神林長平のレビュー一覧

  • 帝王の殻

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    久しぶりの神林長平。
    テンポもよくそれなりに面白かったと思う。相変わらず機械知性と人間の戦い。この戦いから人とは何か意識とは何なのかを描こうとする神林のSFは面白いしろい。

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    2010年10月03日
  • 猶予の月(下)

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    血の通った姉と弟の恋愛。そんな神林とは思えない異色作の雰囲気を漂わせる本著ですが、読んでみたらいつもの神林でした。
    序盤こそ弟アシリスの葛藤や、姉のイシスの行動など、およそ考えられない甘い恋愛的な内容が続いていきますが、途中からはいつもの思索小説然とした物語が展開していきます。

    物語としては、リンボス(月)世界の住人であるアシリスとイシスは自らの恋を成立させられる世界を事象制御装置アスタートを使ったカスミ(地球)に生み出そうとする。しかしそこに犯罪者であり天才的な論理士バールや、治安士スローン、イシスの同僚セラフ。そしてバールによって生み出された人間ルシファ。彼らの行動が文字通り入り混じり、

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    2015年04月10日
  • 猶予の月(上)

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    血の通った姉と弟の恋愛。そんな神林とは思えない異色作の雰囲気を漂わせる本著ですが、読んでみたらいつもの神林でした。
    序盤こそ弟アシリスの葛藤や、姉のイシスの行動など、およそ考えられない甘い恋愛的な内容が続いていきますが、途中からはいつもの思索小説然とした物語が展開していきます。

    物語としては、リンボス(月)世界の住人であるアシリスとイシスは自らの恋を成立させられる世界を事象制御装置アスタートを使ったカスミ(地球)に生み出そうとする。しかしそこに犯罪者であり天才的な論理士バールや、治安士スローン、イシスの同僚セラフ。そしてバールによって生み出された人間ルシファ。彼らの行動が文字通り入り混じり、

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    2015年04月10日
  • あなたの魂に安らぎあれ

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    世界観がとてもしっかりしていて、かなりインパクトが強く、読み終わった後もしばらく夢に見そうなくらい印象に残った。1980年代にこの作品を書ける作者は本当にすごいと思う。

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    2010年07月19日
  • 狐と踊れ〔新版〕

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    神林長平の初期作品。表題作よりも連作四篇の方が個人的に面白かった。神林=SF作家という風に思っていたのだが、何が現実か分からない曖昧な部分が、イメージから離れるが良かった。

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    2010年05月14日
  • 親切がいっぱい

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    泥棒やヤクザにも免許が必要な、すべての職業が国の許可制になっているもうひとつの世界。
    他の作品とは違うのんびりとしたお話し。いつもとは何かが違うのです、でも面白かったです。

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    2010年01月31日
  • 敵は海賊・不敵な休暇

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    アプロとラテルにあとを任せ、長期休暇をとった海賊課チーフのバスター。休暇をとった目的は、自伝を書くため。超高級リゾート惑星でチーフ・バスターは執筆にいそしむ。いっぽう、チーフ代理として留守を任されたアプロとラテルは、いまさらながらチーフ・バスターの有能さに感心することになった。

    今回はこのシリーズ最大の敵が登場します。ですが今回もアプロなどの面白おかしい会話は健在です。読み応えがあります。

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    2010年01月31日
  • 宇宙探査機 迷惑一番

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    地球連邦軍の月面基地に所属する“雷獣”迎撃小隊、通称「脳天気小隊」が遭遇したのは、「?」や「!」や「恥ずかしいもの」に見える不審な物体だった。

    あっけらかんとしていますが、SF肝を悉く捉えていてすばらしいです。

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    2010年01月31日
  • 帝王の殻

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    火星三部作の二作目。
    あー、これがああなるのかー、と
    「膚の下」と「あなたの魂…」とをつなぐ作品。

    面白かったけど、「膚の下」のが好み。

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    2010年01月21日
  • 蒼いくちづけ

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    とある女性が恋人に裏切られ、非業の死を遂げる。やがて彼女の思いは周囲に死を振りまいていく。ホラーによくある展開です。
    しかしそこにSF要素を足して神林氏が書くとまったくの別物になるのがなかなか面白いところでした。

    内容は、あらすじにもあるようにテレパスの少女ルシアの死後の感情が暴走し、次々に人を殺していくというもの。それを止めるべく、無限心理警察刑事(テレパシー能力を持った超法規的存在=テレパシーを持った海賊課のような感じ)であるOZが絡んでいく。という内容です。

    神林氏らしい淡々とした切り口であるにも関わらず意外と読みやすく、スラスラと最後まで読み終えることが出来ました。読む前は異色作か

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    2015年04月10日
  • 敵は海賊・短篇版

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    点数は、?冥の若いころの話がでてくるのと戦闘妖精雪風のオマケがあるので少し甘めに。短編ということでいつもと比べて、ラテルやアプロの動きがもの足りない感じがします。このシリーズ笑いのつぼにはまると吹き出すことがあり、電車で読むのは気をつけなければならないのですが、今回笑いは少ないです。

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    2011年09月20日
  • 小指の先の天使

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     仮想空間(意識だけで生きる)がテーマの6篇を収めた短編集です。

     『意識は蒸発する』であった、情報は動的であるというくだりが好きです。端的で解りやすい説明だと思う。
     いわゆる「自分以外は生きていないのではないか?」という疑惑は、SFに限らずホラーでもよく見るパターンだけれど、有限のハードを使用するシステムだから要求に対して再配置が行われて初めて情報が生まれる、というのはなるほどと思った。面白かったです。

     買うなら、猫のソロンが表紙になっている文庫版がおすすめです。これ。猫は常に猫。かわいいです。

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    2009年10月31日
  • 敵は海賊・短篇版

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    「海賊版」以来、十数年のお付き合いですが、やはりこのシリーズ大好き!
    たまにはこういう形式もいいですね。

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    2009年10月13日
  • 敵は海賊・短篇版

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     知性について意識について神について存在について、あらためて考えるというのは頭をごしごし洗われるような感覚ですごく楽しいのですよ。雪風とのコラボまで!「被書空間」って言葉がいいですよね。それぞれの「書(本)」の世界が被ってる空間なんですよ!
    アプロにかかっては雪風世界がちっちゃく見えてしまうんですけど…。

    雪風の新作も早く読まなきゃ。

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    2009年10月07日
  • 敵は海賊・短篇版

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    今回は然程待たなかったなあと思いつつ、数年。10年よりはマシか……ラテルが大好きなんでラテル単品の短編が無かったのが残念。『狐と踊れ』はちゃんと持っているし。マーゴが出てきたのは少し意外だった。そして『グッドラック雪風』を放置して何年だと溜息を吐く。いや、内容大分忘れているから前作から読まねばなあと思ってそれきり……

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    2009年10月04日
  • 敵は海賊・短篇版

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    敵は海賊の短編集。
    読みやすく、面白く。

    純粋に新作は「ヨウメイの神」だけかな?
    クラーラとフリーザがどこから来たのかも含め、ヨウメイがヨウメイとなった経緯がヨウメイの口から語られています。
    といか、よく短編にまとめたものだ。

    それ以外の短編は既出。
    個人的には「雪風」との競演である「被書空間」が好きです。
    「雪風」だけ読んでて「敵は海賊」を読んでない人に、この短編がどう思われるのかはちょっと興味がある。
     # 自分は雪風も読んじゃってるのでね。。。

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    2009年10月04日
  • ライトジーンの遺産

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     人類が臓器の突然停止に見舞われ、人工臓器に頼らざる得ない未来のお話。
     活躍するのはサイファーと呼ばれる超能力者にして無法者の中年オヤジの酔払いで、浪花節よりハードボイルドなテイストの物語。

     主人公が関わった事件を短編として綴り一冊になっています。
     神林長平さんの小説にしては、とても読みやすいなぁ…と素直に思いました。

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    2009年10月04日
  • 膚の下(下)

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    [novel][SF]
    「あなたの魂に安らぎあれ」「帝王の殻」で描かれた世界がアートルーパー慧慈により、いかにしてもたらされたのかが明らかになる下巻。
    定められた結末に向けて進む分、物語が制限を受けた感は否めないが、それでもその過酷さと美しさは輝いていた。

    シェンエはいいキャラクターだった。つまらない理由で大騒動や大災厄を起こす小悪党って大好きなんだ。

    神林長平はかなりハードなSFを書く作家だが、決してハードSFの作家ではないことを改めて感じた。

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    2009年10月07日
  • ライトジーンの遺産

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    アルカの腕、バトルウッドの心臓、セシルの眼、ダーマキスの皮膚、エグザントスの骨、ヤーンの声、ザインの卵の7編で構成される、ハーボドイルドSF短編集。

    ハードボイルド……なのかなぁ。
    ハードボイルドって語源は「堅ゆで卵」。つまり状況や環境、感情に左右されないって意味だと思うんですが、この物語の主人公は結構感情で動いてたりする部分があるように見受けられて、あんまりハードボイルド感はありませんでした。ウィスキー好きとか、詩集がすきとか。そういう所はハードボイルドといえなくもないですけど。

    物語のテーマは臓器崩壊と人工臓器を巡る人々の生き方的な内容。それらのやり取りサイファという超能力者である主人

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    2015年04月10日
  • 永久帰還装置

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    エンジンが掛かる前までが辛い。
    設定が難解なせいもあって理解するのに時間がかかります。

    まぁ、ノってきたら痺れるほど面白いのだけど…!

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    2009年10月04日