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夏目漱石、江戸川乱歩に続く、〈文豪怪奇コレクション〉の第三弾。漱石に学び、芥川龍之介と親交を結び、三島由紀夫らにより絶讃された、天性の文人。日本語の粋を極めたその文学世界は、幻想文学の一極北として、今もなお多くの読者を魅了してやまない。史上最恐の怪談作家が遺した、いちばん怖い話のアンソロジー。幽暗な魅力にあふれる百閒幻想文学の作品が満載の一冊。
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Posted by ブクログ
信頼できない語り口と絶妙に噛み合わない会話がとても不気味で、じりじりとその不気味さに追い詰められていく感覚がとても怖くて良かった。物語の始まりが日常の一場面である事が多く、日常の延長線上に幻想怪奇の世界が存在している感じが良かった。 『青炎抄』『影』『由比駅』『菅田庵の狐』が好みだった。
今までいろいろ怪談モノ読んできましたが、この本が一番読んでる最中にゾワゾワとしてくると言いますか、読者のメンタルが不安定になっていくような恐怖を感じさせてくれて、とても面白かった。 目が覚めた後に振り返ると理論の展開がおかしいことに気づく夢物語と言えばいいか……夢を見ている最中は変な展開になっても...続きを読むそれが「正常」として進んでいく奇妙さ。その世界の中に素面で放り込まれたような恐怖感――といった感じで。描かれてる世界が、現実なのか夢日記なのかわからない不穏さがたまらなくツボでした。
どのお話も大体雨が降ってて、それがどんどん強くなってくる。雨が強くなるにつれ、なんとも言えない不安感を煽られる。なんだか不安だな、と思ってると、お話も不安なまま終わってしまう。
不穏で不安で悪夢のような短編が幾つもおさめられている。文章が端正でとても好き。天気の表現だけで不穏さを醸し出せるところが凄いと思う。とおぼえ、サラサーテの盤、昇天、枇杷の葉が特に好きだった。
一番最初の「とおぼえ」を読んだときに、ぞくぞくと肌がひりつくような世界観に一気に引き込まれた。 特に好きだったのは「映像」。狂気が滲む不気味なラストは、いっそ美しいのかもしれない。
正直話の意味はわからんよ、全然。でも、うっかり仰向けで寝てしまってうなされて目が覚めて、目が覚めたことに気づくまでの不安定で重くてとらえきれない感覚が、理性働いてる端正な文章で立ち上ってくるところが、まともじゃなくて好き。映像とゆうべの雲は普通に怖いよ…
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