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大正十四年、銀座。とあるカフェーで女給の千歳は窃盗事件に巻き込まれる。そこに現れたのは、事件解決のために呼ばれた探偵である兎田谷朔という男。彼の華麗な推理で、事態は収束。大団円かと思いきや――「解決さえすりゃ真実なんかいらないのさ」なんとその推理内容は、兎田谷自身が組み立てたでっち上げの真実だった! 口八丁でどんな事件も丸く収める、異色の探偵兼小説家が『嘘』を武器に不可思議な依頼に挑む。
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Posted by ブクログ
小説家と書生が大正銀座の事件を解決するバディモノ。仕掛けが面白かったです。犯人と読者を騙してくる新しい探偵!楽しめました。
兎田谷先生のキャラ好きだなあ。嘘解きレトリックを思い出した。あちらも先生ちゃらんぽらんだし笑 相手を陥れる嘘なら良くないけど、相手を思いやる嘘もあるんだよなぁ。最後の話はそれで傷ついた人もいるのだが。難しいけど、時には必要。 切ないな。
タイトルや表紙イラストからもっと軽薄な感じかと想像してたけど良い方に裏切られた。 真実より事件を収めることにつとめる、偽悪的に見えて実は、というのもイイ。
最近は推理小説を中心に読んでいたので、この本も気になったため読んでみた。 プロローグ、エピローグと全3章からなる構成。 3章それぞれ裏という名で真相解明の章が存在する。 各章のあらすじは 第1章は女性に宛てられた差出人不明の恋文の差出人を探してほしい、依頼人の女性が差出人の候補が2名までに絞...続きを読むれているのでそのどちらが私に好意をもっているのか知りたい、という話 第2章は行方不明の弟を探してほしい、という話 第3章は主人公兎田谷朔に弟子入りしていた書生が逮捕され、その妹から兄の無罪を証明してほしい、またそれに関連するかもしれないから屋敷にある蔵を調査してほしい、という話 である。 1章を除き、2章3章は依頼人が大事なことを伏せたり嘘をついたりしているのでこれがタイトルにあるウソつきの1つ目の私の解釈(2つ目は後述)。 推理ものとしては推理に必要な材料が少なく、謎ときを楽しみに読んでいる人にとっては物足りないものだと思う。 しかし、この本の重要な部分は各章にある裏と名付けられた真相解明の章の部分にあるといえる。 この章は言ってしまえば救済と呼べるようなものであり、 この救済にあたる部分を描いた主人公が、いつも嘘をついたと言って、普段の彼の素行や言動からして自身の手柄だと素直に認めないであろう彼の粋がもう1つのウソつきの解釈だと私は考える。 また主人公の言動は嘘をつくというよりは言葉に含みを持たせているといった方が正しいかもしれない。 私がこの本を読んでいて唯一辛かったことは、1章ずつ小休憩をはさみながら読んでいたため、その度に人の名前を覚えるのが苦手な私にとって兎田谷(うさいだや)という苗字が読めなくなって辛かったことくらいである。 また1章は物語の序章として仕方ないが、2章と3章を1つずつの長編としてもっとじっくり読んでみたかったと思った。 あと、最近いくつか大正時代あたりを舞台とした現代の推理小説や他のジャンルの作品をいくつか読んだためふと思ったのだが、このあたりの時代設計の作品が最近多いような気がするのはなぜだろうか? 推理ものの観点からすると、物語にもでてくるように江戸川乱歩がこのあたりから活躍し始めて推理ものというジャンルが活発になり始めたから? それとも大正ロマンや大正モダンなどと言われたりする西洋文化と日本文化が融合し始めたこの時代の独特な雰囲気が、今を生きる私たちにとって魅力的に見えるからだろうか?
期待以上におもしろかった! 兎田谷さんのロクデナシ感と鋭さのバランスがとても好き。 ひとつひとつの事件も、結末が二転三転してよかった。 表紙見てヒロインがメインかと思ったけど、予想以上にチョイ役だった笑
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大正銀座ウソつき推理録 文豪探偵・兎田谷朔と架空の事件簿
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