東雅夫のレビュー一覧

  • 稲生物怪録

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    名高い「稲生物怪録」だが、近寄るのは初めて。
    京極さんが手広くお仕事されてるお陰です。
    絵巻は確かに、独特の味が出ていてユニーク。
    京極さんの現代語訳は読みやすく、微かに京極さんの匂いがするところが良きかな。
    「仕方ないので寝た」「(怪異が)使えるかなと思ったが役に立たなかった」という淡々とした感じが、加門七海の実話怪談の様で面白かった。
    最後、魔王が出てくるのね‥知らなかった‥。
    これ以上近寄らないとは思うけど、手に取らせてもらったことには感謝。

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    2019年09月02日
  • 稲生物怪録

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    十年以上前、稲垣足穂「山ン本五郎左衛門只今退散仕る」を読んで知った。
    その後、妖怪や幽霊の本を収集しているにもかかわらずなかなか本腰入れることができずにいる。
    鬼太郎6期にはまったり、水木しげるをぽつぽつと読んだり、今度松江に行くことになったり、と妖怪づいている。
    だもんだからまず三次の商工会議所でDVD「伝承としての稲生物怪録」を頂いてばっちり予習してから、よきタイミングでこの本に向かったのである。

    面白い!
    まずは絵巻の味。
    主に屋内における怪異が、これでもかと怖可愛く。
    そして京極夏彦による訳も。
    「たいしたことなかったから寝た」のテンドンに吹き出してしまう。
    そして東雅夫の訳も。

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    2019年08月07日
  • 山怪実話大全 岳人奇談傑作選

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    実話という表記にあまりいい読後感を持っていないので、どーかなーと思っていたら、今様の読者投稿という体ではなく、明治から昭和にかけてのアンソロジーだった。そういやサブタイトルに『~傑作選』ってあるな。
    爆発的ヒットで知られる『山怪』を読んだ時にも感じたけれど、山の話は多分に主観的で、基本的に話者がイコール体験者という話も少なくなく、結果として、怖くない。少なくとも、山を体験したことのない私は。
    とは言え、現象やキャラクターには興味津々なので、いわゆる『怪談実話』のなかでは読みごたえがあった。

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    2019年04月21日
  • 怪獣文藝の逆襲

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    東雅夫さん編集ということで手に取ってみたら、有栖川有栖さんや山本弘さんといったミステリ畑やSF畑の方も書いていて驚いた。
    んだけど、アンソロジーの傾向として、「怪獣はあるもの/対峙するもの」として描かれていて、絶対的に抗えない存在という畏怖感には欠けていて残念だった。前作がそういったものらしいので、気にしておこうと思う。

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    2019年03月04日
  • 江戸東京怪談文学散歩

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    鴎外「百物語」、荷風「来訪者」、芥川「妖婆」、鏡花「怪談会」「恋女房」等…怪談物語ゆかりの地の解説と聖地巡礼レポがセットになった一冊。
    その中でも綺堂「青蛙堂」と圓朝「怪談乳房榎」が個人的に好きなお話って事もあり、面白かったですね。坂に憑かれた綺堂。
    主に東京の東半分が舞台になっているのが多いのも土地柄でしょうが興味深い。谷中や浅草、深川界隈を実際に回ってみたくなります。

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    2018年12月22日
  • ドラコニアの夢 アニメカバー版

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    目次
    編者序言

    三つの髑髏
    髑髏
    夢のコレクション
    豪華な白
    林檎
    秘密結社の輪廓
    犯罪的結社 その他
    横浜で見つけた鏡
       
    ランプの廻転
    地震と病気 谷崎文学の本質
    『亂菊物語』と室津のこと
    江戸川乱歩『パノラマ島奇談』解説
    『夢野久作全集』第一巻
    小栗虫太郎『黒死館殺人事件』解説
    『銀河鉄道の夜』宮澤賢治著
    石川淳と坂口安吾 あるいは道化の宿命について
    三島由紀夫とデカダンス 個人的な思い出を中心に
    『変身のロマン』編集後記
    潜在意識の虎 『動物の謝肉祭』序
    毒草園から近代化学へ
    デカダンス再生の“毒” サドの現代性
    優雅な屍体について
    恐怖の詩 ラヴクラフト傑作集『暗黒の秘儀』 

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    2018年11月19日
  • 山怪実話大全 岳人奇談傑作選

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    柳田國男翁始め、岡本綺堂、夢枕獏、深田久彌、西丸震哉といった、その筋以外でも広く知られたビッグネームが並ぶ小品集。
    収められている多くはズバリ分かりやすい怪談というよりも、山という異界を舞台にしたほんのり不思議で薄ら寂しい、そんな話になっている。
    そしてインターネットやGPSなどに代表されるテクノロジーが急速に普及した現在とはまた趣を異にする、いかにも昭和という、特有のあの匂いに満ちた各掌編が醸し出す空気がしっくり漂い過ぎている。
    巻末の編者解説でも触れられているが、「深夜の客」の類型は私もこれまでに何度か目にしたことがあり、やはり山の怪異話の古典、クラシックなんだなあと腑に落ちたりもした。

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    2018年10月25日
  • 夢Q夢魔物語

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    ネタバレ

    夢野久作らしくも読み易い小品集。
    「瓶詰地獄」以外は初めて読んだのですが、不気味で不可思議な輪廻転生を綴った「魔の章」から始まり怪奇あり幻想ありでバラエティに富んだ作品集でした。
    「空中」は恐らくバミューダトライアングルを題材としており、これが現実に起きている怪事件と思うと夢野久作の描く不思議な物語たちも強ちフィクションではないのかもしれない..と感じました。
    「病院」は「ドグラ・マグラ」に繋がる部分があり、論文の為に自分自身を追込みキチガイ地獄へと放ったもう1人の自分とは一体誰なのか?という謎が非常に面白かったです。
    本当に短く読み易い作品ばかりですが、個人的には他の夢野久作作品を読んでから

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    2018年10月16日
  • 百物語の怪談史

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    アンソロジー、エッセイ、ブックガイドの三部構成により、百物語と本朝怪談文学史との関りを多角的に展望しようとする一冊。語り継がれる中に、警告や民俗学的な暗喩の含まれた古典の方が好みです。個人的に。

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    2018年02月14日
  • 可愛い黒い幽霊

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    普段の賢治のイメージより、暗い詩や幻視的、土着の民話に息づく生き物が登場するような物語達。一般的な「怪異」というカテゴリで想像する幽霊譚などとはちょっと違う、賢治らしい作品集でした。

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    2017年12月18日
  • おばけずき 鏡花怪異小品集

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    講談、小唄を彷彿とさせるリズムのある文章は泉鏡花ならでは。小説、随筆、百物語…とカテゴリ分けはされてても、何を描いても鏡花の世界になるのは流石。
    印象に残ったのは以下の三点

    関東大震災の被災記録である「露宿」「十六夜」「間引菜」。先日、井伏鱒二の被災記録(荻窪風土記)を読んだのだが、筆者の性格の違い等々からくるのであろう、おなじ関東大震災でも描かれ方の違いが見て取れて面白い。特に泉鏡花の幻視を盛り込んだ避難所の描写は、この世のものではない何かが覗きこんでいるようで、こんな状況でも鏡花ワールドかー!みたいな気分に。

    随筆「春着」は紅葉先生、尾崎一門門弟の仲良しっぷりが感じ取れて微笑ましい。

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    2017年12月03日
  • おばけずき

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    講談、小唄を彷彿とさせるリズムのある文章は泉鏡花ならでは。小説、随筆、百物語…とカテゴリ分けはされてても、何を描いても鏡花の世界になるのは流石。
    印象に残ったのは以下の三点

    関東大震災の被災記録である「露宿」「十六夜」「間引菜」。先日、井伏鱒二の被災記録(荻窪風土記)を読んだのだが、筆者の性格の違い等々からくるのであろう、おなじ関東大震災でも描かれ方の違いが見て取れて面白い。特に泉鏡花の幻視を盛り込んだ避難所の描写は、この世のものではない何かが覗きこんでいるようで、こんな状況でも鏡花ワールドかー!みたいな気分に。

    随筆「春着」は紅葉先生、尾崎一門門弟の仲良しっぷりが感じ取れて微笑ましい。

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    2017年12月03日
  • たそがれの人間

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    冒頭の「歩上異常」に出てくるR・W君って、大坪砂男(和田六郎)かなあ。佐久だしそんな気がする。
    小説から随筆、掌編のようなものまでいろいろ収録されててどれも面白かった。(与謝野晶子関係の話もなんでここに入ってるんだろう?と想いながら読むと、なるほど……!な感じで)おつきあいのある文豪たちの幅の広さも流石です。
    気に入ったのは、短い作品ですが「柱時計に噛まれた話」。詩人の佐藤春夫がチラリとでてくるとことが良いです。
    あとは表題作、「たそがれの人間」の中に出てくるT・Iが誰だか判らず読んでましたが、文体から立ち上る香気から「あ、これタルホだ!」と気づかせる佐藤春夫の筆力は凄いです。

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    2019年05月27日
  • おばけずき

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    文語体の読みづらさよ。しかし、不惑も近くなっているのに、読書好きであるのに、文語体苦手というのはいかがなものか。精進が足りません。文語体でもさらりと読み進める、というのに年少の頃ほのかに憧れていたりしたものです。
    とはいえ、怪しげな雰囲気を醸し出すのに、ひと役もふた役も担っているのは事実。もちろん、鏡花自身はそんな効果期待していたわけではないですけどね。文語体を使用することが、まずない時代になったからこその感想でしょうか。仰々しい語り口調に思えたのですよ。

    関東大震災の時の体験談は一読の価値あり。震災の不安と恐怖と動揺。それでも、観察・記憶・記録してしまう性というのが、怪しの所業だと思いまし

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    2017年09月21日
  • おばけずき 鏡花怪異小品集

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    文語体の読みづらさよ。しかし、不惑も近くなっているのに、読書好きであるのに、文語体苦手というのはいかがなものか。精進が足りません。文語体でもさらりと読み進める、というのに年少の頃ほのかに憧れていたりしたものです。
    とはいえ、怪しげな雰囲気を醸し出すのに、ひと役もふた役も担っているのは事実。もちろん、鏡花自身はそんな効果期待していたわけではないですけどね。文語体を使用することが、まずない時代になったからこその感想でしょうか。仰々しい語り口調に思えたのですよ。

    関東大震災の時の体験談は一読の価値あり。震災の不安と恐怖と動揺。それでも、観察・記憶・記録してしまう性というのが、怪しの所業だと思いまし

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    2017年09月21日
  • たそがれの人間

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    ネタバレ

     短編集なので、時間がある時に少しずつ読み進めていた。
     「化物屋敷」というそのものずばりの作品が気味悪くて記憶に残る。遺児にまつわる「幽香嬰女伝」や指示した与謝野夫妻にまつわる「永く相いおもふ」などの死んでしまった人達との交流端が好きだ。
     三章の文豪たちの幻想と怪奇に含まれている話は作者と文豪達との交流が垣間見えて、ページをめくるのが愉しかった。泉鏡花の死後に見つかった原稿を巡る話などは、怪談というものから離れて面白いし、老境の佐藤春夫の老獪や人生観、若い泉鏡花研究者の考え方の差異が老若の対比で際だった。

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    2017年09月10日
  • 怪獣文藝の逆襲

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    樋口真嗣『怪獣二十六号』(25年前に書いた)怪獣映画の企画書。建設技師や自衛隊員が協力して土木機械で怪獣に立ち向かったり、インテリ美人が出てくるあたり…、いや、表紙の「怪獣は常に人間にとって恐怖の存在でなくてはならない」とか「この映画は人間の前に怪獣が現われ、人間は自らの身を守る為に智慧と勇気で闘う、ただそれだけの映画」「我々がこだわりたいのは、「ただそれだけ」にする事なのです。」とか…うん、シン・ゴジラを思い出す。
    大倉崇裕『怪獣チェイサー』怪獣対策が進んだ日本。ヒロインの怪獣省の怪獣予報官・岩戸正美は、封鎖区域で怪獣の動画を撮影する違法行為を行う「怪獣チェイサー」と予期せず協力することにな

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    2017年01月12日
  • 怪談入門

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    生きてる江戸川乱歩を見る感じ、40年近く前、夢中になった少年探偵団シリーズを書いた作家が、茶飲話してるようなマッタリした一冊だった。

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    2016年09月27日
  • 怪獣文藝の逆襲

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    大倉崇裕「怪獣チェイサー」がよかった。自分、MM9シリーズみたいな怪獣に関する架空の職業について書かれた小説が好きなのかもしれない。プロフェッショナルは格好良い。

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    2015年09月30日
  • たそがれの人間

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    ・佐藤春夫「たそがれの人間」(平凡社ライブラリー)は 副題に「佐藤春夫怪異小品集」とある、東雅夫編になる書である。小品集であるからか、あるいは小品集であるとはいへか、短篇からエッセイまで多彩な内容で ある。おもしろいのもあればおもしろくないのもある。ただ、佐藤春夫をほとんど知らない人間には、かういふとこともあるのだと思はせてくれる書ではある。 かういふ切り口で佐藤春夫を見ることもできる。これが東雅夫編である。
    ・個人的におもしろいと思つたのは、正に枝葉末節のことなのだが、その古典の現代語訳であつた。「椿の家ー『打出の小槌』より」、これには「ー建部綾足作  原題『根岸にて女の住家をもとめし条』ー

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    2015年08月16日