穂村弘のレビュー一覧
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7月28日に私の地元の小説家養成講座に歌人の穂村弘さんが講師としていらっしゃるのでちょっと予習です。
「短歌ください」「ほむほむのふむふむ」「日経歌壇」などで穂村さんに選ばれるのは凄い倍率で至難の業だと思いますが、地元の講座は主要メンバーは小説家志望者ばかりなので短歌は狙い目です。(もしかして地元の短歌サークルなどが参加されることが考えられますが)たぶん倍率はもの凄く低いと思われます。
この本を読んで感じたことは、穂村さんの選ぶ歌は、まだ誰も気づいていない何かに気づいた人の歌が多いなあということ。
私のようにあるものをそのまま詠んだ歌は皆無ではないかということ。
今から対策して、作風を変える -
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この歌たちが詠まれて時代を少し過ぎた今でもぶっとんでいると思えます。
連作で読むと凄い!と思うところもありました。
ので、順番通りに並べます。
「ドライ ドライ アイス」
<月の夜の暴走族は蜜蜂のダンスを真似て埋立地まで>
<チューニング混じるラジオが助手席で眠るおまえにみせる波の夢>
<風の交叉点すれ違うとき心臓に全治二秒の手傷を負えり>
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<スニーカーの踵つぶして履く技を創り給いしイエス・キリスト>
<星座さえ違う昔に馬小屋で生まれたこどもを信じるなんて>
<お遊戯がおぼえられない君のため瞬くだけでいい星の役>
<お遊戯がおぼえられない僕のため嘶くだけでいい馬の -
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ひとつひとつはすごく短いのだけれどその全てのオチのつけかたが天才すぎる。気にしすぎだよ、と思う部分も多いけどそれがこの作者の感性なんだろうな、本当に繊細だよ、、それでいてだいたい全て、読み終わった後に心が温かくなるというか、軽くなるのですごい。折に触れて読み返したい掌集。
「パッチワーク博士」「永久保存用」「心と爪先」「東大でいちばん馬鹿な人」「スピーチ」とか好きだった。
⚫︎あらすじ
永久保存用 いちばんヨクキク随筆集
人気歌人にして、エッセイの名手・穂村弘の、もっともセンシティブな部分を収録したエッセイ集。自称“ふわふわ人間”穂村弘のあたふたっぷりに共感しつつ、その鋭い自分観察と分析は、 -
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「短歌ください」の第二弾です。
穂村さんの選ぶ歌はちょっと一癖ある歌が多い気がしました。
私の平々凡々な頭ではとても思いつかない歌ばかりだと思います。
現在、歌人としてご活躍中の木下龍也さん岡野大嗣さん、鈴木晴香さんらのご活躍もあります。
17歳の少年歌人として投稿されていた寺井龍哉さんが文庫の解説を書かれています。
とにかく、歌を載せますのでお時間のある方は読まれてみてください。
<革靴を買うと偽り二時間のロマンポルノを観た十五の夏> (寺井龍哉・男・17歳)
<ともだちの家に今夜は泊まるけど何もいらないぜーんぶ借りる> (平岡あみ・女・16歳)
<午前2時裸で便座を感じて -
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ネタバレ先輩に薦められた一冊。
私が手に取ることはなかったであろう一冊。
こういう本を読む自分なんか、これっぽっちも想像できなかったけど、人に薦められたからにはと、重い腰を上げてみた。
上がる重さで本当に良かった。
ありきたりな表現だけれども、いつか「人生に影響を与えた本は何ですか?」と訊かれたら、この本の名前を呼んでいる自分が想像できる。
第1講第1節からグッと引き込まれた。
そして、「「生きのびる」ための言語体系から「生きる」ための言語体系にシフトする」ことと、私たちの二重性について書かれた第1講第5節。
そんな二面の違いとは、「忘れられないかどうか」という尺度と、そっちにシフト出来ない自分との -
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レビューを見て読んでみました。とても面白いエッセイです。うんうん、分かる、分かりますっ、という笑える話ばかり。
私が特に面白いと思ったのは、四つの話。
『辞書にない文字』
この話が私が一番面白いと思った。どうしても覚えられない名前がある、間違えて覚えてしまって正しい名前とゴチャゴチャになって造語を作ったりなど、「まさに私だよ。」と思った。奥さんのチーズの話も一緒。近いところまでいくのに、どうしても正しい名前が出てこない。いつもちょっと違う。
『正直な人』
私はどうも似合わない気がするけど、本人はとても気に入ってて自慢気に見せてくる時がある。私はそういう時正直に言えなくて困ってしまう。違う -
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この本は以前地元の文芸の講座に穂村弘さんをお迎えしたときに、予習として単行本を買って読もうとしたのですが、その時はおそらく通読できなかった本です。
初版の2015年発行のものを買っているので9年程前になるかもしれません。
今、少し短歌を勉強して、やっと最後まで読めたという感じです。
『群像』誌上に連載していた「現代短歌ノート」をまとめたものだそうです。近現代の名作から中学生の投稿歌までテーマごとに気になる短歌を集めて、あれこれ考えてみられたそうです。
穂村さんの『はじめての短歌』に「現代短歌ノート」に引いた例歌を挙げて話した部分があるそうで、だから最近読んだ短歌や改悪例が載っているのかと思 -
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ガチャポンというタイトル通り、いろんな人のいろんなシチュエーションにおける技法も年代もごちゃまぜの短歌集。最初に25句が解説なしで、挿絵とともに一ページに一句ずつ載っていたので、やばい、意味わかんないと焦ったら、そのあと全句(その25句も含め)解説付きで載っていた。全く意味が分からないと悩んだ句も、穂村弘さんもこういうことかな?みたいな解説だったので、なんか安心。
私の好みでカシャポン当たり句
「おふとんでママとしていたしりとりに夜が入ってきてねむくなる」松田わこ
「前科八犯 この赤い血が人助けするのだらうか輸血針刺す」金子大二郎
「ラジオ体操の帰りにけんかしてけんかし終えてまだ8時半」伊舎堂