神林長平のレビュー一覧

  • いま集合的無意識を、
    …ぼくはいつだってそうなのだ、見も知らぬ相手に自分の生の声を発信することには興味がない。だれに読まれるのかわからないままに語るなんてことはぼくにはできない、誤読されたら訂正のしようがないではないか、「それは違う、ぼくが言っているのはそういう意味ではないのだ」と言えない、相手からの応答が得られない、そ...続きを読む
  • いま集合的無意識を、
    意識の所在とアイデンティティがテーマの短編集。
    SFとしての完成度はもちろんのこと、「切り落とし」のオチや「かくも無数の悲鳴」での宇宙人、並行世界の解釈などよくもまあこのような発想が出てくるなと。
    表題作はフィクションの形をした伊藤計劃論、書評かと思いきや「虚構の力を信じろ」と言うものすごく熱いメッ...続きを読む
  • 天国にそっくりな星
     「天使にはなれない」

    今さらながら神林長平の本は、カバーイラストが雰囲気を表現しているのに気が付いた!
  • 蒼いくちづけ
      不滅の愛があるならば、憎しみもまた・・・

    めずらしく分かりやすい神林ワールド、終わり方もいい
  • 死して咲く花、実のある夢
    これは面白い
    最初と最後は特にいい
    解説の「世界はそこにそう見えるようにあるわけではない」
    は同感です
  • 過負荷都市
     壊したものは
     直しましょう

    神林ワールド全開でありながら、お笑いありの涙ありのきれいにまとめた作品
  • ライトジーンの遺産
    映画「ブレードランナー」の影響を色濃く残す作品。発表当時は朝日ソノラマだったせいかライトノベルを意識した表現方法などもありますが、ただのライトノベルでは終わらない神林作品。
    臓器を変えていって長寿命化したでも脳も健康でいられないのではないかというのが現代的な不安になるかと思います。じゃあ、脳を少しづ...続きを読む
  • 先をゆくもの達
    自分にとっての神林長平は、雪風や海賊ではなく、「七胴落とし」と「あな魂」の作者なので、今回の「回帰」は好ましいもの、のはずなのだけど…
    やっぱ粗忽長屋になっちゃうんだな、これが。

    まぁ、「膚の下」で終わった人だと思えば、あとは生きているだけで芸のうち、なんですかね。
    ならば、今日泊さんより長生きし...続きを読む
  • ぼくらは都市を愛していた
    神林長平作品を読み始めて、既に35年。初めて積読になってしまった!?いや、2冊目か?
    面白くないわけじゃないんだけど、最近は軽いものばっかり読んでいたんで、ちょっと疲れてしまった。。。

    4年弱ぶりに再度チャレンジ。改めて、プロットは面白そう。

    ついに読破。素直に面白かった。神林長平らしい小説。言...続きを読む
  • アンブロークンアロー 戦闘妖精・雪風
    ジャムの存在が神学論とか、哲学的な話題が出てきて、大分こんがらがった。結末は、綺麗な最後のようにも、続きが期待されるようにも感じる。でも、やっぱり深井大尉と雪風にもう一度会いたい。
  • 帝王の殻
    まずどうでもいいことから。
    登場人物の名前が難読というか、何人かの読み方がなかなか覚えられず、何度も前に戻った。三部作の1作目もそうだったかな。

    筋立て・設定は面白いし、一つ間違えばこれに近いことは将来起こりうる気もする。
    釈然としない部分も残るし(なんで日本人しか出てこないのか?とか、競合企業は...続きを読む
  • あなたの魂に安らぎあれ
    SFばかり読んでいた学生時代に、鮮烈な印象を受けた本。数十年ぶりに再読し、昭和のSFの良さを再認識した。
    主要人物について、ここに至るまでのエピソードや人となりなども、もっと書いて欲しかったと思う一方、それなしでも感情移入できるのはさすがだし、SFとしての枠組みがしっかりしていて、読み応えがある。
    ...続きを読む
  • アンブロークンアロー 戦闘妖精・雪風
    最後の雪風が飛び去るイメージが頭を離れない。そこまでは、正直、訳がわからない会話ばかりの本だったのが、一気に変わってしまった。続きがあるのだろうか?
  • 魂の駆動体
    しぶちゃんリコメンド

    これは、、、いかにもしぶちゃんらしいセレクト。

    この人の作品は初めてだし、そもそもハヤカワを読んだのもどれくらいぶりだろう・・・

    私自身はそこまで「クルマ」に詳しい訳じゃないけど、この本で語られている事はそれでも伝わって来た。
  • グッドラック 戦闘妖精・雪風
    3巻のために1巻に続いて再読
    SFマガジンに1992年から1999年にかけて連載されたものをまとめたもの
    1巻は1984年
    そういう出来上がりの経緯がよく現われていて
    濃い会話が延々続くが話はなかなかすすまない
    個々単品はたいへんおいしゅうございますのだが
    これだけ同じ話を練り重ねるとさすがに胃もた...続きを読む
  • アンブロークンアロー 戦闘妖精・雪風
    ついに哲学書的になってしまった。ある意味押井守的とも感じる。思考実験的に物語を思い描いていく必要がある。これまでの2冊はここにくるための序章だったのかと思う。しかし、ここまできたら読み終えずにいられない。世界観に慣れてくる頃に、終了になってしまった。。。続編が待望される。
  • グッドラック 戦闘妖精・雪風
    敵、ジャムの存在がますます分からなくなってくる。そこがまた面白いなところ。行き詰まるサスペンスから少し、思考実験的になってきているが、これくらいどうということはない。これ以上になるとつらいかも。
  • 言葉使い師
    SF。短編集。
    どの作品も独特の世界観と不思議な読後感。
    切れ味鋭いSFホラーの「愛娘」「美食」も好きだし、「イルカの森」の主人公が原始的なヒトへと退化していく様子も面白い。
    今まで読んだなかでは、この著者の短編作品にハズレなし。
  • 膚の下(下)
    もともと荘子の思想に親近感を持っていたけど、実際荘子を読むとあまりにも超然としすぎているような印象も受けたりしていた。
    この小説を読んで、アートルーパーと一緒にわたしと世界の見方を順番に学んでいくことでやっと万物斉同や万化について少し理解のきっかけを掴めた。だから、ある意味でシャンエや萬羽の嫌悪感も...続きを読む
  • 膚の下(上)
    実加に字を教える場面、慧慈の脳の中で発火する発見の連続が凄まじい描写だった。釘付けになってなかば焦りながら文を追って読んでしまったのに、そのイメージはスローモーションで再生されているかのように頭の中に膨らんでいって、強烈な印象を叩きつけられた感じ。そのまま慧慈の感覚をなぞる体験をさせられてびっくりし...続きを読む