神林長平のレビュー一覧

  • 七胴落とし

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    暗い青春SF。
    現実か幻か分からなくなるような、不安な気持ちになる作品。
    盛り上がりに欠けるが、つまらなくはない。

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    2019年04月13日
  • 帝王の殻

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    SF。火星三部作二作目。
    テーマは「機械知性」「父と子」「政治」あたりか。
    PABといわれるパーソナル人工脳が特徴的な世界観。
    個人的な好みとしては、ストーリー的には権力争いが描かれたりとやや堅苦しい印象。
    シリーズの世界観として、機械人や地球の様子がとても気になる。三作目『膚の下』が楽しみ。

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    2019年03月10日
  • 敵は海賊・短篇版

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    SF。短編集。

    「敵は海賊」は『狐と踊れ』で既読のためスルー。良作です。
    「わが名はジュディ、文句あるか」
    宇宙船での怪奇現象。パワフルな作品。主人公のキャラが良い。インパクトがあり、雰囲気もしっかり伝わるナイスタイトル。
    「匋冥の神」
    冒険もの。匋冥というキャラが良く分からない。これはシリーズをある程度読んでからのほうが良かったか?
    「秘書空間」
    雪風が登場!アプロが登場すると急にコミカルになるな…。

    「わが名はジュディ、文句あるか」がベスト。

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    2018年11月27日
  • いま集合的無意識を、

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    最初の雪風の挿入話は、後からでも楽しめるが、できれば、雪風三部作を読み進む前に早めに読んでおきたかった。雪風の3話目を読んでいればなるほどなという話も多いが、それよりは分かりやすく、興味深い感じだった。

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    2018年11月12日
  • 戦闘妖精・雪風(改)

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    ネウロイと戦うウィッチ……じゃなかった、謎の侵略者と戦う飛行機乗りの物語、世間の評価ほど好きではない

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    2018年10月08日
  • 帝王の殻

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    強い想いの物語だ。自分はこの想いの強さというものに縁遠くて、それを抱えた人間の内面はぼんやりとしか想像できない。そしておそらくその憎しみや愛はぼんやりしたものではない。

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    2018年06月01日
  • アンブロークンアロー 戦闘妖精・雪風

    ネタバレ 購入済み

    終わらない…

    なかなか終わりの見えないシリーズです。
    前作『グッドラック』から話は続いています。切り口がガラリと変わっているので、そこは好みの分かれるところ。量子論的世界観は面白いのですが、このシリーズでやるのかぁムムム…。
    着地点をどこに持っていくのか今後も楽しみではあるのだけれど…、刊行ペースの割には進んでいないような?
    あ、会議のシーンは面白かったです。雪風かかわいい。

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    2018年02月19日
  • 小指の先の天使

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    SF。短編集。連作?
    全体を通して、”VR”と”意識”がテーマか。
    「抱いて熱く」が好き。一番分かりやすく、ロマンチックな恋愛SF。
    「なんと清浄な街」もミステリチックで良い。
    3作目からは少し分かりにくい感じ。

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    2018年01月03日
  • 猶予の月(下)

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    なかなか難解な世界観でした。一言で言ってしまうと、『姉弟神とその他の神々が繰り広げるわりと傍迷惑な世界創生神話』。姉イシスは冷たい中にも情のあるミステリアスな女性なのに対して、弟アシリスが優柔不断な自己保身男なのがなかなか。でもそんな男に限ってモテるんですよねえ。まばゆい空へ落ちてゆくラストシーンは美しかったです。

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    2017年03月09日
  • グッドラック 戦闘妖精・雪風

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    戦闘妖精・雪風の2作目。
    人工知能萌えである私としては、当然読んでおくべき作品なのだけど、随分昔に1作目だけ読んでそのままになっていた記憶があり、どうしてだったか、と今回1作目を改めて読んでみたところ、思い出しました。失恋したからでした。失恋のショックからでした。…うん。
    人と共に戦う戦闘機に愛着と信頼を寄せた結果、裏切られた気がしてそこで止めてしまっていたという……ううむ…我ながら没入しすぎではなかろうか…。
    今回こうして2作目まで読む機会があって本当に良かった。過去の自分に「とりあえず2作目まで読んでみ」と伝えてあげたい。

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    2016年12月26日
  • 絞首台の黙示録

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    期待して読んだが、心のあり方、人とは、自分とは、というテーマについては面白いのだが、ストーリーとしては消化不良の感が残る。何が本当で、いや、本当とか現実とは何か、という話もあるが、読み手にとっては一貫したストーリーとして捉えにくい。それが狙いかもしれないけど。

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    2016年03月03日
  • アンブロークンアロー 戦闘妖精・雪風

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    状況が大して動かないにもかかわらず、登場人物の心理描写やひとりごとばかりが何10ページも続き、読み進めていて面白くなかった。あとドクターレクター?の操作描写とかは現実世界のパソコンとほとんど同じで、SFとしても物語としても読んでいて興ざめした。
    後半はちょっと良くなってきたけれど、それでもやはりあまりSFっぽくはない。フェアリィ星とFAFという舞台装置を利用して別の話を作ったという印象。雪風がやらせてる云々は作者が書きたい文章に対する後付の理由のように見えた。

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    2016年02月01日
  • いま集合的無意識を、

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    希代の言葉遣い師・神林長平が贈る、言語/認識にまつわるハードな語り/騙りに酔いしれる短編集。
    鴨如きの貧弱な認識力では、正直よくわからないところも結構あります。でも、わからないなりにも不思議と説得力のある、情感を一切排したかのようなドライな世界観はこの作家ならではのワン・アンド・オンリー。

    神林長平氏の作品を読んでつらつら思うのは、「SFを書こう」としているのではなく、書きたいことを表現できるフォーマットがたまたまSFだったんじゃないか、ということ。知らない人には「子供だまし」と捉えられがちなSFというフォーマットが、如何に先鋭的な文学を体現できるのかということを如実に示してくれる作品集です

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    2015年12月23日
  • ぼくらは都市を愛していた

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    デジタルデータだけを改変・消滅させる「情報震」と呼ばれる現象のために崩壊の淵に追い込まれた世界で、なお任務を遂行しようとする「情報軍」中尉。だが今や無人の都市となった東京で部下たちは姿を消し、手書きの戦闘日誌の記述や時間さえもが信頼性を失い始める。
    一方、他人の意識を読みとることができる神経網を腹部につくられてしまった公安捜査官は、加害者は自分自身に違いないという感覚にとまどいながら殺人事件を追いつつも、かつて愛した女の記憶に耽溺していく…。
    2つの物語の語り手はどうやら双子らしいが、同じ時間と空間に生きてはいないようだ。2つの東京は、どうリンクするのだろうか?
    デジタル信号のみを「揺らす」だ

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    2015年12月06日
  • 七胴落とし

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    1983年版でした。
    やはり閉塞感が。大人になり切れない少年のもやもやが直球で。おじいさんも良い。
    SFでない普通の刑事さんは珍しい気がしてもえ。

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    2015年04月22日
  • あなたの魂に安らぎあれ

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    ネタバレ

    昭和61年版でした。
    あ、やっぱりサイコパス的設定は以下同文。
    始めのうちは、津原泰水のデビュー作のような息苦しい雰囲気でしたが、そのうちアクション展開に。
    青年と少女とおじいさんの列車旅行は良いな。

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    2015年04月05日
  • ぼくらは都市を愛していた

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    SFだけどミステリーの要素も強いです。
    次元が違うんじゃないかっていう2つのストーリーが交互に展開します。なかなか筋が見えてこなくて、正直かなり手こずりました。ものすごく「現実感」の揺らぐお話ですね。

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    2015年03月20日
  • 言壺

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    ワーカムという叙述支援機能を持つ文書作成端末をめぐる短編集である。
    現実の虚構である言葉が現実を構成する様を描く。
    人間は外界を感じる諸器官と脳を根幹とする神経系で現実を感じ認識し構築するのである。言葉はそれを外界に戻すとともに他人と現実を共有するのである。
    小説を初めとする虚構の文章とはなにか。人は何のために虚構を作るのか。何を表現したいのか。文章で虚構を表現できなくなったとき人はどうするのか。
    また、言葉が勝手に現実を紡ぎはじめるとどうなるのか。

    どうも私はこの手のSFは不得手である。

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    2015年01月12日
  • 言壺

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    近未来、意思をもったかのようなワープロとのやり取りをテーマにしたSF連作短編
    ただ短編と割り切るにはつながりが深すぎ、長編とみたほうがいい
    そう見ると全体の頂点は「栽培文」、そして本作が神林版の華氏451度だったのだと私は一度は納得したんだけど、その後も付け足しのような展開があって、何がなんだかわからなくなった
    現実と虚構が入り組むさまはディックの世界
    ただの言葉遊びのような面もある

    こういう小説を読むと改めてSFというジャンルは何なんだろうと思ってしまう
    クラークはSFだけどアシモフは人情物だと、私は思う
    では神林さんの本作は?
    よくわからない・・・

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    2014年11月11日
  • アンブロークンアロー 戦闘妖精・雪風

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    難しい。なんか観念的過ぎてよくわからなかった。神林長平の本を読みなれている方であれば集大成として楽しめるのではないであろうか。
    「グッドラック」までは割とエンターティメント性も合ったのだが、ラストを除き、この本にそれを求めてはいけない。神林ワールドにどっぷりつかりたい人向け。

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    2014年11月11日