神林長平のレビュー一覧
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「戦闘妖精・雪風」シリーズ2作目。
1作目に比べて戦闘シーン、ミリタリー色は控えめで、「人間」・「ジャム」・「人工知能」それぞれの存在を深く掘り下げた内容になっている。
印象深いのは主人公・深井零と愛機「雪風」の関係性の変化。
前作では零の一方通行な思い入れだったが、新たな機体を手に入れた雪風は零を必要とし、成長を遂げた零は雪風の意志を汲み取ろうとする。不器用な人間と人に近づいた機械との不思議な信頼関係が見られる。
(フォス大尉はそれを「愛」と定義している)
ジャムは人類を標的と定め本格的に侵攻を始める。そして謎に包まれた実像も明らかになっていく。
雪風がブラッディ・ロードに飛翔していくラス -
Posted by ブクログ
ネタバレ南極大陸に突如出現した超空間通路から地球に侵略してきた異星体「ジャム」(正体不明、生物かすらも不明)。通路の向こう側の惑星「フェアリイ」で進攻を阻止する空軍「FAF」に属する「特殊戦」パイロットたちの物語。
本格的SFながら人間の存在意義にスポットを当てた骨太で哲学的な作品。
解説にあるようにどこかフィリップ・K・ディックに通じる趣きがある。
味方を犠牲にしてでも敵の情報を持ち帰るという非情な任務のために戦闘機を駆る深井零。
他者への関心を持たず人間性を無くしながらも彼が愛機「雪風」へ自らの存在を投影するし、心を傾ける姿はなんとも「人間らしさ」に溢れている。
まるで歩調を合わせるように闘いのレ -
Posted by ブクログ
ネタバレ人々が自身の腹脳的機械を携帯するようになった時代。舞台は火星。
PABというそれらの機械を繋ぎ、その中身(つまり人間の思考や人格)を監視下におく、アイサックというシステムを構築した先代の帝王は、亡くなる前に次期帝王を孫の真人にするために画策していた。
真人は知的発達が遅れており、2歳半だが会話は出来なかった。
しかしアイサックが起動して、ある日、急に自らを帝王と名乗り、
父親であり、一時的に火星を管理している恒巧(のぶよし)を解任し、
火星を統治しようとする。
アイサックの人格が真人という肉体を得て自由に振舞っていると思われていたが、
実は、生まれつきPABの中身を理解できた真人は、
幼少