穂村弘のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
有名無名年齢性別既婚未婚等一切不問のファックス&メール短歌の会「猫又」。穂村&東の人気歌人ペアと「猫又」主催者が、短歌について語ります。
このシリーズ(もう一冊は『短歌があるじゃないか。』)のおかげで、私は短歌に目覚めまることができました!
というわけで、まずはお礼を言いたい。どうもありがとうございます。
いやー、短歌がこれほど面白いものだとは知らなかった。
というか、この本を読むまでは、一体何が短歌の良し悪しなのか、そもそも自分が短歌を良い・悪いで判断できるのかすらわからなかった。
でも、このシリーズを読み進めていくうちに、自分が短歌を読める(詠めるではなく)ことがこんなに面白いものな -
Posted by ブクログ
穂村弘さんと彼の憧れの方々との対談集(2014~2015に連載の内容)。お相手は谷川俊太郎、宇野亞喜良、横尾忠則、荒木経惟、萩尾望都、佐藤雅彦、高野文子、甲本ヒロト、吉田戦車という錚々たる方々である。
穂村さんは自分より10歳近く年上だが、同じ時代を追いかけてきたという感覚はあり、いずれの対談も共感するところが多かった。驚いたのは、佐藤雅彦さんが穂村さんの文章を写経していたという話。他にも、萩尾望都さんの「11人いる!」の続編のネタバレとか。
また、期せずして、YouTubeチャンネル「三宅書店」で高野文子さんの『るきさん』が紹介されていたのを観て、共時性を感じた。読んでみようと思う。 -
Posted by ブクログ
神保町の古本市で、たまたま立ち寄った店でたまたま見つけ、たまたま知っていた「穂村弘」という名前(永井玲衣さんの本で見かけた)と、たまたま見たことのあるフジモトマサルさんのイラスト(村上春樹さんの本で知った)と、たまたま西加奈子さん(好きな作家の1人)の文も収録されていることもあり手に取った。
穂村さんの「歌人」という肩書きからすると、最初の一冊として読むのは変化球なのかもしれない。蕎麦屋のカレーみたいなものか。でも「この人の話は面白いな」と思うには充分すぎる内容だった。これだから古本探しはやめられない。
本との出会いは人との出会いに似ている。たまたま知り合った人の話がとんでもなく面白かった -
Posted by ブクログ
ビックリしたのが若い人だと思ってたけど、読み進めて、あれ?60代超えてるの?と思った。文章がおじさんらしくなくスッキリで説教くさくない、おじさん特有の自虐的卑屈さもなくヘヘっと笑ってそうな文章力が魅力的な人。
それを踏まえて奥様とのやりとりもチャーミングでお互いをよく見ていてよく話を交わして、よくある真実の愛や愛してる心から!なんて愛を語る事はハリボテでこの二人の間にある事こそが、愛というべきものだと思う。
唐突な話をしてもよく聞いて、見ている世界が違っても受け入れて、謎だとしても謎だなぁとしみじみして、こんなに話をしている二人なのに、ずっと一緒だったのにこんな事知らなかったと新たな相手の側面 -
Posted by ブクログ
短歌自体はあまり読まないし詠まないのですが、穂村弘さんの短歌に対する優しいコメントが好きです。
はじめて穂村さんのエッセイを読んだけど、面白かった。
穂村さんはけっこうダメ人間な感じで四十代まで来て、「社会の片隅で、役に立たない自分が役に立たないことばかりを考え続けた結果が、現在のものを書く職業につながっているのかもしれません」と書いてある。
「けれども人間の最終的な目標は生きるのほうのはずです。多くの人が死ぬときに後悔するのは生き延びることに資源を割き過ぎたということなんですね。「もっと純粋に生きることに熱中すれば良かった」と思う。」
ゆっくりと考えさせられました。 -
Posted by ブクログ
歌人・穂村弘のエッセイ
本作は、北海道新聞で連載中の「迷子手帳」をまとめたものです。
・世界がゆがむ
嘘がもつ暴力性のお話。といっても嘘には物理的な暴力の力はない。嘘が発覚したときのあのぐにゃりと現実がゆがむような気持悪いあの感覚、それは嘘がもつ怖さのひとつ。
・恥ずかしい記憶
誰もがひとつや二つ持ってる忘れたいほど恥ずかしい記憶。特にそれが自我大爆発期の学生時代のものとなると恥ずかしさレベルもグンと上がるというものです。でも、不思議なもので、他人のそうした記憶の話は涙が出るほど笑えるものがあったりあします。穂村さんのそれもなかな面白いお話なので、このエピソードは人前では読まないように。