神林長平のレビュー一覧

  • 天国にそっくりな星

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    おれは坂北天界、私立探偵だ。太陽光が原因の奇病・日陰症のせいで、愛する玲美とともに、ここヴァルボスへと移住してきた。青空はきれいなのに、影ができない不思議な惑星だ。そんなある日、2件の捜索依頼が舞いこむ。ひとりはヴァルボス人の犯罪者ザーク、もうひとりは地球人の宗教団体教祖の家出した娘。調査を始めたおれは“死後の世界に真実がある”という教義に触れ、ヴァルボスのとんでもない秘密を知るが…。

    この人にしては割と内容が軽くて読みやすい感じがしました。いうなれば神林入門みたいな。ですが失われていない神林節!

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    2010年01月31日
  • 死して咲く花、実のある夢

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    この世には二種類の人間がいる。
    死んでいることに気づいている者と、そうでない人間の、二種類。
    自分の死に気づいている者は、当然ながら死んでいる。
    死んでいることがわかっていない人間は
    生を信じるがゆえに、やがて死を受け入れざるを得ない。
    ようするにこの世は死者でいっぱいだ。

    タイトルがアレなせいか絶版になっていた本ですが、刷りなおされました。自分は祖母の死しか経験していませんが、そのことを想起させられる、そんな本です。

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    2010年01月31日
  • 機械たちの時間

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    脳にチップを埋め込まれた火星軍のハイブリットソルジャー邑谷武。無機生物マグザックとの戦闘に破れ、時空を飛ばされた彼は1976年の新潟に転移した。物語はその10年後の1986年から始まる。
     他の作品に比べるとスケールが小さいです。あと言葉遣いがちょいと古いです、相当前の作品なので仕方ないですが・・・。今著者が書き直したらよりいっそうすばらしくなるのではないかと思います。

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    2010年01月31日
  • 過負荷都市

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    「創壊」という概念は、とても面白いと感じました。しかしこの概念を現実に用いることは難しいです。SFは非常識だから面白いと思うのです。

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    2010年01月31日
  • 言葉使い師

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    絵が描けなくなった画家が火星の建造物と話しをする「スフィンクス・マシン」、ガリバー旅行記ばりにイルカが人間を飼う時代へ飛ばされる「イルカの森」、テレパシー主流の世界で禁じられた言葉を使う「言葉使い師」など5作品からなるSF短編集。言葉を使うことが禁止された世界、そんな世界も体験してみたいですね。

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    2010年01月31日
  • 我語りて世界あり

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    この本は自分がよく通うブログの人が読んでいたのをきっかけに購入しました。「遙かなる戦利品」「月下に迷う」「電子素子たちの宴会」「招魔効果」「魔が差した街」「共感崩壊」の6本を収めた短編集。読んでいてゾクゾクしてきました。

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    2010年01月31日
  • 鏡像の敵

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    駆逐装甲動力スーツを身にまとったわたし、太陽系宇宙軍の新藤中尉は、人間の憎悪を喰らう怪魔を追っていた。
    これは短編集です。自分は非現実ってのが大好きです。この本は非現実を疑似体験させてくれました。だから大好きです。

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    2010年01月31日
  • 完璧な涙

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    生まれてから一度も、怒ったり喜んだり悲しんだりしたことのない少年、本海宥現。家族との感情の絆を持たない宥現は発砲事件にをきっかけとして、砂漠の旅に出た。
    何かグロテスクな話でした、何か読み終わったあとも後味があんまりよろしくなかったです。人には勧めにくいかもしれません。

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    2010年01月31日
  • 魂の駆動体

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    車が「クルマ」から自ら制御する必要のない「自動車」に置き換わった近未来、一人の老人が、理想の車の設計を試みる・・・。
     自分車にはてんで興味はないんですがコレ読んだら少しほしくなっちゃいました。

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    2010年01月31日
  • 七胴落とし

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    七胴落としと聞いてまず思いついたのは、七胴落としと得意技とする少年の物語とかそんなんを想像しました。
     主人公がガンガン人を殺します。しかし中々捜査する方面の方々は登場しません。主人公が頭がだいぶ愉快な人間ですが、なぜか共感できるところも多くて好感を受けました。

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    2010年01月31日
  • 永久帰還装置

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    世界を創造する能力を持った犯罪者ボルダーを追う、永久追跡刑事。
    これはあれですねラブストーリー。
     あと感じたのは新しい世界の見方を教えられた気がします。

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    2010年01月31日
  • 小指の先の天使

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    仮想世界で生涯を終えた者の魂は、果たしてどこへ向かうのだろうか?
     ヒトはどこから来てどこへ行くのか?これはこの作者がどの命題なのでしょうか?短編集なのですが、まるで計算されたのかごとく物語がつながっているように感じました。

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    2010年01月31日
  • プリズム

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    地上3万メートルの都市上空に浮かぶ直径137メートルのそろばん玉の形をしたスーパーコンピュータ浮遊都市制御体、これに支配される都市が舞台。
    物事にはさまざまな視点が存在し、その視点によりすべての事象は変化してしまう。そんなことを伝えてきてるような気がしました。

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    2010年01月31日
  • ライトジーンの遺産

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    一話一話ですごいまとまっていて、とても理解しやすかったです。作者の伝えたいことが自分なりに理解できたと思っています。ですが、もっと深くしてもいいと思いました。

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    2010年01月31日
  • 膚の下(上)

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    <poka>
    分厚い上下巻だが、一気に読めた。
    物語の最後に「実加」といっしょに泣いてしまった。
    この小説に出会たことに感謝。
    カラスをみると思い出します。

    三部作の三部から読むことになったが、このあとは物語の時系列に従って、二部、一部と読みました。三部だけ読むのも可。

    <だいこんまる>
    私は一部から読みましたぁ。
    一部(あな魂)→三部(膚)と読めばいいと思います。
    二部(帝王)は???

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    2010年04月17日
  • ライトジーンの遺産

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    体内の臓器崩壊現象が頻発する未来社会。
    かつて人工臓器市場を独占していた
    巨大メーカー・ライトジーン社なき今、
    臓器をめぐる奇怪な現象や犯罪が続発していた。
    都会の片隅で自由に暮らし、本とウィスキーを愛する菊月虹は、
    ライトジーン社が遺した人造人間。
    虹は市警の新米刑事・タイスと共に臓器犯罪を次々と解決するが、
    やがて虹と彼の兄・MJの出生の秘密に関わる陰謀が彼を襲う。

    神林作品の中で一番好きかも。
    これもまた人と機械をテーマにしている
    何度も読みたい一作。

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    2010年01月21日
  • 膚の下(上)

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    火星三部作の第三作。上下巻。
    出版は
    「あなたの魂に安らぎあれ」「帝王の殻」「膚の下」
    ですが、時系列でいくと、
    「膚の下」「帝王の殻」「あなたの魂に安らぎあれ」の順。
    時系列に従って三作品再読したい。

    三作品の中ではこれが一番好き。
    神林さんは難しいけど読み応えがあって
    いろいろ考えさせられる。
    一読しただけでは分からないことも多いので
    あと何回か読まなければいけないだろう。

    これも、人とは、機械とは、命とは、ということについて
    深く考えさせられた。

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    2010年01月21日
  • あなたの魂に安らぎあれ

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    火星三部作第一作。
    火星の地表で人間に奉仕するために都市をはじめ様々な生活必需品を作り続けるアンドロイドと、そのアンドロイドから与えられる幻の食物、幻の仕事で生き続ける地下空洞都市にすむ人類の物語。

    なぜ世界はこうなったのか、というのが
    「膚の下」でわかる。

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    2010年01月21日
  • 魂の駆動体

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    そこそこ分厚いのですが、あっという間に読み終わってしまいました。最後ちょっと泣きました;;
    自分自身も設計の仕事をしているので、ものづくり魂とでも言うのか。ひとがその心を込めて何かを作り上げようとする工程にとても共感を覚えました。マイバイブルに決定。
    仲良しじいちゃん2人組が零とブッカーさんに被るのは多分病気なんだと思いますw

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    2009年11月21日
  • 膚の下(上)

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    シリーズを通して日本人独特の感性を織り込んだすごいSF大作だと思う。そのなかでもこの話はどこか美しさを感じた。

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    2009年11月05日