国内小説 - アルファポリス作品一覧

  • 拾ったのが本当に猫かは疑わしい
    5.0
    七年付き合った彼氏に振られた帰り道、黒い塊を拾った薫。シャワーを浴びせ綺麗にしてみると、その黒い塊は人語を喋る猫であった。薫は、自分のことを猫だと言い張るヘンテコ生物をモドキと名付け、一人と一匹の奇妙な共同生活がスタートする。さらにある日、モドキがきっかけで、猫好きな獣医学生の隣人、柏木と交流が始まり――やたらオヤジ臭い猫(?)に助言をもらいつつ、どん底OLが恋愛に仕事に立ち向かう。ちょっぴり笑えて心温まる、もふゆるストーリー。
  • 朱華国後宮恋奇譚 偽りの女帝は男装少女を寵愛する
    5.0
    治癒の力を持つ一族に生まれ、『病身の女帝のため』と弟を殺された翠蘭は、彼の仇を討つため男装して弟の名を名乗り、男女逆転した後宮である男後宮に潜入を果たす。しかしその先で、現在の女帝・美帆こと憂炎は訳あって女性のふりをしている男性であること、誰かが女帝の名を騙っていたことを知る翠蘭。真実を探るための隠れ蓑として『女帝のお気に入り』となるが、憂炎は影日向なく翠蘭に優しく接してきて――
  • 砂漠の国の最恐姫 アラビアン後宮の仮寵姫と眠れぬ冷徹皇子
    5.0
    砂漠の国アザリムの豪商の娘・リズワナ。女神のような美貌と称えられる彼女は、その見た目からは想像できない一面を持っている。実はリズワナには、数百年前に生きた最恐の女戦士の記憶があるのだ。彼女はひょんなことから第一皇子・アーキルに出会う。リズワナは、実は不眠の呪いに苦しんでいるという彼を眠らせることに成功。すると、彼の後宮に入るようにと言われた!? なんと、リズワナは彼の呪いを解くことができる「彼が前世で愛した相手」らしくて……。想いが交錯するアラビアンラブファンタジー、開幕!
  • 虐げられた無能の姉は、あやかし統領に溺愛されています
    5.0
    家では虐げられ、女学校では級友に遠巻きにされている初音。それは、異能を誇る西園寺侯爵家のなかで、初音だけが異能を持たない「無能」だからだ。妹と圧倒的な差がある自らの不遇な境遇に、初音は諦めさえ感じていた。そんなある日、藤の門からかくりよを統べる鬼神――高雄が現れて、初音の前に跪いた。「そなたこそ、俺の花嫁」突然求婚されとまどう初音だったが、優しくあまく接してくれる高雄に次第に心惹かれていって……。あやかしの統領と、彼を愛し彼に愛される花嫁の出会いの物語。
  • 仕舞屋蘭方医 根古屋冲有 お江戸事件帖 人魚とおはぎ
    5.0
    与力見習いの犬飼誠吾は、今日も神田のとある仕舞屋の戸を叩く。ここに居を構えるは、蘭方医の根古屋冲有。興味があることにのみまっしぐらでそれ以外には目もくれない変わり者である。が、頭が切れる上に医術の腕は確かだ。誠吾はお江戸の町で見聞きした事件を解決するため、少しばかりの甘味を手土産に冲有の知恵を借りに来る。小正月も過ぎたある晩、日本橋の薬種問屋で火事が起こる。その火事を皮切りに、町で妖(あやかし)の名を騙る事件が連続して起こり始める。そしてそれぞれの事件の裏には、確かな悪意が見え隠れしており――
  • この心が死ぬ前にあの海で君と
    5.0
    母親との関係がうまくいかず、函館にある祖父の家に引っ越してきた少女、理都。周りに遠慮して気持ちを偽ることに疲れた彼女は、ある日遺書を残して海で自殺を試みる。それを止めたのは、東京から転校してきた少年、朝陽だった。言いくるめられる形で友達になった二人は、過ぎゆく季節を通して互いに惹かれ合っていく。しかし、朝陽には心の奥底に隠した悩みがあった。さらに、理都は自分の生い立ちにある秘密が隠されていると気づき──
  • 独り剣客 山辺久弥 おやこ見習い帖
    5.0
    本所・松坂町に暮らし、三味線の師匠として活計を立てている岡安久弥。しかしひとたび刀を握れば、鬼神のごとき戦いぶりを見せる一刀流の使い手だ。大名家の庶子として生まれ、市井に身をひそめ孤独に生きてきた久弥だが、ある転機が訪れる。文政の大火の最中、幼子を拾ったのだ。名を持たず、居場所をなくした迷い子との出会いは、久弥の暮らしをすっかり変えていく。思いがけず穏やかで幸せな日々を過ごす久弥だったが、生家に政変が生じ、後嗣争いの渦へと巻き込まれていき――
  • 明治あやかし夫婦の政略結婚
    5.0
    動乱を経て世は変わり、時代は明治。理想の令嬢と呼ばれる眞宮子爵令嬢、奏子には秘密があった。それは、巷で大流行中の恋愛小説の作者『槿花』だということ。世間にバレてしまえば騒動どころではない、と綴る情熱を必死に抑えて、皆が望む令嬢を演じていた。ある日、夜会にて密かに憧れる謎の美男美女の正体が、千年を生きる妖狐の姉弟だと知った彼女は、とある理由から弟の朔と契約婚をすることに。仮初の夫婦として過ごすうちに、奏子はどこか懐かしい朔の優しさに想いが膨らんでいき――!? あやかしとの契約婚からはじまる、溺愛シンデレラストーリー。
  • 瞬間、青く燃ゆ
    5.0
    最愛の彼女を喪い、無意味な人生を送っている春野律。彼女の死から、他人の顔にモヤがかかり、その色で感情がわかってしまう「心視症」に苦しんでいた。そんな律の前に後輩の市川麻友が現れた。なぜか、彼女の顔にはモヤがかかっていない。麻友は律を更に驚かせることを言った。「知らない人に追いかけられているんです」ストーカーに殺された彼女の面影を重ねた律は、麻友を助けようとし……。この出会いで、あの時から止まっていた時間が再び動きはじめる――!
  • 視えるのに祓えない~九条尚久の心霊調査ファイル~
    5.0
    「捨てるなら、私にくれませんか」。母親の死、恋人の裏切り――絶望に打ちひしがれた黒島光は、死に場所として選んだ廃墟ビルで、美しい男に声を掛けられた。九条と名乗るその男は、命を捨てるくらいなら、自身の能力を活かして心霊調査事務所で働いてみないかと提案してくる。しかも彼は、霊の姿が視える光と同様に『見えざるもの』を感じ取れるらしく、それらの声を聞いて会話もできるとのこと。困惑しつつも、初めて出会った同じ能力を持つ彼が気になり、光はしばらく共に働くことを決めるが……
  • 春の真ん中、泣いてる君と恋をした
    5.0
    両親の離婚で、昔暮らしていた場所に引っ越してきた奏音。新しい生活を始めた彼女が出会ったのはかつての幼馴染たち。けれど、幼馴染との関係性は昔とは少し変わってしまっていた。どこか孤独を感じていた奏音の耳にふとピアノの音が飛び込んでくる。誰も寄りつかず、鍵のかかっているはずの旧校舎の音楽室。そこでピアノを弾いていたのは、隣の席になった芹生誠。聞いていると泣きたくなるようなピアノの音に奏音は次第に惹かれていくが――
  • 私と継母の極めて平凡な日常
    5.0
    高校二年生の由依は、幼い頃に両親が離婚し、父親と一緒に暮らしている。だけど家庭を顧みない父親はいつも自分勝手で、ある日突然再婚すると言い出した。そのお相手は、三十二歳のキャリアウーマン・琴子。うまくやっていけるか心配した由依だったけれど、琴子は良い人で、程よい距離感で過ごせそう――と思っていたら、なんと再婚三か月で父親が失踪! そうして由依と琴子、血の繋がらない二人の生活が始まって……。大人の事情に振り回されながらも、たくましく生きる由依。彼女が選ぶ新しい家族のかたちとは――?
  • 後宮の隠し事 嘘つき皇帝と餌付けされた宮女の謎解き料理帖
    5.0
    仕事を押しつけられて食事にありつけず、いつもお腹をすかせている後宮の下級女官・笙鈴。ある日、彼女は正体不明の料理人・竜から、こっそり食事を食べさせてやる代わりに皇女・氷水の情報収集をしてほしいと頼まれる。なぜ一料理人が皇女のことを知りたがるのだろう――そう疑問に感じつつも調査を進めていく笙鈴だったが、氷水と交流を重ねるうちに、華やかな後宮の裏でうごめく妖しくも残酷な陰謀に巻き込まれていくのだった。
  • 紅国後宮天命伝 ~星見の少女は恋を知る~
    5.0
    両親を流行り病で亡くし、当主の兄も失踪したため、母の親友でもあった女道士・桜綾に弟子入りした花琳。そんな師弟のもとに、ある日、かつての兄と同じく皇太子直属の部下らしい哉藍が、後宮での幽霊騒ぎを依頼しにやって来る。皇太子妃候補として集まった娘たちが後宮で幽霊を見たと言って怯えているというのだ。新たな妃候補のふりをして潜入することになった花琳が、哉藍の協力を得て辿り着いた、後宮の真実とは――
  • 3日戻したその先で、私の知らない12月が来る
    5.0
    三日間だけ時間を巻き戻す不思議な能力「リワインド」を使うことのできる、女子高校生の煮雪侑。侑には、リワインドではどうすることもできない幼少期の苦い思い出があった。告白できないまま離れ離れになった初恋の人、描きかけのスケッチブック、救えなかった子猫――。そんな侑の前に、初恋の人によく似た転校生、長谷川拓実が現れる。明るい拓実に惹かれた侑は、過去の後悔を乗り越えてから、想いを伝えることにした。告白を決意して迎えた十二月、友人のために行ったリワインドのせいで、取り返しのつかない事態が起きてしまい――!? 「第5回ライト文芸大賞」大賞受賞作。
  • 敵は家康
    5.0
    アルファポリス第6回歴史・時代小説大賞特別賞受賞作! 礫投げが得意な若者・弥七は陰(ほと)と呼ばれる貧しい集落で、夢も希望もなく、地を這うように生きてきた。あるとき、図らずも自らの礫で他人の命を奪ってしまったことで、元盗賊のねずみという男とともに外の世界へ飛び出す。やがて二人は、作事集団の黒鍬衆(くろくわしゅう)の一員として、尾張国の砦造りに関わるようになる。それは弥七にとって、人生で初めての充実した時間だった。だが、尾張を狙う今川義元が領主・織田信長に戦を仕掛けたことで、そんな日々は終わりを告げる。弥七のいた織田領の丸根砦に、大軍が攻めてきたのだ。弥七は織田の兵とともに、戦うことを決意する。しかし、その大軍を率いるのは松平元康、のちの天下人・徳川家康で――。桶狭間の合戦前夜、名もなき青年が戦国の世を駆け抜ける!
  • 姫様、江戸を斬る 黒猫玉の御家騒動記
    5.0
    由緒正しき大名家・鵺森藩の一人娘でありながら、剣の腕が立つお転婆姫・美弥。そして、その懐にいるのは射干玉色の黒猫、玉。とある夜、美弥は玉を腕に抱き、許婚との結婚を憂い溜息をついていた。とうに覚悟は出来ている。ただ、自らの剣術がどこまで通用するのか試してみたい。あわよくば恋とやらもしてみたい。そんな思惑を胸に男装姿で町に飛び出した美弥は、ひょんなことから二人の男――若瀬と律に出会う。どうやら彼らは、美弥の許婚である椿前藩の跡継ぎと関りがあるようで――?
  • 八月の魔女
    5.0
    八月一日結、十七歳。祖母から孫に引き継がれるという魔女の血を引く彼女は、高校卒業後の進路に悩んでいた。十八歳までに、祖母の跡を継ぎ魔女になるかどうかを決めなければならない。けれど、町から遠く離れた山間の村で、祖母のように暮らしていく覚悟ができないでいる。そうして答えの出ないまま、今年も、祖母の元で魔女修業をする季節がやってきた。ただ、訪れた祖母の家には、初めて見る居候の青年がいて――?
  • みちのく銀山温泉 あやかしお宿の若女将になりました
    5.0
    祖父の実家である、銀山温泉の宿「花湯屋」で働くことになった、花野優香。大正ロマン溢れるその宿で待ち構えていたのは、なんと手のひらサイズの小鬼たち。驚く優香に衝撃の事実を告げたのは従業員兼、神の使いでもある圭史郎。彼いわく、ここは代々当主が、あやかしをもてなしてきた宿らしい!? さらには「あやかし使い」末裔の若女将となることを頼まれて――訳ありのあやかしたちのために新米若女将が大奮闘! 心温まるお宿ファンタジー。
  • 九つ憑き あやかし狐に憑かれているんですけど
    5.0
    何かとツイていない大学生の加納九重は、アルバイトを探していたある日、ひょんなことから土屋霊能事務所を訪れる。そこで所長の土屋は、九重が不運なのは九尾の狐に憑かれているせいであり、憑かれた前世の記憶を思い出し、金さえ払えば自分が祓ってやると申し出た。九重は不審に思い断ろうとするものの、結局は事務所でアルバイトをすることに。次第に前世の記憶を取り戻す九重だったが、そこには九尾の狐との因縁が隠されていた――
  • また明日、君の隣にいたかった
    5.0
    自分の死ぬ日を知っている、高校生の井荻文成。彼に残された時間は半年間。「その時」をただ静かに、淡々と待っている。けれど、そんな彼の日常を壊す少女が現れた。クラスメイトの稲川衣梨奈――騒がしくて、自由奔放で、わずらわしい彼女に、振り回される日々が始まって……アルファポリス第1回ライト文芸大賞優秀賞受賞作!!
  • 中山道板橋宿つばくろ屋
    5.0
    時は天保十四年。中山道の板橋宿に「つばくろ屋」という旅籠があった。病床の主にかわり宿を守り立てるのは、看板娘の佐久と個性豊かな奉公人たち。他の旅籠とは一味違う、美味しい料理と真心尽くしのもてなしで、疲れた旅人たちを癒やしている。けれど、時には困った事件も舞い込んで――? 旅籠の四季と人の絆が鮮やかに描かれた、心温まる時代小説。
  • ぼくの初恋は透明になって消えた。
    5.0
    たった一人の写真部に所属する高校生・石見虹郎(いしみこうろう)――通称「石ころ」は、うまくクラスに馴染めず孤独な学校生活を送っていた。そんなある日、ひょんなことから知り合ったのが、クラスメイトの最上律(もがみりつ)。教室ではあまり見かけないくせに、明るく前向きな彼女と接するうちに、灰色だった石ころの世界は鮮やかに彩られていく。しかし快活に振る舞う律には、誰にも言えない秘密があって……。
  • クラスでバカにされてるオタクなぼくが、気づいたら不良たちから崇拝されててガクブル
    5.0
    クラスカースト最下位のオタク、間久辺比佐志。ある日、ガード下にスプレーで落書きをしたことがきっかけで、正体不明の落書き犯として有名になり、不良集団に目を付けられてしまう。怒り狂う彼らに捕まった間久辺は、身の安全と引き換えに、とある“頼みごと”をされる。その“頼みごと”とは、再びスプレーアート――グラフィティを描くことだった。オタク×青春×グラフィティ!? 新感覚青春群像劇!(2017年2月に「線引屋 ~ガクブル×青春×グラフィティ~」として刊行されたものを文庫化したものです)
  • 公主の嫁入り 後宮の雪は龍の道士に娶られる
    4.5
    後宮で生まれ育ち、一度も外に出たことがない孤独な公主・雪花。幼くして母を失った彼女は、先帝の娘でありながら後ろ盾をもたず、虐げられて生きてきた。そんなある日、雪花の兄・普剣帝が彼女に降嫁を命じる。相手は龍の血を引く一族の末裔・焔蓮。国のため、特別な血筋を絶やさぬよう子を成すのが自らの役目――そう覚悟を決める雪花に、夫となったはずの蓮は意外な事実を告げる。それは、この婚姻は偽りで、雪花を後宮から救い出すためのものなのだ、ということで……?
  • 白蛇の花嫁
    4.5
    戦乱の世。領主の娘として生まれた睡蓮は、戦で瀕死の重傷を負った兄を助けるため、白蛇の嫁になると誓う。おかげで兄の命は助かったものの、睡蓮は異形の姿となってしまった。そんな睡蓮を家族は疎み、迫害する。唯一、睡蓮を変わらず可愛がっている兄は、彼女を心配して狼の妖を護りにつけてくれた。狼とひっそりと暮らす睡蓮だが、日照りが続いたある日、生贄に選ばれてしまう。兄と狼に説得されて逃げ出すが、次々と危険な目に遭い、その度に悲しい目をした狼鬼が現れ、彼女を助けてくれて……
  • 大正銀座ウソつき推理録 文豪探偵・兎田谷朔と架空の事件簿
    4.5
    大正十四年、銀座。とあるカフェーで女給の千歳は窃盗事件に巻き込まれる。そこに現れたのは、事件解決のために呼ばれた探偵である兎田谷朔という男。彼の華麗な推理で、事態は収束。大団円かと思いきや――「解決さえすりゃ真実なんかいらないのさ」なんとその推理内容は、兎田谷自身が組み立てたでっち上げの真実だった! 口八丁でどんな事件も丸く収める、異色の探偵兼小説家が『嘘』を武器に不可思議な依頼に挑む。
  • 恋文やしろのお猫様 ~神社カフェ桜見席のあやかしさん~
    4.5
    縁結びのご利益のある『恋文やしろ』。元OLのさくらはその隣で、奉納恋文をしたためるための小さなカフェを開くことになった。そしてそこで、千年間恋文を神様に配達している美しいあやかし――お猫様と出会う。彼と共に人々の恋を見守るうち、二人はゆっくりと恋の縁に手繰り寄せられていき――
  • あの日、陽だまりの縁側で、母は笑ってさよならと言った
    4.5
    ネットで生まれた涙あふれる母娘小説、ついに刊行! 自由奔放な母に嫌気が差し、田舎を飛び出してひとりで暮らす綾乃。そんな綾乃の家に、ある日突然、母の珠貴がやってきた。不本意ながら始まった数年ぶりの母娘生活は、綾乃の同僚若菜くんや、隣の家の不登校少女すずちゃんを巻き込んで、綾乃の望まない形で賑やかになっていく。だが、ある時綾乃は気付いてしまう。珠貴の身体が、すでに取り返しのつかない状態になっていることに。そしてあろうことか、綾乃の身体にも――
  • あやかし薬膳カフェ「おおかみ」
    完結
    4.4
    身も心もくたくたになるまで、仕事に明け暮れてきた日鞠。ある日ついに退職を決意し、亡き祖母との思い出の街を探すべく、北海道を訪れた。ふと懐かしさを感じ、途中下車した街で、日鞠は不思議な魅力を持つ男性・孝太朗と出会う。薬膳カフェを営んでいる彼は、なんと狼のあやかしの血を引いているという。思いがけず孝太朗の秘密を知った日鞠は、彼とともにカフェで働くこととなり――疲れた心がホッとほぐれる、ゆる恋あやかしファンタジー!
  • 後宮悪女は逃げ出したい
    4.3
    冬賀国の〝厄災姫〟と遠ざけられ、兄姉からはもちろん父帝にすら蔑まれる李翠雨。つらい日々は春栄国の後宮に入ることで終わる……はずだったのに!? なんと、翠雨が妃となった春栄国の皇帝・黎翔偉の顔は、前世で彼女を殺した男に瓜二つだった! こんな男と関わるなんて、絶対にイヤ! 追放を望む翠雨はやがて思惑通り、誰もが恐れる古狸宮に送られる。周囲の憐みの視線もなんのその、もふもふ自由生活を満喫していた翠雨だが、やがて前世の名前を知る黄泉の国からの使者が現れて――
  • 気だるげ男子のいたわりご飯
    4.3
    OLの清家杏は、毎日忙殺され、エネルギー不足な日々を送っていた。しかし、そんな彼女にはとある楽しみがある。それは、金曜日の夜のご褒美ご飯だ。料理の代行サービスによって、好みのあっさり和風ご飯を作ってもらう。それが何よりの贅沢なのだ。そんなある金曜日、彼女の前に現れたのはおなじみのスタッフではなく、気だるげでちょっとぶっきらぼうな青年、郡司だった。彼の作る和食は心もお腹もあったまるほっこりご飯で――? 疲れ切った今日を癒す、いたわりご飯ストーリー。
  • 尾道 神様の隠れ家レストラン ~失くした思い出、料理で見つけます~
    4.3
    大学入学を控え、亡き祖母の暮らしていた尾道へ引っ越してきた野一色彩梅。ひょんなことから彼女は、とある神社の奥にあるレストランを訪れる。店主の神威はなんと神様の力を持ち、人やあやかしの探す思い出にまつわる料理を再現できるという。彼は彩梅が抱える『不幸体質』の正体を見抜き、ある料理を出す。それは、彩梅自身も忘れてしまっていた、祖母との思い出のメニューだった――。不思議な縁が織りなす、美味しい『探しもの』の物語。
  • 余命-24h
    4.3
    『砂状病』、あるいは『失踪病』。発症すると体が崩れて砂となり、消え去ってしまうこの奇妙な病気には、とある都市伝説があった。それは、『体が崩れてから24時間の間、生前と変わらない姿で好きな場所に行き、好きな人に会える』というもの。喧嘩別れした幼馴染に、ずっと一緒に生きていたかった愛する人に、充実した日々を共に過ごした親友に、未来ある見知らぬ誰かに、いつだって見守ってくれていた家族に……残された最後の24時間で、もう一度出会い命を燃やした人々の、切なく優しい物語。
  • この世界で僕だけが透明の色を知っている
    4.3
    桧山蓮はある日、幼なじみで優等生の茅部美晴が、教室の窓ガラスを割る場面を目撃する。突然の暴挙に驚いた蓮が思わず声をかけると、美晴は目に涙を浮かべて言った――私が見えるの? 彼女が患っていたのは「透明病」。その病は、なんの前触れもなく徐々に周りから認識されなくなることからそう呼ばれているらしい。蓮は美晴を救うため透明病について調べ始めるが、解決の糸口はつかめない。美晴の透明化が進んでいく絶望的な状況の中、蓮が出した答えとは……?
  • コンカツ!
    4.3
    学もなければ金もなく、働く意欲もゼロの浪川琴莉(なみかわ・ことり)。人生負け組の彼女が成り上がるには、玉の輿に乗るしかない。そこで勝ち組の男を捕まえるべく、彼女は日々婚活に精を出していた。そんなある日、琴莉はついに「大当たり」を見つける。有名大学出身、会社経営、年収2000万以上、端整な顔立ちに魅惑的な声。けれど――「君は欲望に忠実で頭が悪く、利己的な女だな」彼の最大の欠点は、その性格。かくして、負け犬女と性悪男の攻防戦が幕を開ける!
  • 居酒屋ぼったくり
    4.1
    東京下町にひっそりとある、居酒屋「ぼったくり」。名に似合わずお得なその店には、旨い酒と美味しい料理、そして今時珍しい義理人情がある――。全国の銘酒情報、簡単なつまみの作り方も満載! 旨いものと人々のふれあいを描いた短編連作小説、待望の書籍化!
  • ありふれたチョコレート1
    4.1
    営業部長兼専務の超イケメン、瀬田聡司のパシリとなり数年、本人の意思とは裏腹に、「瀬田係」として周囲に認められてきた相馬茅乃。だが、瀬田には社長令嬢との縁談があり、常に彼の傍らにいる茅乃は、社長とその娘から見れば邪魔そのもの。とうとう自分が僻地に飛ばされるという噂を聞いた茅乃は、自分の想いに蓋をし、自ら遠く離れた地へと異動希望を出す。けれど瀬田は、茅乃が離れることを許してくれなくて――。ネットで爆発的人気のエンタメ恋愛小説、待望の書籍化!!
  • 深川あやかし屋敷奇譚
    続巻入荷
    4.0
    大店の放蕩次男坊・仙之助は怪異に目がない変わり者で、深川にある彼の屋敷には、いわく因縁付きの「がらくた」ばかり。呪いも祟りも信じない女中のお凛は、仙之助の酔狂に呆れながらも、あやしげな品々の謎の解明に今日も付き合わされる。――自ら火を出す呪われた振袖。ひとりでに歩き出す市松人形。飼い主の周囲に不幸をもたらす猫。そして、無残に打ち捨てられた遺骸のそばに現れるあやかし・以津真天(いつまで)。これは怪異か、それとも誰かの策謀か。ミステリと怪異が複雑に入り組んだあやかしお江戸ミステリの最高峰、ここに現る!
  • 鎌倉お宿のあやかし花嫁
    続巻入荷
    4.0
    就職予定だった会社が潰れ、職なし家なしになってしまった紗和。人生のどん底にいたところを助けてくれたのは、壮絶な色気を放つあやかしの男。常盤と名乗った彼は言った、「俺の大事な花嫁」と。なんと紗和は、幼い頃に彼と結婚の約束をしていたらしい! 突然のことに戸惑う紗和をよそに、常盤が営むお宿で仮花嫁として過ごしながら、彼に嫁入りするかを考えることになって……? トキメキ全開のあやかしファンタジー
  • ヴァムピールの花嫁 孤独な娘は吸血鬼に嫁入りする
    4.0
    継母と義妹に虐げられ、孤独に生きてきた比翠。ひょんなことから、比翠は自分が愛した吸血鬼を殺すことのできる血を持つ「吸血鬼の花嫁」だと知る。ある日、彼女は借金のかたに男爵の東久世千冴に嫁ぐことになる。義妹が頬を染めるほど妖艶で美しい彼は、なんと吸血鬼だった。彼は比翠の血を知ったうえで、「ただ君は僕を愛してくれればいい」と求婚してきた。婚約者として彼と過ごすうちに、比翠は彼に惹かれていくが、彼女の特別な血を狙う者が現れて……!? 和風シンデレラ物語、開幕!
  • 中町通りのアトリエ書房 水彩絵師と不器用小説家、世話焼き白うさぎ
    4.0
    装丁画家になるという夢を持って上京した絵莉は、現実の過酷さに心を折られ、故郷・長野に戻ってきた。そこで祖父の代から営む「兎ノ書房」を手伝いつつ、ゆっくりと自分を見つめ直そうとしたのだが……待っていたのは喋る白うさぎのお雪さん。そして、訳あり常連客・小学生のとわと無口な小説家の一色だった。同じように心にわだかまりを持つとわと一色との交流から、絵莉の悩みも次第に解決の糸口を見せ始める。そんなある日、絵莉は一色に自分の小説の装丁画を描いてほしいと頼まれ――!?
  • 後宮の隠れ薬師は闇夜を照らす
    4.0
    後宮で明かりの管理をする司燈という職に就いている翠鈴には、ある目的があった。それは過去に姉を死に追いやった元婚約者を捜すこと。その男が今は宦官として後宮にいると聞き、翠鈴は年齢を誤魔化して後宮に潜り込んだのだ。だが、それ以上の手がかりがなかなか掴めず、悶々とした日々を過ごすのみ――。そんなある日、幼い公主が毒に苦しむという事件が起こる。薬師の村で培った薬草の知識で公主を助けた翠鈴は、それを機に光柳という美しい宦官と深く関わることになり……?
  • ことりの古民家ごはん 小さな島のはじっこでお店をはじめました
    4.0
    都会に佇む弁当屋で働くことり。家庭環境が原因で、人付き合いが苦手な彼女はある理由から、母の住む島に引っ越した。コバルトブルーの海に浮かぶ自然豊かな地――そこでことりは縁あって古民家を改修し、ごはん屋さんを開くことに。お店の名は『ことりの台所』。青い鳥の看板が目印の、ほっと息をつける家のような場所。そんな理想を叶えようと、ことりは迷いながら進む。父との苦い記憶、母の葛藤、ことりの思い。これは美味しいごはんがそっと背中を押す、温かい再生の物語。
  • シロクマのシロさんと北海道旅行記
    完結
    4.0
    受験に失敗し、彼氏にも振られ、思わず家を飛び出した恵。衝動的に姉の居る北海道に向かったのだけれど、姉はまさかの不在。けれどそこで、大きくてもふもふのシロクマに出会った。シロさんと呼んでいいという。なんだか親しみやすくて、面倒見がいい。ちょっと偉そうだけど、可愛くて許せてしまう。そこから一人と一匹の不思議な北海道旅行が始まった。味噌ラーメン、夜パフェ、スープカレー。自分の好きなものすら分からなくなるくらい疲れた今日を、ほっと温める優しい時間はいかがですか?
  • 女ふたり、となり暮らし。
    完結
    4.0
    なんとなく味気ない一人暮らしを続けてきたOLの諏訪部京子。ある夜、腹ペコでやさぐれながら帰宅すると、隣に住む女子高生の笠音百合に呼び止められる。「あの角煮が余っているんですけど」そこから、二人のちょっと不思議な交流が始まった。さっぱりしていてクールな京子。優等生っぽく見えるけれど、実は激情家な百合。性別以外色々と違う二人は、勢いでポテトを揚げたり、やってられない日にクリームソーダを作ったり。付かず離れず、背中合わせの日常をどうぞ召し上がれ。
  • 後宮の偽物 ~冷遇妃は皇宮の秘密を暴く~
    4.0
    「今日から貴方の剣になります」後宮の誰もに恐れられている貴妃には、守り抜くべき秘密があった。それは彼女が貴妃ではなく、その侍女・孫灯灯であるということ。本物の貴妃は、二年前に不審死を遂げていた。その死に疑問を持ちながらも、彼女の遺児を守ることを優先してきた灯灯は、ある晩絶世の美男に出会う。なんと彼は病死したはずの皇兄・秦白禎で……!? 毒殺されかけたと言う彼に、貴妃も同じ毒を盛られた可能性を示され、灯灯は真実を明らかにするために彼と共に戦うことを決意し――
  • 訳あって、あやかしの子育て始めます
    完結
    4.0
    会社が倒産し、寮を追い出された美空はとうとう貯蓄も底をつき、空腹のあまり公園で行き倒れてしまう。そこを助けてくれたのは、どこか浮世離れした着物姿の美丈夫・羅刹と四人の幼い子供たち。彼らに拾われて、ひょんなことから住み込みの家政婦生活が始まる。やんちゃな子供たちとのドタバタな毎日に悪戦苦闘しつつも、次第に彼らとの生活が心地よくなっていく美空。けれど実は彼らは人間ではなく、あやかしで……!?
  • あやかし旅籠 ちょっぴり不思議なお宿の広報担当になりました
    4.0
    動画配信で生計を立てている小夏。ある日彼女は、イケメンあやかし主人・糸が営む、あやかし専門の旅籠に迷い込む。糸によると、旅籠の経営状況は厳しく、廃業寸前とのことだった。山菜を使った薬膳料理、薪風呂、癒しオーラ全開のイケメン主人……たくさん魅力があるのだから、絶対に人気になる。そう確信した小夏は、あやかし達に向けた動画を作り、旅籠を盛り上げることを決意。工夫を凝らした動画で宿はどんどん繁盛していき、やがて二人の関係にも変化が――
  • 後宮の不憫妃 転生したら皇帝に“猫”可愛がりされてます
    4.0
    初恋の皇帝に嫁いだところ、彼に疎まれ毒殺されてしまった翠花。気が付くと、彼女は猫になっていた! しかも、いたのは死んでから数年後の後宮。焦る翠花だったが、あっさり皇帝に見つかり彼に飼われることになる。幼い頃のあだ名である「スイ」という名前を付けられ、これでもかというほど甘やかされる日々。冷たかった彼の豹変に戸惑う翠花だったが、仕方なく近くにいるうちに彼が寂しげなことに気づく。どうやら皇帝のひどい態度には事情があり、彼は翠花を失ったことに傷ついているようで――
  • 吉祥寺あやかし甘露絵巻 白蛇さまと恋するショコラ
    4.0
    閑静な住宅街、緑豊かな吉祥寺の古民家カフェ『9-Letters』。店主であるパティシエール・玲奈は、あやかしの姿を見ることができる『見鬼』の才を持っていた。右鬼や左鬼――カフェを手伝うあやかし達と共に暮らす彼女はある朝、あたたかな体温を感じて目が覚める。なんと隣に美貌の男が潜り込んでいたのだ! 美貌の男の正体は白蛇のあやかし。彼は玲奈に『霖』と名付けられ、不思議な居候生活がはじまることになったが、幼馴染の陰陽師・七弦には思う所があるようで――? ちょっぴり甘くてドキドキのあやかしファンタジー!
  • 君のいちばんになれない私は
    4.0
    かつて将来を約束しあった、幼馴染の千歳と拓海。北海道の離島で暮らしていた二人だけれど、甲子園を目指す拓海は、本州の高校に進学してしまう。幼い頃の約束を胸に秘めつつ、素直に気持ちを伝えられないまま、千歳は拓海を待ち続けていた。やがて三年が過ぎ、ようやく帰島した拓海。その隣には、「彼女」だという少女・華の姿があった。さらに華は、重い病にかかっているようで……忘れたいのに、忘れられない。傷つくとわかっていても、この恋を諦められない――すれ違う二人の、青くて不器用な純愛ストーリー。
  • お稲荷様と私のほっこり日常レシピ
    4.0
    郊外に暮らす高校生・古橋はるかの家の庭には、代々の古橋家を見守るお稲荷様のお社がある。はるかの日課は、そこへ母親の作った夕食をお供えすること。ある日、両親の海外赴任が決まり、はるかは実家で一人暮らしをすることになる。これまで料理とは無縁だったはるかだが、それでもお供えは欠かせない。不慣れながらに作ったカレーをお供えしたところ、突然お社から謎のイケメンが飛び出してきた!? それは、カレーのあまりの不味さに怒ったお稲荷様で――。ツンデレな守り神様とのほっこりハートフル・ストーリー。
  • あやかし狐の京都裏町案内人
    完結
    4.0
    「今日からわたくし玉藻薫は、人間をやめて、キツネに戻らせていただくことになりました!」京都でOLとして働いていた玉藻薫は、恋人との別れをきっかけに人間世界に別れを告げ、アヤカシ世界に舞い戻ることに。実家に戻ったものの、仕事をせずにゴロゴロ出来るわけでもなく……。薫は『アヤカシらしい仕事』を探しに、祖母が住む裏京都を訪ねることに。早速、裏町への入り口「土御門屋」を訪れた薫だが、案内人である安倍晴彦から「祖母の家は封鎖されている」と告げられて――?
  • ぽんこつ陰陽師あやかし縁起 京都木屋町通りの神隠しと暗躍の鬼
    4.0
    「俺は、話を聞いてやることしかできない、へっぽこ陰陽師だ――。」『陰陽師』など物語の中の存在に過ぎない、現代日本。駒田成喜は、そんな陰陽師の家系に生まれながらも、ライターとして生活していた。そんなある日、取材旅行で訪れた京都で、巷を賑わせる連続行方不明事件に人外が関わっていることを知る。そして、成喜の唯一の使い魔である氷鬼や、偶然出会った地元の刑事にしてエリート陰陽師である鴨怜治と、事件解決に乗り出すのだが……
  • 護堂先生と神様のごはん
    4.0
    亡き叔父の家に引っ越すことになった、新米中学教師の護堂夏也(ごどうなつや)。古民家で寂しい一人暮らしの始まり……と思いきや、その家には食いしん坊の神様が住み憑いていた。というわけで、夏也はその神様となしくずし的に不思議な共同生活を始める。神様は人間の食べ物が非常に好きで、家にいるときはいつも夏也と一緒に食事をする。そんな、一人よりも二人で食べる料理は、楽しくて美味しくて――。新米先生とはらぺこ神様のほっこりグルメ物語!
  • 妹尾写真館 帰らぬ人との最後の一枚、お撮りします
    4.0
    写真館を経営する祖父が亡くなり、地元へ戻ってきた妹尾つむぎ。彼女は、祖父に代わり店を切り盛りしている青年・天海咲耶から、とある秘密を知らされる。それは、この写真館では、わずか10分だけだが、もうこの世にはいない大切な人と会え、そして一緒に記念撮影ができるということ。そんな夢みたいな話が事実だと知ったつむぎは、天海とともに、訪れる人々のこの奇跡の再会を手伝うようになる――
  • 金沢あまやどり茶房 雨降る街で、会いたい人と不思議なひと時
    4.0
    石川県金沢市。雨がよく降るこの街で、ある噂が流れていた。雨の日にだけ現れる不思議な茶房があり、そこで雨宿りをすれば、会いたい人に会えるという。噂を耳にした男子高校生・陽元晴哉は、半信半疑で雨の茶屋街を歩き、その店――『あまやどり茶房』にたどり着く。店を営むのは、年齢不詳の美しい青年・アマヤと、幼い双子。晴哉が彼らに「離れ離れになった幼馴染み」に会わせて欲しいと頼むと、なんと、居所も知らないその少女が本当に現れて――。
  • 神さまのレストラン
    4.0
    天国に続く道の途中に存在するレストラン。そこにはこの世に未練を残した死者の魂が集まってくる。時の流れのない静かな空間で自分の人生を見つめ直し、思い出の中に残る最期の一皿を注文するのだ。ほんの少しの後悔の苦味と甘やかな優しさが織り成す、珠玉の短編集――。「あなたの心の思い出の一皿は、なんですか?」(2019年12月に「死に神のレストラン」として刊行されたものを文庫化したものです)
  • 柊木さんちの絆ごはん
    4.0
    『受け継ぐものに贈ります』。柊木すみかが、そう書かれたレシピ帖を見つけたのは、大学入学を機に、亡き祖父母の家で一人暮らしを始めてすぐの頃。料理初心者の彼女だけれど、祖母が遺したレシピをもとにごはんを作るうちに、周囲には次第に、たくさんの人と笑顔が集まるようになって――。「ちらし寿司と団欒」、「笑顔になれるロール白菜」、「パイナップルきんとんの甘い罠」など、季節に寄り添う食事と日々の暮らしを綴った連作短編集。
  • 谷中・幽霊料理人 お江戸の料理、作ります!
    4.0
    大学進学を機に、谷中でひとり暮らしをすることになった咲。ところが、叔父に紹介されたアパートには江戸時代の料理人の幽霊・惣佑が憑いていた!? 驚きはしたものの、彼の身の上に同情した咲は、幽霊と同居することに。一緒に(?)谷中に住む人たちとの交流を楽しむふたりだが、やがて彼らが抱える悩みを知るようになる。咲は惣佑に習った料理を通してその悩み事を解決していき―― ※電子版は単行本をもとに編集しています。
  • 東海道品川宿あやめ屋
    4.0
    時は文久二年。旅籠「つばくろ屋」の跡取りとして生まれた高弥は、生家を出て力試しをしたいと考えていた。母である佐久の後押しもあり、伝手を頼りに東海道品川宿の旅籠で修業を積むことになったのだが、道中、請状を失くし、道にも迷ってしまう。そしてどうにか辿り着いた修業先の「あやめ屋」は、薄汚れた活気のない宿で――美味しい料理と真心尽くしのもてなしが、人の心を変えていく。さびれたお宿の立て直し奮闘記。
  • 天才月澪彩葉の精神病質学研究ノート
    4.0
    自分の理解できないサイコパスに会いたい――。そう願ってサイコパスの研究を続ける月澪彩葉(つきみおいろは)。彼女はその専門を生かし、警察の事件捜査にも協力していた。だがあるとき、サイコパスの犯行ではあるが、動機が全くわからない殺人事件に遭遇してしまう。第二、第三の凶行が続く中、事件解決の鍵となるのは、見ただけでサイコパスを見分けられる「共感覚」の持ち主、北條正人(ほうじょうまさと)だった――
  • 幽霊アパート、満室御礼!
    4.0
    就職活動に連敗中の一ノ瀬小海は、商店街で偶然出会った茶トラの猫に導かれて小さな不動産屋に辿りつく。怪しげな店構えを見ていると、不動産屋の店長がひょっこりと現れ、小海にぜひとも働いて欲しいと言う。しかも仕事内容は、管理するアパートに住みつく猫のお世話のみ。胡散臭いと思いつつも好待遇に目が眩み、働くことを決意したものの……アパートの住人が、この世に未練を残した幽霊と発覚して!? 幽霊たちの最後の想いを届けるため、小海、東奔西走!
  • からくり夢時計 DREAM∞CLOCKS
    4.0
    『虹色ほたる』の川口雅幸が贈る、冬の感動ファンタジー!時計店の子ども、小6の聖時は不思議な時計の鍵を手に12年まえにタイムスリップ。商店街はまだ活気にあふれ、堅物のお兄ちゃんはやんちゃな少年で、そして夢にまで見たお母さんはやはり優しかった――聖時のかけがえのない時間が刻まれてゆく……
  • 異能捜査員・霧生椋 緑青館の密室殺人
    3.8
    一家殺人事件の唯一の生き残りである霧生椋は、事件以降、 「人が死んだ場所に訪れると、その死んだ人間の最期の記憶を幻覚として見てしまう」能力が発現し、この能力が突発的に視界をジャックするために自宅から出られない生活を送っていた。そんな中でも友人であり同居人である上林広斗とささやかな平穏を享受していたが、ある日、二人以外で唯一その能力を知る刑事がとある殺人事件への協力を依頼してくる。数年ぶりの外泊に制御できない能力、慣れない状況で苦悩しながら、椋が『視た』真実とは……
  • ねこの湯、営業中です! 函館あやかし銭湯物語
    3.8
    祖父の葬儀のため生まれ故郷である函館に戻ってきたみゆりは、八年前に死んだ愛猫のさくらと再会する。猫又となってみゆりの元へと帰ってきたさくらは、祖父の遺産である銭湯をなくさないで欲しいと頼み込んできた。みゆりはさくらとともに、なんとか銭湯を再建しようと試みるが、そこにアイヌのあやかしたちが助けを求めてきて……。ご当地ネタ盛りだくさん! 函館愛大大大増量のほっこり不思議な銭湯物語。
  • 鎌倉古民家カフェ「かおりぎ」
    3.8
    恋も仕事も上手くいかない夏芽は、ひょんなことから鎌倉にある古民家カフェ【かおりぎ】を訪れる。そこで彼女が出会ったのは、薬膳について学んでいるという店員、稔だった。彼の優しさとカフェの穏やかな雰囲気に救われた夏芽は、人手が足りないという【かおりぎ】で働くことに。温かな日々の中、二人は互いに惹かれ合っていき……古都鎌倉で薬膳料理とイケメンに癒される、じれじれ恋愛ストーリー!
  • あやかし鬼嫁婚姻譚 選ばれし生贄の娘
    3.8
    天涯孤独で養護施設で育った里穂。ある日、名門・花菱家に養女として引き取られるも、そこで待っていたのは、周囲の皆から虐めを受ける過酷な日々だった。そして十七歳の誕生日、里穂はあやかしの「生贄」となるよう養父から告げられる。だが、絶望する里穂に、迎えに来たあやかしは告げた。里穂は「生贄」ではなく、あやかしの帝の「花嫁」になるのだと――。和風あやかし・シンデレラストーリー、ここに開幕!
  • あやかし蔵の管理人
    完結
    3.8
    突然両親が海外に旅立ち、一人日本に残った高校生の小日向蒼真は、結月清人という作家のもとで居候をすることになった。結月の住む古びた屋敷に引越したその日の晩、蒼真はいきなり愛らしい小鬼と出会う。実は、結月邸の庭にはあやかしの世界に繋がる蔵があり、結月はそこの管理人だったのだ。その日を境に、蒼真の周りに集まりだした人懐こい妖怪達。だが不思議なことに、妖怪達は幼いころの蒼真のことをよく知っているようだった――
  • 金曜日はピアノ
    3.8
    電車に揺られている私の膝の上には、楽譜が入ったキャンバストート。懐かしい旋律を奏でる彼の指が、私にたくさんのことを教えてくれる。雨の日に出逢った先生のもとへ通うのは、週に一度の金曜日。哀しく甘い、二人だけのレッスン。――繊細かつ美しく奏でられる物語。第5回アルファポリス「恋愛小説大賞」大賞受賞作品、待望の文庫化!
  • 花鈿の後宮妃 皇帝を守るため、お毒見係になりました
    3.7
    1~2巻770~814円 (税込)
    毒を浄化することができる不思議な花鈿を持つ黄明凛は、ひょんなことから皇帝・青永翔に花鈿の力を知られてしまい、寵妃を装ってお毒見係を務めることに。実は明凜は転生者で、ここが中華風ファンタジー小説の世界だということを知っていた。小説の中で明凜の“推し”である皇帝夫妻は、主人公の皇太后に殺されてしまう。「彼らの幸せは私が守る!」そう決意し、入内したのだが……。いつまでたっても皇后は現れず、永翔はただのお毒見係である明凛を本当に寵愛!? しかも、永翔を失脚させたい皇太后の罠が二人を追いつめ――?転生妃と訳あり皇帝が心を通じ合わせる後宮物語、ここに開幕!
  • 死神飯に首ったけ! 腹ペコ女子は過保護な死神と同居中
    3.7
    伯父の借金を背負わされ、突然どん底まで追い詰められたOLの朱夏。成す術もなく、気づけば人生も崖っぷち――そんな彼女を助けてくれたのは、金髪強面の死神だった! 「あんたが死ぬと、俺たちの仕事が猛烈に増えて面倒くさいんや!」そんな台詞とともに始まった、死神〈辰〉との同居生活は、朱夏に当たり前の生きる幸せを思い出させてくれて……。飯テロ級の絶品ご飯と神様のくれたご縁が繋ぐ、過保護な死神×腹ペコ女子のトキメキ全開満腹ラブ!
  • 猫神主人のばけねこカフェ
    3.7
    古く寂れた喫茶店を実家に持つ鹿嶋美来は、ひょんなことから巨大な老猫を拾う。しかし、その猫はなんと人間の言葉を話せる猫の神様だった! しかも元々美来が飼っていた黒猫も「実は自分は猫鬼だ」と喋り出し、仰天する羽目に。なんだかんだで化け猫二匹と暮らすことを決めた美来に、今度は父が実家の喫茶店を猫カフェにしたいと言い出した! すると、猫神がさらに猫又と仙狸も呼び出し、化け猫一同でお客をおもてなしすることに――!?
  • 深夜カフェ・ポラリス
    3.6
    子供の入院に付き添う日々を送るシングルマザーの美和。子供の病気のこと、自分の仕事のこと、厳しい経済状況――立ち向かわないといけないことは沢山あるのに、疲れ果てて動けなくなりそうになる。そんな時、一軒の小さなカフェが彼女をそっと導き入れて――(夜更けのぬくもり)。「夜更けのぬくもり」他4編を収録。先が見えなくて立ち尽くしそうな時、深夜営業の小さなカフェがあなたに静かに寄り添う。夜闇をやさしく照らす珠玉の短編集。
  • 付喪神、子どもを拾う。
    完結
    3.6
    店を持たず、勤め先も持たず、客先に出向き、求めに応じて食事を提供する流しの料理人・剣。その正体は、古い包丁があやかしとなった付喪神だった。ある雪の日、剣は道端に倒れていた人間の少女を見つける。その子は薄汚れ痩せこけていて、名前や親について尋ねても、「知らない」「わからない」と繰り返すのみ。何やら悲しい過去を持つ少女を放っておけず、剣は自分で育てることを決意する――あやかし父さんの美味しくて温かい料理が、少女の傷ついた心を解いていく。ひとつ屋根の下で繰り広げられる、ちょっぴり不思議な父娘の物語。
  • 猫神様が恋心預かります
    3.5
    都会の片隅にひっそりと佇む野良神社。そこには小さな猫の神――猫神様が棲んでいる。時に恋の願いを叶え、時に失恋の痛みを取り去ってくれるという猫神様。日々多くの参拝客が訪れるが、猫神様はなかなか手を貸してくれない。願いは自分で叶えるべきものだからだ。ただし、行き場のない恋心を抱えどうしようもなく辛い時、猫神様は恋心を預かってくれる。恋に傷ついた人たちと猫神様が織りなす、あたたかな再出発の物語。
  • 生贄の花嫁 ~鬼の総領様と身代わり婚~
    3.5
    多くの人々があやかしの血を引く時代。猫又族の東條家の長女、霞は妹の雅とともに平穏な日々を送っていた。そんなある日、雅に縁談が舞い込む。お相手は絶対的権力を持つ鬼族の次期当主、鬼灯蓮。逆らえない要求に両親は泣く泣く縁談を受け入れるが、「雅の代わりに私がお嫁に行くわ!」と霞は妹を守るために、自分が生贄として鬼灯家に嫁ぐことに。そんな彼女を待っていたのは、絶世の美青年で――!? 政略結婚からはじまる、溺愛シンデレラストーリー。
  • 家政夫くんと、はてなのレシピ
    3.5
    家政夫のバイトを始めた男子大学生・泉竹志は妻を亡くしたばかりの初老の男性・野保の家で働き始める。大きな喪失感に覆われた野保の家で竹志はとあるノートを発見する。それは、亡くなった野保の妻が残したレシピノートだった。夫と娘の好物ばかりが書かれてあるそのノートだが、肝心のレシピはどれも一部が欠けている。竹志は彼らの思い出の味を再現しようと試みるが……。「さあ、最後の『美味しい』の秘密は、何でしょう?」一風変わった、癒しのレシピに隠された優しい秘密とは。
  • 春龍街のあやかし謎解き美術商 謎が解けない店主の臨時助手始めました
    3.5
    人とあやかしの血を引くOLのちづるは、真実を見抜く特別な力「麒麟眼」を持つせいで、周囲から孤立しがち。そんなある夜、彼女は人間社会の裏側にある春龍街の住人――あやかしの白露と出会う。半ば強引に春龍街へと連れてこられたちづるは、美術商をする白露に誘われるまま真贋鑑定の依頼を手伝い始めるが……。吉祥の証と言われる全てを見透かす善き眼を持ったちづると、凶兆を告げる最悪のあやかし「鵺」の白露。善悪コンビが紡ぐあやかし謎解き奇譚ここに開幕!
  • 神さま御用達! 『よろず屋』奮闘記
    3.5
    内定していた会社が倒産し、実家の神社の巫女をすることになった橘花。彼女はその血筋のお陰か、神さまたちを見て話せるという特殊能力を持っている。その才能を活かせるだろうということで、祭神であるスサノオノミコトの借金の肩代わりに、神さま相手の何でも屋である「よろず屋」で住み込みで働いてくれないかと頼まれる。その仕事はなんと、神さまたちへの借金取り!? ところが、「よろず屋」に行ってみると、店主は若い男性……、おまけに橘花に対して意地悪な態度。その上、お客である神さまたちもひと癖もふた癖もあって――
  • あやかし姫を娶った中尉殿は、西洋料理でおもてなし
    3.5
    文明開化を迎えた帝都の軍人・小坂源二郎中尉は、見合いの席にいた。帝国では、人とあやかしの世をつなぐための婚姻が行われている。病で命を落とした甥の代わりに駆り出された源二郎の見合い相手は、西洋料理食べたさに姉と役割を代わった、あやかし狐の末姫。あやかし姫は西洋料理を望むも、生真面目な源二郎は見たことも食べたこともない。なんとか望みを叶えようと帝都を奔走する源二郎だったが、不思議な事件に巻き込まれるようになり――?
  • 蛟堂報復録1
    3.5
    「地獄の沙汰も金次第。業を背負う覚悟と金があるのなら、その恨み、蛟堂に預けてみませんか? 悪いようには致しません。一週間以内に、必ずや片を付けてみせましょう」。報復屋を営む陰陽道の天才、三輪辰史が遭遇する怪異幻想譚。アルファポリスミステリー小説大賞・大賞受賞作。
  • 今日から、契約家族はじめます
    完結
    3.4
    最愛の母を亡くし、天涯孤独の身となった高校生のひなこ。悲しみに暮れる中、出会ったのは、端整な顔立ちをした男性。生前、母は彼の家で通いのハウスキーパーをしていたというのだが、なんと彼は、ひなこに契約結婚を持ちかけてきて――訳アリ夫+連れ子四人と一緒に、今日から、契約家族はじめます! ひとつ屋根の下で綴られる、ハートフル・ストーリー!
  • 法医植物学者杠葉柚梨の推理ファイル 花葬犯と謎の画家メメント
    3.3
    殺人現場で花の絵を描いていたために警察に犯人と疑われた青年、神目帚遥(かみめぼうきはるか)。刑事から高圧的な事情聴取を受けていた彼を助けたのは、法医植物学者の杠葉柚梨(ゆずりはゆずり)だった。法医植物学とは、現場に残された花や木から事件の真相を探る学問のこと。神目帚は植物を精緻に描ける特技を活かすべく杠葉の助手となり、「花葬犯(かそうはん)」と名づけられた真犯人を追う。しかし、彼らを嘲笑うかのように、新たな犠牲者は増えていった――。「天才月澪彩葉の精神病質学研究ノート」の玄武聡一郎が放つ植物学ミステリー!
  • 後宮の調達人
    3.3
    「ご依頼承りました。あなた様の望むものを調達して参ります」――愛憎渦巻く後宮で、外に出ることができない妃たちのために望む品を届ける調達人、紅姑娘(ホンクウニャン)。善き調達人とは、善く聴く耳を持ち、善く観る目を持ち、善く沈黙する口を持つ。時に人の望みを叶え、時に人の闇に触れ、調達人はあらゆるものを調達する。それがたとえ毒でも、奇跡でも――。相棒は、素顔を隠した不思議な大男。依頼に隠された謎を解きつつ、どんな無茶ぶりにも応えていく調達人・紅姑娘による後宮ミステリー、ここに開幕!
  • 料理屋おやぶん ~ほろほろしょうゆの焼きむすび~
    3.3
    母親を亡くし、失踪した父親を捜しに、江戸に出てきた鈴。ふらふらになり、行き倒れたところを、料理屋「みと屋」を開くヤクザの親分、銀次郎に拾われる。そこで客に粥を振舞ったのをきっかけに、鈴はみと屋で働くことになった。「飯が道を開く」料理人だった父親の思いを胸に鈴は、ご飯で人々の心を掴んでいく。そんなある日、銀次郎が無実の罪を着せられて――!?
  • 六道の使者 閻魔王宮第三冥官・小野篁
    3.3
    時は平安――。昼は現世で朝廷に仕え、夜は地獄で閻魔に仕えている小野篁(おののたかむら)。冥府の役人たる彼は、現世でも隠された役割を負っていた。それは、死してなおこの世に彷徨うモノたちを冥府に送ること……。閻魔大王から贈られた七星剣を手に、篁が京の闇を駆け抜ける!平安の世に実在した人物、小野篁を描いた平安ファンタジー。
  • 座卓と草鞋と桜の枝と
    3.3
    真面目で融通がきかない検地方小役人、江藤仁三郎。小役人の家の出で、容姿も平凡な小夜。見合いで出会った二人の日常は、淡々としていて、けれど確かな夫婦の絆がそこにある――。ただただ真面目で朴訥とした夫婦のやりとり。飾らない言葉の端々に滲む互いへの想い。涙が滲む感動時代小説。第4回アルファポリス「ドリーム小説大賞」大賞受賞作品、待望の文庫化!
  • おいしいふたり暮らし 今日もかたよりご飯をいただきます
    3.2
    「あたしがちゃんとごはんを食べるよう『監視』して」。同棲している恋人の垣内頼子に頼まれ、会社員の真殿修は昼休みに、スマホで繋いだ家用モニターを起動する。恋人を監視するなんて、最初は束縛しているようで嫌だと抵抗していた修だが、夕食時の話題が広がったり、意外な価値観の違いに気付いたりと、改めて相手を信頼するきっかけにつながり、二人の仲は深まっていく。元料理人である修が日々の夕飯作りを担当していることもあり、頼子の食生活は徐々に改善され始めたが――
  • こちら大阪ねこ神社 神様の使いはじめます
    3.0
    大阪こなもん市には、なんでも願いを叶えてくれる猫神社がある――大好きな祖母の弥生を亡くしてしまった香澄の前に、ある日弥生の遺言書を持った男が現れる。その遺言書の内容は、香澄が今住んでいる喫茶レインボウを譲るというものだった。店を守りたい香澄は、亡くなった弥生にもう一度会うために猫神社を訪れる。しかしそこにいたのは……人語を喋る、ふてぶてしい猫宮司!? どうやら神社への信仰を取り戻すことができれば願いを叶えられるようで、なぜか香澄もその手伝いをすることになり――
  • 軍神の許嫁 虐げられた姫巫女は運命の愛を知る
    3.0
    呪われた巫女として一族から忌避され、黒い仮面をつけさせられた「無」と呼ばれる少女。ある時、彼女は義母と義妹から辛い仕打ちを受け、夜の湖にその身を寄せる。舞をひとり練習する無の前に、軍服をまとった一人の青年が姿を現す。無は、彼が舌に自分と同じ呪印を持つことに驚くが、青年は無の舞を見終わると彼女に桧扇を渡してその場を去ってしまう。翌日、村に帝都から将校であり、一流の退魔師でもある東極一希が訪れる。彼は昨晩、無が出会った人物とわかり……!?
  • 京都式神様のおでん屋さん
    3.0
    京都の路地にあるおでん屋『結(むすび)』。その小さくも温かな店を営むのは、猫に生まれ変わった安倍晴明と、イケメンの姿をした二体の式神だった。常連に囲まれ、お店は順調。しかし、彼らはただ美味しいおでんを提供するだけではない。その傍らで陰陽道を用いて、未練があるせいで現世に留まる魂を成仏させていた。今日もまた、そんな魂が救いを求めて、晴明たちのもとを訪れる――。おでんで身体を、陰陽道で心を癒す、京都ほっこりあやかし物語!
  • ダブルファザーズ
    3.0
    生まれた時に母親を亡くし、父子家庭で育ってきた沙織。彼女には、二人の父親がいる。一人は眼鏡をかけて商社で働いている裕二お父さん。もう一人はイラストレーターで家事が得意な、あっちゃんパパ。自分の家はちょっと変わっているけれど、ごく普通の家族として生活している――そう思ってきたけれど、時には奇異のまなざしを向けられたり、陰口を叩かれたりもして……。どうして自分には父親が二人もいるのか。自分の本当の父親は誰なのか。これは、沙織が自分のルーツを知る物語。
  • 貸本屋七本三八の譚めぐり
    3.0
    「本」に特別な力が宿っており、使い方次第では毒にも薬にもなる世界。貸本屋「七本屋(ななもとや)」の店主、七本三八(みや)は、そんな書物をこよなく愛する無類の本好きであった。そして、本好きであるがゆえに、本の力を十全に発揮することができる。彼はその力を使って、悩みを持つ者たちの相談に乗ることもあった。ただし、どういった結末にするかは、相談者自身が決めなければならない――
  • 柳鼓の塩小町 江戸深川のしょうけら退治
    3.0
    深川にある柳鼓長屋に住んでいるお七は怪異に滅法強く、「えいや」と塩を投げるだけであやかしを退散することができる。そんなお七についた渾名は『柳鼓の塩小町』。ある日、お七のもとに、長屋の住人で元忍びの鉄之助が番屋にしょっぴかれたという報せが入った。どうやら最近江戸を騒がせている盗賊団『しょうけら』の一味だと疑われたらしい。そして、その盗賊団には、なにやら厄介な怪異が絡んでいるようで――
  • 久遠の呪祓師―― 怪異探偵犬神零の大正帝都アヤカシ奇譚
    3.0
    職業婦人になるべく上京した椎葉桜子(しいばさくらこ)は、大家に紹介された奇妙な探偵事務所で、お手伝いとして働き始める。そこにいたのは、およそ探偵には見えない美貌の男、犬神零と、不遜にして不思議な雰囲気の少年、ハルアキ。事務所は依頼が来なくて閑古鳥が鳴く有様だが、彼らが専門に扱うのは、人が起こした事件ではなく、呪いが引き起こす『怪異(けい)』だった。ある日、桜子は零の調査に同行する事になり――
  • あしでまとい 御城下の秘技
    3.0
    床に臥せる隠居武士、空閑政頼のもとに旧友が大金を手に老中藤岡伊織の暗殺を依頼しにきた。最初は断ろうとした政頼だったが、空閑家を継いだ義息子の陽一郎がその暗殺対象である藤岡の護衛に抜擢されたと聞き、考えが変わる。陽一郎に遺す金を手に入れるために暗殺の依頼を成功させ、さらには護衛の陽一郎に手柄を立たせる。そんな無理難題をやり遂げるための策を講じた政頼は、陽一郎に自身が受け継いだ秘技『無明』を伝授することに決める。――刃が自分に向くと覚悟して。
  • あやかし猫の花嫁様
    3.0
    田舎の一軒家で一人暮らしをする大学生の茜。それなりに平穏な毎日を送っていたはずが……二十歳の誕生日、突然、全てのあやかし猫を統べる化け猫・常盤の妻になってしまう。しかも、一緒に暮らさないと命を狙われるというオプション付き!? どんなに甲斐性抜群のイケメンでも、そんな結婚絶対無理――と、早々に離婚を申し出た茜だけれど、何故かこの結婚、ちょっとやそっとじゃ解消できない呪いがかかっていて……。自由すぎる極甘夫と円満離婚を目指す、新妻奮闘記!
  • 東京税関調査部、西洋あやかし担当はこちらです。視えない子犬との暮らし方
    3.0
    ギリシャへ旅行に行ってからというもの、不運続きのアラサー女子・蛍。職も恋人も失い辛~い日々を送っていた彼女のもとに、ある日、税関職員を名乗る青年が現れる。彼曰く、蛍がツイていないのは旅行先であやかしが憑いたせいなのだとか……。まさかと思う蛍だったけれど、以来、彼女も自分に憑くケルベロスの子犬や、その他のあやかしが視えるように! それをきっかけに、蛍は税関のとある部署に再就職が決まる。それはなんと、海外からやってくるあやかし対応専門部署で!?

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