穂村弘のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
著者の穂村弘が「ふと思い出して嬉しくなったり、たまたま目に飛びこんできて「いいな」と思った歌」を集めた本。
右のページに短歌が1首掲載されていて、左のページに著者の解説などが、書かれている。
通常のアンソロジーと違う点は、プロの歌人だけでなく一般の人が新聞の短歌投稿欄に送った短歌なども紹介されている点だ。
本書で掲載されている短歌をいくつか紹介したい。
結婚はタイミングだと言われた日 独りの部屋でおなら出し切る カン・ハンナ『まだまだです』
この短歌の解説には、「表現への踏み込みに作者の気迫を感じる」とあり。
前科八犯この赤い血が人助けするのだらうか輸血針刺す 金子大二郎「日経歌 -
Posted by ブクログ
2007年の本なのに、とても今っぽいなー。
“ときめきがやすらぎに変わるなら”っていうフレーズ、すごくグッときたなー。
“職業選択の自由が自己実現へのプレッシャーを逆に高めたように”っていう言い当てドキッとしたなー。
“目の前の出来事を主体的に引き受けてひとつひとつ片づけてゆく人間と、そこから逃げ続ける人間の能力差は歳を経るごとに大きくなってゆく”って文章に早く出会えてたらなー。
ひらがなで綴るフレーズの小気味よさ、多様性を叫ぶようなったその弊害、ゆとりとさとりの価値観を串刺しにするような戒め、ソフトに笑える“ふてほど”感(時代錯誤感)もあったりするけど、とにかく今を表現してるのではと思わせる -
Posted by ブクログ
人気歌人であり、エッセイストである穂村弘のエッセイ集。ときに笑わせてくれ、ときに驚き、そしてときにしんみりできるエッセイの数々。俺は以前、著者の『世界音痴』を読んだことがあるが、さらにパワーアップしていると感じた。
ブク友のまことが、このエッセイに頻繁に登場する著者の奥様のキャラクターがかわいらしいと言ってたと思うが、俺もその意見に激しく同意する。行動が純粋無垢な感じで面白い。
夏に参加した山形文学講座で著者は「短歌とエッセイは出口が違います」という内容のことを言っていた。出口というのは起承転結の「結」かなあと思う。エッセイには必ずこの「結」がある。著者のエッセイは、この「結」にいたるまで -
Posted by ブクログ
死に関する小説や著名人の死の間際の発言、詠んだ歌などを挙げながら、自分なりの「幸福」を想定できれば、「幸福な死」への第一歩になり得るのではないか、という展開が広がる本
印象的なフレーズ
「気がついたら、今週は 1回も信号で引っかかっていない」みたいな短歌を見たことがあってさ 。(中略)「この都合がいいことはありえない 実はもう死んでるんじゃ?」的な想像が働いてしまう。天国には青信号しかないみたいなイメージというか。
この本を読んで、死について詳しくなったということはないが、親の死に目に遭いたくないと思ってましたが、遭うのもありなのかもしれないと考えるきっかけになりました、 -
Posted by ブクログ
穂村さんって色んな本を読んでるんだなあ。
この本を読んで連想した次の本…というふうに流れていくので、穂村さんの頭の中を覗いているみたいで面白かった。
なるほど、と思ったのが、詩とミステリーの関連性。
「どちらも謎でできている」、という穂村さんの解釈。
なるほど、詩、短歌、俳句ではありのままの表現をしない、というのは、最近穂村さんの本を読んでいて繰り返し感じたことだが、ミステリーのように謎解きの感覚で作られているとは。そしてその謎解きは、それぞれの頭の中にある解釈で良い。
1字の言葉選びにこだわる世界。
穂村弘さんのファンになって、韻文の面白さをどんどん知れて嬉しい。