【感想・ネタバレ】文豪山怪奇譚 山の怪談名作選のレビュー

あらすじ

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明治・大正期の作家たちの描いた「山怪」作品を斯界の雄・東雅夫の選で集成。
山の裏側を垣間見るかつてないアンソロジー。

われわれ日本人にとって、最も身近な「異界」である山々は、山神や山人、鬼や天狗、狐狸や木精といった魑魅魍魎のふるさとであると同時に、
日本の怪談文芸や幻想文学の豊饒なるふるさと、原風景でもある。

近代の文豪から現代の人気作家まで。
数多くの作家が、深山幽谷を舞台とする神秘と怪異の物語を手がけてきた。
本書は、山を愛し読書を愛する人々にとって必読の名作佳品を集大成した史上初のアンソロジー企画。

収録作品:
火野葦平「千軒岳にて」
田中貢太郎「山の怪」
岡本綺堂「くろん坊」
宮沢賢治「河原坊」
本堂平四郎「虚空に嘲るもの 秋葉長光」
菊池寛「百鬼夜行」
村山槐多「鉄の童子」
平山蘆江「鈴鹿峠の雨」
泉鏡花「薬草取」
太宰治「魚服記」
中勘助「夢の日記から」
柳田國男「山人外伝資料」
編者解説(東雅夫)
ほか。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

岡本綺堂、泉鏡花、太宰治などなど有名どころの筆による山の怪アンソロジー。
泉鏡花は不動の鏡花節、美しく哀しい妖しさは美事の一言です。
気になったのは村山槐多。彼の過剰さがどんなカタルシスを連れてくるのかと思えば未完。結末が知りたかったなあ。
良かったのは本堂平八郎。剣豪のあやかし退治の一遍ですが節回しのついたような文章が端正で小気味の良い美しさ。解説にて作者自身が剣豪であったことを知り、美しさのもとはそれかと膝打つ作品でした(副題がダサイと思っていたら編者が付けたということもわかり、これも納得)。

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2016年11月10日

Posted by ブクログ

「千軒岳にて」火野葦平
「山の怪」田中貢太郎
「くろん坊」岡本綺堂
「河原坊」宮沢賢治
「秋葉長光ー虚空に嘲るもの」本堂平四郎
「百鬼夜行」菊池寛
「鉄の童子」村山槐多
「鈴鹿峠の雨」平山蘆江
「薬草取」泉鏡花
「魚服記」太宰治
「夢の日記から」中勘助
「山人外伝資料」柳田國男

編者解説/東雅夫

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2016年02月26日

Posted by ブクログ

錚々たるメンバーだ…
最後が柳田國男なんだけど良い意味で裏切られた!!
読みづらいけど解説でなんとかしてくれるのありがたい

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2024年10月06日

Posted by ブクログ

こわい話というのは、人の邪念や欲望、嫉妬や不安などの負の感情が、最もよく表出し形にされていると思う。
岡本綺堂がさすがの語り口。

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2018年08月08日

Posted by ブクログ

山にまつわる文豪怪談集。個人的には山はなんだか怖い、という印象があるのですが。……やっぱり怖い。でも民俗学的な部分も多くて、かなり興味深くもあります。実際行かずに、こういう作品を読みふけるのが一番(笑)。
お気に入りは宮沢賢治「河原坊」。宮沢賢治は児童文学の人、というイメージが強いのですが、まさかこれほどにまで恐ろしい作品があっただなんて! なんともひっそりとして怖い作品でした。「誰かまはりをあるいてゐるな」にぞくぞくさせられます。
中勘助「夢の日記から」、泉鏡花「薬草取」も、非常に幻想的で美しいながらも恐怖があって好きな作品。慣れないと文章がやや読みづらいと感じますが、それもまた味わいだなあ。現代のエンタメ作品もよいけれど、たまにこういう文章を読みたくなります。

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2018年01月13日

Posted by ブクログ

山の物怪小説のアンソロジー

泉鏡花の「薬草取」は文章の美しさ際立ってたし、太宰治の「魚服記」には凄味を感じた。
でもこの中では、やはり岡本綺堂の「くろん坊」が秀逸だった。
怪談だけど、一番怖いのは人間よね。

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2022年02月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ヤマケイの「山怪」モノ。
火野葦平「千軒岳にて」で開幕するのがエンタメ感あって好きでした。
平山蘆江「鈴鹿峠の雨」と泉鏡花「薬草取」の対比が美しい。
太宰治「魚服記」は小説が上手すぎて感動。
そして大トリ柳田國男「山人外伝資料」。山人先住民説、という棒で伝承・民話・怪談・伝聞の類を殴りまくっていて笑いました。

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2022年01月20日

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