東雅夫のレビュー一覧

  • 文豪山怪奇譚 山の怪談名作選

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    岡本綺堂、泉鏡花、太宰治などなど有名どころの筆による山の怪アンソロジー。
    泉鏡花は不動の鏡花節、美しく哀しい妖しさは美事の一言です。
    気になったのは村山槐多。彼の過剰さがどんなカタルシスを連れてくるのかと思えば未完。結末が知りたかったなあ。
    良かったのは本堂平八郎。剣豪のあやかし退治の一遍ですが節回しのついたような文章が端正で小気味の良い美しさ。解説にて作者自身が剣豪であったことを知り、美しさのもとはそれかと膝打つ作品でした(副題がダサイと思っていたら編者が付けたということもわかり、これも納得)。

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    2016年11月10日
  • 文豪山怪奇譚 山の怪談名作選

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    「千軒岳にて」火野葦平
    「山の怪」田中貢太郎
    「くろん坊」岡本綺堂
    「河原坊」宮沢賢治
    「秋葉長光ー虚空に嘲るもの」本堂平四郎
    「百鬼夜行」菊池寛
    「鉄の童子」村山槐多
    「鈴鹿峠の雨」平山蘆江
    「薬草取」泉鏡花
    「魚服記」太宰治
    「夢の日記から」中勘助
    「山人外伝資料」柳田國男

    編者解説/東雅夫

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    2016年02月26日
  • 怪獣文藝の逆襲

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     怪獣映画はガチのリアリズムがないとだめだ。非現実としかいいようのない怪獣を召喚するにはまわりからリアルに固めていかねばならない。某ゴジラ映画には夢オチのが一本あって子供心にもあれは腹が立ったな。しかしまた、映画においてはとにもかくにも怪獣が出てきて、それが「絵」としてよくできていたら、放射能で巨大化したとかいうしょぼい設定であっても、それだけで説得力を持つ。何しろ人間は視覚をもっとも信じるのだから。
     だから視覚を欠く怪獣小説は最初からハンディを負っているのだと思う。

     本書は『怪獣文藝』の続編。続編といってもそもそもアンソロジーだから、話がつながっているわけではなくて、第2弾ということで

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    2016年02月26日
  • ぼくらは怪談巡礼団

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     本邦初の「怪談専門誌」として刊行された『幽』。企画で「怪談文藝の舞台を訪れてみよう!」ということで、編集長が懇意にしている作家やカメラマン等と共に、時には小泉八雲ゆかりの松江へ。時には泉鏡花ゆかりの金沢へ。行って感じて初めて解る、怪談文藝を醸成した土地の空気。時には「オマケ」もついてきて、戦々恐々することも。
     そんな怪談巡礼紀行の中から、厳選された十篇の旅日記を加筆・改稿した上で再録。怖くも楽しい珍道中を、とくとご覧あれ♪

     日帰りで行ける所には、いずれ行ってみたいなあ。そんな気分になる、情緒溢れる旅日記でした。

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    2014年07月26日
  • ぼくらは怪談巡礼団

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    東編集長、加門さんを中心とした日本怪異探訪。
    京都が近いので特によく読む。ふむふむ。
    遠野行ってみたいー。

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    2014年07月21日
  • 日本の伝説

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    子供向けに書かれてるので読みやすかった、と思う。
    今の子供に読みやすいかは別として。

    全体に一つの流れがあって、関連する話が順番に。
    それよりも前の話題も織り交ぜながら。
    興味を持って読めるつくりかな。

    同じような話が日本全国によくもこれだけ散らばってるものだなぁと思う。

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    2013年02月15日
  • おばけずき

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    初泉鏡花デス。たまたま手にしたのが初心者向けの小品集だったので、耳慣れない言葉も何とかついていくことができた…のかな?という感じです。とにかく言葉が綺麗。難しいけどテンポ良く、ユーモアがあってもっと色々と読んでみたくなりました。特に関東大震災の三部作、被災体験記は今も参考にしたいところがちらほらでした。

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    2012年12月18日
  • おばけずき 鏡花怪異小品集

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    初泉鏡花デス。たまたま手にしたのが初心者向けの小品集だったので、耳慣れない言葉も何とかついていくことができた…のかな?という感じです。とにかく言葉が綺麗。難しいけどテンポ良く、ユーモアがあってもっと色々と読んでみたくなりました。特に関東大震災の三部作、被災体験記は今も参考にしたいところがちらほらでした。

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    2012年12月18日
  • 百物語の怪談史

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    百物語の怪談の歴史をさかのぼる。元祖「百物語」は笑い話集だったこと、本当に百話あるのは「諸国百物語」だけなこと、そのほか「付喪神」「百鬼夜行絵巻」など周辺事項との関連も多数。内容は濃い。

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    2010年05月31日
  • ゴシック名訳集成[暴夜(アラビア)幻想譚] 伝奇ノ匣8

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    ★世紀のヨパライ文学「ヴァテック」が読める!(笑) それだけでも充分買い。ふと、高校時代にこの手のものに凝ってたのを思い出した。懐かしいね。

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    2009年10月04日
  • 怪と幽 vol.009 2022年1月

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    テーマと、澤村伊智さん松原タニシさんの対談に惹かれて、過去号をお迎えしました。
    タニシさんの事故物件が13件目の時に対談されたらしく、先日聞いたラジオでの状況(その時は27件目とか言ってた、うろ覚え)との違いに感慨深くもなったり。
    タニシさんをいくつかの媒体で追っていても、全然知らなかったことがこの対談でいくつも明かされていて、お迎えしてほんとに良かったなぁってなってます(事故物件価格設定とその裏事情とか)
    あと、タニシさん、お話を引き出すのが相変わらず上手いですよね~ 澤村さんの黒い部分(笑)が引き出されてて、興味深く読ませてもらいました(笑)
    そして、2025年現在、ピンピンしておられます

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    2025年09月14日
  • 深夜の祝祭

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    東雅夫による澁澤龍彦のオリジナル短編集。

    澁澤龍彦を読むのは随分久しぶり。
    一時期、澁澤はもういいかなという気分だったけど、改めて読むとやっぱり面白い。
    特に小説通い。「高岳親王航海記」の一篇「貘園」も良いが、遭難した女と赤ん坊が海を彷徨う幽霊船に拾われて旅をする「マドンナの真珠」が面白い。奇想小説の佳作。

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    2025年08月11日
  • ふしぎな話 小池真理子怪奇譚傑作選

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    物語は戦後から解放された豊かさに向けて走り始める頃の設定、大人は子供に媚びず子供には子供の世界があったし大人も見守るゆとりを持っていた時代。死者が見える少女の戸惑いと成長の(恋慕)事故で急死した恋人との(水無月の墓)他、梅雨時のこんな時期に似合うショートホラー小説でした。

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    2025年06月11日
  • 怪獣談

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    怪獣小説と怪獣を題材にした随筆のアンソロジー。

    武田泰淳の「『ゴジラ』の来る夜」と三島由紀夫と東山魁夷の往復書簡は既読。
    「モスラ」の原作を中村真一郎、福永武彦、堀田善衞の3人がリレー小説で書いていたとは知らなかった。

    福島正実の「マタンゴ」目当てで買ったものだが、香山滋の「獣人雪男」は流石という感じ。光瀬龍の「マグラ!」は光瀬龍の怪獣小説?!という印象だったが読んで見るとこれもかなり良い。

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    2025年04月30日
  • 文豪山怪奇譚 山の怪談名作選

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    錚々たるメンバーだ…
    最後が柳田國男なんだけど良い意味で裏切られた!!
    読みづらいけど解説でなんとかしてくれるのありがたい

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    2024年10月06日
  • 文豪怪奇コレクション 恐怖と哀愁の内田百閒

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    どのお話も大体雨が降ってて、それがどんどん強くなってくる。雨が強くなるにつれ、なんとも言えない不安感を煽られる。なんだか不安だな、と思ってると、お話も不安なまま終わってしまう。

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    2024年10月04日
  • 文豪怪奇コレクション 綺羅と艶冶の泉鏡花 〈戯曲篇〉

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     鏡花の幻想系戯曲の代表的な作品がほぼ読むことのできるお得な一冊。

     冒頭には、登張竹風と共訳したハウプトマンの『沈鐘』が収録。最初の舞台は樅の大森林。山姫ラウランデライン(朗姫)、池の精ニッケルマン(肉蝦魔)、森の精ワルドシュラアト(虞修羅)と登場人物の和訳名も面白い。
     名人鋳鐘師ハインリヒは自ら作った鐘を山上に運ぼうとしていたところ谷底へ落下してしまい大怪我を負うが、命を助けてくれた山姫に惹かれてしまう。妻子を捨てて顧みず、彼はまた鐘を作ろうとするが…。終盤の展開がなぜそうなるのか良く分からないまま結末になってしまったのだが、異界の世界と人間界との交わりならぬ交わりを描いた本作を、鏡花

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    2024年08月10日
  • 稲生物怪録

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    女の生首が逆さまになり、髪の毛で歩く。舌でなめまわす。

    男の頭が膨れ上がり、頭に丸い穴があいて、その中から赤子がぞろぞろ這い出てくる。

    冷たい人の体を踏みつけたような感触があったため、下を見ると大きな青入道がいた。足の裏にねばりがついた。

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    2024年05月27日
  • 文豪怪奇コレクション 恐怖と哀愁の内田百閒

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    不穏で不安で悪夢のような短編が幾つもおさめられている。文章が端正でとても好き。天気の表現だけで不穏さを醸し出せるところが凄いと思う。とおぼえ、サラサーテの盤、昇天、枇杷の葉が特に好きだった。

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    2024年04月20日
  • なぜ怪談は百年ごとに流行るのか

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    200年前の江戸文化文政期、100年前の明治大正期、そして現在(執筆時の平成期)での怪談ブームについて作品を挙げながら語られる。
    そのため怪談ブックガイドともなり、読みたい本が無限に増える。特に近代文学に於ける怪談が興味深かった。

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    2024年01月19日