神林長平のレビュー一覧

  • グッドラック 戦闘妖精・雪風

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    ネタバレ

    雪風シリーズ2作目。
    前作の、「友人だと思っていた奴から置いてけぼりを喰らった衝撃」とは また少し異なる感じの読後感。

    零と雪風は、必要とあらば相手を切り捨てることが出来るし、お互いにそのことを理解していて、だからこそ固い信頼で結ばれている。その関係を“愛”と呼んでしまうところに痺れた。

    ようやく接触することになるJAMの本体との対話も興味深い。
    自分の認識で把握出来ない敵にどう向き合えばいいのか。

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    2012年11月10日
  • ライトジーンの遺産

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    面白かったー!身体の臓器が壊れていく奇病が人々を怯えさせる世界と、そこに生み出された二人の人造人間。特殊な設定が活かされたストーリーにいつしか夢中になってた。

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    2012年10月31日
  • いま集合的無意識を、

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    名前だけはずっと知っていたけれど、神林長平の作品を読むのは初めて。
    手に取ったきっかけは、やはり伊藤計劃さんです。「虐殺器官」も「ハーモニー」も読みましたが腑に落ちない、というか理解できないところがあったので。
    「虐殺器官」の方を面白く読んだのですが、「ハーモニー」を再読しようかと思いました。

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    2012年10月20日
  • いま集合的無意識を、

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    表題作が伊藤計劃の『ハーモニー』について考察したものだと知り、購入。
    ハーモニーについては考える機会を与えてくれたひとつの世界であり、楽しめた作品だったが、難解であったので、表題作はすがる気持ちで読んだ。
    他の短編と合わせて、著者が長年のSFを書き続けて得られたファンダメンタルな考えが底に流れていると感じた。
    最初の短編は著者の作品のスピンオフで読んでいないので、すこしわかりづらい。
    表題作はハーモニーを読んでいなくても、新鮮ではあるが納得できる考えがそこにはあった。
    SFは目的でなくて伝える手段なんだね。

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    2012年10月16日
  • プリズム

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    序盤では世界観が全く掴めないが、読み進めるうちにだんだんとわかってくる。もつれた糸がほどけていくような感覚だった。が、一度読んだだけでは作者がこの作品で何を述べようとしたのか、自分にはわかりそうもない。個人的には、序章からの謎が一気に収斂していく四章「ルービィ」は圧巻だった。

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    2013年06月05日
  • ライトジーンの遺産

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    腕、心臓、眼、皮膚、骨、声、そして卵子。ヒトを形づくる器官と臓器を人工的に作れるようになった未来。人工器官もヒトに属する限りヒトの情念と無関係の只のパーツとしては存在しない。人造人間、自由人、超能力者、人工器官製造会社、警察と様々入り乱れるSF大作だけど、一気に読めて面白過ぎ。

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    2012年08月23日
  • 言壺

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    ワーカムという、人工知能に近い言語に特化したワープロを軸にしたSF短編集。
    機械学習の権化のような端末が人々に与える影響から、普段は気づかない「言葉」というものの強さ、恐ろしさが垣間見える。円城塔さんの解説文まで、ワーカムのスタイルで統一されており、解説文も作品に取り込むこの本には、魔力すら感じさせられる。

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    2012年08月16日
  • 敵は海賊・海賊版 DEHUMANIZE

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    神林長平が好きだと言いつつ、雪風と火星3部作くらいしか読んでませんすみません。最近出た神林作品トリビュートを読むためにはまずもとの作品を読んでおかないと…とも思って読みました。思ってた以上にハードボイルドな、硬質な印象のSFでした。読んでてたまに混乱。それにしてもアプロかわいい…喰われてもいい。SFと猫って合いますにゃー。

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    2012年08月13日
  • アンブロークンアロー 戦闘妖精・雪風

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    雪風シリーズ第3作。
    前作『グッドラック〜』をかなり忘れていたこともあり、最初は時系列もよくわからないし読みづらかったが、中盤からは俄然面白くなった。
    正体のわからない異星体ジャムとの戦いを描いたこのシリーズだが、今作は戦闘機での空戦シーンは減り、ほとんど哲学書のような内容になっている。ジャムや雪風と向き合うことで、零をはじめとする特殊戦の人間たちが人間とは、リアルとは、と思索しつつこの戦いの意味を考える。
    久々に難しい本を読んで疲れた(し、全て理解できたわけではない)けど満足。この作者がもう少し小説的に読みやすい文章だったら神だと思うのだが、本の形にして語ってくれる概念は相変わらず素晴らしい

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    2012年08月11日
  • 小指の先の天使

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    ネタバレ

    神林長平、読むの数年ぶりですかね。
    肉体を捨て仮想世界を選んだ人々と現実世界を選んだ人々が生きる世界で,様々な視点から人の意識について思索するSF連作集。
    どの作品も好きですが,特に好みなのは「抱いて熱く」と「なんと清浄な街」。
    「抱いて熱く」は,世界観提示のために冒頭に置いているのでしょうか。どんな世界が描かれるのかとなかなかわくわくさせてくれました。恋愛ものでもあります。
    「なんと清浄な街」は登場人物の会話を通して思索を突き詰めていく感じが好きです。仮想現実に生きる人々の世界認識の話。
    救いがあるのかないのか明言されなくとも,やさしい雰囲気のする読後感のよい話が多くて,神林作品でも好みの一

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    2012年07月09日
  • アンブロークンアロー 戦闘妖精・雪風

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    いつもながらの、煙に巻くような?理屈っぽい会話劇に、ぐいぐい引っ張られていくのが気持ちいい。理解しながら読むのはあきらめていて、こめかみを捕まれて引きずり回されながら、時々指の間から前の方が見えるのも感じつつ、基本的には受け身で読み進めていく感覚。一文一文、地に足をつけて丁寧に読み込む人もいるんだろうけど。人により自由な楽しみ方が許されるところが本の良いところか。
    終盤、いろいろな不確定性が確定していく中での飛行シーン。このカタルシスが、作者の力量か。やはり神林長平はやめられない。

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    2012年06月24日
  • 敵は海賊・海賊版 DEHUMANIZE

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    ネタバレ

    戦闘妖精雪風とはまったく異なった世界観がある小説。

    同じといえば、物語が地球ではなく地球外惑星で進められる点と
    高度に発達した人工知能を有するコンピュータが存在する点

    それ以外はまったく異なった世界でいったいこの作者の頭の中はどうなっているのか
    除いてみたくなる・・・。

    主な舞台は火星で、しかも警察(のうよう名組織)と海賊との戦いが描かれていて、
    しかも、太陽系を中心に暗躍する海賊の首領は太陽系では経済界をも支配している存在。

    どうにも破天荒なストーリーでしかもこれを書いたとされるのは、人工知能搭載型のワープロソフト・・・
    このワープロソフトが作中の登場人物に”書かせた”となっている・

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    2012年06月21日
  • 狐と踊れ〔新版〕

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    ネタバレ

    神林作品は雪風シリーズしか読んだことがなかったけれど、
    この作品は初期ということもあり、筆者にしては婉曲的な表現が多く、異色な印象を受けた。

    主に「日常」と「非日常」の境界を行き来する話しが多いと感じた。
    神林シリーズの原点になるものなのだろうか

    「落砂」が印象的
    どちらが正常でどちらが異常かわからない
    狂気の物語。


    日常と非日常
    日常とはなにか
    非日常とはなにか
    私たちが日常だと思ってすごしていても
    すでに非日常に足を踏み入れているかもしれない

    そんな非日常へ一歩足を踏み出させてくれる作品。

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    2013年01月03日
  • あなたの魂に安らぎあれ

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    ネタバレ

    人間が地下で生活するその上、地上ではアンドロイドが自由を謳歌していた。
    人間のように暮らし、自由に生きて、死ぬアンドロイド。
    死んだように地下でひっそりと生かされて、死ぬ人間。
    一体なんのために生きるのか。
    そしてエンズビルは一体なにをもたらすのか。

    エンズビルが降り立った部分からおもしろかった。
    里司の役目とアンドロイドの役目。
    そして未来を見る人間と過去を見るアンドロイド。
    確かにアンドロイドは人間の生み出したものなのだと。

    いかんせん、字が小さいので読み終えるのになかなか骨が折れた。

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    2012年04月21日
  • グッドラック 戦闘妖精・雪風

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    ネタバレ

    このまた続きが出ていることに最近気づいて(マヌケ)、慌てて読んだ;
    1冊目(というか零がw)好き過ぎて、続きでどうにかなってしてしまうのを見るのが怖くてずぅっと放置(って何年だ!?)していたので、期待が育ち過ぎてた感有り。
    機械と人がさらに一体化している描写は、実際にあり得そうで面白い。
    色々現実の方が追いついてるところが多くなってるなぁと思ったので、続きは間をおかずに読みます。

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    2012年04月14日
  • アンブロークンアロー 戦闘妖精・雪風

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    10年ぶりの続刊が哲学書だった。雪風ってこんなだった?面白かったからいいけど。次、また10年後に更に難解になってたらどうしよう。

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    2012年03月30日
  • グッドラック 戦闘妖精・雪風

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    ネタバレ

    前作より進化した雪風。進化した零。

    そして、二人の関係も変容していく。
    零にとっての雪風とは、雪風にとっての零とは。

    そして、その存在が垣間見えてくる異星体ジャム。
    「われはわれである。」

    自分という存在は何なのか

    その答えは自分で探さなければならない。
    そして、自分と向き合い、生きていかなければならない。
    これは、特殊戦だけではなく、私たちにもあてはまる。

    「われわれは、今できる最善と信じることをやるだけだ。」
    自分が生きていくためには、常に思考し続けなければいけない。

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    2012年04月10日
  • 永久帰還装置

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    やっぱり帰るって言ったらお母さんの側ってことになるのかなぁ…?
    真ん中以降からいっきに読めました。前半は世界観の説明みたいな感じ

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    2012年02月08日
  • 小指の先の天使

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    なんとなくつながっている短編でした。
    やっぱりリアルなことって素敵だなと思いました。
    インターネットをしてて時々むなしくなることもあります。

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    2012年02月03日
  • 言葉使い師

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    スフィンクス・マシンが好きです。絵を描くことが好きなのでなお一層です。
    久しぶりに日本人作家のを読んで落ち着きました。
    短くて読みやすくて好きです。

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    2012年02月02日