神林長平のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
積読チャンネルで紹介されていて手に取った一冊です。
ショートショート集なので、少しずつ細切れに読めるのがよかったです。どの作品もそれぞれ面白かったのですが、なかでも米澤穂信さんの「燃えろ恋心」が圧倒的に好きでした。
リズムもテンポもよく、一気に駆け抜けていくように読めて、最後のオチまできれいに決まっています。これはできれば、内容を何も知らずに読んでほしい作品です。
特によかったのが、青春時代の「大人は自分たちのことをわかってくれない」「なんとなくこちらの味方ではない」という感覚の描き方でした。
ラブレターを買ってから、実際に書くまでの過程もいいです。誰かに恋をしているというより、恋をしている自分ごと、恋そのものに精一杯恋をしているような書きぶりがとても素敵な文章でした。 -
Posted by ブクログ
久しぶりの神林長平。やっぱこの人の文体はカッコいいわ。カーリー・ドゥルガーの起動シークエンスなんて鳥肌立ちそうだもんな。俺にとって一番カッコいい小説を書くのは、ハードボイルドの作家ではなくてギブスンとこの人かも。全体の構成がスタックになっているところとか、キャラクターを#defineで定義しちゃうところとかも好き者にはたまらん。ヨウ冥はスワップしちゃうし。ガチガチの理系SFとして完璧な雰囲気を持ちながらも、設定としては光と闇の対決するファンタジーとしての柔らかさも持ってて、その上それぞれのキャラクターのドッペルゲンガーが出てくるというんだからまさしく最強・完璧な世界構築。それとドッペルゲンガーには実際に妖精みたいな魔鬼と聖戦士が見えるっていうのもあったな。
アプロやメイシアが可愛いのはもちろんだけど、敵役のヨウ冥も下手な冒険小説よりもよっぽどキャラが立ってる。特に自分を支配しようとする力を認識するために入れ替わるところからは、強靱な意志が感じられるな。やっぱ、これぐらい強烈な奴でないと。一方でラテルとアプロも変な正義感をかざさずに容赦なく殺しまくるところもいいね。
アプロの種族には性が6つあるらしい。どうなってんだろうな。しかも交尾のときに相手をたべちゃうみたいだし。
ラテルがラジェンドラに命令してるところとか読んでると、俺もラジェンドラが欲しくなっちゃう。宇宙船をああいう風に動かせたらいいだろうなあ。ナイト2000みたいなもんだという話もあるけど。
で、ここまで誉めといてなんで★4つかというと、後半ちょっとあっさりしてるように感じたから。あとシャルファフィンもあんまりいい女だとは感じなかった。健気だけどね。