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最高!
人間ってなんだろう、存在ってなんだろう。解説にもあったけど、レムの小説と主題は似ている。
将棋でAIに勝てなくなった今、棋士は必要か。みたいな話。(違う)
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前作のラストシーンにおいて、愛機・雪風から射出されたパイロット・深井零中尉。生死の境を彷徨った彼が覚醒したのもまた、雪風の機上だった。撃墜された旧機体から自己のプログラムを最新鋭実験機に転送することによって不死鳥の如く蘇った自律型スーパー戦闘機・雪風は、零が前線に復帰してからもなお、零を利用するかのような振る舞いを見せつつ不可解な行動をとり続ける。雪風の”意図”を理解できるのは、一体不可分の存在と化した零ただ一人。そんな中、異星体〈ジャム〉が作り出した人間のコピー〈ジャム人間〉がFAF内に潜入しているとの情報がもたらされる。人間と外見上は区別がつかない〈ジャム人間〉が誰なのか、FAF内が疑心暗鬼に陥る中、〈ジャム〉が遂に全面攻撃を開始した。四面楚歌の状況下、零と雪風はどうやってこの危機を突破するのか!?
若干陳腐なタイトルに騙されると後悔する、認識/言語/インターフェイスの概念を揺さぶる超硬派な作品。ストーリーの大半は、登場人物同士の議論だったり独白だったりと、戦闘機のドンパチを期待して読むと「何この地味な展開」と肩すかしを食うと思います。しかし、そんな地味かつ内省的な展開を根気強く読み進めると、後半であっと驚く展開が待ち受けています。零も雪風も、どれだけ進化したら気が済むのか。
何とグロテスクで、何とアナーキーで、そして何とスタイリッシュな関係性であることか。
ラストシーンは混乱の極みです。混乱の極みではあるのですが、その美しさ、その激しさは「絵になる」SFの極北に位置すると鴨は思います。
Posted by ブクログ
ーーー突如、地球への侵攻を開始した未知の異星体ジャム。
これに対峙すべく人類は実戦組織FAFをフェアリイ星に派遣、特殊戦第五飛行戦隊に所属する深井零もまた、戦術戦闘電子偵察機・雪風とともに熾烈な戦闘の日々を送っていた。
だが、作戦行動中に被弾した雪風は、零を機外へと射出、自己のデータを最新鋭機へと転送する―もはや人間は必要ないと判断したかのように。人間と機械の相克を極限まで追求したシリーズ第2作。
戦闘妖精・雪風の第二作
神林長平のライフワークとされるだけあって
主人公、深井零の成長の物語として
また、描写の精密さと緊迫感を併せ持った航空戦闘ものとして
さらには『知性とは機械とはコミュニケーションとは』といった問いを投げかけて感性を揺さぶるSFとして
様々な面から存分に楽しめる。
次作『アンブロークンアロー』にも期待大
「どこだ、邪魔の入らない場所とは」
<UNKNOWN WAR AREA>
ーーー不可知戦域。
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やっぱり神林長平はおもしろい。変貌(成長?)していく主人公。コミュニケーションとは?異質なものを理解し意思疎通できるのか?骨太のSFであり、ストーリーを追うだけでもおもしろいが、いろんな意味で哲学的な問いかけを読者に与える、考えさせられる本です。俄然、続きが楽しみに。
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途中まで、機械の固有意識と人間の意志の近づかなさを読んでいたように思うのだが気づくと機会と強くつながってきた深井零によって分かり合おうとする存在になっていく。
愛という言葉を持ち出すのは私は陳腐だと思ったが、本当にそうなのだろう。
昨年発売された短編集「いま集合的無意識を、」や長編「ぼくらは都市を愛していた」で”機械に使われる人間”という像が出現したような気がするのだが、それよりも雪風では分かり合おうとする努力、敬意が強い気がする。
というか、あおの2冊で提起した問題の一部をこの作品で答えている気がする。深井零という特殊な人格であるがかれはそれをクリアした。
零の変化と、異星体ジャムの変化。軍医のフォス大尉や元情報軍の矢頭少尉が加わって、クーリィ准将の性格もわかるようになって物語として動いていく。
外部の変化と零やそのほかの登場人物の心情がどちらも丁寧に書かれていると感じた。
この雪風の第2巻で私は機械に対する危機感やそれとの衝突ではなくて次の段階に移ったことにひどく高揚した。
この作品は私が生涯にわたって読み返したい本の中に入った。
Posted by ブクログ
ああもう5をつけるよ。
人間的、機械的、と言ってしまうのは簡単だ。
だがその土台をどう定義する?
その基準をどう伝達する?
人とは? 機械とは? “わたし”とは?
ガトリングガン並の勢いで、普段の生活では棚上げされているあれこれを突きつけられる1冊。
1作目より視点は深く、人物も世界も深く濃くなったSF。
雪風の格好よさったらない。
そして桂城少尉がドストライクすぎて転がった。
Posted by ブクログ
戦闘妖精・雪風シリーズ第2弾
生まれ変わった深井零と雪風の新たな物語
ただ依存するだけであった雪風との関係、自身の戦いの意味を見つめることで、自身のあり方を再認識し周囲への関わり方を変えてゆく深井大尉。軍医のエディス・フォス大尉、過去の自身を喚起させる雪風の新フライトオフィサ桂城彰少尉との関わりを経ることで自身の変化と向き合い雪風との関係性も変化していく。メイヴという新たな体を得た雪風、フォス大尉にもたらされたツールも駆使して機械の戦闘知性体としてそのキャラクターを確立してゆく。愛する/人と機械の複合生命体というようにフォス大尉が評した深井大尉と雪風の関係性の描写も素晴らしい。
ジャムとの接触、戦局も新たな局面を迎えFAFの面々も重要な選択を迫られることとなる。
ジャムの発したことば「われはわれである」
同じツール(ことば)を使うが故に、決して相互理解が叶わないのではと思わせるひとことであった。
新たな戦場への零と雪風の飛翔で物語は幕を閉じる。
Posted by ブクログ
さらにはまった。雪風の〈I have control / I wish you luck... Lt.FUKAI〉にやられた~
「人型アンドロイド」とか「中央コンピュータ」でなく、「戦闘機」に意志があるふうに感じるという設定がいいなあ。ジャムの『我は、我である』も最高!『おまえはだれだ』に対する究極の答えだし。
深井さんの精神的成長も物語の軸で、なんのために生きているのか、に対する答えはたぶん一生かかっても普通はわからないんだけど、深井さんはだんだん自分の周りにも人がいるって分かって、関わらずにはいられないことを知るのだ。「他者とのコミュニケーション」がテーマなのかな。
他者とは人間だけに非ず。異星体ジャムも戦闘機も含まれているところが只の小説と違う。
Posted by ブクログ
2作目のグッドラックから読んでしまったけど面白かったです。しかし1作目も読まねばバーガディシュ少尉の件があまりわからないなぁ。
異星人との戦闘機戦SFだろうけど、人間とは何かみたいな哲学的な思索が始終展開されていて読み応えがあります。
アニメは完走していたけれど、深井大尉はジメジメしてないし、ブッカー少佐は零への執着度が高くないし、クーリィ准将は冷徹な司令官です。桂城少尉、アニメには居なかった気がする…こんなに重要なのに。
「人間ワカンネ」と言い出すジャムに、「人間は必要ない」というコンピュータ群、「お互いだけでよい」みたいな雪風と零。
道具を身体の一部のように使える…を超えている深井大尉と雪風の関係だけれど、戦闘知性体も深井大尉も人間には理解できない感覚で思考で。周りが大変。
それにしても、コンピュータたちが信頼出来なくてすごい。各部門や部隊のコンピュータがすべて異なる意識持っているし、戦闘知性体である雪風は独自に判断し始めるので…末恐ろしかった。
深井大尉も少しずつ自分で考えるようになりました…まだかなり、どうでも良さそうだけれど。続きも楽しみです。
Posted by ブクログ
★I have control / I wish you luck ...(p.231)
凄い小説です。これまで読んだ中でも有数かと/こう言っては愛読者の皆さんや、もちろん著者にも怒られてしまうかもしれないけど、この作品はSFのかたちをした純文学とも言えそうな気もします/人間とは/自己とは/知性とは/感情とは/生命とは/生と死とは/自と他とは/関係とは/言葉とは/異種=まったく異なる意思とのコミュニケーションとは/戦いとは/現実とは/深く深く螺旋を描きながら潜っていきすぎぼくには混沌となる/思考とディスカッションと戦闘/これで物語に破綻が発生しないのだから/好きな小説とかゆたかな小説とか楽しい小説とか言うのとはべつに凄い小説ジャンルで凄い/この小説と較べるとほとんどの小説は単純と言える/「である」を使わない文章は好みです。
【一行目】いま現在、地球がジャムという異星体に侵略されつつあるということを肌身で感じている人間は、いったいどのくらい存在するだろう?
【FAF特殊戦から来た手紙】ブッカーは言う。ジャムに敵は人間だと認識させねばならない。・・・でもそうすると人間が危険になるような気もするけど?/雪風にフラれた零は未だ昏睡中。
【ショック・ウエーブ】零は目覚めない/ブッカーは試行錯誤する/新任のヤガシラ少尉/攻撃部隊のシルフの不調/無人の雪風はあり得ない行動を取る。
【戦士の休暇】いったん退役して地球に戻る零/ブッカーはナビゲーターをリン・ジャクスンに依頼する。《精神がクラッシュしないことを祈っている》p.130/地球ではジャムはファンタシィだとリンは言う/リンは言う、あなたは「フェアリイ星人」だと/リンだけは「地球人」だった。
【戦闘復帰】《これは戦争ではない、生存競争だ。》p.159。相手はジャム? 地球? それとも雪風?/《初めておまえと雪風は対等な関係になった》p.166/零のメンタルケアを担当するフォス大尉はジャムの存在に懐疑的でFAFの共同幻想かもしれないと考えている/フォス大尉は雪風の後部座席に乗る。
【戦闘意識】零は「食事会」への出席を命令される/雪風も勝手にパーティーへ参加する/《しいてたとえるなら、雪風は野生動物だ。》p.233。その恐ろしさ。
【戦略偵察・第一段階】雪風後部座席の電子戦闘要員として情報軍のロンバートが送り込んでくるカツラギ少尉/ブッカーはジャムとすら情報交換してもいいと考えている/ジャムをプロファクティングする/零は変わりつつある/フォス大尉いわく《そんな希薄な自己では、雪風にも通用しない。》p.302/レイトフォス大尉は反発しあいながらすこしずつ互いの理解を深めていく/雪風もプロファクティングに興味を抱く。
【戦略偵察・第二段階】《雪風はジャムでも人間でもない――》p.348/雪風、零、ブッカー、特殊戦、FAF、ジャム、何が脅威で何が味方か/カツラギ少尉とともに出撃/遭遇したジャムは雪風に、零にコミュニケーションを求める。
【戦意再考】雪風とジャムの駆け引き/零は雪風にすべてを任せる《thanks》/そして零は消滅の刹那ジャムと交信する/《二つの、異なる世界認識用の情報処理システムを持っていて、互いにそれをサブシステムとして使うことができる、新種の複合生命体。》p.479/眼下の敵。
【グッドラック】再教育部隊に集う死者たち/クーリィ准将は思う《ジャムはどこに存在するのか、なにがジャムなのか、どこからどこまでがジャムなのか》p.538/ジャムは神か/ジャムは量子論的存在か/ロンバートとジャムは本格的な攻勢をかける/特殊戦、ジャム、FAF三つ巴の戦い/零と雪風はフォスに見送られながら出撃する。
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■簡単なメモ(★は重要語)
【愛】《あなたと雪風、特殊戦の戦闘機械知性体とその人間たち、それを結びつけているのは、愛する、という能力なのよ》グッドラックp.629
【アドミラル56】日本の航空母艦。
【天田守少尉】FAFの除雪隊員。マース勲章を叙勲し困惑する。
【アレヴィ博士】空軍戦闘心理研究所。
【エーコ中尉】特殊戦戦隊機整備担当責任者。
【エディス・フォス大尉】→フォス大尉
【エメリー中尉】エイヴァ・エメリー。オドンネル大尉の実質的な個人秘書で恋人でもあるようだ。
【恐れ】《自分が恐れているのはジャムではなく自分なのではないか。》p.117
【オドンネル大尉】ヒュー・オドンネル。ファーンⅡのテストパイロット。陽気で気さくなタイプ。個人秘書のエイヴァ・エメリーは恋人でフライト前の会話で死亡フラグを立ててしまう。
【ガーゴイル中尉】TAB-15所属。メイル中尉の後任の部隊長。
【カール・グノー大佐】システム軍団・技術開発センター所属。遠隔操縦機を開発した。《ジャムとの戦いに人間など必要ない。機械のほうが優秀だ》〈改〉p.76。
【カツラギ少尉】桂城彰(カツラギ・アキラ)。バーガディシュの後釜として情報軍のロンバート大佐が雪風の電子戦闘要員候補として送り込んできた、いわば公然のスパイ。フォス大尉は簡単なプロファクティングを行いカツラギ少尉は過去の零とそっくりなタイプだと言う。《桂城少尉は、私物としての鏡は持っていないだろう。》グッドラックp.332
【カルマン少佐】再教育部隊の指揮官。
【関係】消滅の危機に瀕した零はジャムと交信する。《おれは雪風に殺されるのだ、おまえにではない。もはやおまえのことなど、どうでもいい。おれと雪風の間に割り込むんじゃない、さっさと消えろ。これは、おれと雪風との関係だ。邪魔されてたまるか。おれはいま、雪風との関係を完成させるために忙しい。邪魔をするな。おれの生死は、おれのものだ。だれにも渡さん。》グッドラックp.451。《「戦闘機とパイロットではなく、友人でも仲間でもない。同僚や戦友でもなく、敵や味方でもないとすると、なんだ」/「簡単なこと。自分自身よ」》グッドラックp.479
【機械】結局のところ人間もどんな生物もメカではあるわけで、その境界は判別しにくいしできないのかもしれません。
【基地】六つある。シルヴァン。ブラウニイ。トロル。サイレーン。ヴァルキア。フェアリイ。全軍の総合参謀本部はフェアリイ基地にあり規模も最も大きい。
【儀礼兵】戦死者の顔をしたアンドロイドで編成された儀式用の人形たち。
【クーリィ准将★】リディア・クーリィ。特殊戦の副司令。鬼のような婆さんだとか。軍に入る前は金融畑の人間で一流のディーラーをめざしていた。《あの准将こそが特殊戦をこのような部隊にしたのだ、彼女の性格意識を反映した戦隊なのだ、彼女にとって特殊戦という存在は、上から与えられた管理すべき組織などではなく、自分のもの、自分の存在の一部、自分そのものなのだろう。それを使って、殴られたら殴り返す。それだけのこと。殴りかかってくる相手がジャムだろうとだれであろうと、そんなのは関係ない。それが正義というものだと准将は信じている。》グッドラックp.416。《相手に理解できるような行動をとってはならない。》グッドラックp.550。《年をとって、若い時分の自分のばかな真似を笑ったり後悔したりしながら振り返るのも、いいものよ。あなたにもそうしてほしい。生命を賭けるなどという真似はしないほうがいい。》グッドラックp.559
【凍った眼】空間受動レーダー。ジャムの戦闘機がさまざまな手段で透明化するのに対応した。
【権藤大尉】天田守少尉の上官。
【再教育部隊】ジャムに撃墜されたパイロットたちを集めもうそうならないよう再教育を施すための部隊。実際はジャムに取り込まれた可能性の高い人間を一か所に集めようという意図がある。ロンバートが主導する。なぜかバーガディシュやランコムが登録されている。
【サミア大尉】特殊戦十三番機パイロット。ブッカーを後部座席に載せFRX00機操縦中転送された雪風の機動に耐えられず即死。
【死】《生か死か、ではなく、雪風かジャムか、そのどちらをとるか、が自分にとって重要なことだったからだ。》グッドラックp.462
【ジェイムズ・ブッカー少佐】→ブッカー少佐
【シェーナー大将】戦術空軍のトップで総司令官。
【死に様】ブッカー《なぜ生き方ではなく、死に様にこだわるんだ? 死に様はそう思いどおりにはいかんぞ、零。人知を超えた要素が入り込む。しかも、死んでしまってからでは、納得するもないだろう》グッドラックp.163
【ジャミーズ】ロンバートがそう名付けた。共通用語になるかどうかは不明。機械戦闘体に付属する有機物のパーツにようやく関心を抱いたジャムにより作られた人間。基本的には元の人間がおりその光学異性体コピー。すでにFAFや地球に送られていると零やベッカーは考えている。
【ジャム★】異星体。三十年前「通路」を通り先制攻撃を仕掛けてきた。どういう存在なのかとか侵攻の目的とか何もわかっていない。本気を出してはいないようにも思われる。というより、あえて一進一退を演じているようにも見える。なんとなく、地球側をフェアリイに誘い込み地球の兵器=戦闘用コンピュータを進化させようとしているようにも見える。あるいは人類の非人間化が目的のようにも見える。あるいは人間など見ていないように見える。一にして全、全にして一というような存在に見える。《ジャムは人間の本質を消し飛ばしてしまうと。》〈改〉p.303。《ジャムにとっては機械知性体のほうが人間よりもリアルな存在に違いない。》グッドラックp.209。《あれは影で、実体はおれ自身かもしれない。》グッドラックp.364。《ジャムというのは、集団的な存在ではないんだ。》グッドラックp.482
【情報化】《真偽取り混ぜた膨大な情報は物事をあいまいにし、あいまいさは、不信を生じさせる。そう、現代人は信頼ではなく不信を物事の判断基準にしている。情報量が増大するにしたがってその伝達内容の信頼性は低下するという物理法則のまはまに、人間同士の信頼関係も揺らいでいるのだ。》グッドラックp.11。《『少佐、あなたはまるで、ジャムとは神のような存在だ、それが実在するかどうかを考えなくてはいけない、そう言っているようですか?』/『まさに、そういうことになるだろうな』》グッドラックp.543
【シルフィード】FAFの戦闘機。双発。高価で数が少ないが現在量産型を開発中。イメージ的には実在の戦闘機F-15 イーグルに近いのかと。エンジンはフェニックス。
【信頼】《そう、現代人は信頼ではなく不信を物事の判断基準にしている。》グッドラックp.11
【スーパーシルフ★】シルフィードのうち十三機は戦術偵察用に改造・運用されており「スーパーシルフ」と呼ばれることもある。必ず戻ってくるという任務のための強力な火器を持つ。電子頭脳を強化された空飛ぶコンピュータというべきものであってフェアリイ基地地下深くに設置されている戦略コンピュータや戦術コンピュータとダイレクトに繋がっておりスーパーコンピュータの端末とも言えそうだ。すべて特殊戦第五飛行戦隊に配属されている。後部座席に電子戦オペレータが搭乗する。エンジンは最終的にはフェニックス・マークⅪ。
【生】《自分が生きているのがわかるというのは、たいしたことじゃないか。それ以上のどんな、確かなものを望めというんだ?》グッドラックp.458
【戦い】《戦いに理屈はいらない、零は思った。他人にはなぜそれがわからないのだろう。》〈改〉p.119
【チュー少尉】ムンク大尉の相棒。
【通路】異星体ジャムの地球侵略用通路。半径五百メートル。紡錘形をしており最大直径三キロ、高さ十キロ。南極点から千キロ、西経およそ百七十度、ロス氷棚の一点にある。三十年前のジャムの先制攻撃によって人類は初めてその存在を知った。
【テストパイロット】《他人とうまくやっていけない人間はテストパイロットにはなれない。》グッドラックp.169
【電子戦闘要員】特殊戦の機体の後部座席オペレータ。閉鎖的空間で戦闘機の機動に耐えつつ膨大な情報処理をしなければならない。ある意味パイロット以上の激務。
【特殊戦★】特殊戦第五飛行戦隊、あるいは「SAF」、通称「ブーメラン戦隊」。零の所属する部隊。スーパーシルフ全機が配備される。形の上では一部隊だが独立した司令部を持ち軍団レベルの運用がなされる。他の部隊に一~二機ついてゆき戦闘情報を収集する。その任務はたとえ味方機が全滅したとしても戦闘には直接参加せず情報を収集し必ず帰投すること。パイロットには鉄の意志ないしは人間性の欠如が必要で「なにかの手違いで人間になってしまった機械」という人格の者が選ばれている。当然他の部隊のパイロットからは嫌われており「死神」と呼ばれたりもする。特殊戦の戦闘機は十三機、最後の晩餐。一番機「雪風」に零(元は三番機だった)。二番機「カーミラ」はズボルフスキー中尉。三番機「チュンヤン(春燕)」はタン中尉。四番機「ズーク」。六番機「ミンクス」。七番機「ランヴァボン」はブリューイ中尉。十一番機「ガッターレ」はプッツァー少尉。十三番機がサミア→ヤガシラ→無人機「レイフ」。
【トマホーク・ジョン】航空電子工学(アビオニクス)の天才。バンシーの異変を零とともに調査することになった。零は会った瞬間彼を戦士として認め握手をした。インディアン。心臓はプルトニウム238の熱で動いているので日本には入国できなかった。《そう、祖父は口ぐせのように言ってた、みんなで一緒に食べよう、一人だけ腹をいっぱいにするやつは仲間じゃないってね。》〈改〉p.182。《零、あなたはいつまでもブーメラン戦士ではいられないだろう。氷のハートはいつか融ける》〈改〉p.192。《ぼくは・・・・・・人間だよな》〈改〉p.196
【ナイト】カール・グノー大佐のチームが開発した小型無人の格闘戦闘機。遠隔操縦する。格闘戦=旋回性能はシルフィードを上回る。「マクロス」の「ゴースト」に近いイメージかと。
【南雲】アドミラル56の艦長。
【人間】《人間に仕掛けられた戦争だからな。すべてを機械に代理させるわけにはいかんだろう》〈改〉p.97。《人間には予備の人生はないんだ》グッドラックp.271。《ヒトは群れて生きる生き物だ。組織という群れが危うくなるというのは、即、個人の生命が危うくなるということであって、それはヒトが誕生したときからそうだったに違いない。》グッドラックp.357。というか群れて生きるようになって初めてヒトが誕生したということかもしれまへんね。
【バーガディシュ少尉】零のフライトオフィサ。後部座席に乗る相棒。頼りになるが地上では素っ気なく生きている死体のようだと零は思うが自分も同じだということも意識はしている。
【パイロット】→特殊戦
【バルーム】特殊戦の軍医。冷蔵薬品庫にビールを常備している。
【バンシー】空中飛行基地。シルフィードの部隊を搭載し原子力と遠心力で飛ぶ。これまで一度も地上に降りたことがないし降りる機能もない。二艦あったがバンシーⅣはジャムにやられ今はバンシーⅢのみ残っている。
【ヒカラチア】プーメラン戦隊の女性オペレータ。
【ピボット大尉】特殊戦の情報分析担当。
【ファーン】単座の格闘戦闘機。
【ファーンⅡ】ファーンを高性能にし無人化を念頭に開発中。
【プーメラン戦隊】→特殊戦
【フェアリイ★】「通路」が繋がっていた先の惑星。ジャムの母星かどうかたか、全天のどこにあるのかなどいっさい不明だが現在の主戦場。ジャムによって戦場として選ばれ地球側がここに呼び込まれたような雰囲気もある。太陽は連星。原生恐竜とかいるらしい。もしかしたらジャムはこういった「戦場」をいくつも持っていて複数の戦争をしているのかもしれない。
【フェアリイ基地】惑星フェアリイにある地球の基地のうち最大で中心。地下大洞窟の底にビルが林立する都市。
【フォス大尉★】エディス・フォス大尉。零のリハビリプログラムの精神面のケアを担当している医師。女性。若く実戦の経験値が低い。元はシステム軍団のテストパイロットたちの精神的ケアを担当していた。《関係ないでは済まされない。あなたの心は、あなた自身のものなのよ。関係ないなどというのは、それを放棄することだわ。そんな希薄な自己では、雪風にも通用しない。》グッドラックp.302。《あなたが、わたしを、必要としている?》グッドラックp.303。零いわく《特殊戦は実戦部隊だ。結果だけがすべてなんだ。》《役に立つ結果を期待している。》《これはテストだ、などというきみの意識は、甘いとしかいいようがない。》《現実から逃げるなよ、エディス》p.305
【深井零】→零
【複合生命体】フォス大尉の造語。人間と機械戦闘知性が互いに独立しつつも利用し合えるような存在となることか。
【ブッカー少佐★】ジェイムズ・ブッカー。零の唯一の友人。顔に切り傷があり凄味がある。零よりも日本通で雪風の機体に書かれた「雪風」という文字は少佐の手になる。元はパイロット。プーメラン作りの趣味がある。いろんな雑学を持っている。《ジェイムズ・ブッカー少佐は、一言でいうならば、恐れを知っている男だった。》〈改〉p.57
【ブラッディ・ロード】フェアリイの太陽は連星で一方からもう一方に向けて吹き出すガスが赤く、ブラッディ・ロードど呼ばれている。
【フリップナイト・システム】→ナイト
【プロファクティング】フォス大尉によると、心身負荷強度分析法などから理論的に導き出された行動心理予測手段の一つ。プロファイリングとは異なる。
【ポラック】チャン・ポラック。国際弁護士。《ポラックは地球の幻想で動いている男だよ。》グッドラックp.126
【マース勲章】最高位の勲章。
【マーニー】TAB-14の看護師。
【ミュレル】ガレ・ミュレル。特殊戦の食堂のシェフ。コック長。
【ムンク大尉】シルフィードのパイロット。
【メイル中尉】ギャビン・メイル。505攻撃部隊の隊長。ヤガシラの元上司。扱いにくかったヤガシラを特殊戦が引き抜いてくれてせいせいしている。《なぜ自分がここにいなければならないのだ?》グッドラックp.93
【ヤガシラ少尉】矢頭。十三番機のパイロットとしてサミア大尉の後任。元505攻撃部隊の優秀なパイロットだったが自分一人で戦っているようなところがありチームプレイができなかった。零のことを気にしている。ということは人間性が残っているわけで特殊戦には向かないかもしれない。
【ヤザワ少佐】TAB-14所属。
【雪風★】零の愛機のパーソナルネーム。特殊戦三番機。スーパーシルフ。最後の方では地球の空も飛べるエンジン、フェニックスマークⅪを搭載。次第に人間を必要としない兵器に近づいていく。《片想いだ。雪風はもはや独立した意識体になりつつある。いつかふられるぞ》〈改〉p.272。《おれが言いたいのは、零、いつの日か、雪風がおまえの、人間の、敵になるかもしれないということだ》〈改〉p.273
【ライトゥーム中将】ギブリール・ライトゥーム。FAFフェアリイ基地戦術戦闘航空軍団司令。形式上のボス。女に手が早い。上層部の人間らしくプライドは高い。《これまでも特殊戦のわがままは精いっぱい実現させてきた。わたしの才覚でだ。それを忘れるな、クーリィ准将。》グッドラックp.425
【ランコム少尉】ジョナサン・ランコム。TAB-15所属。雪風に殺された。ジャムだったと思われる。
【ランダー】アンディ・ランダー。アメリカのフリーコラムニスト、軍事評論家、ロビイスト、兼作家。偏向的な文章を書く。「宇宙大作戦」のカーク船長っぽいかも。
【理性】野生動物はきわめて理性的な存在だと思います。生と死の狭間では理性的でないと生存を続けられない。ブーメラン戦隊のパイロットたちもまた理性的。で、理性的なことは一般人類にとっては非人間的なのでしょう。だから疎ましがられる。これもまた動物=人間そのものではあるのですが。まあ、ブーメラン戦隊の連中はそれすら理性的にスルーするようですが。
【リン・ジャクスン】対ジャム戦史を著した。『ジ・インベーダー』というのがそれかもしれない。かなり皮肉な見方をしているようだ。《異星体ジャムも結局のところ、一隣国の仲間にすぎなかったのだといえる。》〈改〉p.138
【リンネベルグ少将】FAF上層部の一人。情報軍のトップか。ロンバートと行動を黙認している。というか推し進めている。
【零★】主人公。深井零。ブーメラン戦隊所属で三番機雪風のパイロット。少尉→中尉→大尉。《地球は苦い思い出を溜めた大きな水球でしかない》〈改〉p.36。《おれは性能の悪いやつは嫌いだ。人間も機械もだ。》〈改〉p.38。《雪風を狙うものはすべて敵だ。おれは雪風以外は信じない。》〈改〉p.171。ジェイムズ・ブッカー少佐が戦争と人間性についてや、戦争が人間のものであるかどうかを考えるが、零は自分が人間的であるのか非人間的であるのかよりも雪風にとって自分が必要なパーツ(できれば対等なパートナー)であるかどうかを重視しているように見える。
【レイフ】特殊戦十三番機として補充された無人機の愛称。「知恵の狼」という意味らしい。機体はFRX99。
【ローラン大佐】フェアリイ基地広報部。
【ロンバート大佐★】アンセル・ロンバート。FAF情報軍の事実上のトップ。女に手が早いがライトゥーム中将よりは洗練されている。《わたしの望みは、ささやかな平安だよ。ま、それは老後の話だがね》グッドラックp.582。《わたしの目的は、ジャムを支配することだ》グッドラックp.583
【AICS】エアインテーク制御システム。自動的なシステムで戦闘機にとっては不随意で機体のコンピュータが感知できない部分だった。
【BAX-4】開発中のパワードアーマー。
【FAF★】フェアリイ空軍。地球防衛機構の主戦力。フェアリイ側「通路」を中心にほぼ同円周上に基地を配置している。
【FRX00】FRX99の次世代試作機。有人にし、人間の戦闘勘を生かすコンセプト。エンジンはスーパーフェニックス・マークⅪ。機体カラーは黒。形状はジャムの戦闘機に似ている。後につけられた愛称は「メイヴ」、風の妖精を統べる女神。
【FRX99】スーパーシルフを元にした小型軽量機だがコンピュータの容量はスーパーシルフに匹敵する。最終的には無人化を予定しているが当面は特殊戦のパイロットが教育役として搭乗する。
【PACコード】パーソナリティ分類用コード。世界標準でありFAF独自ではない。零の配属もこのコードニヨッテ決められた。全国民が幼少時より分類されている国もあれば犯罪者のみが分類されている国もある。より拡張されたPAXコードというものがあり「MAcProⅡ」などのツールでのプロファクティングにはそれを使う。
【SAF】→特殊戦
【TAB-14】壊滅したはずの基地。
Posted by ブクログ
面白い。濃厚、重厚。まさか最後、そこで終わるとは…!
主人公の深井中尉の独白が多かった前作に比べて、今作は数多くの魅力的なキャラの内面によりスポットが当てられていた。
前作のモブがモブじゃなくなり、物語により深みと広がりを持たせた。
個体としての生存本能と集団・組織の存続のための戦略の対比とか、戦略と戦術の違いとか、内容は哲学的でより難しいものになった。ストーリー展開も後半はドラマ的に進む。
最終作のアンブロークン・アローを読むのが待ち遠しい。
Posted by ブクログ
3巻のために1巻に続いて再読
SFマガジンに1992年から1999年にかけて連載されたものをまとめたもの
1巻は1984年
そういう出来上がりの経緯がよく現われていて
濃い会話が延々続くが話はなかなかすすまない
個々単品はたいへんおいしゅうございますのだが
これだけ同じ話を練り重ねるとさすがに胃もたれ
1巻で描いた絵に8年置いてから油絵の具をぐにぐに7年かけて塗った作品
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敵、ジャムの存在がますます分からなくなってくる。そこがまた面白いなところ。行き詰まるサスペンスから少し、思考実験的になってきているが、これくらいどうということはない。これ以上になるとつらいかも。
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「戦闘妖精・雪風」シリーズ2作目。
1作目に比べて戦闘シーン、ミリタリー色は控えめで、「人間」・「ジャム」・「人工知能」それぞれの存在を深く掘り下げた内容になっている。
印象深いのは主人公・深井零と愛機「雪風」の関係性の変化。
前作では零の一方通行な思い入れだったが、新たな機体を手に入れた雪風は零を必要とし、成長を遂げた零は雪風の意志を汲み取ろうとする。不器用な人間と人に近づいた機械との不思議な信頼関係が見られる。
(フォス大尉はそれを「愛」と定義している)
ジャムは人類を標的と定め本格的に侵攻を始める。そして謎に包まれた実像も明らかになっていく。
雪風がブラッディ・ロードに飛翔していくラストシーンが最高にカッコイイ。
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主人公の変革と機械、ジャムと哲学的な部分が多くなってきてミリタリー要素は若干薄くなったかな?でもこういうのがSFって感じ。
新しく加わった新キャラ二人もいい味出してる。
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『ジャムとは何か』それは人間とは何かを定義することであり、意識とは何か、生命とは…。
異次元の超意識体であるジャムはもはや『 神』なのではないか⁇
そんな不毛にも思える哲学的論争が帰結する先には雪風と零の共生関係が。
対ジャム最強兵器。最後の希望。
でも零の最大の関心事は雪風に必要とされているかということ。
ジャムの不確定要素である彼は雪風に認められ信頼され…武器として?。
死地に赴くというのになんだか幸せそうなのでした。
至高の愛、ですかね〜。
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第一作目で充分完結しているように思えたが、このような形でさらにスケールアップして続くとは思わなかった。
機械と人間の複合生命体という概念、ジャム人間、哲学的存在としてのジャム。
一作目は人間が機械から拒絶されることで、あまりにもそれが完璧に美しく終わっていた。が、今作は機械との共生を、主人公の零の成長を通して納得感のある形で描かれる。この物語はこれからどうなっていくのが、全く読めない。
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零の性格が人間味を帯びるにつれて、雪風もヒトに近づいていく。
ヒトと機械の境界線の定義ってSFではありきたりなテーマなのかもしれないけど、この本がおもしろいのは、ヒトはヒトなりに、機械は機械なりにキャラが立っているからかなーと思う。
マクロな視点でみると、機械はヒトを必要としていないように見えるけど、ミクロではしっかり繋がっている。
ミクロ、大事だね。
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戦闘妖精雪風の続編。
単なる戦記モノでもなく、戦争を通じた人間ドラマでもなく、社会派でもなく。シンプルにこれはエンターテインメント。SFである。
人口知能テーマで、高度に発達した電子頭脳と人間の関係がうんたらとかいうともはやテーマとしては陳腐ではないかと思われるが、それはこれでもかというほどの博覧強記なマニアックな描写が強烈なリアリティを持たせてじっくり読ませるし、無駄にキャラが出てきたり無駄に饒舌だったりしないし、本編に無関係なエピソードもなければ、意味のない恋愛や性描写もなく、ひたすら冷徹なまでにフェアリー世界を描いている。凄い。
最後はいよいよこれからってところでメイヴ雪風が飛翔して終わるって、これは「さらば宇宙戦艦ヤマト」じゃないんだから!という読後感。続きを読めってことですな。
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雪風シリーズ2作目。
前作の、「友人だと思っていた奴から置いてけぼりを喰らった衝撃」とは また少し異なる感じの読後感。
零と雪風は、必要とあらば相手を切り捨てることが出来るし、お互いにそのことを理解していて、だからこそ固い信頼で結ばれている。その関係を“愛”と呼んでしまうところに痺れた。
ようやく接触することになるJAMの本体との対話も興味深い。
自分の認識で把握出来ない敵にどう向き合えばいいのか。
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このまた続きが出ていることに最近気づいて(マヌケ)、慌てて読んだ;
1冊目(というか零がw)好き過ぎて、続きでどうにかなってしてしまうのを見るのが怖くてずぅっと放置(って何年だ!?)していたので、期待が育ち過ぎてた感有り。
機械と人がさらに一体化している描写は、実際にあり得そうで面白い。
色々現実の方が追いついてるところが多くなってるなぁと思ったので、続きは間をおかずに読みます。
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前作より進化した雪風。進化した零。
そして、二人の関係も変容していく。
零にとっての雪風とは、雪風にとっての零とは。
そして、その存在が垣間見えてくる異星体ジャム。
「われはわれである。」
自分という存在は何なのか
その答えは自分で探さなければならない。
そして、自分と向き合い、生きていかなければならない。
これは、特殊戦だけではなく、私たちにもあてはまる。
「われわれは、今できる最善と信じることをやるだけだ。」
自分が生きていくためには、常に思考し続けなければいけない。
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戦闘妖精・雪風 第二巻
前巻で覚醒が示唆された、戦闘機搭載AI 戦闘妖精・雪風。
人間と、フェアリー星人(人類)、異星人(ジャム)、特殊戦、情報軍入り乱れての戦闘になだれ込んでいく。
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世紀の変わり目に読んでいました。
この先続くわけですが、なんと言っても、筆者が合間を置い
て執筆しておられることが大きい…?巻を重ねるごとに、な
んだろうか。主人公というか登場人物のウェイトの置き方や
立ち位置が変わっていきます。基本はハードSFなんですが、
それを度外視して<映像化>しておりますよね。
あれは、ちょっと苦しかったんだとおもう。錚々たるスタッ
フに囲まれてもがいていたような印象です。主演(深井零)
は、あの「倍返し!」のかたです。すごいよね!
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戦闘妖精・雪風の2作目。
人工知能萌えである私としては、当然読んでおくべき作品なのだけど、随分昔に1作目だけ読んでそのままになっていた記憶があり、どうしてだったか、と今回1作目を改めて読んでみたところ、思い出しました。失恋したからでした。失恋のショックからでした。…うん。
人と共に戦う戦闘機に愛着と信頼を寄せた結果、裏切られた気がしてそこで止めてしまっていたという……ううむ…我ながら没入しすぎではなかろうか…。
今回こうして2作目まで読む機会があって本当に良かった。過去の自分に「とりあえず2作目まで読んでみ」と伝えてあげたい。
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作中では前作から時間の経過が然程無いようですが、主人公の人格が事件をきっかけとしても変わりすぎ?1巻、2巻と読み進めると少々違和感が有りました。また、前作よりもドッグファイトの描写が減り、エンターテイメント小説と云うよりも観念・哲学的な話が殆どになってきています。
そして物凄く良い処で終わってしまっているのもなあ…。
Posted by ブクログ
戦闘妖精・雪風の続編です。
前編は雪風がジャム機との戦いで損耗し、
自己のデータを新型機へ転送して、新型機(メイブ)へ
転生した後からの話になるのですが・・・。
前作ではジャムは何であるのか?
コミュニケーションは取れるのか?
などは、あまり描写されなかったのですが、
本作ではジャムとコミュニケーションをとったり、
心理分析をしたりとジャムを理解しようと試みる描写が
多くなり、戦闘SFという感じより、哲学的な感じが色濃く
なった感じです。
アニメ版ではグッドラックまでの内容を元に製作されているのですが、
エンディングが違います・・・。
アニメ版では完結してしまうのですが、小説はまだまだ続くといった感じです・・・。
(実際に続編があります。)
気になる方はぜひ一読をお勧めします。