神林長平のレビュー一覧
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シリーズ第四弾の敵は、「顔のない男」。
文字通り見えざる敵を相手に翻弄される海賊課と匋冥ですが、彼等の強烈な個性が「プロット」に収まりきるわけもなく、やがて物語は書き手の意志を離れ、登場人物たる彼等自身の手によってクライマックスへと向かいます。
書くものと書かれるもの、物語の内側と外側。
そんな神...続きを読むPosted by ブクログ -
敵は海賊シリーズ第三作。
今回は正体不明の不死身の男、マーマデュークを巡って海賊課と匋冥がサベイジを舞台に大乱闘を繰り広げます。
一人と一匹と一艦によるお馴染みのドタバタ劇は勿論健在ですが、今作ではキャラクターそれぞれの感傷的な部分、表題である「憂鬱」がクローズアップされる場面が多く、読み手が彼ら...続きを読むPosted by ブクログ -
伊藤計劃に釣られて読んだ。他の作品も良かったが、やはり表題作が刺激的。ハーモニーの解釈は自分と同じだったけれど、その一歩先とSFの意義に踏み込み若者へ警鐘を鳴らす。
他のも読んでみようかな。人類が端末化する過渡期ってこんな感じ?Posted by ブクログ -
平行宇宙間を移動する探査機と、彼に遭遇した地球軍の一小隊の巻き起こす騒動を描く。ストーリーとしてはよくよく考えると浮かばれない話だが、登場人物の「脳天気」さのおかげで話が辛気臭くならず、最後まで調子よく読み進められてしまう。小隊員らは彼らの浮かばれない状況を認識しつつ、それでもあくまで楽天的。彼らの...続きを読むPosted by ブクログ
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みんなが名作と言うので読んでみたが。
人間にとって機械とは何か。機械がさらに高機能となっていったときに何が起こるのかについて考える手掛かりとはなりそうだが。Posted by ブクログ -
6つの短編からなるSFでした。
最終話は去年読んだ「ハーモニー」へのアンサー(私)小説だったが、ハーモニーにそんな面白さを感じなかった俺としてはなんでアンサー?ってとこでしたが読んで納得。
しかし最近読んでる本に関連性(関係性か)があるなぁ。
知らないうちにゴーストが囁いてるのかな。Posted by ブクログ -
戦闘妖精雪風の続編。
単なる戦記モノでもなく、戦争を通じた人間ドラマでもなく、社会派でもなく。シンプルにこれはエンターテインメント。SFである。
人口知能テーマで、高度に発達した電子頭脳と人間の関係がうんたらとかいうともはやテーマとしては陳腐ではないかと思われるが、それはこれでもかというほどの博覧強...続きを読むPosted by ブクログ -
雪風3作目。
ジャムとの戦いが、物理的なものから観念的なものへと急速にシフトしてゆき、息を呑む。
全く異質な存在とコミュニケイトするために、感覚を同期させようとする雪風。
人間と戦闘知性体の感覚が混ざり合って生まれた“無人世界”の、無機質で寂寞とした雰囲気が何ともいえず不気味だった。
不安定な時...続きを読むPosted by ブクログ -
6つの短編から成る珠玉のSF小説。
『戦闘妖精雪風』のスピンオフ「ぼくの、マシン」と、
故 伊藤計劃との仮想対話「いま、集合的無意識を」も収録。
現実世界やネットワーク世界、多世界解釈世界と様々な舞台のなかで、人間の“意識”“自我”“無意識”に切り込んでいるのが面白い。
特に、伊藤計劃の描こうと...続きを読むPosted by ブクログ -
雪風シリーズ2作目。
前作の、「友人だと思っていた奴から置いてけぼりを喰らった衝撃」とは また少し異なる感じの読後感。
零と雪風は、必要とあらば相手を切り捨てることが出来るし、お互いにそのことを理解していて、だからこそ固い信頼で結ばれている。その関係を“愛”と呼んでしまうところに痺れた。
ようや...続きを読むPosted by ブクログ