司馬遼太郎のレビュー一覧
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ネタバレ国民的作家“司馬遼太郎”の最初期、本名の「福田定一」の名で華道の機関誌に掲載された、花をモチーフとした幻想譚10編を収録。ほとんどが10㌻前後の短い作品で、古代ギリシア神話のナルキソスのエピソードをはじめ日本、中国、モンゴルの歴史や伝承がベースになっており、どれも20㌻に満たない。後の司馬作品の代表作を愛読する人からすれば物足りなさを感じるかもしれないが、若書きで硬さはあるものの簡潔で歯切れのいい文章は、やはり読みやすい。
収録作中で怪奇幻想味がより濃いのは、農夫が項羽らの最期を幻視する「烏江の月」、『聊斎志異』を著した蒲松齡の自宅の庭に咲いた妖しい花「黒色の牡丹」、元禄期の(今でいう)催眠療 -
Posted by ブクログ
ロシアの発展と隣国(モンゴル、中国、そして日本)との関係史について紐解いていく流れ。
ロシアが、未知の世界を開拓したいとシベリアへ乗り出したことは自然な流れ。でもいわゆるこれが運の尽きか、手を出したことがきっかけで、隣国との関係が悪い方に動き出してしまったのかなと感じた。だからと言ってロシアを嫌うでもなく、あくまで歴史の流れに沿ってロシアという国を浮かび上がらせる書き方に感動した。むしろ大正〜昭和にかけ、ロシアに反発するように膨張してしまった日本を恥じているのも伝わる。
最後に。読み終わった2023年、出版の1989年から30年以上経つのに今のことを話しているかのようなリアル感。芯をとらえた本 -
Posted by ブクログ
どうも司馬遼との相性は余り良くない。
中学生の時に読んだ「項羽と劉邦」は抜群に面白かったし、大河ドラマと平行して読んだ「功名が辻」もなかなか良かったのだが、「坂の上の雲」は永遠と続く戦争シーンが退屈で4巻で断念したし(ただ子規が生きている間は良かった。日露戦争が始まったら作者が替わった様)、この本も下巻を読む気になるかどうか。読んだとしても内容次第で星が1つ減るかも。
合わない理由はまずは司馬遼が評価が低い人物をやや固執的にこき下ろし続ける事。「坂の上の雲」の伊地知(乃木)しかり、この本の家康(三河武士達)しかり。読んでいて鬱屈して来る。
後、日本の歴史を書いた作品が評価される事が殆どだ