あらすじ
精神感応者と普通人が共存する月開発記念市。テレパスの少女ルシアは、他者の脳内感応細胞を奪う犯罪者に欺かれて命を落とした。だが、脳死した彼女の体内に残存する憎悪の念は、周囲に災厄をもたらしはじめた。その強烈な思念により危地を救われた無限心理警察刑事OZは、ルシアの魂を救済するため月へ向かう。
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Posted by ブクログ
敵は海賊・雪風シリーズ以外のものをほぼ初めて読みましたが、割と真面目に刑事もので。敵は海賊で真面目に事件を追ったら、こうなるんだろうな、と面白かったです。
孤独な男同士の共感もたまらないが、孤独な男と赤ん坊もやばいな、と。
Posted by ブクログ
とある女性が恋人に裏切られ、非業の死を遂げる。やがて彼女の思いは周囲に死を振りまいていく。ホラーによくある展開です。
しかしそこにSF要素を足して神林氏が書くとまったくの別物になるのがなかなか面白いところでした。
内容は、あらすじにもあるようにテレパスの少女ルシアの死後の感情が暴走し、次々に人を殺していくというもの。それを止めるべく、無限心理警察刑事(テレパシー能力を持った超法規的存在=テレパシーを持った海賊課のような感じ)であるOZが絡んでいく。という内容です。
神林氏らしい淡々とした切り口であるにも関わらず意外と読みやすく、スラスラと最後まで読み終えることが出来ました。読む前は異色作かと思っていたのに、読み終わった後は大分印象が変わりました。
ああ、でも雰囲気的にはやっぱり異色なのかもしれません。なんか説明しにくいんですが。なんというか、突き放し感が抑え目?
内容としては「敵は海賊」に似ていたけど、受けた印象がまったく違うからそう感じたのかもしれません。
Posted by ブクログ
テレパシーをつかえる人と使えない人がいる世界。恋人に裏切られたテレパスの少女は、憎悪の思念を残す。少女を救いたい男と永遠の憎しみを抱く少女の物語。
Posted by ブクログ
自分を騙した男への強い殺意を抱きながら死んだテレパスの少女。死によっても消えなかったその強い意志としての殺意は、人間的な意識と切り離された純粋な憎悪となって加害者以外をも対象として広がって行く…。ファンタジーめいたホラー、あるいはホラーめいたファンタジー、というべきストーリーだが、センチメンタルに流れそうなある少女の物語を、かっちりとした“科学”で支えて単なるジュブナイルに終わらせないのが神林作品。魔法ではない、物理的な現象の一つとしての精神感応力――その有無はいわば肉体的な問題であり、テレパスと普通人の間にはそもそも生物学的な差異がある、という神林氏オリジナルの論理展開がとても面白かった。
それにしてもジャンルの枠にとらわれないと言うか、ジュブナイルとハードボイルドをSF世界で描き切ってしまうところが、神林氏の凄いところだと思う。青春路線にはあまりそそられないので★は三つにとどめたが、設定や作りの面白さはさすがで、神林ワールドを十分堪能できた。