神林長平のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
神林氏の小説は、哲学的な内容をバックグラウンドにしながら、哲学的文学にありがちな、登場人物たちの悶々とした内面描写をあまり感じません。たぶん神林氏の描くキャラ達は自分なりの独自の哲学(線引きと割り切り)が出来ているキャラばかりだからだと思います。登場人物たちは自らの生き方を貫きながら、同時に読者には哲学的な問いかけをしている。
この「死して咲く花、実のある夢」もそんな話。自分達は既に死んでいて、生死の狭間にいる。そんな状況に置かれても自らの価値観に準じる三人の登場人物。
終始、非現実的な展開が繰り広げられますが、決して荒唐無稽ではない。生死の狭間という状況に置かれながら決して迷わない(一人除