最高〜!!前作はにょっ記で、次作はにょにょにょっ記があるのね...読みます!
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何かのツボがそこかしこにある→ツッテモナオール/鹿戦争/留守番が必要な理由/タクシー降りるとき「ごちそうさま」/ジュテーム投げ/木綿プリンと絹プリン/麻薬もここにわんわん/眠ってるうちに勝手に刈られちゃってね/生まれつきの「新聞感覚」/ペテロの立ち直り/やうかんがお家にすんでゐたら/新幹線「さそり」/俺のリモコンは凄いよ/えぐみさん/ 「ずずずずっ」と移動する講談社→天然自然なの? おもしろく書こうとしているの?
内容の有効性や論理の正当性や表現の妥当性などとは別に、テンションや心の熱さというものは、それ自体で読み手を惹きつけるようだ。(p.25)
モグラって本当はサングラスもシャベルももってないんだよね(p.63)
読んだのは単行本。
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最近ラジオのゲストでほむらさんが出ていて聞いていたが、恥ずかしいようなことはまだ書けていないと言うようなことを言っていて、嘘つけ!と思った。にょっ記かにょにょっ記か忘れたが2~3回ほど人の耳を舐める想像をしていたはず。これは別に恥ずかしいとかは無いのか。ほむらさん面白い人だな〜
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にょにょは公共の場で読める日がにょに比べたら多いです。それでもにやにやします。
バスローブの人と知り合ってた事があって穂村さんの疑問点の答えは全てYESなのですが、だからといって慣れはしなかったのでわたしもバスローブの人にはなれません。
あと、「語彙が無いから聞き取れない」にハッとしました。そうだ…!
今回の解説「偽ょ偽ょつ記」は西加奈子さん。ラスト3日が特に良いです。狐手、穂村さんは牛のつもりだったのは確かにわからない。それになぜ別れの挨拶のときの手が牛なんだろ……
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初めての穂村弘さんの本。
「不思議でファニーな世界へようこそ」という紹介文がピッタリの内容でした。クスッと笑えるどうでもいい内容で癒されました。
ほぼほぼ変わった着眼点なのですが、バスローブについては同感!
穂村さんが古本屋で購入した本がまたおもしろい。いわゆる昔ながらの古本屋に行ってみたくなりました。
解説代わりの西加奈子さんの「偽ょ偽ょっ記」も良かったです。
にょっ記とにょにょにょっ記もそのうち読んでみたいです。
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フェルマーの定理を読んだ後のリラックスに読み始める。
ブフッと声が出る笑い方をしてしまう。
天使というのはコドモさんのことだろうか。
よくもまぁ、こんなふうに考えるよな、と呆れてはブフッ。コレよりはまぁましか、と思ってはグフッ。
でも実は解説の西加奈子の偽ょ偽ょっ記が最高だった!
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穂村弘さんの着眼点や視点にはっとさせられたり、にんまりしたり、クスッとさせられたり。
印象的だったのは、辞書のカバーの色。
派手な色はなく、くすんだ色が多いのはたしか。気にもしていなかった。
何故だろう。
巻末あとがきが、西加奈子さんなのも嬉しい。
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前作に続き、笑わせてもらいました。
穂村さんの妄想力が凄すぎて…笑
妄想が始まったら、読んでるこっちまでその世界へ→そして、元々何の話をしてたのか分からなくなるという…これが何故か快感!
穂村さんにかかれば、何を見ても、何を聞いても愉しいんだろうなぁとしみじみ…
好きだなぁ、この人。
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むちゃくちゃ好きでした。説明するのも野暮なくらい。短い言葉にエッセンスがつまっていて笑ってしまう。もっと肩の力を抜けるんじゃないかと思えてくる。ありがとうございました。
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正直に言います。冊数稼ぎのために手に取りました。実際、1時間もかからずに読むことができます。
だけど。笑った笑った。直前に読んだ本があまりにヘヴィーで(好きなんですけど)、ずどんと落ち込んでいた気持ちを一気に明るくしてくれました。
歌人の穂村さんの書くものは、歌だけじゃなくて何でも楽しい。日記形式の本作は、どこまでがホントなのだか、もしかしたら『現実入門 ほんとにみんなこんなことを?』のようにすべてがホラなのかも。しかし『絶叫委員会』のようにふきだしてしまうことも多数。いやはや楽しい。
この人が言うと、たとえ下ネタでも下品にならないのがすごい。金玉挟まれて「ぎゃん」という、この経験は女性たちは知らんだろうと胸を張りつつ、でも女性の知っていることで男性の知らんことのほうが多いはずと、きっちり女性をフォローする。だから女性に人気があるのかも。そう言われると思い出す、生理用品のCM。「2日目でも安心」というフレーズを聞いて、「2日目ってどうなるん!?」と本気でおののいていた男性がいました。すごいんですよ、2日目(笑)。
解説に代えた西加奈子の日記も傑作で、穂村さんと東さんの歌のやりとり『回転ドアは、順番に』にあまり乗れなかった私は、穂村さんと西さんの交換日記のほうが読みたいと思いました。
息抜きにと思って読んだら、息抜き以上に効果のある作品。これでまたヘヴィーなやつを読める。
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ああほむほむはかわいいなあ。やっぱりかわいい。
穂村さんは、本当は、現代短歌を率いる偉大な存在で、そんな威厳ある地位にふさわしい知性を持つ偉大な人物なのに(真面目な文章には本当に感銘を受ける!)、西さんの言うとおりいつもどきどきしている。もっとどしんとしててもいいのに、緊張してるし、驚いている。
「穂村さんをどんどんみくびりたくなる」、そこに共感してしまった西さんの偽ょ偽ょっ記もとてもすてきでした。
ほむほむ、どうかいつまでもそのままで。わたしもおもしろい古本を見つけるね。
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「にょにょにょっ記」がとても面白かったので、さかのぼってこれを。期待通り楽しめたんだけど、これは何と言っても西加奈子さんによる解説代わりの「偽ょ偽ょっ記」が最高だった。穂村さんのより笑えた。解説がこんなに面白くていいのだろうか。ボリュームもあるし、文庫で読んですごく得した気分。
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寝る前の一時、数ページだけ読むには最高のこのシリーズ。とにかく短くて、でもどの日記も必ず光るものがある。
強いて言えば、天使のキレ(?)が「にょっ記」に比べてわずかにダウンしてたかも。
それでも「明日は自分にも何か面白いことがあるかも」と、気分よく眠りにつける素敵な本だ。
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力が抜けた妄想日記。いや、にょっ記か。「にょっ記」と変わらず、心を軽くしてくれるような本です。
みんながこんな感じで肩の力を抜いたら社会が明るくなるような気がしますし、社会が成り立たなくなるような気もします。私自身としては、古本で楽しむ姿勢を少し真似してみようかしら。
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「にょっ記」に続き、やはり現実なのか空想なのか区別のつかない本文。(良い意味で) 実際に起こったことから空想の世界に入り込む箇所もあって、漫画を読んでるときみたいにわくわくと楽しくなって、次は次は、と急いでページをめくったらあっという間に読み終わっていた。休足時間が麻薬を隠すのに使えるんじゃないかという発想、すごい。
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再読。
要所要所で「ニヤリ」となる穂村弘さんのネガティブさ。でも、「にょっ記」ほどのインパクトはないんだよなー。
友人の母親の「タカオって誰?」に、また電車で読んでたので盛大に吹きそうになった。
Posted by ブクログ
一瞬で読み切ってしまう文量で、少し物足りない。
にょっ記とにょにょにょっ記なるものがあるらしいので、読みたい。
深いこと何も考えずぼんやり読めるのがいい。
後半、解説代わりに西加奈子さんが穂村さんと似た調子で日記を書いていて嬉しかった。
Posted by ブクログ
岸本佐知子さんとか、穂村さんとか、世の中をこういう目で見られる人は、脳内がどうなっているのだろう?と思いながら、ニヤニヤしながら読みました。ただ、最近の穂村さんはやや私と感覚がずれてきて(私の方に、ですよ)なんとなく違和感があります。昔の本を読みました。