神林長平のレビュー一覧
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天野さんの表紙だ!やっぱり可愛いですね。
耳のあたりのほわほわの毛の表現がたまりません。
今回は真の意味ではチーフ・バスターが主役だったお話なのでしょう。何せ物語の主人公なのですから(笑)。お話の初期ではアプロがあまり活躍しないので何となく物足りないなあと思っていたのですが後半は独壇場でしたね。
大満足です。
それにしてもヨウメイさんが出てこないと毎度のことながら話が終結しないなあ。大概に置いて元凶も彼なのだけれども。
敵は海賊、と言うタイトルなのだから敵であるところの海賊が主役なのか。今気が付いた。
なんかだんだん残りの巻が少なくなってきていてさみしいです。 -
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同一の世界観に貫かれている、けれどもそれぞれ違う世界・違うキャラクターを中心に据えた七つの作品による連作短編集。色を司る“魔”たちが支配する世界、都市上空を浮遊するスーパーコンピュータが人間を制御・管理する世界、そして“神”ルーブリックのもとで色と人間たちとが共存する世界――時にはファンタジー、時にはSF、プリズムのように色を変えながら、いずれにせよ神林作品ならではの言葉で編まれた短編たちは、「太陽の汗」に続き、“存在”とは自己認識か、他からの認識かというテーマを掘り下げている。
都市制御体から認識されず社会的に「いないはずの者」として扱われている少年、制御体のパーツであり無機物であるのに制御 -
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ネタバレ解説にもあるが、これが1994年に書かれたことを考えると、小説家の想像力の射程の長さには舌を巻くばかりである。
小説家の想像力の射程というアングルに限って言えば、「リトルピープルの時代」で宇野氏が、村上春樹のそれに触れている。
言壺の、神林氏の射程は近づく先から逃げて行くような、遠い遠い先を見据えているように感じられる。
人間と、その他の動物との生きる世界の違いを、言葉(と、それによって作られた想像上の社会)の有無という視点から、一刀両断している件が好き。
最後の「碑文」にある一人称「我」は、いつでも私たちの隙をつかんと覗いている。 -
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神林長平の長編二作目。1983年の作品だが、他の神林作品と同じく今読んでも全く古びていない。「感応力」を持ち互いに精神会話を交わせる“子ども”と「感応力」を失い言葉でしか会話ができない“大人”から成る世界での物語だが、大人になることを恐れる主人公の焦燥感はSF的シチュエーションから切り離しても同世代の共感を得られるものかもしれない。「感応力」を失うことは死も同然と主人公は悩むが、彼の価値観がそのまま作品の価値観になっているわけではなく、一人称作品でも話者に共感・同化せずとも読めるところが面白い。精神波を読んでもその言葉が嘘か本当か主人公には判断できない佳子の存在が、“大人”の世界ならではの魅力
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ネタバレ新書購入
SF。ファンタジー。
海賊課のおそらくは有能な刑事さんたち、アプロとラテル。そしてラジェンドラ。
最強の海賊、?冥(ようめい。陶の、偏なし・でない。しょうがないから、冥で)
シリーズもの。十年目の新刊。
アプロが表紙。まあいつものことですが。ラテルが表紙になったことってあったかな?(ないだろう、たしか。
冥が……人間らしいです。
可愛いとか生命への愛しさについて語ってます。
観念で遊べる冥と、観念で遊ぶ気がない海賊課。
活動を立ち上げる天才、モーチャイ。
女王のような学者、リジー。
今回のお話は……。
リジーを気に入った冥が、リジーと遊びたさにしでかした -
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友人から借りました
SF。ファンタジー。
海賊課のおそらくは有能な刑事さんたち、アプロとラテル。
最強の海賊、?冥(ようめい。陶の、偏なし・でない。しょうがないから、冥で)。
そして今回は、新キャラ登場。すごくあくの強い海賊課の刑事セレスタンと、それにまとわりつかれている可哀想な「人を殺さない海賊(ただの詐欺師のようですけど……)ラクエシュ・ホッチ」。
今回は、冥がやけに動きます。能動的です。
いつもは喧嘩売られたから出てくるのに、マーゴという女海賊が倒されたのを聞いて、海賊全組織導入して敵の捜索をさせます。
今回の敵は「鶏」でした。(なぜ、この形?)
ジュビリーがかわいそ -
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ネタバレ友人から借りました
SF。ファンタジー。
海賊課のおそらくは有能な刑事さんたち、アプロとラテル。そしてラジェンドラ。
最強の海賊、?冥(ようめい。陶の、偏なし・でない。しょうがないから、冥で)。
アプロが666回目の誕生日を迎えました。(露骨に悪魔の数字ですよ……)
みんなイヤな予感を覚えながら、その日を過ごす。チーフは問題起きないように、三人に苦情処理の仕事をさせる。
一番、それの影響を受けたのはラテル。アプロの時間干渉能力によって、過去や未来に干渉することになり……。映話に、過去の叔父から電話が入ってきてから、全滅させられたキャラバンの敵討ちが始る。
アプロの一族が外に -
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ネタバレ友人から借りました
SF。ファンタジー。
海賊課のおそらくは有能な刑事さんたち、アプロとラテル。そしてラジェンドラ。
今回はチーフ・バスターが休暇をとる話。主役はバスター。
八十八日も。ほほ、三ヶ月。
その間、チーフ代行として、アプロ、ラテル、ラジェンドラが基地本部に詰め込まれる。
フラストレーションが溜まりまくる、ラテル。(デスクワークにむかない。痔の幻覚にまで襲われて……可哀想に)
ほとんど仕事しないアプロ。(この悪魔にクレーム処理は無理…。でもいつも通り)
チーフ代理という立場にプライドがくすぐられ、いつもより妙なテンションの人工知能ラジェンドラ(宇宙船)。これ、、男な -
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友人から借りました
SF。ファンタジー。
海賊課のおそらくは有能な刑事さんたち、アプロとラテル。そしてラジェンドラ。
最強の海賊、?冥(ようめい。陶の、偏なし・でない。しょうがないから、冥で)。
幻の海賊冥を引っ張り出そうとする、正義感の強い次期火星首相。
何度暗殺されても蘇る、この男…。ついには冷凍にされてばらばらの肉にされて、何人かに食われても。
腹を破って、復活……。すごい。
アプロ以上の化け物です。
そのアプロ。恐いキャラだったのですね。
殺戮衝動の代償に、空腹を覚えているというのだから。
戦闘が始ると、かなり恐い。この猫。
海賊が猫嫌いになった理由がわか -
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ネタバレ構成が緻密ですごく計算されてると思った。最初は、未来の火星の安部公房風な群像劇が結構長めに書かれてて、ちょっと冗長かな~とか思っていたんだけど、気になるのはなぜかアンドロイドが全然出てこないこと。それがなんだかとても不気味な雰囲気を漂わせていて、後でアンドロイドが出てきたときのインパクトがすごいことに。
最後に主人公(?)の誠元(って描いてミツヨシと読む、途中まで気付かずマサモトだと思ってた!)が自身にまつわるとんでもない事実を知るのだけど、そこに至るまでがすごい! 気づいてないのは本人だけで、読者はとっくに気付いてる、その気付かせるための伏線、意外にさりげないその回収と、誠元が気付くまで