神林長平のレビュー一覧
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ネタバレ 購入済み
終わらない…
なかなか終わりの見えないシリーズです。
前作『グッドラック』から話は続いています。切り口がガラリと変わっているので、そこは好みの分かれるところ。量子論的世界観は面白いのですが、このシリーズでやるのかぁムムム…。
着地点をどこに持っていくのか今後も楽しみではあるのだけれど…、刊行ペースの割には進んでいないような?
あ、会議のシーンは面白かったです。雪風かかわいい。 -
Posted by ブクログ
希代の言葉遣い師・神林長平が贈る、言語/認識にまつわるハードな語り/騙りに酔いしれる短編集。
鴨如きの貧弱な認識力では、正直よくわからないところも結構あります。でも、わからないなりにも不思議と説得力のある、情感を一切排したかのようなドライな世界観はこの作家ならではのワン・アンド・オンリー。
神林長平氏の作品を読んでつらつら思うのは、「SFを書こう」としているのではなく、書きたいことを表現できるフォーマットがたまたまSFだったんじゃないか、ということ。知らない人には「子供だまし」と捉えられがちなSFというフォーマットが、如何に先鋭的な文学を体現できるのかということを如実に示してくれる作品集です -
Posted by ブクログ
デジタルデータだけを改変・消滅させる「情報震」と呼ばれる現象のために崩壊の淵に追い込まれた世界で、なお任務を遂行しようとする「情報軍」中尉。だが今や無人の都市となった東京で部下たちは姿を消し、手書きの戦闘日誌の記述や時間さえもが信頼性を失い始める。
一方、他人の意識を読みとることができる神経網を腹部につくられてしまった公安捜査官は、加害者は自分自身に違いないという感覚にとまどいながら殺人事件を追いつつも、かつて愛した女の記憶に耽溺していく…。
2つの物語の語り手はどうやら双子らしいが、同じ時間と空間に生きてはいないようだ。2つの東京は、どうリンクするのだろうか?
デジタル信号のみを「揺らす」だ -
Posted by ブクログ
近未来、意思をもったかのようなワープロとのやり取りをテーマにしたSF連作短編
ただ短編と割り切るにはつながりが深すぎ、長編とみたほうがいい
そう見ると全体の頂点は「栽培文」、そして本作が神林版の華氏451度だったのだと私は一度は納得したんだけど、その後も付け足しのような展開があって、何がなんだかわからなくなった
現実と虚構が入り組むさまはディックの世界
ただの言葉遊びのような面もある
こういう小説を読むと改めてSFというジャンルは何なんだろうと思ってしまう
クラークはSFだけどアシモフは人情物だと、私は思う
では神林さんの本作は?
よくわからない・・・