東雅夫のレビュー一覧
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ムマモノガタリヘ、マ・ミ・ム・メ・モウ!
<収録作品>
【魔】の章
血潮したたる(猟奇歌1)/月蝕/髪切虫/黒い頭/鼻の審判/権威と使命/スフィンクス/呪われた鼻/鉱物式や植物、動物式の性格/無限大の呪い/茶番神楽/定型の根本義/顔
【魅】の章
うごく窓(猟奇歌2)/微笑/青ネクタイ/光明か暗黒か/クチマネ/キキリツツリ/変態性欲とヘアピン/二匹の白い蛾/案内書の秘密/少女のレター/少女誘惑ラムプ団/不良少女享楽団長/瓶詰地獄
【夢】の章
見世物師の夢(猟奇歌3)/犬と人形/虫の生命/白椿/青水仙、赤水仙/正夢/或夜の夢/空地/ビルディング/工場/空中/街路/病院/七本の海藻/硝子世界/卵/章魚のお化
【冥】の章
白骨譜(猟奇歌4)/縊死体/線路/亡魂の錯覚/二人の幽霊/兄貴の骨/赤い松原/ツクツク法師/三つの眼鏡/哀れな兄弟/江戸を呪う隅田川/群れ飛ぶ都鳥/一年後の死骸臭/福岡の盂蘭盆
【妄】の章
精選二十首(猟奇歌5)/書けない探偵小説/崑崙茶 -
Posted by ブクログ
怪獣映画はガチのリアリズムがないとだめだ。非現実としかいいようのない怪獣を召喚するにはまわりからリアルに固めていかねばならない。某ゴジラ映画には夢オチのが一本あって子供心にもあれは腹が立ったな。しかしまた、映画においてはとにもかくにも怪獣が出てきて、それが「絵」としてよくできていたら、放射能で巨大化したとかいうしょぼい設定であっても、それだけで説得力を持つ。何しろ人間は視覚をもっとも信じるのだから。
だから視覚を欠く怪獣小説は最初からハンディを負っているのだと思う。
本書は『怪獣文藝』の続編。続編といってもそもそもアンソロジーだから、話がつながっているわけではなくて、第2弾ということである。『怪獣文藝』のほうは読んでないのだが。
で、その夢オチというか、最初から主人公が繰り返し見る怪獣の夢の話で押していくのが有栖川有栖。こういうのもありか。
怪獣小説でリアリズムを追求すると、怪獣対策の行政組織ができて、というようになるだろうが、それは山本弘の『MM9』シリーズ。大倉崇裕は同工異曲の設定で、しかし怪獣の至近距離で迫力ある写真を撮って売る人々「怪獣チェイサー」を登場させたのが目新しい。
その山本弘は別種のリアリズムを、かつてあった冒険物語──映画にもあったような、少年雑誌にもあったような──を復興させることで得ようとする。20世紀半ばの密林、怪しい宗教団体、生け贄にされる半裸の少年、そこに現れる巨大生物。ほらなんだか懐かしい。
冒頭にはいまや特技監督の第一人者である樋口眞嗣が若いころに書いた怪獣映画の企画書が掲載されている。題して「怪獣二十六号」。土木機械で怪獣に立ち向かうのである。
美しかった母親は50歳を過ぎたころから急激に老婆のように老け込み、山に捨ててくれと言い出すようになった。梶尾真治「ブリラが来た夜」。「ブリラ」の名の由来が面白い。
怪獣とは少年の破壊衝動の具現化である。そしてそれが現実化したら世界は破滅する。ということを太田忠司はよくわかっているようだ。黒い虹を出す怪獣というのは『ガメラ対バルゴン』を踏まえているのだろうが、作品の暗い雰囲気に禍々しさを添えていて秀逸。
今度怪獣映画を公開する園子温監督は自主映画時代のエッセイだかフィクションだかわからないものを寄せている。怪獣が登場するのは「怪獣映画を撮った」とほらを吹いているところのみ。
脚本家小中千昭は東京地下の巨大ミミズをカルトに描くが、ちょっとシノプシス調。
もと角川書店社長の井上伸一郎の処女作は、時代劇というか元寇の時代が舞台で、『ガメラ』シリーズへのオマージュとなっている。これだけが二大怪獣対戦である。
以上8編。私は結構楽しんだ。
怪獣というと、破壊される大都会、応戦する自衛隊がステレオタイプでもあり期待されるところでもあるのだが、それは最初に述べたように周囲をリアルで固めていくことである。ここでも多くの作品がありきたりな現代生活に怪獣を登場させているのは、怪獣にリアリズムを持たせる方策かもしれない。だから遠未来を舞台にしたものとか、スペースオペラ+怪獣といった趣向がないのだろう。
ただ、「怪獣文藝」の場合、特撮映画とはやはり違う線を追求せざるを得ないのであろうから、私は本書では第一に太田忠司「黒い虹」、次に園子温「孤独な怪獣」が面白かったとしておこう。 -
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妖怪とは何なのか。
日本の国づくりから始まり、伝記や宗教、風刺や娯楽など、時代とともに変化してきた妖怪についていろんな角度から紹介してくれる本書。
認知度の高い妖怪だけでなく、地方のマイナーな妖怪についても可愛い絵とともに紹介。
ゲゲゲの鬼太郎で有名な一反木綿は、本来なら鹿児島の極狭い地域にしか伝わっていなかったが、水木しげるさんのおかげで全国区の妖怪になったらしい。笑
こんなちょっとした裏話もあってとっても面白かった。
意外と身近に妖怪にまつわる隠れ名所を発見したり、この作家さん妖怪譚も書いてたんだって新たな著書を知れたり、まさにときめき図鑑でした。 -
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昔話は、昔の人が残した作り話だと思っていた。単なる作り話ではない。石や樹、池や峠。何でもない風景の一つ一つに、土地の人々が語り継いだ記憶が宿っている。
不思議なのは、遠く離れた村々に、よく似た伝説が残っていることだ。弘法大師が杖を突くと水が湧き、巨人が山をつくり、姥や河童が土地の由来を語る。名もなき人々の口から口へ、物語は旅をした。伝説とは、事実を記録した歴史書ではない。けれど、そこには人々が何を畏れ、何を願い、どのように自然と暮らしてきたかが刻まれている。古い伝説をたどることは、失われた物語を拾うだけではない。私たちの足元の風景を、もう一度読み直すことなのだ。 -
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ネタバレ「防空壕」や「人でなしの恋」、「人間椅子」「押絵と旅する男」が特におもろかった。
「防空壕」は、あんなに綺麗な人だったからもう一度逢いたいと奔走する主人公とじつは50代の女性だったというオチが面白くて良かった。
「人でなしの恋」は一見不倫関係にあるのかと思いきや、代々伝わる人形と関係を持っていたという不気味さが良かった。半年間はすごくいい夫だったけどだんだん化けの皮が剥がれて…という段階が明確に書かれている。
「人間椅子」は前回読んだが、もう一度読むとやはり面白かった。「押絵と旅する男」は初めて読んだが、「人間椅子」と比較しながら読むのも面白そうだった。
江戸川乱歩は夢かうつつか分からない人間の怖さ、不気味さを面白く描いている作家なのだと改めて実感した。 -
Posted by ブクログ
今回の特集は、昭和に流行ったオカルトについてと小泉八雲さんの2本立てで、ユリゲラーさんや つのだじろうさんのインタビューも掲載されていました。
先月「緊急検証!THE MOVIE」を読んだばかりの私には、ユリゲラーさんが立て続けに出てきたから、懐かしいというよりも「ブーム再来!?」って勘違いしてしまいそうになる(笑)
加門七海さんが当時のご自身のことを「心霊現象のみに強い関心を抱いていた」って仰られてたけど、考えてみれば私もそうだったかもしれない。オカルト全般というより、心霊と超能力に惹かれてたから、夏休みには毎年「あなたの知らない世界」とかワイドショーの心霊写真特集を友達と観たりしてたし、ユリゲラーさんとか清田くんの出てる番組を口を開けて観てた記憶があります。
だから、オオケンの鼎談や三上さんと黒史郎さんの対談は、物凄く興味深かった。中岡俊哉さんの心霊写真集、背表紙見るだけでアホみたいに怖がってたのを思い出して懐かしかった〜
友達のお兄さんが持ってて、本が差してある本棚の前通るのさえも怖かった小学生でした(笑)
あと、これは今までの怪と幽でも思ってたことなんだけど。
村上健司さんの怪食巡礼のコーナー、いつも(って言っても3冊しか読んでないんだけど)写真が美味しそうでほんとに困ります(笑)
今回紹介されていた「かっぱめし」もそうで、いつか山梨に行ったら味処まんぷくに行きたい。。