司馬遼太郎のレビュー一覧

  • 覇王の家(上)

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    改めて司馬遼太郎先生の徳川家康を読むというのも、やはり面白い。歴史も時代とともに色々な捉え方をして変わってくるものであるが、司馬遼太郎の歴史観は、やはり全ての基本なのだろうと思いますね。

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    2021年01月10日
  • 覇王の家(上)

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    物語というよりは、第三者(つまり著者である司馬遼太郎)の視点から徳川家康について語らせた伝記物もしくは人物伝の印象が強い。

    スタート地点は三方ヶ原の戦いあたりからであるため、山岡荘八の『徳川家康』に比べると、深く書かれているわけではない。

    家康については『関ヶ原』でも主人公の一人として登場しているが、それはあくまでも関ヶ原の戦いにスポットを当てたものである。

    司馬はもしかすると、家康にはそれほど興味がなかったのかもしれない。

    ただ、司馬の歴史小説には、山岡や吉川英治のように、一人の人物にスポットを当て、その生涯全般にわたって書いたものがほぼない。これが司馬のアプローチなのだろう。

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    2021年01月03日
  • 新選組血風録 〈改版〉

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    浅田次郎の「壬生義士伝」を読んで、新選組に興味が沸き、兄の蔵書から拝借。使われている用語や漢字が難しくて少し難儀したけど、おなじみの近藤勇、土方歳三、沖田総司、その他隊士たちの日常や人間性が描かれていて、面白く読みました。
    特に土方歳三が魅力的だった。土方は、現代の世ならものすごく出世したタイプだろうと思った。できる男、それに顔もかっこいいと来た。芹沢鴨の愛人に声をかけられてドキドキしたり、俳句の趣味があったり、なかかなお茶目な人間臭さも感じられてよかった。次は「燃えよ剣」も再読しようかな。

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    2020年12月31日
  • 世に棲む日日(四)

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    革命思想家の吉田松陰と革命家の高杉晋作。明治維新をあのような形に方向づけたものが何なのか、少しだけ知ることができた。

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    2020年12月27日
  • 殉死

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    ネタバレ

    p.195
    かれのみはその前時代人の美的精神をかたくなに守り、化石のように存在させつづけた。

    坂の上の雲でもそうですが、司馬遼太郎は乃木希典がよっぽど嫌いだったのかな。

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    2020年12月24日
  • 殉死

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    陽明思想とナルシスティズムに凝り固まった軍人で、自分の友達や仲間にはしたくないと思った。
    だけど少し自分に似ているところもあった。
    同族嫌悪…?

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    2020年12月18日
  • 新装版 妖怪(下)

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    室町時代末期、下克上の風潮が蔓延し、足軽、印地など無名の庶民が群がりでて、世の中が混沌する変革期。
    商品経済の発展過程であり、合理主義が浸透し始めたばかりで、幻術、妖怪の存在感ある最期の自他であった。
    この世界観とこの時代の歴史がうまくマッチしており、大変面白い作品となっている。

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    2020年12月16日
  • 新装版 妖怪(上)

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    三代悪女と称される日野富子。怨霊や生霊が身近に蠢いていた室町時代末期の世相を、日野富子、六代将軍の落胤という熊野源四郎、側室の今参りの局を中心に描く。

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    2020年12月16日
  • 国盗り物語(四)

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    やっと読み終えた。斎藤道三の話が奇抜すぎて人間離れした感じがファンタジーのようで面白かったが、後半は信長と光秀の彼らの歴史の出来事をひたすら追っていく印象だった。ただこの二人のことをほぼ知らなかったので、そこを知れたのはよかったかな。
    大うつけものと言われながらも、類い稀ぬ野生感覚と合理的思考、そして目的達成のためにひたすらに動き続け、天運までももった信長。後半は自身を守りぬき、自己の正義を貫く為、家臣一族へのいちゃもんの処罰、延暦寺の大虐殺などの狂気を感じるエピソードも多いが、類をみない言動とカリスマ性が今の世も戦国大名の代表格として残る所以だろうか。
    対して光秀は道三に若い頃から寵愛を受け

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    2020年12月14日
  • 街道をゆく 3

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    壮大な歴史旅行記だと思うが、この作者のレベルだとちょっとした観光旅行に感じられてしまうところがすごい。途轍もない知識量をもっているからだろう。でも、物語の方がやっぱりワクワクする。

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    2020年12月14日
  • 坂の上の雲(六)

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    連載当時これを読んでた人はどう思ったのだろう??
    長期連載の漫画のように、サイドストーリーや過去編に終始して、なかなか本編が進まずにイライラしてしまうような感覚に陥ります。

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    2020年12月09日
  • 世に棲む日日(三)

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    吉田松陰とその弟子の高杉晋作を描いた長編小説。後半の高杉編では、いよいよ動乱の時代に突入する。「蛤御門の変」や「下関戦争」など大事件が次々と起こる。高杉晋作が窮地に追い込まれたところで四巻へ。最終巻の展開が今から楽しみである。

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    2020年12月08日
  • 項羽と劉邦(上)

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    前半部分は割と変化が少ない為、割と辛抱しながら読んだ形ではあるが、終盤にかけては、物語の展開が遅くなり(=濃ゆくなってゆき)面白くなってきた。

    秦の法家思想に乗っ取った国づくりは、非常に先進的であり魅力的であるが、趙高のような宦官が力を持ってしまうことを防げるような、牽制しあえる権力構造が必要であると改めて思った。始皇帝が優秀であり、かつキングダム の「政」には非常に思い入れがあるだけに、その秦が内から崩壊していく様は、虚しい。

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    2020年12月03日
  • 項羽と劉邦(下)

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    ここまで主体性が無く戦争に弱い勝者はいないかもね。人より勝るのは仲間に慕われる事のみで中華統一、逆に不世出の英雄。劉備も曹操みたいに優秀だったら周りから担がれてなかっただろう。何も無い事を自覚して劉邦をなぞったのかもね。

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    2020年12月13日
  • 義経(上)

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    司馬遼太郎の描く義経の何と愛らしいことか。

    源義経、日本人ならば誰もが知っているその英雄の非凡人的な部分は、物事を極端にしか見ることしか出来ない政治的常識の欠落、牛若のころから変わらぬ思考であるとした。その欠落こそが、危なっかしくて放って置けない人としての魅力であると。

    上巻では義経の華々しい活躍が一切ないため、義経という名を聞いて期待をすると物足りなく感じる。

    だが、その人物像の無垢さを丁寧に書いているからこそ、皆が知っている晩年に更なる哀愁を感じさせる。

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    2020年11月29日
  • 新装版 箱根の坂(下)

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    ネタバレ

     義という論理は、仁のように人の自然の情の中に含有されておらず、人にとって外に存在している。義の字義には、道理。すじみちという意味もあれば、同時に「外から仮りたもの」という意味もふくむ。善きものである仁や悪しきものである利とはちがい、義は人が、いわば私情を殺して意志力で外からひきよせ、行動目標もしくは、ばねとするもので、義をおこなうのは情としてはつらく、しばしばわが身を危くもする。しかしながら、義がなければ国家にも個人にも美しさがない、と氏綱はいう。さらに、美しさがなくて繁栄をえたところで仕方がないものだ、と氏綱は痛烈にいうのである。孟子は、利をきそいあう戦国の諸侯たちに仁・義を説きまわってつ

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    2020年11月23日
  • 坂の上の雲(四)

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    司馬遼太郎による、乃木希典への酷評が続く。
    一人の人間からの意見しかわからないが、これを読む限り相当やばい。

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    2020年11月23日
  • 風神の門(下)

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    冒険活劇又は歴史ファンタジー楽しく読ませてもらった、著者の初期の作品ということも興味を持った、そこし間をおいて「梟の城」読んでみようと思う。

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    2020年11月15日
  • 新史 太閤記(下)

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    豊臣秀吉、この男の後年は暗い。今まで抑えてきた感情を年老いて抑えることが出来なくなり、朝鮮出兵などを無謀をおこす。

    司馬遼太郎は秀吉の辞世の句でこの、物語に幕を下ろす。

    露と置き露と消えぬる我が身かな
        浪華のことも夢のまた夢

    まさに夢ような話だ。
    織田信長がいなくなってなら、柴田勝家との戦い、そこで発揮される人並みはずれた知略と人誑しの才能で、天下人となるのだか。

    徳川家康を上洛させて物語が終わる。
    秀吉の人誑しの才能と並々ならぬ精神の強さ、智略、それらを駆使して掴んだ天下人の地位。
    だから、この終わりでいいのだ。

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    2020年11月09日
  • 街道をゆく 1

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    20年以上前に20巻近くまで読んだが、そこでストップしてしまった。改めて、全部読もうと思い立ち1巻から再読する。

    タイトルの付け方が上手く、司馬さんがのんびりと旧街道を旅して歩く本と思われがちだが、実際は忙しかったんだと思うが、慌ただしく動いている。

    現地で会った人の中に、その土地のあり様をみてるのが流石だ。

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    2020年09月26日