東雅夫のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
目次
編者序言
三つの髑髏
髑髏
夢のコレクション
豪華な白
林檎
秘密結社の輪廓
犯罪的結社 その他
横浜で見つけた鏡
ランプの廻転
地震と病気 谷崎文学の本質
『亂菊物語』と室津のこと
江戸川乱歩『パノラマ島奇談』解説
『夢野久作全集』第一巻
小栗虫太郎『黒死館殺人事件』解説
『銀河鉄道の夜』宮澤賢治著
石川淳と坂口安吾 あるいは道化の宿命について
三島由紀夫とデカダンス 個人的な思い出を中心に
『変身のロマン』編集後記
潜在意識の虎 『動物の謝肉祭』序
毒草園から近代化学へ
デカダンス再生の“毒” サドの現代性
優雅な屍体について
恐怖の詩 ラヴクラフト傑作集『暗黒の秘儀』
-
Posted by ブクログ
柳田國男翁始め、岡本綺堂、夢枕獏、深田久彌、西丸震哉といった、その筋以外でも広く知られたビッグネームが並ぶ小品集。
収められている多くはズバリ分かりやすい怪談というよりも、山という異界を舞台にしたほんのり不思議で薄ら寂しい、そんな話になっている。
そしてインターネットやGPSなどに代表されるテクノロジーが急速に普及した現在とはまた趣を異にする、いかにも昭和という、特有のあの匂いに満ちた各掌編が醸し出す空気がしっくり漂い過ぎている。
巻末の編者解説でも触れられているが、「深夜の客」の類型は私もこれまでに何度か目にしたことがあり、やはり山の怪異話の古典、クラシックなんだなあと腑に落ちたりもした。
-
Posted by ブクログ
ネタバレ夢野久作らしくも読み易い小品集。
「瓶詰地獄」以外は初めて読んだのですが、不気味で不可思議な輪廻転生を綴った「魔の章」から始まり怪奇あり幻想ありでバラエティに富んだ作品集でした。
「空中」は恐らくバミューダトライアングルを題材としており、これが現実に起きている怪事件と思うと夢野久作の描く不思議な物語たちも強ちフィクションではないのかもしれない..と感じました。
「病院」は「ドグラ・マグラ」に繋がる部分があり、論文の為に自分自身を追込みキチガイ地獄へと放ったもう1人の自分とは一体誰なのか?という謎が非常に面白かったです。
本当に短く読み易い作品ばかりですが、個人的には他の夢野久作作品を読んでから -
Posted by ブクログ
講談、小唄を彷彿とさせるリズムのある文章は泉鏡花ならでは。小説、随筆、百物語…とカテゴリ分けはされてても、何を描いても鏡花の世界になるのは流石。
印象に残ったのは以下の三点
関東大震災の被災記録である「露宿」「十六夜」「間引菜」。先日、井伏鱒二の被災記録(荻窪風土記)を読んだのだが、筆者の性格の違い等々からくるのであろう、おなじ関東大震災でも描かれ方の違いが見て取れて面白い。特に泉鏡花の幻視を盛り込んだ避難所の描写は、この世のものではない何かが覗きこんでいるようで、こんな状況でも鏡花ワールドかー!みたいな気分に。
随筆「春着」は紅葉先生、尾崎一門門弟の仲良しっぷりが感じ取れて微笑ましい。
-
Posted by ブクログ
講談、小唄を彷彿とさせるリズムのある文章は泉鏡花ならでは。小説、随筆、百物語…とカテゴリ分けはされてても、何を描いても鏡花の世界になるのは流石。
印象に残ったのは以下の三点
関東大震災の被災記録である「露宿」「十六夜」「間引菜」。先日、井伏鱒二の被災記録(荻窪風土記)を読んだのだが、筆者の性格の違い等々からくるのであろう、おなじ関東大震災でも描かれ方の違いが見て取れて面白い。特に泉鏡花の幻視を盛り込んだ避難所の描写は、この世のものではない何かが覗きこんでいるようで、こんな状況でも鏡花ワールドかー!みたいな気分に。
随筆「春着」は紅葉先生、尾崎一門門弟の仲良しっぷりが感じ取れて微笑ましい。
-
Posted by ブクログ
冒頭の「歩上異常」に出てくるR・W君って、大坪砂男(和田六郎)かなあ。佐久だしそんな気がする。
小説から随筆、掌編のようなものまでいろいろ収録されててどれも面白かった。(与謝野晶子関係の話もなんでここに入ってるんだろう?と想いながら読むと、なるほど……!な感じで)おつきあいのある文豪たちの幅の広さも流石です。
気に入ったのは、短い作品ですが「柱時計に噛まれた話」。詩人の佐藤春夫がチラリとでてくるとことが良いです。
あとは表題作、「たそがれの人間」の中に出てくるT・Iが誰だか判らず読んでましたが、文体から立ち上る香気から「あ、これタルホだ!」と気づかせる佐藤春夫の筆力は凄いです。 -
Posted by ブクログ
文語体の読みづらさよ。しかし、不惑も近くなっているのに、読書好きであるのに、文語体苦手というのはいかがなものか。精進が足りません。文語体でもさらりと読み進める、というのに年少の頃ほのかに憧れていたりしたものです。
とはいえ、怪しげな雰囲気を醸し出すのに、ひと役もふた役も担っているのは事実。もちろん、鏡花自身はそんな効果期待していたわけではないですけどね。文語体を使用することが、まずない時代になったからこその感想でしょうか。仰々しい語り口調に思えたのですよ。
関東大震災の時の体験談は一読の価値あり。震災の不安と恐怖と動揺。それでも、観察・記憶・記録してしまう性というのが、怪しの所業だと思いまし -
Posted by ブクログ
文語体の読みづらさよ。しかし、不惑も近くなっているのに、読書好きであるのに、文語体苦手というのはいかがなものか。精進が足りません。文語体でもさらりと読み進める、というのに年少の頃ほのかに憧れていたりしたものです。
とはいえ、怪しげな雰囲気を醸し出すのに、ひと役もふた役も担っているのは事実。もちろん、鏡花自身はそんな効果期待していたわけではないですけどね。文語体を使用することが、まずない時代になったからこその感想でしょうか。仰々しい語り口調に思えたのですよ。
関東大震災の時の体験談は一読の価値あり。震災の不安と恐怖と動揺。それでも、観察・記憶・記録してしまう性というのが、怪しの所業だと思いまし -
Posted by ブクログ
樋口真嗣『怪獣二十六号』(25年前に書いた)怪獣映画の企画書。建設技師や自衛隊員が協力して土木機械で怪獣に立ち向かったり、インテリ美人が出てくるあたり…、いや、表紙の「怪獣は常に人間にとって恐怖の存在でなくてはならない」とか「この映画は人間の前に怪獣が現われ、人間は自らの身を守る為に智慧と勇気で闘う、ただそれだけの映画」「我々がこだわりたいのは、「ただそれだけ」にする事なのです。」とか…うん、シン・ゴジラを思い出す。
大倉崇裕『怪獣チェイサー』怪獣対策が進んだ日本。ヒロインの怪獣省の怪獣予報官・岩戸正美は、封鎖区域で怪獣の動画を撮影する違法行為を行う「怪獣チェイサー」と予期せず協力することにな -
-
Posted by ブクログ
・佐藤春夫「たそがれの人間」(平凡社ライブラリー)は 副題に「佐藤春夫怪異小品集」とある、東雅夫編になる書である。小品集であるからか、あるいは小品集であるとはいへか、短篇からエッセイまで多彩な内容で ある。おもしろいのもあればおもしろくないのもある。ただ、佐藤春夫をほとんど知らない人間には、かういふとこともあるのだと思はせてくれる書ではある。 かういふ切り口で佐藤春夫を見ることもできる。これが東雅夫編である。
・個人的におもしろいと思つたのは、正に枝葉末節のことなのだが、その古典の現代語訳であつた。「椿の家ー『打出の小槌』より」、これには「ー建部綾足作 原題『根岸にて女の住家をもとめし条』ー -
-
Posted by ブクログ
10人による、怖い話。
題名通り、夢で見たり、白昼夢だったり。
うっかり思い出してしまわないためにも
日が高いうちに読んだ方がいいかもしれません。
いや、思い出すような読み方をしなければ大丈夫?
ぎょっとする終わりなのは、そらみみ。
これが現実なのか、あちらが現実なのか、と
思わせるような最後の一言。
非常に混乱させられます。
目的だった、辻村さんは…子供のせいか
やたら無邪気に怖い。
世の中、知らない方が…気がつかない方が
幸せ、という選択もあると思われます!
言ったら相手に移る夢、かと思っていたのは、琥珀。
さすがにそれはない内容でしたが
とり憑かれたと表現するのがぴったりな感じで