司馬遼太郎のレビュー一覧

  • 城塞(上)

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    ネタバレ

    大坂の冬の陣・夏の陣を、戦が始まるきっかけから大坂城落城まで描いた歴史小説。
    2016年大河ドラマ「真田丸」の予習として読んだ。
    主人公は小幡勘兵衛という牢人で、後に軍学者となる人物。彼は、戦の表舞台には立っていないが、徳川方の間諜として豊臣方に入り込んでいた人物であるため、両者を行き来しつつ狂言回しとして物語を進めていく。でも、途中で時々、全く登場しなくなり、誰が主人公だっけ?となることも。司馬小説ではよくあることだけど(いわゆる「余談だが現象」)。

    たまに勘兵衛が、恋人お夏のために豊臣方に肩入れして徳川を裏切りそうになり、その場面だけはグッとくるものがあるのだけど、最終的には打算と私利私

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    2017年02月16日
  • ビジネスエリートの新論語

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    60年以上前に執筆された文章であるにも関わらず、現代にも通じてしまうという、日本社会に対して一種残念さを感じてしまう名著。
    後半部分の記者としての体験や記者になるまでの話は、まるで物語のような面白さです。

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    2017年02月12日
  • ビジネスエリートの新論語

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    司馬遼太郎氏が新聞記者であったころに本名で昭和30年
    ごろに書いた内容だそうです。
    少し古めいたところは多くありますが、会社員として
    わからなくはないと思う部分もあります。
    また、時代の移り変わりもやっぱり見てとれて、
    今の時代には起こりえないであろうことも書かれてあります。
    とはいえ日本も会社員も会社も、社会もすくなくとも
    進歩しているのでしょう。
    第2部の『二人の老サラリーマン』『あるサラリーマン
    記者』の2作は面白かったと思います。

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    2017年01月29日
  • 新装版 播磨灘物語(1)

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    少し時代遅れだが、司馬遼太郎が描く黒田官兵衛の話。黒田官兵衛というと豊臣秀吉の参謀のイメージがあるが、この本を読むと少し異なった印象を持つ。それはこの本が豊臣秀吉に使える前の官兵衛の話に多くを割いているからである。小寺家→豊臣家→徳川家と仕える家を変えていくのは、時代の先を読みながら主君を細かく観察してその瞬間で誰につくのがベストかを考えることを示している。主君への忠誠心より自分の能力に自信がある武将であったのだろうか。組織か個人か...現代の我々の生き方にも通じる読み物。

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    2017年03月10日
  • 風神の門(下)

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    ある意味司馬遼の出発点なのかもしれない、この作品は。
    連載モノのようだけれども、次第にその独自性が濃厚に発揮されつつある感じ。
    歴史小説の王道への決別とも作家の決意とも思え、重要な作品なのかもしれんですな、本作は。

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    2017年01月21日
  • ビジネスエリートの新論語

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    初めてきちんと読んだと思う司馬遼太郎の文章です。60年ぐらい前も人は何も変わらないのだなぁと良い意味で気持ちが楽になりました。

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    2017年01月16日
  • ビジネスエリートの新論語

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    今の時代にも通ずる、サラリーマンの悲哀を司馬遼太郎の独特な鋭い視点で、ユーモアたっぷりに語るエッセイ的な内容。

    まだサラリーマン時代にも書いたものであるけども、切り口や視点が面白いし、鋭い感性だなと思わされる。

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    2017年01月08日
  • 城塞(上)

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    大阪の陣が起こる前の主要人物の人間性、状況が細かく描写されているので大きく物語が始まる序章としていると思われる。
    太閤がどれ程偉大であったかを残された愚鈍で保身に走る大坂城内の家臣との対比で表現していると感じた。

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    2016年12月23日
  • 花妖譚

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    司馬遼太郎がまだ福田定一だったころの作品。
    華道流派の雑誌に掲載されたものなので、花でテーマが統一されているが、かなり習作っぽい感じ。

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    2016年11月10日
  • 風神の門(下)

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    読み終わったのが(多分)2016年の初め。その後、大河ドラマ「真田丸」を見ながら、このレビューを書いている。ドラマとこの小説、真田幸村、後藤又兵衛、猿飛佐助、みんな描かれ方が全然違って面白い。幸村と又兵衛は老練なカリスマだったのに、ドラマでは純粋だったりやんちゃだったり。佐助なんて甲賀忍者だったはずが、真田家の信州以来の家臣だったりして。大野治長は似たような感じかな。

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    2016年11月01日
  • 風神の門(下)

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    新聞連載だったためか、とってもあっさり終わった感。
    どの人物も印象に残らないし、エピソードもおぼえてない。
    出て来る女性たちに割いた重さも同じで、最後の最後のさじ加減でどうにでもなる感じ。

    このなにも残らない感が忍者としての忍びの術か……!

    ってなりました。

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    2016年10月30日
  • 翔ぶが如く(六)

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    この巻は西南戦争が起こる1年前の明治9年をメインに描かれていました。

    島津久光さんについても詳しく書かれていたよ。
    この殿さま(って藩主になったことはないけれど…)の超エラそうな立ち位置をいつも不思議に思っていたので、その点がとても興味深かったです。

    今回は西郷さんや大久保さんの動きはほとんどなかったけれど、太政官に不満を抱く士族たちの怒りが火を噴き始め、熊本で神風連の乱、そして長州で萩の乱が起こるところまででした。

    これらは政治的ポリシーがないとか、他力本願的無計画だったりしていて、明治維新もそうだけど、頭が良くて全体が見渡せるようなタイプは暴力で事を起こそうとはしないのだな…と思いま

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    2016年11月02日
  • 翔ぶが如く(五)

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    ネタバレ

    一部のノリの良い下級武士出身者がフィーリングで運営していた明治政府がいかにテキトーであったかがわかる本。

    一例を挙げると、各地に贅を尽くした高そうなお庭を作りまくった長州の山縣有朋さんは、やっぱり汚職しまくってるし、権力主義の成りあがりだったっぽい。

    この巻は、西郷隆盛さんが征韓論で下野したあとに不平士族を慰安すべく台湾に乗り出した顛末記でした。

    なので、西郷さんは全然出てきません。
    メインは大久保利通さんの巻でした。

    西郷隆盛さんの征韓論は潰したくせに、その弟の従道さんをトップに台湾に押し入る(名目は遭難した琉球人が台湾の高砂族に殺されたことに対する報復)だなんて、支離滅裂な政権運営

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    2023年02月09日
  • 翔ぶが如く(四)

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    西郷隆盛さんが明治6年の政変で下野して、鹿児島につくった私学校は、かなり政党的色彩の強いものだったみたい。
    てか、この頃は本当に行政が一部の薩長土肥の元下級士族に「私」されて、本当にズブズブだったんだね。

    それと、征韓論はダメなのに征台論はOKって、対外的にも対内的にも何も言わずに4千人近い「軍人」を他国へ押し込ませるってダメだと思う。

    明治初期ってのは、過激派サークルのノリで全体を見れない(見る立場にもない)兄ちゃんたちが勢いで政権を倒しちゃって、それまで手にすることができなかったお金と地位と高級な女性たちに入れあげてただけの時代だったのかもね~。

    長く続いた江戸時代・徳川幕府の残像で

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    2016年10月21日
  • 翔ぶが如く(三)

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    ネタバレ

    征韓論に敗れ、西郷隆盛さんは鹿児島へ帰りました。
    それに合わせて、明治政府内にいたたくさんの元薩摩藩士たちが下野し、大久保利通さんは完全に薩摩色を失い、政府内にできた空白に長州が食い込んでくる…と。

    西郷さんの征韓論は、朝鮮を支配したいというものではなく、ロシアの南下政策に対抗すべく、国防をイギリス支配下の中国に丸投げしてのうのうとしている危機意識のない朝鮮に明治維新の精神を「輸出」し、いずれは、中国・朝鮮・日本で連盟を組んでロシアに対抗しようとするもの…と司馬さんは解釈しているもよう。

    いずれにしても、やっぱり西郷さんのキャラは愛せるけれど、長州の輩は愛せないなぁ…って思いました。
    今の

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    2016年10月19日
  • 翔ぶが如く(二)

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    ネタバレ

    この巻は明治6年の政変の直前の状況をめちゃくちゃしっかりと「説明している」巻でした。

    なので、西郷さんは、三条太政大臣から遣韓大使として韓国に行ってもいいよって話をもらい、明治天皇の勅令も下りているのに、「後日岩倉右大臣の承諾を得ること」って部分がクリアーできなくて、待ったをかけられてストレスがたまっている状況のままでした。

    そもそもの征韓論がロシアの南下政策を懸念して韓国と手を結ぼうとしたものであったとしても、韓国は看板でしかなくて、実際はうしろにイギリスに実効支配された中国(清)とかがいるから、簡単にはできないって政府の意向もわからんでもないんだけどね。

    話が動かないように見えるので

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    2016年10月10日
  • 空海の風景 下巻 (改版)

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    小説、ではあるのかもだけど、司馬遼太郎が空海の小説を書くための手帳であり、絵コンテであり、下書きだったり、時々本稿だったりする。適当な言葉を探せば、その過程をライブで見るような、ロードムービーとも言えるんじゃないだろうか。集中して一気読みする類ではなかったので、他の小説読む合間にちょこちょこ読んでたら、読み終わるまで半年以上かかってしまった。しかし、読み終わっても、密教なるものの定義がやっぱり未だにわからない。。あれ?そもそも仏教なのこれ?って疑問は残ったまま。高野山の風景はもちろん仏教のそれなんですけど。んー、わからんが、密教自体に興味はないので、まぁ、よしです。

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    2016年10月06日
  • 夏草の賦(下)

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    ネタバレ

    秀吉の前では、元親はもはや赤子のようだ。

    上巻では四国にて獅子奮迅の働きを見せていた元親も、天下人とその取り巻きにはなかなか勝てそうもない。

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    2016年10月03日
  • 新装版 大坂侍

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    久しぶりの司馬遼太郎さん。

    表題作が宝塚歌劇で数年前に舞台化されそれを観た故に。
    読み始めるまではなかなか読書に気が乗らなかったのに、ページを繰り始めると一気に読ませるのが流石の一言。

    上方はよきところ。
    江戸の時代小説もいいけれど、上方はよい。

    なんとなく何か面白い本はないかしらん、と
    気の向くものがない時におすすめの一冊。

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    2016年09月19日
  • 峠(中)

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    河井継之助。良運さん、スネル、ガットリング砲、大政奉還、福地源一郎、福沢諭吉。私は越後長岡藩の家老であるというだけで人の世に存在している。

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    2016年09月11日