神林長平のレビュー一覧
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ネタバレうおっ、これは!!他人にジャック・インするとこなんて、サイバーパンクじゃんか。どっちが先なんだろう。誠元が夢を見るところが、彼がアンドロイドであることの伏線になってるところなんて、うまいよなあ。アンチが、実は現実の人間(我々)のメタファーになってるんじゃないかと思われる瞬間もドキドキもの。ずっと火星に住んでいると思わせといて、実は地球だったというのにもびっくり(だけど、意味はわからん。なんで破沙の人間はここが火星だと思ってたんだろう)。アメリカ人にとっての自由の女神が、日本人だと大和になるわけね。
ただ、堂本貴義とか堂本和子とかがなんで登場してるのか、ちょっと作者の意図がわからん。破沙の生 -
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ネタバレFAF軍ロンバート大佐の裏切りにより、ジャムは地球本星への侵攻を仕掛けた。追撃する雪風と深井零大尉、桂城彰少尉もまた、惑星フェアリィから地球の南極へと通じている空間ををくぐり抜け、南極で待っていたリン・ジャクソンに「観測」されることにより、辛くも認識戦における勝利を掴む。
しかし、フェアリィ星へと帰還した雪風と乗員2名は、まるで何もかもが死滅したかのように異様なFAF基地を目撃することになる・・・
この冒頭のエピソードは、結局は零と雪風の連携プレーによって事態を打破することにつながるのですが、まずこの下りが、最高にカッコいい!
なぜそんな細かいところから話を始めるのかと言いますと、この「戦闘 -
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読書備忘録928号。
★★★★★。
毎度ですが無条件です。
この作品が世の中にリリースされたこと、書き続けてくれていることで無条件です。
深井零大尉のみならず、ブッカー少佐、クーリィ准将、フォス大尉、桂城少尉、田村伊歩大尉みんなみんな愛おしい!
そしてこの作品、シリーズ第5作にして、新3部作の第2弾なんだってよ!
アグレッサーから始まるジャムとの哲学戦争の新3部作か!
今作、章立てが割と細かい。
そしてタイトルが言い得て妙。タイトルってそういうものですかね。
<復習>
①ジャムは一体何がしたいのか?えっ?人類と戦争している宇宙人では?
②ジャムは地球を侵略しようとしている?人類を敵と見 -
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ネタバレ日本の誇る長編SFシリーズ『戦闘妖精・雪風』の最新作が、本作『インサイト 戦闘妖精・雪風』だ。前作『アグレッサーズ』が刊行されるまでには長い間が空いていたので、まさかわずか3年で次回作が出るとは想像もしていなかった。版元情報を見ると、どうやら新三部作として企画されているらしく、少なくともあと1冊は出ることが決まっているらしい。
ジャムと呼ばれる謎の異性体と人間との戦いを描く本シリーズは、これまで長い間、フェアリィ星と呼ばれる星を舞台にしてきた。このフェアリィ星は生物がほぼ死に絶えた星であり、地球とは大きく環境が異なっている。この人類にとっては新たな荒野となる星に、人間たちはFAFと呼ばれる -
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物語は、著述支援AIを利用して執筆していたつもりが、気づかぬ間にAIによって書かれたものになり変わっていた、という語り手の宣言から始まる。
この、AIを利用しているつもりが、いつの間にかAIに取り込まれてしまっていた、みたいな神林長平の小説でしばしば見るこの設定を最初に開陳されて、どういう話になるのかいきなり身構えることになったのだが、話の内容としては、一言でいえばドタバタ劇っぽい感じだ。
王女を探す侍女シャルと、シャルに王女探しを依頼された大海賊・匋 (ヨウ) 冥、海賊を追うラテルとアプロの海賊課刑事コンビを中心に物語が展開されていく。
ユーモラスな展開に毒気を抜かれながらも、章立てがo -
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元々SFは好きなジャンルの一つでしたが、小説でSFは読んだことがなかったので、これが初めて手に取ったSF小説でした。
普段小説は殆ど読まず、漫画ばかりでしたが(理由あって小説を読むのがずっと苦痛でした)最近手に取ったこの作品が小説を読むことの楽しさを教えてくれました。
ただでさえSF小説は難解な描写が多く人を選ぶのだと思いますが、この作品は特に人を選ぶものだと思います。
ただ、合う人にはとことん合うと思いました。
私は読んでいて終始鳥肌が立ちました。
今までも好きな漫画は繰り返し何度も読み返したりしたことはありましたが、小説で繰り返し読み返したい、続編も買って読みたいと思ったのは今のところ