あらすじ
長野県松本で暮らす作家のぼくは、連絡がとれない父・伊郷由史の安否を確認するため、新潟の実家へと戻った。生後3ヶ月で亡くなった双子の兄とぼくに、それぞれ〈文〉〈工〉と書いて同じタクミと読ませる名付けをした父。だが、実家で父の不在を確認したぼくは、タクミを名乗る自分そっくりな男の訪問を受ける。彼は育ての親を殺して死刑になってから、ここへ来たというのだが……神林長平、三十六年目の最新傑作にして、最大の野心作。
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Posted by ブクログ
すごかった…
いや、何が凄いのかうまく説明できないんですけれど。
流石としか言いようが無い!
意識とは、自我とは。哲学ゾンビの話がまた此処で出てくるのですが(「誰の息子でもない」と同じく)最近の神林長平作品は昔よりもっと、ぐっと核心に迫る様な書き方をされていると思います。(そしてまだまだノビシロがある様な!)誰が死んでいるのか、生きているのか。生きて居るって云うのは、意識がある事?死んでいても死者の意識が生者に宿ったらば、それは死者では無いのでは?では宿られた生者は死者なのか?そんな感じかな。…すみません凄く薄っぺらい書き方しか出来無くて…。
最後まで読み終えてまたし最初からページを繰り直してしまいました。
うーん、凄いです。