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「西郷と大久保の議論は、感情に馳せてややもすれば道理の外に出で、一座、呆然として喙(くちばし)を容るるに由なき光景であった」(板垣退助)。明治六年十月の廟議は、征韓論をめぐって激しく火花を散らした。そして――西郷は敗れた。故国へ帰る彼を慕い、薩摩系の士官たちは陸続として東京を去ってゆく。内戦への不安は、いまや現実となった。
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Posted by ブクログ
征韓論の是非について、廟議開始の岩倉具視の挨拶が巧いなと思った。 いきなり征韓論という本旨に入らず、現下の外交一般問題について、議したいとすりかえた。 相手の主張を認めながら、もっと重要な案件があると、議論をすりかえていくテクニックは、非常に参考になる。 岩倉が、江藤新平の追及に対し、三条実美から代...続きを読む理を頼まれたのではなく、君主より代理を命じられたのであり、三条の認めたという既成事実を継承するつもりはないという、屁理屈で言い逃れて、相手の主張や追求をそらす模様があり、これも面白い。 日本人の判官びいきに関する分析、陽気な人格とは欠点さえ愛嬌になるが、失敗でさえ同情を買える。陰気ということは、 いかに謹直で誠実であっても、えたいの知れぬ腹黒さを感じさせる。 大久保の「それはご評議になりますまい」という超婉曲的な発言も面白い。 川路のにせ人望家「上に抗して下に人望を求めるもの」「上に向かって申し述べる器量なく、下に向かって上を非とし、下に人望を求めるもの」肝に銘じたい。
征韓論に敗れた西郷は、東京を辞去し鹿児島に下る。西郷を慕う薩摩系士官たちは、続けて西郷を追い東京を去る。政府と旧薩摩が完全に二分する形となり、今後の動静を大きく左右する形成である。
かくして廟堂は開かれ征韓派の勝利かのように思われた。三条実美と岩倉具視の変節に腹を立てた大久保は即刻辞表を提出、ひきこもってしまう。三条は周章の果てに昏倒、太政官代理は岩倉─反征韓派の手にゆだねられることに。形成逆転となった新政府、西郷隆盛はツムジを曲げて鹿児島へ帰ってしまう。それに連なって在京・薩...続きを読む摩ハヤトたちは連袂帰郷…しかし東京に残る薩摩人もいた。川路利良がそれであった…。一方、山県有朋は参議に昇格した伊藤博文にジェラシーして一人で何か運動を起こしているもよう…。この巻では大久保利通の政治観念がおもしろかった。薩摩人たち(桐野利秋の親友・有馬藤太とか、大久保さんに「大ばか者」呼ばわりされた海老原穆)…それに他藩出身者(宮崎八郎トカ)も顔ぶれが多彩でした。
明治維新により、民衆の意識が明確に変化したこと実家した。 ・江戸時代まで士族以外は日本国民という意識はなかった。 ・維新後、民衆に国家感を持たせ、徴兵制等の国防体制を構築するツールが天皇絶対体制であり、機能した。 ・天皇絶対制を軍部が濫用した結末が太平洋戦争であった。
「尊王攘夷」のスローガンで始まった筈の倒幕運動から、明治維新が為ってみたら、幕末からの開国方針が何も変わっていないという、この歴史の流れが、長らく釈然としなかったのだが、これを読んで、漸く腑に落ちたというか――当時の士族達も釈然としなくて、だからあちこちで士族の反乱が起きて、最終的に西南戦争に至った...続きを読むのね、と。しかし、旧支配層の武士は既得権益を取り上げられ、庶民は税金やら兵役やら負担が激増した、この明治維新という大改革が、よく破綻・瓦解しなかったものだという、新たな疑問が湧いてきた。
征韓論激論の末、西郷吉之助さんの東京退去に始まり、岩倉具視右大臣の襲撃事件が発生。山縣有朋や伊藤博文の台頭の様も描かれている。これを読むと今も続く長州閥がこの時から脈々と形成されたと思う。。
来年のNHK大河ドラマは「西郷どん」幕末の主人公西郷隆盛を描くそうなので、司馬遼太郎さんの長編歴史小説「翔ぶが如く」を読み直し始めたが、流石の司馬作品。西郷と大久保の議論は征韓論をめぐって右往左往する。
ひとまず征韓論の是非に決着がつき西郷は野に下る。この決定こそが日本の今後の運命を決める一つであったかもしれない。 主要な登場人物について細かく考察されており、その人物の思想や大義、正義の背景なども少しはわかってくる。 江戸幕府が瓦解し明治は緒に就いたばかりであるが、自国の未来を創るという一人ひとりの...続きを読む正義が強く渦巻く時代であったのだと感じる。
明治維新直後の不安定な時代を描いている。 征韓論から西南戦争にいたる5年間が舞台。 西郷隆盛を始め多数の人物のエピソードと緻密な時代考証にその時代を知る思い。
征韓論争の一面を見ると、西郷の哲学的論理に対して大久保の実務的論理が勝ったということになるのでしょうか。これが現在の官僚制度につながるかるかと思うと中々興味深いです。 小説的には岩倉具視が凄みを見せるシーンが迫力あっていいです。
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