東雅夫のレビュー一覧
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講談、小唄を彷彿とさせるリズムのある文章は泉鏡花ならでは。小説、随筆、百物語…とカテゴリ分けはされてても、何を描いても鏡花の世界になるのは流石。
印象に残ったのは以下の三点
関東大震災の被災記録である「露宿」「十六夜」「間引菜」。先日、井伏鱒二の被災記録(荻窪風土記)を読んだのだが、筆者の性格の違い等々からくるのであろう、おなじ関東大震災でも描かれ方の違いが見て取れて面白い。特に泉鏡花の幻視を盛り込んだ避難所の描写は、この世のものではない何かが覗きこんでいるようで、こんな状況でも鏡花ワールドかー!みたいな気分に。
随筆「春着」は紅葉先生、尾崎一門門弟の仲良しっぷりが感じ取れて微笑ましい。
百物語の辺りのエピソードは、ちくま文庫から出ている文豪怪談傑作選 鏡花百物語集 にも同じ時期の作品が収録されてますが、そうか、この頃がちょうど仕事が減ってお金の面で苦労してた時期か……とちょっと切なくなった。(ちくま文庫の方だとそこが読み取れなかったので) -
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講談、小唄を彷彿とさせるリズムのある文章は泉鏡花ならでは。小説、随筆、百物語…とカテゴリ分けはされてても、何を描いても鏡花の世界になるのは流石。
印象に残ったのは以下の三点
関東大震災の被災記録である「露宿」「十六夜」「間引菜」。先日、井伏鱒二の被災記録(荻窪風土記)を読んだのだが、筆者の性格の違い等々からくるのであろう、おなじ関東大震災でも描かれ方の違いが見て取れて面白い。特に泉鏡花の幻視を盛り込んだ避難所の描写は、この世のものではない何かが覗きこんでいるようで、こんな状況でも鏡花ワールドかー!みたいな気分に。
随筆「春着」は紅葉先生、尾崎一門門弟の仲良しっぷりが感じ取れて微笑ましい。
百物語の辺りのエピソードは、ちくま文庫から出ている文豪怪談傑作選 鏡花百物語集 にも同じ時期の作品が収録されてますが、そうか、この頃がちょうど仕事が減ってお金の面で苦労してた時期か……とちょっと切なくなった。(ちくま文庫の方だとそこが読み取れなかったので) -
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冒頭の「歩上異常」に出てくるR・W君って、大坪砂男(和田六郎)かなあ。佐久だしそんな気がする。
小説から随筆、掌編のようなものまでいろいろ収録されててどれも面白かった。(与謝野晶子関係の話もなんでここに入ってるんだろう?と想いながら読むと、なるほど……!な感じで)おつきあいのある文豪たちの幅の広さも流石です。
気に入ったのは、短い作品ですが「柱時計に噛まれた話」。詩人の佐藤春夫がチラリとでてくるとことが良いです。
あとは表題作、「たそがれの人間」の中に出てくるT・Iが誰だか判らず読んでましたが、文体から立ち上る香気から「あ、これタルホだ!」と気づかせる佐藤春夫の筆力は凄いです。 -
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文語体の読みづらさよ。しかし、不惑も近くなっているのに、読書好きであるのに、文語体苦手というのはいかがなものか。精進が足りません。文語体でもさらりと読み進める、というのに年少の頃ほのかに憧れていたりしたものです。
とはいえ、怪しげな雰囲気を醸し出すのに、ひと役もふた役も担っているのは事実。もちろん、鏡花自身はそんな効果期待していたわけではないですけどね。文語体を使用することが、まずない時代になったからこその感想でしょうか。仰々しい語り口調に思えたのですよ。
関東大震災の時の体験談は一読の価値あり。震災の不安と恐怖と動揺。それでも、観察・記憶・記録してしまう性というのが、怪しの所業だと思いました。 -
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文語体の読みづらさよ。しかし、不惑も近くなっているのに、読書好きであるのに、文語体苦手というのはいかがなものか。精進が足りません。文語体でもさらりと読み進める、というのに年少の頃ほのかに憧れていたりしたものです。
とはいえ、怪しげな雰囲気を醸し出すのに、ひと役もふた役も担っているのは事実。もちろん、鏡花自身はそんな効果期待していたわけではないですけどね。文語体を使用することが、まずない時代になったからこその感想でしょうか。仰々しい語り口調に思えたのですよ。
関東大震災の時の体験談は一読の価値あり。震災の不安と恐怖と動揺。それでも、観察・記憶・記録してしまう性というのが、怪しの所業だと思いました。 -
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樋口真嗣『怪獣二十六号』(25年前に書いた)怪獣映画の企画書。建設技師や自衛隊員が協力して土木機械で怪獣に立ち向かったり、インテリ美人が出てくるあたり…、いや、表紙の「怪獣は常に人間にとって恐怖の存在でなくてはならない」とか「この映画は人間の前に怪獣が現われ、人間は自らの身を守る為に智慧と勇気で闘う、ただそれだけの映画」「我々がこだわりたいのは、「ただそれだけ」にする事なのです。」とか…うん、シン・ゴジラを思い出す。
大倉崇裕『怪獣チェイサー』怪獣対策が進んだ日本。ヒロインの怪獣省の怪獣予報官・岩戸正美は、封鎖区域で怪獣の動画を撮影する違法行為を行う「怪獣チェイサー」と予期せず協力することになる…。面白かった!シリーズ化してもいいんじゃなかろうか。
山本弘『廃都の怪神』6歳の頃に漂着し、密林で一人生き残った白人の少年は、ガダイバ教の神に捧げる生贄とされることになるが…。おお…、こういうのもありなのね。
梶尾真治『ブリラが来た夜』急速に老いた母はある日、自分を山へ捨ててくれ、と言い出し…。なんか懐かしいSF感あるなと思ったら梶尾真治だった。
太田忠司『黒い虹』転校生は怪獣のいた世界からやってきたのだという。これもちょっとSFっぽい。
有栖川有栖『怪獣の夢』幼いころから見続けているのは自らの願望を映した怪獣の夢。これも怪獣もの…なのかな。
園子温『孤独な怪獣』映画監督を目指す主人公は高円寺で暮らしていた。これはさすがに怪獣ものではないだろう…えっありなの?
小中千昭『トウキョウ・デスワーム』地下トンネルの工事中、巨大なミミズのようなものが発見される。そして現れる謎の少女の正体は…。クトゥルー的ホラーの香り。
井上伸一郎『聖獣戦記 白い影』元の侵攻に対峙する龍造寺家清は、自分と同じく謎の勾玉の守護を持つ若者と出会う…。元寇を舞台にした…伝奇ファンタジー?怪獣ではない気がするけどこれはこれで面白かった。
怪獣ものとしては『怪獣チェイサー』が好き。その他枠になるけど『聖獣戦記 白い影』『ブリラが来た夜』『黒い虹』も嫌いじゃない。 -
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・佐藤春夫「たそがれの人間」(平凡社ライブラリー)は 副題に「佐藤春夫怪異小品集」とある、東雅夫編になる書である。小品集であるからか、あるいは小品集であるとはいへか、短篇からエッセイまで多彩な内容で ある。おもしろいのもあればおもしろくないのもある。ただ、佐藤春夫をほとんど知らない人間には、かういふとこともあるのだと思はせてくれる書ではある。 かういふ切り口で佐藤春夫を見ることもできる。これが東雅夫編である。
・個人的におもしろいと思つたのは、正に枝葉末節のことなのだが、その古典の現代語訳であつた。「椿の家ー『打出の小槌』より」、これには「ー建部綾足作 原題『根岸にて女の住家をもとめし条』ー露伴校訂本に憑る」とのいささか長い副題がつく。露伴校訂の(「折々草」の)「根岸にて」の現代語訳である。手 許に原文がないのでweb上に求めて比べてみる。「古典文学電子テキスト検索β」なるサイトにあつた。ただし、これが露伴校訂本であるかどうかは分からない。あつたから使ふだけである。その冒頭の原文、「むさしなる江戸の春べそ、いとも/\にぎびにたる。松竹立ちわたすなども、異所(ことところ)には似 ず。」これをかう訳す。「武蔵の江戸のお正月は、非常に立派な松竹を飾り立てるのなども、外の土地とはくらべものにならない。」(142頁)素直な直訳に 近いが、大胆に意訳したといふものではない。分かり易い穏当な訳といふところであらうか。以下もこんな感じで、原文に即して分かり易く訳してゐる。「日比 物いひける女(おみな)の、やう/\あきがたになりて侍るもとへ」といふ一文、この訳はかうである、「日頃ねんごろにしている女の少々嫌気のさしている者 のところへ」。侍るは気にしなくても良いかといふ程度の直訳である。この訳の見事なところは「女の」の「の」の訳である。つまりそのまま「の」と訳してゐる。これは同格の格助詞、辞書等には「……であつて」と意味が記してある。春夫はそれさへせずにそのまま「の」にしたのである。同様の一文、「物引まはし て中にふし居たるをみなの、さだかにはみえねど、年のほど廿あまりなるが」は、「物引き廻した中に伏していた女の、はっきりとは見えないが、年のころ二十 過ぎなのが」(144頁)も、同格の「の」は同じく「の」と訳してゐる。これも直訳である。文法書に例文の訳として出てくるのならば何の違和感もない。しかし、これは文学作品として発表された現代語訳の一節なのである。直訳であることはともかく、この文章自体があまりに生硬ではないか。もう少し工夫あつて然るべきであらう。春夫のことだから、敢へてさういふことはせずに生のままの直訳文体を選んだのであらう。この現代語訳だけ独立させればたぶんこれで良 い。ところが、それがかういふ中に収められると、その文体の差が気になる。違和感を感じる。「聊斎志異」からの短篇「緑衣の少女」(128頁)は原文が漢文であるから、却つて自由に訳すことができたのであらうか。「根岸にて」とは全く違ふ。普通の作品として読める。蜾蠃(すがる)乙女の美しい怪異譚であ る。文豪の作品、文体がすべて上出来だとは言はない。しかし「根岸にて」のやうな現代語訳調の生硬な文体はおもしろくない。普通の作家はかういふことをし ないものだと私は思つてゐた。それなのに春夫にもそんなのがあつた。あまりに枝葉末節、重箱の隅をつつきすぎだが、やはりこれは私にはおもしろかったのである。もしかしたら春夫は国文の出かと思つたのだが、実際は慶応文学部予科中退であつた。それにしてもこの文体と発想、どこから出たものかと思ふ。 -
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10人による、怖い話。
題名通り、夢で見たり、白昼夢だったり。
うっかり思い出してしまわないためにも
日が高いうちに読んだ方がいいかもしれません。
いや、思い出すような読み方をしなければ大丈夫?
ぎょっとする終わりなのは、そらみみ。
これが現実なのか、あちらが現実なのか、と
思わせるような最後の一言。
非常に混乱させられます。
目的だった、辻村さんは…子供のせいか
やたら無邪気に怖い。
世の中、知らない方が…気がつかない方が
幸せ、という選択もあると思われます!
言ったら相手に移る夢、かと思っていたのは、琥珀。
さすがにそれはない内容でしたが
とり憑かれたと表現するのがぴったりな感じでした。
どれもこれも、読んだのを忘れた方がよい話。 -
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2013年に刊行された「怪獣文藝」の続編として、怪獣と怪獣が跋扈する世界をこよなく愛する映像作家(監督)と小説家による持ち前のセンスを生かして書き上げた怪獣短編小説で構成したアンソロジー集の第二弾。
前作が怪異な世界観をメインテーマに据えて構成したミステリー、ホラー色の強い怪奇小説作品集としての仕上がりは≪怪獣小説≫を期待した読者の評価が二分した結果を踏まえ、今回はより具体的に怪獣の暴れまわる事件に焦点を当てたビジュアル的なストーリー展開の作品で構成されている。映像でストーリーを読ませる映画監督による文章表現と、文章を用いてビジュアルをイメージさせる小説家の双方が「怪獣」をテーマにした競作は≪文藝同人誌≫としての仕上がりとしてもまた楽しい。日本では映像作品が先行している「怪獣話」はミステリー、ホラー、SFの世界に統合されており、小説として一つのジャンルとしては確立していないのが現状であり、その点でも「怪獣小説」の今後の発展に期待したい。 -
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色々な作家さんの実話系。
実話『系』なのは、本当なのか違うのか…。
香月さんの話は、これによってあの話ができた? と
ものすごく分かりましたが。
実話…実話だったら恐ろしいですが
現実は小説や漫画よりも恐ろしい…。
1月に死ぬと7人連れて行く、は言い伝えだと思ったら
結構最近の話だったのにびっくりです。
目的だった辻村さんは、占い師。
不確かな言い方をしたりして、当てはまる事を
占われる人間自身に探させる。
とはいえ、本当にそう言われてしまったら
驚きを通り越してぞっとします。
それ以外の話は特に…というよりも
お話のような感じで、実話っぽくなかったです。
漫画はすごく分かりやすかったですが。