熊本めざして進軍する政府軍を、薩軍は田原坂で迎えた。ここで十数日間の激しい攻防戦が続く。薩軍は強かった。すさまじい士気に圧倒され、政府軍は惨敗を重ねた。しかし陸続と大軍を繰り出す政府軍に対し、篠原国幹以下多くの兵を失った薩軍は、銃弾の不足にも悩まされる。薩軍はついに田原坂から後退した――。
Posted by ブクログ 2009年11月01日
全巻通読後のレビュー。
全10巻という超大作であるが、もともと毎日新聞に連載された小説であるから、多々同じ記述が見られる。
しかしながら、明治維新後の日本の姿を鳥瞰的手法で世界史と関連付けて論じられている点で、日本近現代の始まりを理解する際の基礎理解には最適の入門書であると考える。
島津...続きを読む
Posted by ブクログ 2009年10月04日
戦も終局が見えてきた。
西郷率いる薩軍が、政府軍によって徐々に後退させられていく。
その中で、戦に命を賭す、士達が感動的だ。
何かに命を懸けられるというのは、強いエネルギーを秘めているだろう。
もちろん、今は命を賭してとは言えないだろうが、それに近いものをもって打ち込んでいくべきだろう。
行動を...続きを読む
Posted by ブクログ 2009年10月04日
まず、西南戦争がどの様なものだったか知らない人。僕の様にうっすらとしか知らない人は是非この本を読んで下さい。長いですけど、西南戦争の意味と西郷隆盛が分かります。西南戦争は序盤こそ薩摩有利でしたが、徐々に明治政府軍に押され始めます。その明治政府軍の模様や設立した背景など、細かく時代背景と共に書かれてお...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年09月10日
「尊王攘夷」のスローガンで始まった筈の倒幕運動から、明治維新が為ってみたら、幕末からの開国方針が何も変わっていないという、この歴史の流れが、長らく釈然としなかったのだが、これを読んで、漸く腑に落ちたというか――当時の士族達も釈然としなくて、だからあちこちで士族の反乱が起きて、最終的に西南戦争に至った...続きを読む
Posted by ブクログ 2018年05月04日
私学党の決起による西南戦争勃発からその激戦を経て薩摩軍の宮崎地方への潰走までの第9巻。西南戦争の生々しい経緯が様々な資料を元に描かれていてまさに歴史資料の感かある。
桐野、篠原、桐野等幹部の無能、と言うよりは薩摩隼人気質と、西郷の沈黙が事態を悪化させていく。村田新八や永山弥一郎のような逸材を含む多数...続きを読む
Posted by ブクログ 2015年12月03日
激戦を極めた田原坂の戦いも終わり政府軍の圧倒的物量によって、薩摩軍の先行きも暗くなってきた。
西郷その人の心境も気になるところであるが、桐野利秋の心持ちは如何であっただろうか。
維新に大功ある薩摩旧士族達がこれだけ固陋な思想以外は受け入れずに西南戦争を戦っていたことが驚きである。
維新は成し遂げたが...続きを読む
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