神林長平のレビュー一覧

  • ライトジーンの遺産
    ある種の超能力をもった人造人間が主人公となり、人工臓器に絡んだ陰謀に関わっていく全7編の短篇集です。全編中々に味わい深い作品が揃っていますが、多くの謎が明らかにされる「ザインの卵」が特に良かったです。
  • グッドラック 戦闘妖精・雪風
    主人公の変革と機械、ジャムと哲学的な部分が多くなってきてミリタリー要素は若干薄くなったかな?でもこういうのがSFって感じ。
    新しく加わった新キャラ二人もいい味出してる。
  • 戦闘妖精・雪風(改)
    初めて読んだSF小説。
    台詞の一部などに気になる所があるけどメカや戦闘描写に燃える。章ごとにしっかり一つのエピソードになっているのでSF入門用としても読みやすい。
  • ライトジーンの遺産
    神林作品の中ではさらりと読める連作集ではないでしょうか。
    思念を読み、思念を力に変える能力を持つ“サイファ”、その始まりの人造人間――のはずなのに、主人公はひどく人間くさい。否、人間社会を満喫している。
    人工臓器を使うことを余儀なくされた都市での、酒と本を愛する気ままな男の事件簿のようである。

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  • いま集合的無意識を、
    意識、インナースペースを主題にしたSF短編集。
    面白い。伊藤計劃氏にも共通する、この自分の事を書かれている感が堪らなく面白い。
    ちょっと難解な部分もあるが、他の作品も読んでみたい。
  • いま集合的無意識を、
    「切り落とし」がすごくこわかった。現実と脳内が混ざる話は苦手。でも、どうなるのか分からない緊張感があって一気に読んだ。
  • 狐と踊れ〔新版〕
    SF小説。1970年代など少し古めの作品であることをあとがきを読んで知った。そんな印象は全く受けなかった。9篇の作品があったがどの作品も一味も二味もある良作ばかりだった。SF作品は世界観がぶっ飛んでいるものが多い印象でこの本の中にある作品にも多く該当している。読み始めはあんまりよい印象が持てず読むの...続きを読む
  • 帝王の殻
    火星3部作の2作目。SFだが人の意識、知性、記憶、人格、父と息子の関係、肉体感覚がテーマ。面白い。新刊の時は荒唐無稽に感じられた「PAB」だが、今読むと実現可能に思えて来る。
  • あなたの魂に安らぎあれ
    物語の背景設定の妙がひかる古典SF。「火星三部作」の一作目。アンドロイドと人間、仮想現実、輪廻転生などの要素が詰まっている。1980年代にこの物語を書いた著者の想像力は凄い。そのまま映画の脚本にできる。

    電子書籍で再読するとは高校生の時には想像もしなかった。3度目に読むときにはどういう読み方するの...続きを読む
  • 敵は海賊・海賊課の一日
    黒猫型異星人アプロの666回目の誕生日のために、海賊課総出で大騒ぎ。祝ったり呪ったりのろけたり、ふざけた展開をひっくり返すようなシリアスな過去の因縁も顔を出して、相変わらず忙しい小説。
    たった一日を描いただけなのにボリューム満載でフルスロットル。制限時間があるからこそ、凝縮されて濃い面白さになってい...続きを読む
  • 敵は海賊・海賊の敵
    ラジェンドラがついに主役の座を獲得…とまでは出張ってはいないけれど、言葉の定義に厳密で生真面目なラジェンドラが語り手だと、いつものドタバタ(それももちろんあるけど)とは違って楽しい。
    これも「言葉」を意識した著者の試みなのか、それは分かりませんが。
    ヨウメイが海賊志望(?)の若者に思いがけないほど優...続きを読む
  • いま集合的無意識を、
    全篇を通して、主題はコミュニケーションについてだなあと感じた。「他人とわたし」のコミュニケーションというよりは、「わたしとわたし自身」「わたしと機械(インターネット)」とのコミュニケーションについての考察として書かれていた。
    でも、そんな小難しいことを考えなくても、それぞれがSFとして面白く読める内...続きを読む
  • ライトジーンの遺産
    副題は「人造人間 菊月虹のΨ難」。
    超能力は疲れるし効率が悪いとぼやき、ウィスキーを嗜みつつ古本の頁をめくり、家賃の催促に怯えながら生活の糧を得るための仕事を探す。
    優雅に見えなくもない貧乏生活を飄々と楽しむ最強の人造人間。
    その出自と能力のせいで、厄介事に次々と巻き込まれるのです。
    グロテスクな描...続きを読む
  • アンブロークンアロー 戦闘妖精・雪風
    狂人の妄想か、人知を超えた存在の巧妙な罠なのか。
    認識は錯綜して融合し、リアルは変容していく。
    でもともかくも、特殊戦がジャムの関心を引き、遊ばれている間は人類は安泰のようです。
    哲学的な言葉遊び、結論を出してしまえば嘘臭く、考え続けることに意味があるというような会話が延々と続き少しうんざりでした。...続きを読む
  • グッドラック 戦闘妖精・雪風
    『ジャムとは何か』それは人間とは何かを定義することであり、意識とは何か、生命とは…。
    異次元の超意識体であるジャムはもはや『 神』なのではないか⁇
    そんな不毛にも思える哲学的論争が帰結する先には雪風と零の共生関係が。
    対ジャム最強兵器。最後の希望。
    でも零の最大の関心事は雪風に必要とされているか...続きを読む
  • いま集合的無意識を、
    私には感じられないことを考えて想像してて、それらをあほな私にもわかるような言葉に落とし込んでくださってて、読後にふーむとうなることがでました。なんかすごい本。また読み返します。
  • 敵は海賊・海賊の敵
    久しぶりに読むと こんな読みにくい文体だったけ?って やっと慣れてきた頃に バツんと終わってしまった感じ。でも このシリーズはやっぱり好き
  • 敵は海賊・海賊版 DEHUMANIZE
    雪風シリーズに続いての「敵は海賊」シリーズ。
    どうも、ドタバタ劇的な感覚が強い。まぁシリアスな部分ももちろんあるが、登場人物たちがそれを強く感じさせないくらいコミカルに描かれている。特にアプロ。
    もう何冊かこのシリーズを読んでみたくなった。
  • グッドラック 戦闘妖精・雪風
    第一作目で充分完結しているように思えたが、このような形でさらにスケールアップして続くとは思わなかった。
    機械と人間の複合生命体という概念、ジャム人間、哲学的存在としてのジャム。
    一作目は人間が機械から拒絶されることで、あまりにもそれが完璧に美しく終わっていた。が、今作は機械との共生を、主人公の零の成...続きを読む
  • グッドラック 戦闘妖精・雪風
    零の性格が人間味を帯びるにつれて、雪風もヒトに近づいていく。

    ヒトと機械の境界線の定義ってSFではありきたりなテーマなのかもしれないけど、この本がおもしろいのは、ヒトはヒトなりに、機械は機械なりにキャラが立っているからかなーと思う。

    マクロな視点でみると、機械はヒトを必要としていないように見える...続きを読む