【感想・ネタバレ】いま集合的無意識を、のレビュー

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お久しぶりの感想ですが

神林長平作品を読むのは相当久しぶりです。
デビュー作からずっと読んでいて、雪風とか敵は海賊とか、シリーズ作品も読んでいたんですがいつのまにか離れていました。
本書は短編集ですが、久々に読んで、意識と機械、というこの人の関心は変わっていないんだなあ、と懐かしく思いました。と同時に相変わらずの言葉の切れ味にも感激。
そして表題作には驚かされます。亡き伊藤計劃氏への語りかけが一つの作品になっている!こんな言葉の発し方もあるんですね。

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2014年01月05日

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『アンブロークンアロー 戦闘妖精・雪風』でモヤモヤした後に読んだ本。
この本を読んで神林長平の表現がストンと腑に落ちました。その上で『アンブロークンアロー 戦闘妖精・雪風』を読むと、なんとストレートなことか!

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2014年08月11日

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”意識”あるいは”自我”を共通のテーマとしながら、
これだけ異なる設定・読み口の作品が集合しているのはすごい。

サイバーミステリな『切り落とし』のような作品も楽しいけど、
著者の『戦闘妖精』シリーズ作品からのスピンオフの『ぼくの、マシン』も好き。
生身の人間とのコミュニケーションに諦念を抱く主人公が、コンピュータを真に”パーソナル”なマシンー自分専用の対話相手ーとしてネットワークからどうにか遮断しよう試みようとした少年期の記述。

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2013年10月31日

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ネタバレ

短編集。
雪風のスピンオフが入っています~v

神林さんが伊藤さんの『ハーモニー』を読んだ感想も興味深い。
読みながら泣いてしまった。

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2013年06月23日

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神林長平ワールド満載!ほとんどの人がそんな感想を持つんじゃないかな。
この俺を意識している私は一体誰だ?そもそも俺はリアルなのか私の想像上の存在なんじゃないか?いや私の言葉が俺を存在させているのだ。みたいな。もちろんメカ好きとしてもたまらん一冊
表題作『いま集合的無意識を、』を読むのは伊藤計劃の虐殺器官とハーモニーを読んでからの方がいい。「もう大丈夫だ」「心配ない」には思いっきり救われるとともに背筋がゾワゾワするくらいに感情が揺さぶられる

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2013年05月17日

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ネタバレ

…ぼくはいつだってそうなのだ、見も知らぬ相手に自分の生の声を発信することには興味がない。だれに読まれるのかわからないままに語るなんてことはぼくにはできない、誤読されたら訂正のしようがないではないか、「それは違う、ぼくが言っているのはそういう意味ではないのだ」と言えない、相手からの応答が得られない、そんな一方向性の言い方で自分の本音を語るつもりはぼくにはない。
 しかしフィクションなら、小説という<虚構>にすれば、それができる。意識的に嘘を語るというのではない。どのように読まれようがかまわないという覚悟で書かれるのがフィクションであり、小説というものだと、ぼくが言いたいのはそういうことだ。むろん本音を隠したままでも小説は書けるしメッセージを込める必要もないが、作者の思惑とは異なる読まれ方、すなわち誤読されてもなお作者の本音を伝えられる表現とはどういうものか、それに小説家は腐心するものだ。すべての小説家がそうしているとは言わないが、自分はそういうタイプの作家だと僕は思っている。ぼくがSFを書いているのは、その形式がぼくの本音を忍び込ませるのに合っているからだ。

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2020年03月08日

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意識の所在とアイデンティティがテーマの短編集。
SFとしての完成度はもちろんのこと、「切り落とし」のオチや「かくも無数の悲鳴」での宇宙人、並行世界の解釈などよくもまあこのような発想が出てくるなと。
表題作はフィクションの形をした伊藤計劃論、書評かと思いきや「虚構の力を信じろ」と言うものすごく熱いメッセージが込められていて良かった。
好きだなあ、好きだよ神林。

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2020年03月06日

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自我、意識、無意識、集合意識、集合的無意識、リアル、仮想。エンタメ志向ばかりではない、SFの真の奥深さを感じさせる短編集。「切り落とし」がツボだった。さて、「わたし」とは何だろう。リアルとは何だろう。

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2018年04月24日

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『いま集合的無意識を』で筆者は“暴走する知性は意識=フィクションで制御できるだろう。だが、暴走する意識をコントロールする術を人類は、おそらく持っていない”と語ったが、先に描かれる5つの短編では、人々が、じわじわ、ゆっくりと、真綿で首を締めるかのごとく自我を、意識をシステムに吸い取られていくさまが描かれている。21世紀の戦争は戦場ではなく日常に入り込んできている。そうした世界は徐々にこうやって、思考を管理する世界をもたらすのでは?→『ぼくのマシン』//その先にやってくるのは『ハーモニー』の世界かもしれない。

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2016年07月31日

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伊藤計劃論が秀逸でした。そしてSF界の先人として、伊藤計劃の後を引き受ける力強い言葉にも熱くなりました。やっぱり神林先生大好き!

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2015年07月12日

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神林長平的なカタログとも見えるが、始めと終わりを「ぼくの、マシン」と表題作とすることで、著者がパソコンとネットに関して持っている意見のようなものが見える構成になってる。

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2015年05月06日

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意識、インナースペースを主題にしたSF短編集。
面白い。伊藤計劃氏にも共通する、この自分の事を書かれている感が堪らなく面白い。
ちょっと難解な部分もあるが、他の作品も読んでみたい。

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2014年01月11日

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「切り落とし」がすごくこわかった。現実と脳内が混ざる話は苦手。でも、どうなるのか分からない緊張感があって一気に読んだ。

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2014年01月06日

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全篇を通して、主題はコミュニケーションについてだなあと感じた。「他人とわたし」のコミュニケーションというよりは、「わたしとわたし自身」「わたしと機械(インターネット)」とのコミュニケーションについての考察として書かれていた。
でも、そんな小難しいことを考えなくても、それぞれがSFとして面白く読める内容になっている。
中でも、「かくも無数の悲鳴」の量子論をルールに行われる異星人対人間の戦いは面白かった。

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2013年11月16日

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私には感じられないことを考えて想像してて、それらをあほな私にもわかるような言葉に落とし込んでくださってて、読後にふーむとうなることがでました。なんかすごい本。また読み返します。

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2013年09月28日

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伊藤計劃に釣られて読んだ。他の作品も良かったが、やはり表題作が刺激的。ハーモニーの解釈は自分と同じだったけれど、その一歩先とSFの意義に踏み込み若者へ警鐘を鳴らす。
他のも読んでみようかな。人類が端末化する過渡期ってこんな感じ?

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2013年03月23日

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6つの短編からなるSFでした。
最終話は去年読んだ「ハーモニー」へのアンサー(私)小説だったが、ハーモニーにそんな面白さを感じなかった俺としてはなんでアンサー?ってとこでしたが読んで納得。
しかし最近読んでる本に関連性(関係性か)があるなぁ。
知らないうちにゴーストが囁いてるのかな。

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2012年12月04日

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ネタバレ

6つの短編から成る珠玉のSF小説。
『戦闘妖精雪風』のスピンオフ「ぼくの、マシン」と、
故 伊藤計劃との仮想対話「いま、集合的無意識を」も収録。

 現実世界やネットワーク世界、多世界解釈世界と様々な舞台のなかで、人間の“意識”“自我”“無意識”に切り込んでいるのが面白い。
特に、伊藤計劃の描こうとした世界のその先にあるものを考察する表題作の切れ味は鋭い。

ネットワークを人間の体外意識野に見立て、そこに集合する無数の意識〈わたし〉=虚構〈フィクション〉 が暴走したときの脅威を指摘している。

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2012年11月10日

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名前だけはずっと知っていたけれど、神林長平の作品を読むのは初めて。
手に取ったきっかけは、やはり伊藤計劃さんです。「虐殺器官」も「ハーモニー」も読みましたが腑に落ちない、というか理解できないところがあったので。
「虐殺器官」の方を面白く読んだのですが、「ハーモニー」を再読しようかと思いました。

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2012年10月20日

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表題作が伊藤計劃の『ハーモニー』について考察したものだと知り、購入。
ハーモニーについては考える機会を与えてくれたひとつの世界であり、楽しめた作品だったが、難解であったので、表題作はすがる気持ちで読んだ。
他の短編と合わせて、著者が長年のSFを書き続けて得られたファンダメンタルな考えが底に流れていると感じた。
最初の短編は著者の作品のスピンオフで読んでいないので、すこしわかりづらい。
表題作はハーモニーを読んでいなくても、新鮮ではあるが納得できる考えがそこにはあった。
SFは目的でなくて伝える手段なんだね。

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2012年10月16日

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雪風のスピンオフ、「ぼくの、マシン」などを含む短編集。
ファンでなければ、とっつきにくい一冊かと思われます。

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2020年12月18日

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最初の雪風の挿入話は、後からでも楽しめるが、できれば、雪風三部作を読み進む前に早めに読んでおきたかった。雪風の3話目を読んでいればなるほどなという話も多いが、それよりは分かりやすく、興味深い感じだった。

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2018年11月12日

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希代の言葉遣い師・神林長平が贈る、言語/認識にまつわるハードな語り/騙りに酔いしれる短編集。
鴨如きの貧弱な認識力では、正直よくわからないところも結構あります。でも、わからないなりにも不思議と説得力のある、情感を一切排したかのようなドライな世界観はこの作家ならではのワン・アンド・オンリー。

神林長平氏の作品を読んでつらつら思うのは、「SFを書こう」としているのではなく、書きたいことを表現できるフォーマットがたまたまSFだったんじゃないか、ということ。知らない人には「子供だまし」と捉えられがちなSFというフォーマットが、如何に先鋭的な文学を体現できるのかということを如実に示してくれる作品集です。もう数年したら再読してみたいです。

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2015年12月23日

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雪風深井澪の幼少時代のカウンセリング、バーチャルな世界での殺人事件を追う探偵などの6編
神林長平はどこが現実かわからないディックのような多重構造世界にはまってるらしい。

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2014年07月27日

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ネタバレ

『ハーモニー』へのアンサーだとは聞いたが、まさかこんな直接的対話による文字通りの「応答」だとは思っていなかった。神林がこんなにも熱を帯びた語りを書き上げるのか。そうか。

知能と意識の相克、行き過ぎたリアルを抑制するためのフィクションという役割に対し、過剰に暴走したフィクションに対しては停める術がない。また『ハーモニー』とはフィクション、すなわち物語を棄てた世界であり、未来を<想像>できない彼らは、やがて破滅するしかない、と。

フィクション、虚構の力を制御できなくなった世界とは、『ぼくらは都市を愛していた』で描かれたそれであることは間違いない。そしてまた円城が描き上げた『屍者の帝国』もまた、失われ、そしてやがて生まれ出るすべての物語が<暴走>した、人類の終焉の姿であった。それが現代社会の何に位置するかと言えば、やはりインターネットになるのだろうと思う。無数の情報=物語が日々書き込まれ、もはや人の手では御しきれないこの世界は、あるいは世界の終焉の一つの姿としてふさわしい。

表題作がどうしても目を引くが、他の短編も普段通り切れ味が鋭くすばらしい。『かくも無数の悲鳴』の量子エイリアンバトルはなんというか、もっと長く読んでみたかった気も。

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2014年07月12日

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ネタバレ

短編集のつめこみ。
おもしろかった。
神林の「意識論」が伊藤計劃を通してかかれてあり、
相変わらず冴え渡っていらっしゃるなぁと。

神林さんの意識の向こう側、人類は進化の過程で次に何を獲得するのか、それに触れたい。

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2014年07月06日

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表題作は、伊藤計畫の残虐器官、ハーモニーの評論をしているように見せかけて、ネット社会による没個性の傾向に警鐘を鳴らす。鋭いが、伊藤計畫の2冊を未読の人やつまらなかった人にはハードルが高い短編集。

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2014年04月29日

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ネタバレ

人とコンピューター(機械)とネットとの関わりについて、意識とは、個人とは、ということを考えさせられる短編集。作者らしさが存分に発揮されているし、「今」をずいぶん前から見通せていた先見性を感じる。表題作は刺激的。

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2013年09月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

神林長平の短編集。

SF小説の割りに、ライトノベルのような、軽快さや
文章のわかりやすさは皆無。

どちらかと言うと、哲学書的な作品ばかり。

作者らしいと言えば、らしい作品。

手軽に重厚な作品を楽しみたいのであれば、お薦めの本。

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2013年09月09日

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一番面白かったのは「ぼくのマシン」か。
「雪風」はこのような魅力的なキャラクターと世界があるのに、あのような結末になるのは本当におしいと思う。
次点はなし。

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2013年06月19日

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ネタバレ

こういうこと書く人達がいると、なんで人は科学とか技術を発展させられるのかがわかる気になる。

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この本は一種のコミュニケーション論だと思った。

コミュニケーションとは意思疎通のことだ。
現代ではあらゆるコミュニケーションツールと言うものが存在する。しかし、人はそういったコミュニケーションの技術を発達させているが、互いを根底から理解することができるようになったであろうか。

どんなに頑張っても結局は言語に頼るコミュニケーションでしかないから、目覚ましい進歩を見せているとは思えない。


しかし、これだけコミュ、コミュ、コミュ・・・と言われていると人は相互理解へ突き進んでいるように錯覚できる。


そんな錯覚から生まれるのが、集合的無意識なんではないだろうか。
ウェブという広い横つながりで、不特定多数が共感したような気持ちになって、無意識のうちにコンセンサスを作りだしている状況。

これからの世の中、そういったことで大衆が流されることが起きるだろう。たとえば、革命とか。独立運動とか。そのうち戦争とか。
こんなの戦前も流行ったな。  歴史は繰り返す。


結局、人は互いの理解は不可能だし、もしできるようになっちゃったら、異星人に地球を乗っ取られるようになってしまうんだなと思った。

そういった意味で本当のコミュニケーションというものは存在しなくて、上辺だけのコミュニケーションを上手く回すことこそ、上手に生きていくコツなんだろう。



しかし、SF作家は今言ったことの前者の部分を書いていくのだ。

だから人類には未来があることが分かる。
だから面白い。
本と言うのは実に面白い。


お先真っ暗上等!!

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2012年11月01日

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