東雅夫のレビュー一覧
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特集が「はじめてのクトゥルー」だったのと、乙一さん周年というのとで手に取った次第。クトゥルー、よく見聞きする言葉だけど内容そのものに全く無知なので。
そんな中、一番印象的だったのは、
小川洋子さんの「お借りいたします 棺」
特集と全く関係ない読み切り小説だったから、身構えなく読んでました。だからこそのインパクト ガツン!!だったのかな。
あの結末… ぇ!?どういうこと!?
妊娠と流産を繰り返しているという流れにすごく違和感感じたけど、まぁそういうこともあるかもしれんと強引に納得しつつ読み進めていったら…
葬儀場の職員さんから投げかけられてるあの言葉、
ぇ、どういう意味?? 主人公の周りから見た人物像って、読み手が想像してきた人とは全然別物なの!? それとも、あの場面で急展開したんだろうか…
それまで淡々と進んでいただけに、最後が急展開過ぎて面白かったです。キツネにつままれたみたい。。
クトゥルーに関しては、正直よく分からないままです^_^
用語集とか色々噛み砕いた内容だったけど、頭に入ってこなかった…すみません、あれかな、カタカナアレルギーなのかな、私(笑) -
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怪獣大好き男性作家陣の怪獣小説アンソロジー
「怪獣二六号」樋口真嗣
25年前の怪獣映画の企画書
ざっくり。さもありなんです。
「怪獣チェイサー」大倉崇裕
ゴジラ存在的世界観の日本。
怪獣先進国たる日本。
ちょっとそのままドラマになりそうな
カメラマンと怪獣省の女性の関係が素敵
怪獣省の大臣はきっとあの人。
「廃都の怪神」 山本弘
未開の奥地の原神となっていた怪獣。
少年は、原始的な戦い勝利した。
最近、こういう感じのファンタジーBLあるよね。
「ブリラが来た夜」梶尾真治
自分の母親が ウルトラの母的存在であったならその血脈は受け継がれるのではあるまいか。
怪獣来襲の夜は、家族の来歴を知る夜でもあった。
おもろかったです。
「黒い虹」太田忠司
謎の転校生(眉村卓)×時を駆ける少女×怪獣
「怪獣の夢」有栖川有栖
さすがというか、怪獣文藝とは、といった短編。貧しい子供時代から見続けた怪獣の夢。
現実が成功するにつれ、怪獣となった夢に転換する。ラストの意味深が好き。
先日読んだ 能の邯鄲を思い出す。
「孤独な怪獣」園子温
もし、あのトラブルが表面化した後の作品だとしたら人格を疑う。
アンソロジーが2015年刊行だから さすがにセクハラ流出前ですね。
これを小説と読むか私小説と読むか。
同意してるから良いのかな?
私は、何やっても自由だと思うけど
それを文藝とされたくはない。
「東京デスワーム」小中千昭
ものすごく昔、テレビのロードショーで
ワームがそこらじゅうから溢れてくる映画を観たことがある。水道の蛇口からもどこからも。おそらく、私が観た事がある映画の中で最恐だと思う。この小説のように怪獣並みのワームならまだ良い。小ぶりなのがいっぱいが 怖い。
で、もしかしたら蛭子様とかからのモチーフかなと思いました。
「聖獣戦記 白い影」 井上伸一郎
著者は初読。
雑誌編集者で、2007年に角川書店代表取締役社長、のち角川グループホールディングス代表取締役専務という経歴がまず目を引く。
しかも本作が小説執筆の初作品だというから驚く。
時代設定は鎌倉時代、文永の役・弘安の役。
いわゆる「神風」を、聖獣の存在として再解釈する構成がとても明快だ。
怪獣(聖獣)というフィクションを用いながら、
歴史の踏み込んでいく。
そしてラストのまとめ方が、
怪異譚としてだけでなく、時代小説としても少しドキッとする着地になっている。
あとがきは東雅夫氏。
発刊当時の怪獣映画事情が語られる中で、
宮部みゆき『荒神』にも触れられていた。
福島県内陸部を舞台にした元禄期の怪獣小説。
民話・歴史・怪異が溶け合ったこの作品は、
怪獣を愛する男性作家たちによる諸作品をも凌駕する名作だと思います。
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作品紹介・あらすじ
あやかしの少女と人形、餓死した少女の屍体を写し取る画家、恋人の金魚に嫉妬する男、大海を漂う亡者たちの船……
物語作家・澁澤龍彦の精髄を収めた〈女妖について〉、雑誌「幻想文学」に寄稿した評論、関連エッセイを網羅した〈書妖について〉、幼年期を過ごした東京・田端や思い出深い鎌倉など土地にまつわる記憶を綴った〈地妖について〉の三章立てで、ドラコニアの世界を味わうオリジナルアンソロジー。
文豪怪異小品シリーズ、第十四弾。
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久しぶりに読む澁澤龍彥。
「高丘親王航海記」「ねむり姫」「唐草物語」などは非常に面白く読み終えた記憶がある。特に「高丘親王航海記」は「無人島に持っていくならどの10冊」なんて問いがあったら、まず選ぶと思う。
そんな大好きな作家のアンソロジーなのだけれど、これがどうにも期待外れだった。
本書は大きく3つの括り、すなわち「女妖について」「書妖について」「地妖について」に分かれているのだけれど、「女妖について」以外はエッセイや対談、彼が携わった日本の幻想文学専門の雑誌「幻想文学」における「幻想文学新人賞」の選評などが掲載されている。選評などはまだ幻想文学に関連する内容だとしても、「地妖について」などは乱暴な言い方をすれば「エッセイ:鎌倉に住んで」といった趣で、幻想文学との直接的な関係は希薄に感じられた。
「女妖について」は全体の約3分の2を占めているので、幻想小説のアンソロジーとして申し分ないのかもしれないけれど、本書のタイトルが「深夜の祝祭 澁澤龍彥怪異小品集」なのだから、やはり「怪異小品」としては「書妖について」「地妖について」はどうなのだろう、と疑問に思ってしまった。この2つの括りも決してつまらない内容ではないのだけれど。もちろん澁澤龍彦の作品自体に不満があるわけではなく、アンソロジーの編纂の仕方に違和を感じてしまった。 -
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特集タイトルに惹かれた過去号の怪と幽、勢いで2冊お迎えしたものの、前号の「あやしい家」ほどはまらなかった。。
今号の特集は「呪術入門」だから、うわぁ呪術だね〜(ぼんやりし過ぎた表現しかできない 泣)ていう術とか、呪物とか、不穏な感じの内容ばかりかと想像してたんだけど、節目に玄関先に飾るやつ(お節分の柊とイワシの頭とか。うちにはそういう習慣はないから飾ったことはないけど)とか、ちょっとしたおまじない的な内容も紹介されていて、それが興味深かったです。あの飾りたちも呪物と呼ばれていることに驚いたのと、どれも初めて見るお品ばかりで、日本って狭いようで広いな〜って改めて感じました(私の実家の玄関先に掛けてあるチマキ、もしかしたらあれも全国的じゃないのかもしれん…と思ったり)。
読み切りの小説と怪談実話が今回も面白かった。
特に貴志祐介さんの「こっくりさん」、子どもの話で終わるのかと思ってたらその後も続いていて、「こっくりさん」自体も今風に言うと「ガチこっくりさん」で、それが印象に残りました。
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小池真理子怪奇譚傑作選 第2弾
小品ですが粒揃い
個人的覚書です
「仄暗い廊下の果てに」
時折見る同じ廊下の夢
「優しい既視感」
日本家屋の光の妖しさ
「襖の向こう側」
古く大きな日本家屋の襖の向こう側
「幸福の家」
幸福だったその時に留まる哀しい魂
「坂の上の家」
その家はドールハウスの中に
「私の居る場所」
私しか居ない場所
「千年烈日」
小池真理子の造語と思われる
千年の厳しい日々を示唆?
ストーリーとしては、不倫でありながら純愛
花の使い方とあわせ、夏目漱石『夢十夜』を思わせる
「妖かし」
無自覚に為出す怨念
「灰色の猫」
過去と繋ぐ公衆電話
ただ、ここまで公衆電話が社会から減ってしまうとは思っていなかったろうな、と感じる
「柘榴の木の下」
生きている間に大事にしてくださいね
「一角獣」
好きであったであろう男の自死の後
彼の話に出てきた一角獣と、彼の猫を待つ
「囚われて」
逃避の為の甘い幻想
「カーディガン」
カーディガンによってもたらされた安寧の場所は、あちらとの境界なのかな
エッセイ編
「狂おしい精神」
三島由紀夫愛に溢れるエッセイ
「神が降りた」
直木賞受賞作『恋』執筆時に体験した、奇跡のようで奇妙な出来事についてのエッセイ
「骸たちの静かな気配」
軽井沢の別荘地での暮らしについて綴ったエッセイ
私は小池真理子さんの小説が好きだと改めて思う。直木賞受賞作『恋』はもちろんのこと、数々のホラー・怪異系作品は、短編でも掌編でも、単なるホラーの恐怖で終わらせない多様なストーリーが読める。
さらに、女子高生の頃から三島由紀夫を深く愛読されてきたことを知り、その背景に触れて、三島由紀夫の文章が好きだったとのことで、ますます惹かれました。 -
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怪奇譚傑作選として甘美恐怖と戦慄の世界の
エッセイと小説集
「霊の話」
小池さんの心霊経験談と母親からの体験談エッセイ。怪異の闇への起点。
「死者と生者をつなぐ糸」
お住まいの別荘地での出来事。生霊系エッセイ。
「現世と異界」
霊感の強いお母様の体験談エッセイ。
生と死のあわいに存在する意識。
「恋慕」
父の弟である叔父は、美しい母に恋をしていた。叔父の死を悼む母と少女。
死してもなお、慕われるのは母。
「花車」
学生運動のただ中の大学生活。
妊娠も結婚も、案外深くは考えられていなかったのかもしれない。誤って命を落とした女性が、死後に見せる幸福な姿。
「慕情」
「恋慕」の続編。
叔父との二度目の別れが、新しい出会いの扉を開く。
「ふしぎな話」
家出中の従兄弟の生霊と過ごした夏の一夜。
彼の手には、その夜の記憶が残る。
「夏の雨」
夏の雨の中、魅惑的な夫の裏切りに快楽を見いだすのか。
「年始客」
長い歳月を漂った女が、年老いたかつての恋人に巡り合う。
「旅路」
好きな彼との二十歳の最愛の一瞬から、死の瞬間を繰り返す旅路。
「声」
醜い女の声を愛する男。自ら眼を潰して女を愛することを選ぶが、潰れたのは耳。
「水無月の墓」
不倫相手の突然の事故死。
その死を受け入れていた女性が、後に知る真相。
襖の先に和室が果てしなく続くような描写が、恐ろしげで印象的だった。
「やまざくら」
予感していた結末へと、不倫の行き着く先が静かに収束していく。
小池真理子さんの怪異は、ご本人もおっしゃる通り、死んだことに気づかない魂の存在が多く現れる。
また、不倫や血縁といった成就し得ない関係性を、多方面からパラレルに描き出しているように感じた。 -
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読みやすいかというと、あまり読みやすくはない。
怪談文芸のハンドブックというタイトルに惹かれて手にとったのだが、『ハンドブック?』と、すこしだけ首を傾げてしまった。
著者の意図はなんとなくわかる。
怪談文芸をもり立てたい。そういうことだと思う。
シンプルだけど、すこしばかり迂遠さを感じてしまう。
怪談という文芸の定義から始まって、その特色をQ&Aで展開する。読み手に向けてというよりは、創作者に向けてのQ&Aなので、創作者としてのhow toなんかも入っている。
それを踏まえて、怪談の歴史にかこつけて様々なホラー・怪談の良作を紹介していく展開なんだけれども……うん。紹介されているお話はどれもこれも面白そうなんだけれども、整理整頓されていないもんで……すごくわかりにくい。巻末でまとめてあれば、そちらを参考に出来るんだけど、それもないから目が滑ってしまう。
『あーコレ知ってるー』っていうのが沢山あれば、未読のモノを読もうって意識出来ると思うけれど、そこまでは知らないから『いっぱいあるんだなー』で終わってしまう。それが残念といえば残念だった。