神林長平のレビュー一覧

  • 完璧な涙2
    東城さんの描く青年は、良いなぁ。非常に失礼だが、ストーリーは私にはぴんとこない…古い感傷的なSF…としか。でもそれに乗っている青年の表情は、とても好きだ。「禁区」の続きが読みたくなった。
  • 敵は海賊・不敵な休暇
    シリーズ第四弾の敵は、「顔のない男」。
    文字通り見えざる敵を相手に翻弄される海賊課と匋冥ですが、彼等の強烈な個性が「プロット」に収まりきるわけもなく、やがて物語は書き手の意志を離れ、登場人物たる彼等自身の手によってクライマックスへと向かいます。

    書くものと書かれるもの、物語の内側と外側。
    そんな神...続きを読む
  • 敵は海賊・海賊たちの憂鬱
    敵は海賊シリーズ第三作。
    今回は正体不明の不死身の男、マーマデュークを巡って海賊課と匋冥がサベイジを舞台に大乱闘を繰り広げます。

    一人と一匹と一艦によるお馴染みのドタバタ劇は勿論健在ですが、今作ではキャラクターそれぞれの感傷的な部分、表題である「憂鬱」がクローズアップされる場面が多く、読み手が彼ら...続きを読む
  • 小指の先の天使
    ソロンの話を多分5回位読み返してしまった!
    設定を同じくする連作集なんですが、
    一冊読むととても感慨深い、残る物があります。
    SFというカテゴライズに収まりきれない、流石としか!
  • いま集合的無意識を、
    伊藤計劃に釣られて読んだ。他の作品も良かったが、やはり表題作が刺激的。ハーモニーの解釈は自分と同じだったけれど、その一歩先とSFの意義に踏み込み若者へ警鐘を鳴らす。
    他のも読んでみようかな。人類が端末化する過渡期ってこんな感じ?
  • 宇宙探査機 迷惑一番
    平行宇宙間を移動する探査機と、彼に遭遇した地球軍の一小隊の巻き起こす騒動を描く。ストーリーとしてはよくよく考えると浮かばれない話だが、登場人物の「脳天気」さのおかげで話が辛気臭くならず、最後まで調子よく読み進められてしまう。小隊員らは彼らの浮かばれない状況を認識しつつ、それでもあくまで楽天的。彼らの...続きを読む
  • 敵は海賊・海賊の敵
    久々(6年ぶり)の敵海新刊。いつものメンバーでいつものやりとりがあったりするだけでニヤリ。内容的には後半の展開が忙しかったからもう少しゆっくり風呂敷畳んで欲しかったところ。それにしても、ヨウ冥は出てくるだけでテンション上がるなー!
  • 敵は海賊・海賊の敵
     宗教という発明をネタに神林作品にしてはわかりやすくあっさり楽しかったです。以前はこの人の本って半分飛ばし読みにならざるをえない…というか、なんかすごく難解でぽかーん?とすることが多かったのですが。
     雪風のアンブロークンアローもすごく面白かったから、自分の好みがこっち寄りに変わったのかも?このシリ...続きを読む
  • 戦闘妖精・雪風(改)
    みんなが名作と言うので読んでみたが。
    人間にとって機械とは何か。機械がさらに高機能となっていったときに何が起こるのかについて考える手掛かりとはなりそうだが。
  • 敵は海賊・海賊の敵
    久しぶりの新刊!嬉しいです。
    アプロもラテルもラジェンドラも相変わらずで何より(で良いのか悪いのか)。
    久々のフィラール舞台でシャルも出てくるしクラーラも出てくるし萄冥さんも人間だったねえと改めて実感しました。ちょっとこういうシチュエーションはときめきますね。それにしても怖いものナシのポワナさんでし...続きを読む
  • 敵は海賊・海賊の敵
    いつも通りの楽しいドタバタ劇で、いつものように、人の想いや言葉が世界を世界たらしめているという主題。

    なんだけど、匋冥神(たぶん信仰という妄想が生み出した何らかのエネルギー)がフリーザーから出現したのはピンとこなかったな。聖剣シューフェンバルドゥの方は違和感ないんだけど。

    ついにラテルに彼女とい...続きを読む
  • 言葉使い師
    スフィンクス・マシンが印象に残った。
    言葉使い師はもう少し読み込んでみたい。

    境界。
    どこからどこまでが意識なのか、言葉なのか、機会なのか、人なのか。
  • いま集合的無意識を、
    6つの短編からなるSFでした。
    最終話は去年読んだ「ハーモニー」へのアンサー(私)小説だったが、ハーモニーにそんな面白さを感じなかった俺としてはなんでアンサー?ってとこでしたが読んで納得。
    しかし最近読んでる本に関連性(関係性か)があるなぁ。
    知らないうちにゴーストが囁いてるのかな。
  • 言壺
    私を生んだのは姉だった。
    この言葉から始まる、最初の収録話「綺文」で何処か新しい世界に連れて行ってもらえるような予感を感じた。
    結果として、難しくてよくわからなかったというのが正直なところ。
    ただ、物語の流れに沿いながら、初めて言葉に対して考える機会を持つことが出来た。
  • グッドラック 戦闘妖精・雪風
    戦闘妖精雪風の続編。
    単なる戦記モノでもなく、戦争を通じた人間ドラマでもなく、社会派でもなく。シンプルにこれはエンターテインメント。SFである。
    人口知能テーマで、高度に発達した電子頭脳と人間の関係がうんたらとかいうともはやテーマとしては陳腐ではないかと思われるが、それはこれでもかというほどの博覧強...続きを読む
  • アンブロークンアロー 戦闘妖精・雪風
    雪風3作目。
    ジャムとの戦いが、物理的なものから観念的なものへと急速にシフトしてゆき、息を呑む。

    全く異質な存在とコミュニケイトするために、感覚を同期させようとする雪風。
    人間と戦闘知性体の感覚が混ざり合って生まれた“無人世界”の、無機質で寂寞とした雰囲気が何ともいえず不気味だった。

    不安定な時...続きを読む
  • 帝王の殻
    火星三部作で最後に読んだもの。PABシステムが気持ち悪すぎて鳥肌。自分と会話するって想像しただけで嫌です。
  • いま集合的無意識を、
    6つの短編から成る珠玉のSF小説。
    『戦闘妖精雪風』のスピンオフ「ぼくの、マシン」と、
    故 伊藤計劃との仮想対話「いま、集合的無意識を」も収録。

     現実世界やネットワーク世界、多世界解釈世界と様々な舞台のなかで、人間の“意識”“自我”“無意識”に切り込んでいるのが面白い。
    特に、伊藤計劃の描こうと...続きを読む
  • グッドラック 戦闘妖精・雪風
    雪風シリーズ2作目。
    前作の、「友人だと思っていた奴から置いてけぼりを喰らった衝撃」とは また少し異なる感じの読後感。

    零と雪風は、必要とあらば相手を切り捨てることが出来るし、お互いにそのことを理解していて、だからこそ固い信頼で結ばれている。その関係を“愛”と呼んでしまうところに痺れた。

    ようや...続きを読む
  • ライトジーンの遺産
    面白かったー!身体の臓器が壊れていく奇病が人々を怯えさせる世界と、そこに生み出された二人の人造人間。特殊な設定が活かされたストーリーにいつしか夢中になってた。