感情タグBEST3
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〈わたしは想う、だからわたしはいる〉+〈あなたを想う、だからあなたがいる〉=〈あなたに想われて、わたしがいる〉
制御体とうまくコミュニケート出来ない弟に兄がソフトクリームをあげる場面が好きだ。
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地上3万メートルの都市上空に浮かぶ直径137メートルのそろばん玉の形をしたスーパーコンピュータ浮遊都市制御体、これに支配される都市が舞台。
物事にはさまざまな視点が存在し、その視点によりすべての事象は変化してしまう。そんなことを伝えてきてるような気がしました。
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共通した世界観を持つ、いくつもの物語が連なって出来ている。
まさにプリズム。SFでもあり、ファンタジーでもあり、ハードボイルドな物語もあり。
この著者の中でも、一番好きな作品のひとつ。
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長く品切れていたものが、いつの間にか復刊していた。嬉しい。この作品と「貴方の魂に安らぎあれ」は奇跡の名作だと思う。今の神林のように洗練されてはいないが、今の神林には描けない世界。つまり、世界中もう誰も描けない世界ということだ。それを悲しむより、そういう作品がここにあるということに感謝しよう。……思い入れすぎてなんか文章が変になってるぞw
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とにかく好きな作品。読んでも読んでも掴み切れないというか、読むたびに気が付くというか。
途中はけっこうグロい描写もあるのだが、とにかく色々な世界が詰め込まれているし、ファンタジー風あり、ハードボイルド風あり、ハードSF風ありで全て思い出そうとすると筋も登場人物もゴッチャになってしまう。
実際、色々な世界を次々と転々とするエピソードの中で、かなりの登場人物は同一存在でもあるわけなのでゴッチャになってもOKだと思う。
特に好きなのは色をモチーフにした魔の世界。それから、プロローグの黒い天使が突如現れるところなど。
雨が降っていたせいか、この場面を読むと映画『ブレードランナー』を。ブレランを見ていると『プリズム』を思い出す。
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この本が発行された当初から愛読。神林長平の中でも一番好き(少数派だろうけど……)ここに表現される“言葉”に対する独特の感性がたまらない。最後の「その言葉は――彼女にやってくれ」で涙する。
言葉とはそういうものなのかもしれない。
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序盤では世界観が全く掴めないが、読み進めるうちにだんだんとわかってくる。もつれた糸がほどけていくような感覚だった。が、一度読んだだけでは作者がこの作品で何を述べようとしたのか、自分にはわかりそうもない。個人的には、序章からの謎が一気に収斂していく四章「ルービィ」は圧巻だった。
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同一の世界観に貫かれている、けれどもそれぞれ違う世界・違うキャラクターを中心に据えた七つの作品による連作短編集。色を司る“魔”たちが支配する世界、都市上空を浮遊するスーパーコンピュータが人間を制御・管理する世界、そして“神”ルーブリックのもとで色と人間たちとが共存する世界――時にはファンタジー、時にはSF、プリズムのように色を変えながら、いずれにせよ神林作品ならではの言葉で編まれた短編たちは、「太陽の汗」に続き、“存在”とは自己認識か、他からの認識かというテーマを掘り下げている。
都市制御体から認識されず社会的に「いないはずの者」として扱われている少年、制御体のパーツであり無機物であるのに制御できない自己保存機構ゆえに「自己」を見出す機械、自分が「現実」と信じている世界を頑なに信じる男。自分とは何か、どこにいるのかという問題に翻弄される登場人物たちは、やがてそれぞれのゴールにたどり着く。「あなたがいて、わたしがいる」――「わたしは想う、だからわたしはいる」だけでなく、「あなたに想われて、わたしがいる」ということ。「心して想え」というルービックの教えと、「注意深く言葉を使うがいい」という使い魔の警告。“想い”という自分だけのものを、“言葉”という他者へ伝えるツールに乗せることで、世界は変わる。プリズムが生む様々な色の世界をたどる内に見えてくるメッセージは、“言葉使い師”である神林氏が自身に課している責任のようなものも垣間見せていて、興味深い。
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都市を制御するコンピュータにコミュニケートできない少年=存在しないもの。人の目には映ってもあらゆるサービスから除外される少年。
そして少年は、堕天使と出会う。
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買ったのはいつだっけ? 3、4年、下手するともっと前だ。そのときに3分の2くらい読んでこりゃだめだ手に負えんと投げ出したまま積ん読棚でひっそりしていたのを引っ張り出してみた。前に読んでいたときは物凄く読みにくくてそれでも話としては面白いような気がして半分以上はどうにか読んだのだが、それも力尽きて投げ出してしまった。しかし、今読んでみればどうしたのかすらすら読める。読める読める。挫折してSFは向いてないんだと思い込んだのだが、ほっぽりだしていた数年でいつの間にやら読めるようになっていたらしい。面白かった。世界を制御するコンピュータと言葉。舞台と人物がリンクして形づくられる世界。最初読んだときになにが読みにくさの原因だったのかよくわからないくらいこの世界が近かった。もしかしたらこの世界の言語をいつのまにか獲得していたのかもしれない。