神林長平のレビュー一覧

  • あなたの魂に安らぎあれ

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    再読して実感した。
    神林に手落ち無し!今も昔も常に新鮮だ。
    1986年長編デビュー作品だなんて嘘みたい。だって、ピチピチだよ?
    絶対に売り払うことが出来ない本がこうして山になるわけだ。

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    2013年11月21日
  • いま集合的無意識を、

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    ”意識”あるいは”自我”を共通のテーマとしながら、
    これだけ異なる設定・読み口の作品が集合しているのはすごい。

    サイバーミステリな『切り落とし』のような作品も楽しいけど、
    著者の『戦闘妖精』シリーズ作品からのスピンオフの『ぼくの、マシン』も好き。
    生身の人間とのコミュニケーションに諦念を抱く主人公が、コンピュータを真に”パーソナル”なマシンー自分専用の対話相手ーとしてネットワークからどうにか遮断しよう試みようとした少年期の記述。

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    2013年10月31日
  • 魂の駆動体

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    今までの神林作品と違う~
    ドライ&テクニカル、ナイーブな所も独自なセンスとリズムであっさり斬って爽快なところ。。。それが神林流だった。
    でもこの『魂の駆動体』はストレートにアツアツだ。

    ヤケドしそうなくらいに老人コンビが夢を追う、追う、追う!爽快だ。著者が書いてきた少年でこんなにも、少年らしい夢を持っていた人物はいただろうか?・・・神林作品はほとんど読んでいるけれど、ちょっと、思いつかない。

    面白い。。。気持ちが前向きにならざるえない本だ。

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    2013年10月06日
  • グッドラック 戦闘妖精・雪風

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    やっぱり神林長平はおもしろい。変貌(成長?)していく主人公。コミュニケーションとは?異質なものを理解し意思疎通できるのか?骨太のSFであり、ストーリーを追うだけでもおもしろいが、いろんな意味で哲学的な問いかけを読者に与える、考えさせられる本です。俄然、続きが楽しみに。

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    2013年08月09日
  • いま集合的無意識を、

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    ネタバレ

    短編集。
    雪風のスピンオフが入っています~v

    神林さんが伊藤さんの『ハーモニー』を読んだ感想も興味深い。
    読みながら泣いてしまった。

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    2013年06月23日
  • グッドラック 戦闘妖精・雪風

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    ネタバレ

    途中まで、機械の固有意識と人間の意志の近づかなさを読んでいたように思うのだが気づくと機会と強くつながってきた深井零によって分かり合おうとする存在になっていく。
    愛という言葉を持ち出すのは私は陳腐だと思ったが、本当にそうなのだろう。
    昨年発売された短編集「いま集合的無意識を、」や長編「ぼくらは都市を愛していた」で”機械に使われる人間”という像が出現したような気がするのだが、それよりも雪風では分かり合おうとする努力、敬意が強い気がする。
    というか、あおの2冊で提起した問題の一部をこの作品で答えている気がする。深井零という特殊な人格であるがかれはそれをクリアした。


    零の変化と、異星体ジャムの変化

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    2013年05月21日
  • いま集合的無意識を、

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    神林長平ワールド満載!ほとんどの人がそんな感想を持つんじゃないかな。
    この俺を意識している私は一体誰だ?そもそも俺はリアルなのか私の想像上の存在なんじゃないか?いや私の言葉が俺を存在させているのだ。みたいな。もちろんメカ好きとしてもたまらん一冊
    表題作『いま集合的無意識を、』を読むのは伊藤計劃の虐殺器官とハーモニーを読んでからの方がいい。「もう大丈夫だ」「心配ない」には思いっきり救われるとともに背筋がゾワゾワするくらいに感情が揺さぶられる

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    2013年05月17日
  • 言壺

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    彼は本当に言葉使い師であり続けようとしている。
    そう感じた。

    神林長平の短篇集。
    言葉とコミュニケーションが彼の中に自分が言葉使い師である上で重要な問題なのだろう。

    素敵な、雪風のフェアリィ星を彷彿とさせるような章名と
    言葉が手段として生命としてある今の世界と違うたくさんの世界を描いた物語たち。

    言葉は力を持ち、力を与え、力を削がれ、人間をよく見てきた。


    初めの章の
    ワーカム(文章執筆支援ソフト)の危機は既に迫っている。
    その時に私たちを襲うのはなにものだろうか。誰の意志なんだろうか。




    この本を読んでない人がいたら無言で私は差し出したいくらい。

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    2013年05月16日
  • 敵は海賊・猫たちの饗宴

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    表紙のアプロに目を奪われた瞬間から、「夢中」に感情凍結必至でした。

    敵は海賊シリーズ第二作目。
    前作に比べて非常にコミカルな展開が目立つ今作ですが、アプロ、ラテル、ラジェンドラの掛け合いに代表される独特なユニークと、CATシステムなる新たな脅威や海賊達との攻防といったシリアスの絶妙なバランスがたまりません。
    また、影のMVPであろうラジェンドラの苦労と苦悩、それ故の思い掛けない変容も必読です。

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    2013年04月18日
  • 膚の下(上)

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    ひとに作られたひとが、世界を造るに至るまでの物語。
    『あなたの魂に安らぎあれ』『帝王の殻』に続く3部作のラストにして根源。

    ……ものすごく繊細で、優しく、すべてを認めようとした人造人間が、残酷なほどの“創造”を行うまで。
    「すべてを救う」と彼が言った瞬間に鳥肌がたちました。その技法は、『あなたの魂に安らぎあれ』を読んでわかっているのに。
    “人間ではない”からこそ立ち上がった彼が、あまりに切なく美しかった。
    こういう物語があるから、SFはいい。

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    2013年04月12日
  • あなたの魂に安らぎあれ

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    付加的なものに、多少古臭さがあるけれど、おもしろかった。
    読書をした、という実感がしっかり残った。
    こういう本に出会えるから、本が好きでよかったなぁと思える。
    登場人物すべて、なんらかの結末がついたところに、納得できた。

    三部作の一作目らしいけど、他二作が近所でどこにも売っていない。

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    2013年04月12日
  • アンブロークンアロー 戦闘妖精・雪風

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    ジャムの代理人による人類への宣戦布告から始まる第三部。
    だが中身は戦争ものというよりも“意識”や“世界”、“リアル”という諸認識を探る哲学書の趣――なのだが、これが面白いのだから実に困る、いや困らないか(笑)。

    そして、第三部にして、ようやっと、深井大尉は戦闘を宣言したのだな。

    「おれは、人間だ。これが人間だ。わかったか、ジャム」

    それに応えたかのように飛ぶ雪風は、痺れるほど美しい。
    SFの醍醐味だ。

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    2013年03月31日
  • 永久帰還装置

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    多面的な神林作品群のエッセンスがぐっと濃縮されたような作品。
    神林節とロマンスの配合が絶妙だと思うので、神林作品初挑戦の人に一冊お勧めするなら(個人的には)本作を推したいです。
    (読みやすさ優先なら「ライトジーンの遺産」、ハード路線なら「雪風」)

    雪風と交互に読んで、神林氏はどんだけロマンティストなんや…!と悶えるのも楽しいですw

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    2013年03月23日
  • グッドラック 戦闘妖精・雪風

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    ああもう5をつけるよ。

    人間的、機械的、と言ってしまうのは簡単だ。
    だがその土台をどう定義する?
    その基準をどう伝達する?
    人とは? 機械とは? “わたし”とは?
    ガトリングガン並の勢いで、普段の生活では棚上げされているあれこれを突きつけられる1冊。
    1作目より視点は深く、人物も世界も深く濃くなったSF。
    雪風の格好よさったらない。
    そして桂城少尉がドストライクすぎて転がった。

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    2013年02月11日
  • 敵は海賊・海賊の敵

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    7年ぶり長編万歳!!今回は自分が猫リア充なので、アプロ萌えが抑えぎみでした。文章が、ラジェンドラ目線だからなのかも。

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    2013年02月04日
  • アンブロークンアロー 戦闘妖精・雪風

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    いよいよFAFと特殊戦がジャムの総攻撃にさらされる……のだが、戦闘描写については前二作よりも少なめ。それよりも哲学的問答が多くなり、人間とは何か、ジャムとは何かを幾度となく問いかける。ジャムの攻撃によって、主人公達も、そして読者も予想のつかない展開に巻き込まれて行くのには驚いた。一応空戦ものなのだが、敵が哲学的性質を帯びているため、他には無い哲学的、量子学的戦闘を展開する様子は、人を選ぶものの自分としては読んでいて面白かった。

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    2013年02月04日
  • 敵は海賊・海賊の敵

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    今までと異なり、ラジェンドラの視点で書かれる世界にもかかわらず、いつもと変わらぬ世界がある、というのは凄い。
    ラテルの二股ってのもみてみたかった気がするが、まぁ結果は同じだろうな、などと思わせてくれるのも、確固たる世界観の為せる業だと思う。

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    2013年01月29日
  • 言壺

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    メチャクチャ面白かった。
    『言葉』について書かれた短編集。なんというか、とても迫力のある小説でした。「言葉の力」はすごいなぁ、と思ってみたり。

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    2013年01月16日
  • 言壺

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    「私を生んだのは姉だった」
    この言葉から始まるのは、人と、機械と、言葉とそして世界の物語。叙述支援機能を持つワープロ、匂いで構築される物語、言葉を育てるポットなど、読者を想像のさらに向こうへと連れていくその筆力と発想は、「言葉使い師」神林長平のまさに真骨頂だと思います。おすすめです。

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    2013年01月02日
  • 宇宙探査機 迷惑一番

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    ネタバレ

    最初に断っておきます。
    これから書く感想は、個人的なノートに書いたものを転載しているだけなので非常に分裂的な文章になっているが、オレの頭は正常である(はず)のでご安心ください。
     
     神林作品の登場人物たちは皆、何かしらの独特なユーモア感覚を持っているのだが、この作品に登場するキャラクターは全員共通して「能天気」だ。この脳天気という性格、つまりは個人の希望的観測をポジティブな方向に考えられる人間と言うのは、神林作品では次第に強調されていくことになる。
    例えば、初期作品では「踊っているのでなければ踊らされているのだろうさ。」と言う文に代表されるように、自身が何か別の存在に操られていたり、自意識は

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    2012年12月19日