司馬遼太郎のレビュー一覧

  • 翔ぶが如く(九)

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    「飛ぶが如く」9巻。田原坂周辺の戦い、熊本撤兵、日向撤退。

    物量・補給の偉大さを理解する9巻。
    『素人は戦術、玄人は戦略、プロは兵站を語る』という言説をどこかで目にしましたが、兵站の差がそのまま実力の差になってしまうのだな、ということを再確認。
    先の言説は、兵站も戦略の一部分なんだから、キャッチーな言い方として作ったんだろうな、と思ってます。

    ここまで、軍のお飾りにしかなっていない西郷隆盛。彼が狩猟中の怪我でかつてのような頭脳を発揮することがができなくなっていたのでは、という描写がありましたが、そういう理由でもなければ無為無策の彼を説明できないのでしょう。

    「飛ぶが如く」を読んでいて思う

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    2025年03月24日
  • 翔ぶが如く(八)

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    「飛ぶが如く」8巻。反乱勃発、熊本城攻囲、高瀬周辺の戦闘。

    理念だけが先走って、しかもその理念が象徴を抱いているというだけの根拠に基づいた蜂起。戦略もなく、個人武力を戦術の基本に置いたのでは、先行きのない戦争でしかない。
    どこまでも、西郷隆盛一人におんぶにだっこの戦争だったのか、という気持ちです。臆病であることを最大の恥とする文化のもとで育ち、勇敢であることを示すために戦い死ぬという思想が何よりも大事とされる人たちが指揮官である軍隊の脆さ、なのでしょう。

    なんというか、薩摩藩に抱いていた強者の幻想が砕かれてゆくな。『ドリフターズ』しかり『薩摩転生』しかり。戦略の立案者は他にいて、あくまで一

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    2025年03月24日
  • 翔ぶが如く(七)

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    薩摩不平士族の決起前夜の「飛ぶが如く」7巻。
    川路利良が企図したとされる西郷暗殺についてが、メインになっている感じです。

    反乱を「防ぐ」のではなく、あえて暴発させてしまえ、といったような雰囲気でしょうか。こう、中央も薩摩も歩み寄る気配が出ずに、ことが起こるきっかけを探しているかのように思うのは、のちの歴史を知って読んでいるからなんでしょう。

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    2025年03月24日
  • 坂の上の雲(七)

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    日露戦争も終わりに近づいている。日本、ロシアの事情が詳しく描かれ、この巻だけではないが臨場感あふれている。

    小村寿太郎の言葉「この国家に金や兵が備わり、その独立が十分に出来ていたら、戦争などをするには及びません。そんなものがないから、気が狂ったようにこんな戦争をしているのです。」が、ズシンと響いた。

    奥浜という青年が、バルチック艦隊を発見したことが記されているところを読んだとき、「いよいよだ!」と気持ちが高揚した。

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    2025年03月12日
  • 坂の上の雲(六)

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    明石元二郎のエピソードが記されているところ、特に印象残った。彼とロシア革命の関連をはじめて知った。明石の活躍が日本の勝利に一役かったのだと思うと、歴史って面白い!外交の重要性をあらためて痛感!

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    2025年03月12日
  • 坂の上の雲(五)

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    乃木希典の面目のことを、常に考え行動する児玉源太郎。二人の友情の厚さ。戦時中でありながら、二人が漢詩を作り合う場面では、こういう時に文武両道とは言わないかもしれないけれど、教養の深さを感じました。すごいなぁ。

    まだ、戦争にモラルが存在していた時代と記されていたこと、印象に残りました。今、ロシアのプーチンさんにこの部分を読んでほしい。

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    2025年03月12日
  • 坂の上の雲(四)

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    ロシアと日本、双方の思惑が理解でき、リーダーの性格のあり様が戦況に影響を及ぼしていること等、興味深かった。ロシア人の国民性も分かった。

    恩田陸さんが、「坂の上の雲」全8巻を丸2日間かけて読破されたことをネット上で知り、作家になる人の意欲はすごいなあと思った。私もゆっくりだけど頑張るゾ!司馬遼太郎さんの文章のリズム感がよく、歴史に疎い私もここまで読めた。途中途中に入る、「余談」も良かった。

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    2025年03月11日
  • 坂の上の雲(三)

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    特に印象に残った場面。
    1 正岡子規の最期。(正岡子規が好きなので、今後、登場しなくなると思うと残念!)
    2 日露戦争に至るまでの、日露英の思惑。
    3 広瀬武夫の人間性。(ロシア海軍人へに寄せる思い、友情にグッときました。恋人の女性がロシア語で送ってきた詩に漢詩で返し、ロシア語の訳をつけるなど、粋なことする!と思いました。)

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    2025年03月09日
  • 翔ぶが如く(五)

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    情報量が多すぎて、全部を咀嚼はできないが、志を持って江戸幕府をたおした志士たちが、いざ明治政府の役人になった時に、世界を知らないが故に途方にくれながらも一つ一つのことにあたっていく、ある意味のがむしゃらさを感じた。
    「鎖国・封建の世に包まれているころは、社会的環境としては大通りから外れた袋小路の奥にいて、小路の木戸を閉ざしているのに似ている。その小路の奥で熱狂的に攘夷を叫ぶことは、政治心理としては病的ながらも快感に属するであろう。攘夷を集団で叫べば、より一層に快感は昂進するに違いない。が、その攘夷家たちが、半開国主義の幕府を倒して革命政権をつくるというはめになってしまったのである。」(p181

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    2025年03月08日
  • 街道をゆく 25

    匿名

    購入済み

    台湾に住んでることもあって、すぐ対岸にあって台湾とも言語・文化の上で連続性のある福建について知りたいと思い読んだ。個人的に台湾や東南アジアも含めた閩南人の海洋性について司馬遼太郎の蘊蓄を聞きたかったが、思ったより内陸的というか土のにおいのするところを歩いてる印象だったかな。

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    2025年03月07日
  • 最後の将軍 徳川慶喜

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    「徳川慶喜とはどういう人間なのか」

    内面(性格、価値観)を中心とした生涯が書かれており、教科書だけでは知りえなかった徳川慶喜について知ることかできた。

    なぜ、徳川慶喜は大政奉還をしたのか。
    その問いを解消したくてこの書籍を手に取った。答えとしては、物語中で察することができたので満足だ。

    徳川慶喜の人柄を知りたいという人に、オススメの本だ。

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    2025年03月07日
  • ロシアについて 北方の原形

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    司馬遼太郎が『坂の上の雲』『菜の花の沖』執筆のために調べ、考えたロシアと日本の交渉史についての考察集。シベリアやモンゴルの遊牧民の歴史や文化、そして境界を接してきた中国、ロシアとの関係のあり方がロシアと日本の関係を見るときにも理解を助ける、ということで長い歴史考察が進んでいって、司馬作品の歴史的な出来事を文化的民族的文脈に落とし込む背景にこういう調査と考察があるのだなと興味深かった。シベリア経営のために江戸期日本との通称を模索したロシアという関係は知っていたが、鎖国日本の外洋船禁止の中で歪に発達していた北前船や東廻り船は難破、遭難のリスクが高いもので「江戸期日本というのは、政治的に漂流民を大量

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    2025年02月28日
  • 翔ぶが如く(二)

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    ネタバレ

    会議の事前準備を各々の視点で描いた本作。プロローグ的な役割を持っており続きが非常に気になる終わり方だった。

    征韓派の西郷と反征韓派の大久保、伊藤という対比構造。
    誠心のみ持ち合わせてる西郷と、根回しに次ぐ根回しという大久保達の違いが面白かった。いかに西郷くらい優秀であっても、維新後を想像せず、外に目を向けないとここまで愚かに見えるのかと感じた。自分も外の世界を見ようと考えさせられた。、

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    2025年02月25日
  • 坂の上の雲(六)

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    どうも読み進めるのに苦労するし時間がかかるので、さらさらと読んでみることにした(笑)
    内容の何割かは読み飛ばしていたと思うけど、ある程度情景がわかる場面は面白かった。

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    2025年02月21日
  • 翔ぶが如く(六)

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    「飛ぶが如く」6巻。
    表紙のテイストが違うのは、2002年発売の新装版だからです。5巻のテイストは1980年だったかな初刷。

    まるまる1巻使って神風連の乱と、乱前後の周辺不平士族について。
    勝ち馬に乗れなかった人々の鬱屈の高まり昂り。その中でも、行動に移すか口舌だけかで容赦なく切り捨てていると思います。ただ、彼らが抱えていた思想はどうあれテロリストであった、という見方はぶれていないのか。

    川路利良像というものを、どんな風にとらえたらよいものか。
    「飛ぶが如く」の「走狗」の「だんドーン」の。それぞれが当然ながら、違う描かれ方をしているので、小説の読者として最大公約数みたいなものを、どうやって

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    2025年02月09日
  • 街道をゆく 41

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     はじめの方の、津軽藩成立の話のあたりだけを興味深く読んだ。弘前城から望む岩木山という景色をいつか見てみたい。

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    2025年01月30日
  • 花妖譚

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    歴史作家としての司馬遼太郎を彷彿とさせるエピソードがたくさん読めます。
    1篇が短く、言いたいことを端的に!
    非常に読みやすい本でした。

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    2025年01月27日
  • 翔ぶが如く(一)

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    ネタバレ

    明治維新後の日本政府を様々な視点から書いた歴史小説。歴史小説というか歴史資料と言っても差し支えない程、詳細に説明している。
    第一巻では主に、それぞれの観点からみた「征韓論」について述べている。征韓論は国を滅ぼす危険性を持つという考えや、士族のやり場のないエネルギーの矛先となり日本を活気づけるという考えなど様々なものがあった。
    この時代に列強国へ赴き、自国の遅れと向き合い未来の日本のために事を為そうとした人がいた。その一方で、幕末の革命の熱気に当てられ続け、先の時代を見据える事が出来ていない者たちにも焦点を当てていた。今日、もしかすると自分は後者なのかもしれない。未だに学生時代を引きずり前に進め

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    2025年01月26日
  • 国盗り物語(一)

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    自らの長所を把握し、最大限活用する。
    自分の得意なシチュエーション・シナリオに相手を持ち込むこと。
    庄九郎の心掛けたところではないか

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    2025年01月21日
  • 殉死

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    30代までに主要な司馬作品は読んできたが、本書は読んでなかった。理由は、予想がついたから。司馬さんは『坂の上の雲』の秋山兄弟や正岡子規、『竜馬がゆく』の坂本龍馬など、好きな人物を明るく描き、好評を得た。『坂の上の雲』で執拗とも思えるくらい無能ぶりを批判してきた乃木希典を題材とした本書の書きぶりは予想がついた。
    読み始めて直ぐ合点、「自分の思考を確認するために著した」とのこと。「Ⅰ 要塞」は『坂の上の雲』のスピンオフな内容。「Ⅱ 腹を切ること」は日露戦争後から明治45年9月13日に殉死するまでを描いている。ここでも司馬さんの乃木評は変わらないのだが、劇的に生きる嫌いな乃木に驚きすら感じているよう

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    2025年01月17日