神林長平のレビュー一覧

  • あなたの魂に安らぎあれ

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    SFばかり読んでいた学生時代に、鮮烈な印象を受けた本。数十年ぶりに再読し、昭和のSFの良さを再認識した。
    主要人物について、ここに至るまでのエピソードや人となりなども、もっと書いて欲しかったと思う一方、それなしでも感情移入できるのはさすがだし、SFとしての枠組みがしっかりしていて、読み応えがある。
    三部作になっていたのは不覚にも知らなかったので、これから他を読むのが楽しみ。

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    2019年07月16日
  • アンブロークンアロー 戦闘妖精・雪風

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    最後の雪風が飛び去るイメージが頭を離れない。そこまでは、正直、訳がわからない会話ばかりの本だったのが、一気に変わってしまった。続きがあるのだろうか?

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    2019年01月21日
  • 魂の駆動体

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    しぶちゃんリコメンド

    これは、、、いかにもしぶちゃんらしいセレクト。

    この人の作品は初めてだし、そもそもハヤカワを読んだのもどれくらいぶりだろう・・・

    私自身はそこまで「クルマ」に詳しい訳じゃないけど、この本で語られている事はそれでも伝わって来た。

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    2019年01月20日
  • アンブロークンアロー 戦闘妖精・雪風

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    ついに哲学書的になってしまった。ある意味押井守的とも感じる。思考実験的に物語を思い描いていく必要がある。これまでの2冊はここにくるための序章だったのかと思う。しかし、ここまできたら読み終えずにいられない。世界観に慣れてくる頃に、終了になってしまった。。。続編が待望される。

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    2018年11月12日
  • 言葉使い師

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    SF。短編集。
    どの作品も独特の世界観と不思議な読後感。
    切れ味鋭いSFホラーの「愛娘」「美食」も好きだし、「イルカの森」の主人公が原始的なヒトへと退化していく様子も面白い。
    今まで読んだなかでは、この著者の短編作品にハズレなし。

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    2018年09月15日
  • 膚の下(下)

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    もともと荘子の思想に親近感を持っていたけど、実際荘子を読むとあまりにも超然としすぎているような印象も受けたりしていた。
    この小説を読んで、アートルーパーと一緒にわたしと世界の見方を順番に学んでいくことでやっと万物斉同や万化について少し理解のきっかけを掴めた。だから、ある意味でシャンエや萬羽の嫌悪感もわかる気がする。
    意外だけど、アートルーパー達はいわば人造人間諸子百家かもしれない。まずは荘子内篇の大宗師を読もう!

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    2018年06月12日
  • 膚の下(上)

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    実加に字を教える場面、慧慈の脳の中で発火する発見の連続が凄まじい描写だった。釘付けになってなかば焦りながら文を追って読んでしまったのに、そのイメージはスローモーションで再生されているかのように頭の中に膨らんでいって、強烈な印象を叩きつけられた感じ。そのまま慧慈の感覚をなぞる体験をさせられてびっくりした。

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    2018年06月12日
  • あなたの魂に安らぎあれ

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    魂が安らぐ時はどんな時か。通読後、ひとつは舞の、もうひとつは誠元の魂が安らいだその時を繰り返し読み見返した。
    解説のとおり、ゆっくりした序盤から徐々に読むペースが上がっていってクライマックスに達する構成が凄い。これだからSFはやめられないというやつです。

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    2018年05月28日
  • いま集合的無意識を、

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    自我、意識、無意識、集合意識、集合的無意識、リアル、仮想。エンタメ志向ばかりではない、SFの真の奥深さを感じさせる短編集。「切り落とし」がツボだった。さて、「わたし」とは何だろう。リアルとは何だろう。

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    2018年04月24日
  • だれの息子でもない

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    短編と中編の中間くらいの小説三作品で構成されている。面白さもありつつ、副産物の多い読書だった。

    世界設定はミサイルが各戸に配備されたというような、いかにもSFっぽい世界で、ネットアバターという人工人格がネットという仮想空間でアプリ的に色んなことを代行してくれる。

    みたいな設定。

    話の顛末は言わないで、個人的に面白く反応できたことを書いてみたい。

    量子コンピューターなどコンピューターが超絶に進化したときのキモは、人の構成要素の最小単位が確定すれば、それが原子ならある瞬間のある人の膨大な数の原子の結合をその超絶コンピューターの中に再現してみた時に、その仮想空間にスキャンしたときの意識や記憶、意識や魂のようなものがそこにあるのだろうか? ということと、そのデータと生身は〈同期〉のようなことを通して行き来が可能になるのだろうか? ということだった。


    この小説を読むとそのへんの判然としない疑問に一定のifが投げかけられてくるのでいろいろなことを思うことができた。

    作品内で説明に使われる言葉の細かいニュアンスに多少自分の感覚的に違ってもとても面白く読めた。

    思ったのは「重き」を担保するものの強度みたいなもの。もちろん完全?シュミレートなら心身の痛みもリアルに再現されることになり、今自分が現実と思っているのが現実なのか仮想空間なのかわからないのでは?ということに。

    ただ区別がつかないなら、その問いには意味がない。意味がないなら、仮に今の自分か仮想空間内の再現なりデータだったら? ゲームのセーブデータと同程度の存在かもしれない。とか。

    何に意味があるのか、というような話に。
    そういったことをあれこれと考えさせられる面白い作品だった。SFの設定としては軽めのifなのかもしれないけど、哲学的な思索に貫かれているのでいろいろと深い。

    倫理学とかの考察に近いのかな。
    科学を突き詰めていった先に見える課題。
    素人の仮定はある程度で止まるけど、
    SF作家はドライブさせて向こうの景色で起こりそうなことを投げかけてくる。

    一粒で二度美味しかった。
    科学の進歩と人との関係を考える助けにもなると思う。

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    2017年12月27日
  • 言壺

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    20年前にこれを書いているのは凄いの一言。理にかなった推論により物語を紡ぐ。ここに描かれているのは推論の延長。水位は確実に上昇中で部分的には形になっていたり。書くことについての話なので書くことに興味のある人たちにはプラスの楽しみがあるだろうし一億総発信者といえる今の社会において読んでみると少し怖くなる。面白い作品だった。

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    2017年12月18日
  • 過負荷都市

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    読みやすく、エンタメ性高めの神林作品、だとワタシは思いましたが、どうでしょう?
    クォードラムのようなシステムが有ったらなあと思いました。人格を演じ、人生をやらされていても、今ならそれでも幸せだと思えてしまうのは、書かれた時代から既に30年近く経って、考え方や社会性が変わってしまったからなのかしら、とも。
    そかんがえても面白さの色褪せない神林作品の素晴らしきことよ。
    剣研さんがカッコ良かった…
    あと西瓜からニャアと出てくるのも良かった…

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    2017年07月13日
  • だれの息子でもない

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    神林長平初挑戦。途中まではかなり面白かった。自分の代理人となれるネットアバターが当たり前の存在であるような世界、こういう世界になると楽しいだろうなと思う。意識のあり方に関するものをはじめとした哲学的な会話も面白かったけれど、最後の方はそれが行き過ぎて、ちょっと追いつけなかった。同じことを繰り返し書いていたのは、そういう表現なのか、それとも校正に問題があったのか、そこがなければ星5でも良かった。
    170624

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    2017年06月24日
  • 絞首台の黙示録

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    すごかった…
    いや、何が凄いのかうまく説明できないんですけれど。
    流石としか言いようが無い!

    意識とは、自我とは。哲学ゾンビの話がまた此処で出てくるのですが(「誰の息子でもない」と同じく)最近の神林長平作品は昔よりもっと、ぐっと核心に迫る様な書き方をされていると思います。(そしてまだまだノビシロがある様な!)誰が死んでいるのか、生きているのか。生きて居るって云うのは、意識がある事?死んでいても死者の意識が生者に宿ったらば、それは死者では無いのでは?では宿られた生者は死者なのか?そんな感じかな。…すみません凄く薄っぺらい書き方しか出来無くて…。

    最後まで読み終えてまたし最初からページを繰り直してしまいました。
    うーん、凄いです。

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    2017年06月10日
  • あなたの魂に安らぎあれ

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    神林さんの長編を読むのは初めて!こんな素晴らしい世界(ディストピアやら歪んだ世界観が好きなのです)を書く人の作品に今日までほとんど触れてこなかったことに感謝!これからたくさん読めるので!地上に暮らすアンドロイド、地底に暮らす人間、互いが互いを憎しみ合う世界で運命と戦うあるいは翻弄される生命の姿にぞわぞわさせられる。国内SFでこんないいのがあったなんてー*\(^o^)/*

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    2017年01月29日
  • 言壺

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    ネタバレ

    落ち着いたラノベみたいな感じの台詞が行き交う。台詞は正直余り上手じゃないと思う。
    しかし、題材がすごい。短編小説って大体長編にはできない物語の残滓みたいなのを無理矢理昇華させてる気がするけど、これは短編小説にはもったいないくらいの密度がある。なぜ長編にしなかったんだろう?もう少し短編同士の繋がりを強めて長編っぽくまとめれば、もっとすごいものが生まれたんじゃないかって思う。
    言葉の機能や役割を、小説という枠を超えた深さで掘り下げようとしている。めちゃくちゃ面白かった。

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    2016年08月13日
  • いま集合的無意識を、

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    『いま集合的無意識を』で筆者は“暴走する知性は意識=フィクションで制御できるだろう。だが、暴走する意識をコントロールする術を人類は、おそらく持っていない”と語ったが、先に描かれる5つの短編では、人々が、じわじわ、ゆっくりと、真綿で首を締めるかのごとく自我を、意識をシステムに吸い取られていくさまが描かれている。21世紀の戦争は戦場ではなく日常に入り込んできている。そうした世界は徐々にこうやって、思考を管理する世界をもたらすのでは?→『ぼくのマシン』//その先にやってくるのは『ハーモニー』の世界かもしれない。

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    2016年07月31日
  • 帝王の殻

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    ネタバレ

    人々が自身の腹脳的機械を携帯するようになった時代。舞台は火星。
    PABというそれらの機械を繋ぎ、その中身(つまり人間の思考や人格)を監視下におく、アイサックというシステムを構築した先代の帝王は、亡くなる前に次期帝王を孫の真人にするために画策していた。

    真人は知的発達が遅れており、2歳半だが会話は出来なかった。
    しかしアイサックが起動して、ある日、急に自らを帝王と名乗り、
    父親であり、一時的に火星を管理している恒巧(のぶよし)を解任し、
    火星を統治しようとする。

    アイサックの人格が真人という肉体を得て自由に振舞っていると思われていたが、
    実は、生まれつきPABの中身を理解できた真人は、
    幼少期から両親や使用人、大勢の大人の考えに日常的に触れ続けてきた。
    その膨大な”大人の思考”と、幼児である自分の肉体とのギャップを解消するために、真人は機械知性の人格だと思い込み、振舞っていた。

    ある種肉体というのは殻であり、外界と接するための窓であり、
    実在世界に影響を及ぼせない人工知性がそれを熱望するのもおかしくはない。
    だが、これから先の未来で、実在世界が重視され続けるのだろうか?
    確かに、現代では体験すること、つまり実際に経験することの価値が高まっている。これからどうなっていくのだろうか。

    むずかしいなーーーーー??

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    2015年12月11日
  • 絞首台の黙示録

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    まさに死刑執行の場面から始まり、その後、話の核心がつかめないまま進む。
    結局生きてるのは誰?と、途中何度も思った。

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    2015年11月13日
  • いま集合的無意識を、

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    神林長平的なカタログとも見えるが、始めと終わりを「ぼくの、マシン」と表題作とすることで、著者がパソコンとネットに関して持っている意見のようなものが見える構成になってる。

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    2015年05月06日