神林長平のレビュー一覧

  • プリズム
     共通した世界観を持つ、いくつもの物語が連なって出来ている。
    まさにプリズム。SFでもあり、ファンタジーでもあり、ハードボイルドな物語もあり。

    この著者の中でも、一番好きな作品のひとつ。
  • プリズム
    長く品切れていたものが、いつの間にか復刊していた。嬉しい。この作品と「貴方の魂に安らぎあれ」は奇跡の名作だと思う。今の神林のように洗練されてはいないが、今の神林には描けない世界。つまり、世界中もう誰も描けない世界ということだ。それを悲しむより、そういう作品がここにあるということに感謝しよう。……思い...続きを読む
  • あなたの魂に安らぎあれ
    核戦争後の放射能汚染は、火星の人間たちを地下の空洞都市へ閉じ込め、アンドロイドに地上で自由を謳歌する権利を与えた。
    半はおもに地下空洞都市、後半は火星地表での物語となっており、なぜ人類はアンドロイドをつくったのか、ほんとうにアンドロイドをつくったのは人類なのか、人類は何処からきたのか、失われた過去の...続きを読む
  • 膚の下(上)
    「われらはおまえたちを創った。おまえたちはなにを創るのか?」それが訓練部隊・間明少佐の別れ際の
    言葉だった。梶野少佐指揮下の実戦部隊に配属された慧慈は地下都市・破沙へ赴くが、強硬な火星移住策を
    進める国連軍に反感を強め、アートルーパーの独立を宣言した。...続きを読む
  • 帝王の殻
    火星ではひとりが一個、銀色のボール状のパーソナル人工脳を持っている。各人の経験
    データを蓄積をするこの人工脳は、巨大企業・秋 研に制御され、人工副脳となるのだ。そして、
    事実上火星を支配する秋沙能研の当主は「帝王」と呼ばれていた……。火星3部作の2作目。...続きを読む
  • ライトジーンの遺産
    コウさんがとてもいいオッサン。アリにイライラする超能力者www
    超能力者vs異形の怪物、という構図がずっと続くのかと思ったらそうではなく。
    めまぐるしいバトルというよりは頭脳戦中心のミステリみたいな印象でした。
    「ダーマキスの皮膚」「エグザントスの骨」は、読んでいてぞっとしたり悲しくなったり。
  • 魂の駆動体
    神林氏の作品の中では珍しく、ストレートに青春している物語です。

    内容は相変わらず思索的な感じ。
    あらすじには「魂の駆動体”たるクルマと自由な精神の解放を謳う現代の寓話」とありますが、この本は車というものを扱った青春SFという単純なものではないと思います。
    魂が駆動するために何が必要か。それはつまり...続きを読む
  • ライトジーンの遺産
    ライトジーン社によって開発された人造人間、コウ。
    サイファというサイキックのような能力を使って様々な事件を解決していく。

    ハードボイルドSFだそうで…。

    そこここに香る哲学的語りが絶妙。
    人間とは?生きる意味とは?みたいな。

    コウがカッコ良くもない中年オヤジってとこが最高です。
    読書とウイスキ...続きを読む
  • 膚の下(下)
    火星三部作。第三作。下巻。

    火星三部作、堂々の完結。
    人間、機械人アミシャダイ、そして他のアートルーパーとの交流により成長していく慧慈にどこか心地よさを覚える。
    前二作、とくに一作目の「あな魂」に存在した数々の謎が消化されてお腹いっぱい。

    もう一度あな魂から読み返さないと!!!
    きっと新たな発見...続きを読む
  • ライトジーンの遺産
    本作を読むのは二度目だ。最初に読んだのはたぶん10年前。とても印象が強かった。本屋の新作棚に並んでるのを見たとき、持ってるにもかかわらず思わず買ってしまった。再読してやはり面白かった。
    主人公は本とウィスキーを愛する設定だ。「本はうるさくなくていい」という独り言に共感。
  • ライトジーンの遺産
    駄目になった体の一部分を取り替えて生きながらえることのできる未来、
    一部の人々は超能力を使う力を持っており、サイファと呼ばれていた。

    複数の短編(短編というほど短くもないか)から、一本のストーリーが作られている。
    かなり読みやすく、内容も面白かった。
  • 死して咲く花、実のある夢
    主人公の先輩の性格がラテルぽくて好きです。
    題名と表紙だけを見ると宗教書のようですが、中身は、夢と現実の混ざり合う世界を描くSFです。
    最後泣けます。
  • 敵は海賊・正義の眼
    帯の煽りに偽りあり?

    今回、海賊課は本編からは蚊帳の外の印象でした。
    出張っていると言うよりも、一般人やその他の刑事から見た海賊課が語られているという感じでしょうか。

    リジーが主役を張れるくらいのいい女だったこともあって、
    読後の第一印象は匋冥とリジーの恋物語(ちょっと違いますが;...続きを読む
  • 魂の駆動体
    個人的ベスト神林。ソリッドさとメロウさのバランスがとてもいい。
    ただ主人公である爺さんたちのクルマを創りたい欲求と言うのはオスガキないし元・オスガキにしか共感できないだろうからオススメするにはちょっと向かないかも。あっセクハラ的発言してしまった!
  • プリズム
    とにかく好きな作品。読んでも読んでも掴み切れないというか、読むたびに気が付くというか。
    途中はけっこうグロい描写もあるのだが、とにかく色々な世界が詰め込まれているし、ファンタジー風あり、ハードボイルド風あり、ハードSF風ありで全て思い出そうとすると筋も登場人物もゴッチャになってしまう。
    実際、色々な...続きを読む
  • あなたの魂に安らぎあれ
    神林ファンの間では「あなたま」とも呼ばれる人気作品。ダーティで憂鬱な世界観がたまらない。夜明けを思わせるラストシーンも素晴らしい。
    終わりを見る事のできる人間は、その前に何をすることができるのか?魂の安らぎを祈る以上のことをできるかもしれない物語。
  • 魂の駆動体
    クルマ(否自動車)に情熱を注ぐ老人たちと、人類が滅亡した遠い未来でのクルマの復活を目指す天使たちの物語。
    ものづくりへの情熱を思い出させてくれる傑作。

    ネタバレだが、アンドロギアに魂が宿るシーンは身の毛がよだつ。あと魂が離れた時も。
  • 小指の先の天使
    人間の意識と紙についての思索が現実と仮想の間を往還する。

    20年の歳月を費やして神林長平が達した到達点にして原点とも言える連作集。


    深く切ない命の旋律を聴いてみませんか?
  • 死して咲く花、実のある夢
    借本。
    最初の文章を頭において読み進めると、とても面白く楽しい本。
    (忘れると難解な本になるかも)
    展開が、やんわりと脳みそをかき回されつつも、
    最後はウルッとくるものがあり、なかなか。
    「読んでよかった〜」と思わせる一冊。
  • 完璧な涙
    借本。
    「あぁSF読んでる〜」と感じました。
    内容が、濃いです。
    最後にくる爽快感、これは、かなりおすすめです。