穂村弘のレビュー一覧
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ネタバレ先輩に薦められた一冊。
私が手に取ることはなかったであろう一冊。
こういう本を読む自分なんか、これっぽっちも想像できなかったけど、人に薦められたからにはと、重い腰を上げてみた。
上がる重さで本当に良かった。
ありきたりな表現だけれども、いつか「人生に影響を与えた本は何ですか?」と訊かれたら、この本の名前を呼んでいる自分が想像できる。
第1講第1節からグッと引き込まれた。
そして、「「生きのびる」ための言語体系から「生きる」ための言語体系にシフトする」ことと、私たちの二重性について書かれた第1講第5節。
そんな二面の違いとは、「忘れられないかどうか」という尺度と、そっちにシフト出来ない自分との -
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レビューを見て読んでみました。とても面白いエッセイです。うんうん、分かる、分かりますっ、という笑える話ばかり。
私が特に面白いと思ったのは、四つの話。
『辞書にない文字』
この話が私が一番面白いと思った。どうしても覚えられない名前がある、間違えて覚えてしまって正しい名前とゴチャゴチャになって造語を作ったりなど、「まさに私だよ。」と思った。奥さんのチーズの話も一緒。近いところまでいくのに、どうしても正しい名前が出てこない。いつもちょっと違う。
『正直な人』
私はどうも似合わない気がするけど、本人はとても気に入ってて自慢気に見せてくる時がある。私はそういう時正直に言えなくて困ってしまう。違う -
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この本は以前地元の文芸の講座に穂村弘さんをお迎えしたときに、予習として単行本を買って読もうとしたのですが、その時はおそらく通読できなかった本です。
初版の2015年発行のものを買っているので9年程前になるかもしれません。
今、少し短歌を勉強して、やっと最後まで読めたという感じです。
『群像』誌上に連載していた「現代短歌ノート」をまとめたものだそうです。近現代の名作から中学生の投稿歌までテーマごとに気になる短歌を集めて、あれこれ考えてみられたそうです。
穂村さんの『はじめての短歌』に「現代短歌ノート」に引いた例歌を挙げて話した部分があるそうで、だから最近読んだ短歌や改悪例が載っているのかと思 -
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ガチャポンというタイトル通り、いろんな人のいろんなシチュエーションにおける技法も年代もごちゃまぜの短歌集。最初に25句が解説なしで、挿絵とともに一ページに一句ずつ載っていたので、やばい、意味わかんないと焦ったら、そのあと全句(その25句も含め)解説付きで載っていた。全く意味が分からないと悩んだ句も、穂村弘さんもこういうことかな?みたいな解説だったので、なんか安心。
私の好みでカシャポン当たり句
「おふとんでママとしていたしりとりに夜が入ってきてねむくなる」松田わこ
「前科八犯 この赤い血が人助けするのだらうか輸血針刺す」金子大二郎
「ラジオ体操の帰りにけんかしてけんかし終えてまだ8時半」伊舎堂 -
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「天国に行くよ」と兄が猫に言う 無職は本当に黙ってて 山川藍
ふと本屋さんで手に取り立ち読んだ一冊
単行本冒頭に掲出されたこの句にやられてしまいました
その日は買わずに帰ったのですが、数日たっても忘れられず結局購入
バラエティに富んだ短歌100首、とても面白い一冊でした
……というか、100首どころじゃありません
穂村先生の解説欄に頻繁に引用句が登場するものだから、最終的には200首くらい載っているのでは?ってな印象
句を読んだ感想も、穂村先生の解説とは全然違う事を感じたり、なんなら一日置いて読み返しただけで初読時の自分と全然違う事を感じたりと、ずっと手元に置いて読み返したい作品集でした -
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2019年刊行された『あの人に会いに 穂村弘対談集』の文庫化。横尾忠則さんが装幀という豪華さ!
本当に穂村さんの心が躍っていたんだろうなあという様子がわかる対談で、読んでいる自分も本当にワクワクする。「昔から憧れていた人たちと一緒に仕事ができるようになって、いま嬉々として会いに行っている」
憧れの気持ちが隠し切れない表情のモノクロ写真がまたご褒美。相手との距離感や姿勢、眼差しが素敵。対談相手の世界観、秘密を引き出してくれて、インタビュアーとしての穂村さんの素晴らしさに触れることもできる。日経歌壇の穂村さん評の書き写しをされたという佐藤正彦さん直筆ノートに感激。高野文子さんの新刊がでるたびに -
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鳥肌が立つような「怖いもの」がテーマのエッセイ。私はホラー苦手派だけど、大丈夫な系の怖さです。たしかにぞわっとしたりもするんだけど、なんだか笑える。
あらためて眺めてみると、この世は不思議に溢れているんだなあ。
楽しく読んでいただけなのに、自然と臆病な人の素敵なところが見えてきた。
些細なものも含めて色々なものを怖がる穂村さんは、すっごく臆病。でも、そんな穂村さんだからこそ見えてくるものがあって、感性があるのがわかる。
めちゃくちゃ怖がりだとしても、あるいはこの世が怖いものだらけだとしても、別にいいんじゃないかな。むしろそのままであってほしいくらいかも。と人生で初めて思えた。
私も、ホラーが -
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ネタバレ2003年刊行の歌集『ラインマーカーズ』に単行本未収録の『ピリン系』『手紙魔まみ、教育テレビジョン』の連作を加え文庫化。
表紙のLinemarkersの文字は、装丁を請け負った名久井直子さんが、以前文通していた外国の男の子の手紙の文字を切り貼りして仕上げたそうだ。
よく見ると“k”が“R”にも見えていて、そこがこの歌集にぴったりだと思う。
間違った“聖書”ということなのだろうか。
穂村弘さんの単独歌集を読むのはたぶんはじめてだと思うが、穂村さんが影響を受けたという少女漫画みを強く感じた。
そういう目で見るからかもしれないけれど、特に私も大好きな大島弓子さん色が強い。
脆くて強い、理想の“女の -
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2003年単行本を歌集未収録連作を加えて文庫化。レビュー書けず積読状態でした。
名久井直子表紙装丁デザインの秀逸さ。穂村さんの歌の余韻が残る。
一首一首が濃厚で、自分の中の何かと外界とをつなぐような異次元穂村ワールド。上の句と下の句の組み合わせが衝撃的。
夏の歌ばかりを抜粋してみた。他の季節よりも増して内的不穏を抑えきれない、不可解さも混じる。読むたびに新鮮な驚きがある。私の勝手な解釈ご了承ください。
『ドライドライアイス』
弟よ 目醒まし時計を銀紙でくるめ夏休みの始まりだ
(銀紙に包まれたお菓子、駄菓子屋へ通った幼き頃の自分と兄弟との夏が始まるワクワク感を郷愁を帯びて眩しく思いだされた)