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征台の気運が高まる明治七年、大久保利通は政府内の反対を押し切り清国へ渡る。実権を握る李鴻章を故意に無視して北京へ入った大久保は、五十日に及ぶ滞在の末、ついに平和的解決の糸口をつかむ。一方、西郷従道率いる三千人の征台部隊は清との戦闘開始を待ち望んでいた。大久保の処置は兵士たちの失望と不満を生む。
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Posted by ブクログ
大久保は火消しに大忙し 従道は台湾で我慢大会 八郎はルソーに触れる 西郷さんは.......畑仕事? ゆっくりと濃密に流れる明治7年から 徐々に反政府気分の地鳴りが高まる明治8年へ みんな必死なのに上手く行かないのがもどかしい。
明治7年、大久保利通が清国で繰り広げた外交劇は非常に印象的だ。平行線の交渉の場をあらゆる手段を用いて粘り強く挑むその姿には感動を覚える。どのような辛い立場であっても糸口を見つけるために頑なに挑み続けている一面を劇的に描いている。 外交に限らず交渉において妥協をせずに自分の目標・目的に少しでも近づけ...続きを読むるように努力することの大切さをしみじみと感じた。
大久保の、台湾出兵に関する交渉が中国と行われ、非戦の結果となる。彼の交渉能力は抜群である。この結果を良しとしないのは、清との戦争を期待していた士族たちであり、彼らの鬱憤はたまるばかり。政府との軋轢は徐々に大きくなっていく。
大久保利通がはるばる清国までいって李鴻章と談判する巻。もしかしたら清と戦争になっちゃうかも?ならないかも?やっぱりなっちゃうかも??果たして大久保利通の腹のうちは如何?教えて、大久保さん★ 大久保さんの寡黙さが周囲に不安を与えまくっている様子が可笑しい。結果から言えば戦争にはならなかったわけですが、...続きを読む台湾の先住民が日本人を殺害した件で清国(台湾の宗主国)から賠償金をゆすり取ろうとしてるヤクザな日本は無茶。木戸孝允は「清と戦争になったら日本は大挙して北京を攻撃できたとしても、その地にずっと拠有できるワケないよ」ということを仰っていますが、これは見事な予言です。のちの太平洋戦争までこの予言は常に的中することになるのですから。陸軍では谷干城が登場。台湾出兵にホイホイついてった宮崎八郎との邂逅。ルソーの思想の蔓延・社会主義に沸騰の兆し。中江兆民デターーー!!変人!変人!! 「明治八年・東京」の章では…大阪会議がおもしろすぎる!!必死に木戸孝允を政府へひっぱり込もうとする大久保さんが可笑しい。伊藤博文は媒酌人。木戸さんは良い迷惑。「大久保に待受けられ、直に突入、是には随分困り申し候……例のねばりづよく……」のコメントには爆笑した。
この時期、ルソー・中江兆民の民約論が持つ影響力の大きさ。フランス・アメリカにおける革命において、ルソーの影響力の大きいことか。 日本における維新壮士たちのエネルギーが自由民権運動に向かうはずだ。 ・下級武士による幕府転覆(明治維新) ・維新政府への失望不満 ・有り余る革命エネルギーの矛先として 征...続きを読む韓論、自由民権運動 ・維新政府を支える大久保の孤独な先見性と独裁、 征台時の目を見張る行動力 やはり、戦前の日本の土台を作ったのは大久保だ。
ここまで読み進めてきた中では一番面白かった。 特に大久保利通の外交シーン、ビジネスにもつながると思い同僚に勧めてしまった
「尊王攘夷」のスローガンで始まった筈の倒幕運動から、明治維新が為ってみたら、幕末からの開国方針が何も変わっていないという、この歴史の流れが、長らく釈然としなかったのだが、これを読んで、漸く腑に落ちたというか――当時の士族達も釈然としなくて、だからあちこちで士族の反乱が起きて、最終的に西南戦争に至った...続きを読むのね、と。しかし、旧支配層の武士は既得権益を取り上げられ、庶民は税金やら兵役やら負担が激増した、この明治維新という大改革が、よく破綻・瓦解しなかったものだという、新たな疑問が湧いてきた。
大久保利通が北京に談判に行くところから宮崎八郎が評論新聞社に入社するまでの第5巻。相変わらず進行が遅く娯楽読み物というより歴史教科書といった体です。 前半の大久保外交は交渉力が凄いですね。ことを優位にすすめるには多弁にならず我慢する駆け引きも大事なのかな。胆力がかなり必要で常人には出来かねるでしょう...続きを読むけど。 宮崎八郎の話は余談かと思って読み進めるとルソーの民役論と中江兆民に繋がるのでもはや新展開の様相で、西郷隆盛は出番なし。 専制政治、共和制政治、元老院、三権分立と、終盤は政治の勉強モードとなりしんどく感じられたが、読後感は知的好奇心を満たして悪くないです。
征台論の機運の高まりのなか、大久保利通は清国へ渡る、李鴻章との交渉を行わずに平和的解決を模索するが・・・。
在野の不平分子を考慮した事実上大義のない征台を実施する。 しかし撤兵するためには、この征台を義のあったものと清国側に認めさせ、しかも派兵のための賠償金を清国側から出させるという力技をもってして外交に臨んだ大久保は、ある程度満足のいくかたちで終結させた。力技を建前上だけでも成功裡に導いた執拗さと周到さ...続きを読むは見事といってよいだろう。 この明治がはじまって十年と経たない頃は、果たして維新の本来の目的は何だったのだろうかとも思わせられる時代だ。 国家が大きく動こうとするとき、大きく進歩しようとするときの舵取りは後の時代になってみないと正解は分からないのかも知れない。いや、もしかすると後の時代になっても分からないのかも知れない。
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