あらすじ
戦術戦闘電子偵察機・雪風とパイロットの深井零は、未知の異星体ジャムとの熾烈な戦闘の日々をおくっていた。だが、とある作戦行動中に被弾した雪風は、零を機外へと射出、自己データを新型無人機へと転送する・・もはや人間は必要ないと判断したかのように。人間と機械の相克を極限まで追究したシリーズ第2作
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Posted by ブクログ
途中まで、機械の固有意識と人間の意志の近づかなさを読んでいたように思うのだが気づくと機会と強くつながってきた深井零によって分かり合おうとする存在になっていく。
愛という言葉を持ち出すのは私は陳腐だと思ったが、本当にそうなのだろう。
昨年発売された短編集「いま集合的無意識を、」や長編「ぼくらは都市を愛していた」で”機械に使われる人間”という像が出現したような気がするのだが、それよりも雪風では分かり合おうとする努力、敬意が強い気がする。
というか、あおの2冊で提起した問題の一部をこの作品で答えている気がする。深井零という特殊な人格であるがかれはそれをクリアした。
零の変化と、異星体ジャムの変化。軍医のフォス大尉や元情報軍の矢頭少尉が加わって、クーリィ准将の性格もわかるようになって物語として動いていく。
外部の変化と零やそのほかの登場人物の心情がどちらも丁寧に書かれていると感じた。
この雪風の第2巻で私は機械に対する危機感やそれとの衝突ではなくて次の段階に移ったことにひどく高揚した。
この作品は私が生涯にわたって読み返したい本の中に入った。
Posted by ブクログ
戦闘妖精・雪風シリーズ第2弾
生まれ変わった深井零と雪風の新たな物語
ただ依存するだけであった雪風との関係、自身の戦いの意味を見つめることで、自身のあり方を再認識し周囲への関わり方を変えてゆく深井大尉。軍医のエディス・フォス大尉、過去の自身を喚起させる雪風の新フライトオフィサ桂城彰少尉との関わりを経ることで自身の変化と向き合い雪風との関係性も変化していく。メイヴという新たな体を得た雪風、フォス大尉にもたらされたツールも駆使して機械の戦闘知性体としてそのキャラクターを確立してゆく。愛する/人と機械の複合生命体というようにフォス大尉が評した深井大尉と雪風の関係性の描写も素晴らしい。
ジャムとの接触、戦局も新たな局面を迎えFAFの面々も重要な選択を迫られることとなる。
ジャムの発したことば「われはわれである」
同じツール(ことば)を使うが故に、決して相互理解が叶わないのではと思わせるひとことであった。
新たな戦場への零と雪風の飛翔で物語は幕を閉じる。
Posted by ブクログ
雪風シリーズ2作目。
前作の、「友人だと思っていた奴から置いてけぼりを喰らった衝撃」とは また少し異なる感じの読後感。
零と雪風は、必要とあらば相手を切り捨てることが出来るし、お互いにそのことを理解していて、だからこそ固い信頼で結ばれている。その関係を“愛”と呼んでしまうところに痺れた。
ようやく接触することになるJAMの本体との対話も興味深い。
自分の認識で把握出来ない敵にどう向き合えばいいのか。
Posted by ブクログ
このまた続きが出ていることに最近気づいて(マヌケ)、慌てて読んだ;
1冊目(というか零がw)好き過ぎて、続きでどうにかなってしてしまうのを見るのが怖くてずぅっと放置(って何年だ!?)していたので、期待が育ち過ぎてた感有り。
機械と人がさらに一体化している描写は、実際にあり得そうで面白い。
色々現実の方が追いついてるところが多くなってるなぁと思ったので、続きは間をおかずに読みます。
Posted by ブクログ
前作より進化した雪風。進化した零。
そして、二人の関係も変容していく。
零にとっての雪風とは、雪風にとっての零とは。
そして、その存在が垣間見えてくる異星体ジャム。
「われはわれである。」
自分という存在は何なのか
その答えは自分で探さなければならない。
そして、自分と向き合い、生きていかなければならない。
これは、特殊戦だけではなく、私たちにもあてはまる。
「われわれは、今できる最善と信じることをやるだけだ。」
自分が生きていくためには、常に思考し続けなければいけない。
Posted by ブクログ
1巻が大変面白かったので2巻はだいぶ期待して読んだが期待外れだった。
観念論や長ったらしい心理説明が延々と続きページ数に対して物語の進みはかなり遅い。1巻にあったショートエピソード集という連作短編集らしさも消えてしまった。
著者のこの方向性は『言壺』で十分だ。別に本作を読む必要はない。
この本のダメなところの一つとして新キャラである特殊戦の軍医エディ・フォスの精神分析が嘘くさいところ。専門家として登場するが心理カウンセラーとしてやってはいけないことを連発するし彼女の人を類型に当てはめる態度は全く専門家ではない。個人の問題と向き合う気もない。かなり不快な人物である。
コンピュータの扱いもAIとその管理が現実問題として真剣に検討されている現代の視点で読むとセキュリティ管理などツッコミどころが多すぎてしらけてしまう。
ジャム関連の章は面白いんだけどジャムが関わらない章があまりにつまらない。
逆に言えばジャムとの戦闘やジャムが出てくるあたりは本当に面白い。
自分がつまらないと思った点も気にならない人は気にならないだろうし、コンピューターの扱いも発表当時は90年代だから30年前近いので、今の視点で欠点というのは卑怯かもしれない。時代性の問題だ。
時代においついてない本という印象。
Posted by ブクログ
戦闘妖精・雪風の続編です。
前編は雪風がジャム機との戦いで損耗し、
自己のデータを新型機へ転送して、新型機(メイブ)へ
転生した後からの話になるのですが・・・。
前作ではジャムは何であるのか?
コミュニケーションは取れるのか?
などは、あまり描写されなかったのですが、
本作ではジャムとコミュニケーションをとったり、
心理分析をしたりとジャムを理解しようと試みる描写が
多くなり、戦闘SFという感じより、哲学的な感じが色濃く
なった感じです。
アニメ版ではグッドラックまでの内容を元に製作されているのですが、
エンディングが違います・・・。
アニメ版では完結してしまうのですが、小説はまだまだ続くといった感じです・・・。
(実際に続編があります。)
気になる方はぜひ一読をお勧めします。