【感想・ネタバレ】翔ぶが如く(五)のレビュー

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Posted by ブクログ 2013年08月10日

大久保は火消しに大忙し
従道は台湾で我慢大会
八郎はルソーに触れる

西郷さんは.......畑仕事?

ゆっくりと濃密に流れる明治7年から
徐々に反政府気分の地鳴りが高まる明治8年へ

みんな必死なのに上手く行かないのがもどかしい。

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Posted by ブクログ 2010年03月08日

明治7年、大久保利通が清国で繰り広げた外交劇は非常に印象的だ。平行線の交渉の場をあらゆる手段を用いて粘り強く挑むその姿には感動を覚える。どのような辛い立場であっても糸口を見つけるために頑なに挑み続けている一面を劇的に描いている。

外交に限らず交渉において妥協をせずに自分の目標・目的に少しでも近づけ...続きを読むるように努力することの大切さをしみじみと感じた。

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Posted by ブクログ 2009年10月07日

大久保の、台湾出兵に関する交渉が中国と行われ、非戦の結果となる。彼の交渉能力は抜群である。この結果を良しとしないのは、清との戦争を期待していた士族たちであり、彼らの鬱憤はたまるばかり。政府との軋轢は徐々に大きくなっていく。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

大久保利通がはるばる清国までいって李鴻章と談判する巻。もしかしたら清と戦争になっちゃうかも?ならないかも?やっぱりなっちゃうかも??果たして大久保利通の腹のうちは如何?教えて、大久保さん★ 大久保さんの寡黙さが周囲に不安を与えまくっている様子が可笑しい。結果から言えば戦争にはならなかったわけですが、...続きを読む台湾の先住民が日本人を殺害した件で清国(台湾の宗主国)から賠償金をゆすり取ろうとしてるヤクザな日本は無茶。木戸孝允は「清と戦争になったら日本は大挙して北京を攻撃できたとしても、その地にずっと拠有できるワケないよ」ということを仰っていますが、これは見事な予言です。のちの太平洋戦争までこの予言は常に的中することになるのですから。陸軍では谷干城が登場。台湾出兵にホイホイついてった宮崎八郎との邂逅。ルソーの思想の蔓延・社会主義に沸騰の兆し。中江兆民デターーー!!変人!変人!!
「明治八年・東京」の章では…大阪会議がおもしろすぎる!!必死に木戸孝允を政府へひっぱり込もうとする大久保さんが可笑しい。伊藤博文は媒酌人。木戸さんは良い迷惑。「大久保に待受けられ、直に突入、是には随分困り申し候……例のねばりづよく……」のコメントには爆笑した。

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Posted by ブクログ 2024年05月11日

ここまで読み進めてきた中では一番面白かった。
特に大久保利通の外交シーン、ビジネスにもつながると思い同僚に勧めてしまった

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Posted by ブクログ 2023年09月10日

「尊王攘夷」のスローガンで始まった筈の倒幕運動から、明治維新が為ってみたら、幕末からの開国方針が何も変わっていないという、この歴史の流れが、長らく釈然としなかったのだが、これを読んで、漸く腑に落ちたというか――当時の士族達も釈然としなくて、だからあちこちで士族の反乱が起きて、最終的に西南戦争に至った...続きを読むのね、と。しかし、旧支配層の武士は既得権益を取り上げられ、庶民は税金やら兵役やら負担が激増した、この明治維新という大改革が、よく破綻・瓦解しなかったものだという、新たな疑問が湧いてきた。

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Posted by ブクログ 2018年02月12日

大久保利通が北京に談判に行くところから宮崎八郎が評論新聞社に入社するまでの第5巻。相変わらず進行が遅く娯楽読み物というより歴史教科書といった体です。
前半の大久保外交は交渉力が凄いですね。ことを優位にすすめるには多弁にならず我慢する駆け引きも大事なのかな。胆力がかなり必要で常人には出来かねるでしょう...続きを読むけど。
宮崎八郎の話は余談かと思って読み進めるとルソーの民役論と中江兆民に繋がるのでもはや新展開の様相で、西郷隆盛は出番なし。
専制政治、共和制政治、元老院、三権分立と、終盤は政治の勉強モードとなりしんどく感じられたが、読後感は知的好奇心を満たして悪くないです。

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Posted by ブクログ 2018年01月03日

征台論の機運の高まりのなか、大久保利通は清国へ渡る、李鴻章との交渉を行わずに平和的解決を模索するが・・・。

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Posted by ブクログ 2015年11月11日

在野の不平分子を考慮した事実上大義のない征台を実施する。
しかし撤兵するためには、この征台を義のあったものと清国側に認めさせ、しかも派兵のための賠償金を清国側から出させるという力技をもってして外交に臨んだ大久保は、ある程度満足のいくかたちで終結させた。力技を建前上だけでも成功裡に導いた執拗さと周到さ...続きを読むは見事といってよいだろう。
この明治がはじまって十年と経たない頃は、果たして維新の本来の目的は何だったのだろうかとも思わせられる時代だ。
国家が大きく動こうとするとき、大きく進歩しようとするときの舵取りは後の時代になってみないと正解は分からないのかも知れない。いや、もしかすると後の時代になっても分からないのかも知れない。

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Posted by ブクログ 2014年08月14日

大久保利通の執拗さが、頼もしくも恐ろしい。後世からの不人気さは致し方ないところか。

明治維新後の日本が、いかに頼りなかったかが心に沁みる司馬遼太郎の名作。もっと評価されていい小説である。

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Posted by ブクログ 2013年08月25日

明治維新直後の不安定な時代を描いている。
征韓論から西南戦争にいたる5年間が舞台。
西郷隆盛を始め多数の人物のエピソードと緻密な時代考証にその時代を知る思い。

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Posted by ブクログ 2010年03月14日

善悪は別として、今の政治家に大久保利通のような信念と凄みを兼ね備えた傑物がいるだろうか。民主党の平成維新って言葉の遊びにすぎない。今の政治にはなにも期待できない。

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Posted by ブクログ 2009年11月01日

全巻通読後のレビュー。

全10巻という超大作であるが、もともと毎日新聞に連載された小説であるから、多々同じ記述が見られる。

しかしながら、明治維新後の日本の姿を鳥瞰的手法で世界史と関連付けて論じられている点で、日本近現代の始まりを理解する際の基礎理解には最適の入門書であると考える。

島津...続きを読む久光という超保守派の考え方から、維新を支えた革新派の面々の考え方が手に取るように分かる小説である。重要なのは士族の不満、百姓の不満がどのようなものであったか、であるが、それもこの小説では網羅されている。


物語は維新開始直後から、西南戦争(明治10年)を経て翌年の紀尾井坂の変(大久保の死)、さらに川路利良の病没までを描く。

明治維新は天皇の威を借りた王政復古という形でスタートした。それが後に軍の独走いうものを招くが、この時点ではそうせざるを得なかったということも、小説中で書かれている。

後の日本を支えていく山県有朋、伊藤博文、板垣退助、軍人で乃木希典、川村純義などが登場する。

西南戦争は8巻の半ばくらいから始まる。桐野、篠原ら薩摩隼人に担がれた西郷、悲劇のような最後の激闘である。西郷が桐野や篠原といった兵児(へこ)を最も愛し、彼らと生死をともにしたことは、西郷をうかがい知る上で、見逃せない点である。

西南戦争の中身についての描写は一流である。

時間がない方にも、8~10巻は読むことをお勧めしたい。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

司馬遼太郎に初チャレンジした作品。が、10作もあり読むのに2ヶ月超もかかってしまったww
舞台は戊辰戦争後の明治初期。西郷隆盛を大きな軸として揺れ動く日本政府の動向をあらゆる人物の観点から追っている。よくもここまで調べたなって感心してしまう

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

大久保利通の外交術を主題として取り扱っている。
圧倒的に不利な立場で、征台の正当性を認めさせ、その兵費の賠償金を出させるという無理難題を呑ませるという離れ業をやってのける。戦争を掛け物にして、九割九部外交の果実だけを勝ち取る確信があったという。
西郷はあっさり諦め、大久保はひつこくくいさがる性質が比...続きを読む較される。
清国の実質的権力者である李鴻章を無視し、外交本部に直談判しにいくという出鼻のくじき方が爽快だ。
まともに行っても、うやむやにしてくるタイプには、相手の最終意思決定機関に飛び込み、
単刀直入に要件を切り出し、論点がずれないよう、また出た言葉について、一つ一つ言質をとり、つかんではなさない姿勢が大事だ。
会議は終始水掛け論だが、話を長引かせ、相手の矛盾をつき、自分の正当性を地道に訴えて、糸口を探るしかないのである。
そして、相手が折れたらすぐには飛びつかず、また拒否もせず態度をあいまいにして、話題をそらしてみるテクニックが使われている。
また、会議の当事者だけでなく、英国公使や顧問を裏で調整させ、仲裁させていくことも必要である。
メンツも意識しながら、相手を追い詰めすぎないよう信義も醸し出す配慮を見せている。
終始本音は言わず、遠回しに伝えることで、相手のペースに乗らないことも外交にここまで役立つとは思わなかった。
谷干城の宮崎八郎への言葉「旧幕府は変わりようもない政権だったが、いまの政権はたとえ百時よからぬことがあっても、変わる可能性のある政権である、君たちが変えてゆけばよいだけであり、転覆させたところでどうにもならぬ」
この巻より、宮崎八郎が主役になり、ルソーの民約論が出てくる。
古学「具体的・実証的」荻生徂徠・朱子学「抽象的」
肥後県令安岡良亮、新撰組近藤勇を斬首刑
植木学校。中江兆民、森有礼
安藤昌益、ルソーと近い思想。江戸中期
ミル自由論
評論新聞海老原穆

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

台湾に侵攻した日本は、大久保に全権を持たせ清国との交渉を開始した。
交渉決裂すれば即戦争という状況の中、英国の奔走により、軟着陸する。
この外交が国内の不平士族には、弱腰に映り、また自由民権という思想も各処で芽生え始め、内乱の緊張感が高まる。

2008/03/18

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

小説で連載物は中身の要約するのがちょっと難しいので、感じたことを記しておきます。

徐々に明治維新を実施した人々の魅力というのに惹かれてきている。
このころの日本と言うのは、各自が大儀を持っていた。
これが、日本が日本であることの証拠なのではないだろうか。
西洋化が進むことで、意識の伝承はマニュアル...続きを読む化され、その奥に潜む信念というのが伝わらなくなってきていないだろうか。

この信念を教えるのが、倫理であり道徳であるはずだかが、今の日本の学校教育ではこういった授業は軽視している。
今は道徳って無くなったんだっけ?
どちらにしても、道徳教育において、日本(中国)の哲学というのを教えるべきじゃないだろうか?

少なくとも、今の親の年代に、過程において信念を伝えるのを期待するのは難しいだろうから、塾代わりの教室が必要なのかな。

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Posted by ブクログ 2018年07月06日

「翔ぶが如く(5)」(司馬遼太郎)を読んだ。

『日本の明治維新そのものが、人類が共有すべき普遍的な思想を拠りどころにして成立したのではなかった。』(本文より)
明治維新というものに対して私は誤った認識を抱いていたのかもしれないな。

西郷どんも謎だけど大久保利通もまた謎である。

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Posted by ブクログ 2018年04月08日

台湾出兵の後始末から撤兵、民権運動の興り。

余談の多さ、重複のしつこさ、変わらず。
ただ、やっぱり微妙な文章表現は刮目すべき所多々あり。
また中江兆民が非常に魅力的だ。聖俗合わせもち、かつ無垢であるところが。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2017年04月10日

この巻のキーワード、台湾出兵・大久保利通と清国との交渉、宮崎平八郎・熊本に帰省・東京へ陳情のために出て海老原、千絵との出会い。話があちらこちらに飛んで非常に読みにくいのだが、歴史の出来事の過程が事細やかに詳しく書かれているのでタメになる。大久保利通の台湾出兵→清国との交渉は、国内事情はどうあれ、因縁...続きを読むをつけてお金を巻き上げるという風にしかとらえることが出来ない。読んでいて複雑な気分になる。国内は三条・岩倉・大久保寡占政府に反対する勢力が色々と出てき始める風潮。これからどうなるのか?。感想はこんなところです。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年02月09日

一部のノリの良い下級武士出身者がフィーリングで運営していた明治政府がいかにテキトーであったかがわかる本。

一例を挙げると、各地に贅を尽くした高そうなお庭を作りまくった長州の山縣有朋さんは、やっぱり汚職しまくってるし、権力主義の成りあがりだったっぽい。

この巻は、西郷隆盛さんが征韓論で下野したあと...続きを読むに不平士族を慰安すべく台湾に乗り出した顛末記でした。

なので、西郷さんは全然出てきません。
メインは大久保利通さんの巻でした。

西郷隆盛さんの征韓論は潰したくせに、その弟の従道さんをトップに台湾に押し入る(名目は遭難した琉球人が台湾の高砂族に殺されたことに対する報復)だなんて、支離滅裂な政権運営がよくわかる巻だったよ。

日本は対外的には国際常識を知らない粗暴なガキの国だと思われ、対内的には不平士族の不満が今回の征台論の顛末でますます膨れ上がり、まさに「内憂外患幕末よりヒドいんじゃない?」状態になっていました。

まぁ、司馬史観に関してはいろいろ言う人もいるけれど、資料を精査したうえでの一説と考えれば良いと思います。

九州に石高の大きい大名が多いのは薩摩島津を押さえるためで、特に隣国の熊本はそのために54万石だったとか(それでなければ熊本城もなし?)

世界の紛争種まき国家のイギリスが、征韓論に関しても自分たちの利権がある清に手を出されたくないので協力するよとススメてきたとか…。

いろいろお勉強になるなぁ!

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Posted by ブクログ 2015年01月20日

前半は、台湾征討の後始末のために北京に赴き、清国を相手に粘り強い交渉をおこなう大久保利通を扱います。後半は、台湾への徴収隊の一員として参加し、帰国後は中江兆民によって紹介されたルソーの民権思想に傾倒した宮崎八郎の軌跡を追っています。

今回のストーリーは、西郷の動向からやや離れていますが、大久保の政...続きを読む治家としての能力と、若き宮崎の情熱がていねいに描かれているように思いました。

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Posted by ブクログ 2013年08月29日

昨年、司馬遼太郎の「坂の上の雲 全8巻」を読みました。

坂の上の雲の中ですごく気になったのは、司馬遼太郎が描く薩摩藩型のリーダーシップ。
ネット上での解説を少し転載します。


明治時代も終わりに近づいた頃、ある座談会で、明治の人物論が出た。
ある人が「人間が大きいという点では大山巌が最大...続きを読むだろう」と言ったところ
「いや、同じ薩摩人だが西郷従道の方が5倍は大きかった」と反論する人があり
誰もその意見には反対しなかったという。

ところが、その座で、西郷隆盛を実際に知っている人がいて
「その従道も、兄の隆盛に較べると月の前の星だった」と言ったので、
その場の人々は西郷隆盛という人物の巨大さを想像するのに、気が遠くなる思いがしたという。




西郷従道(つぐみち)は「ウドサァ」である。薩摩藩(鹿児島)の典型的なリーダーの呼ばれ方である。
本来の語意は「大きい人」とでもいうようなものだ。
従って、西郷隆盛などは、肉体的にも雄大で、精神的にも巨人であるという点で、
まさに「ウドサァ」を体現した男であると言えよう。

薩摩藩型リーダー「ウドサァ」の手法は二つある。まずは最も有能な部下を見つけ
その者に一切の業務を任せてしまう。
次に、自分自身が賢者であろうと、それを隠して愚者のおおらかさを演出する。阿呆になりきるのだ。
そして、業務を任せた有能な部下を信頼し、自分は部下が仕事をしやすいように場を平らげるだけで、後は黙っている。
万が一部下が失敗するときはさっさと腹を切る覚悟を決める。これがウドサァである。



日本人はこのリーダーシップのスタイルに対してあまり違和感を持っていないと思う。

日本の組織のトップはリーダーというよりは殿様なのだ。殿様は知識やスキルではなく人徳で勝負。
細かいところまで口を出す殿様は
家老に 「殿!ご乱心を!」とたしなめられてしまう。

でも、このリーダーシップのスタイルは世界のスタンダードではないと思う。
世界の卓越したリーダー達で「ウドサァ」みたいなスタイルだった人を私は知らない。
スキピオ、ジュリアスシーザー、アレキサンダー大王
ナポレオン、リンカーン ・・・ ビルゲイツもジョブズも孫正義も
部下に仕事を任せはするが、後は黙っているなんて事は絶対にない。

古代中国の劉邦と劉備は「ウドサァ」かもしれない。(だから日本で人気がある?)

私も大きな組織で働いているが
トップに非常に細かいことまで指示される事を想像すると辟易してしまう。
そのくせ、「トップの方針が明確でない」みたいなことを言ってみたりもする。 どないやねん!


1年以上かけて、ようやく全10巻を読破しました。

いや〜〜長かった。
面白かったけど、やっぱり長いよ司馬さん。

「翔ぶが如く」本線のストーリーは、征韓論から西南戦争に至るまでの話なんですが、水滸伝のように、周辺の人物の描写や逸話に入りこんでしまって、本線のストーリーが遅々として進まない。。

新聞小説の連載だからなのかもしれないが、ふだんノンフィクションの実用書ばかり読んでる身としては、かなりじれったかった。

本線のストーリーだけ書けば、半分ぐらいの頁数で済むのでは?
と思ってしまいました。

[読んで思ったこと1]
本書を読み「薩摩藩型のリーダーシップ」について理解するという当初の目的は果たせませんでした。
著者にとっても、西郷隆盛という人物は、スケールが大き過ぎて掴みどころのない存在のようでした。特に征韓論以降の西郷隆盛は、現在の我々からは訳がなかなか理解し辛い事が多いです。

しかし、リーダーシップとは何かという事について、いろいろと考える事ができました。昨年一年間かけて考えた、私なりのリーダーシップ論は、後日別のエントリで纏めようと思います。

[読んで思ったこと2]
西南戦争は、西郷隆盛を担いだ薩摩藩の壮士と、山縣有朋が徴兵して編制した政府軍との戦いでした。

当時の薩摩藩は古代のスパルタのような軍事教育国家であったため、壮士達は世界最強の兵士とも言える存在でした。
しかし兵站という考え方がほぼ皆無に近かった。

一方で政府軍の鎮台兵は百姓出身者が大半であり、本当に弱く、戦闘となるとすぐに壊乱してしまう有様でした。
しかし、山縣有朋の綿密な軍政準備により、予備兵・食糧・弾薬などの後方支援が途切れる事は無かった。

両者が激突するとどうなるのか。
短期的には薩摩藩が圧倒的に有利なのですが、戦いが長期的になつてくるとジワリジワリと政府軍が有利になってくる・・・

古代ローマ帝国とカルタゴのハンニバルの戦いを見るようでした。

いや、普段の仕事についても同じ事かなと思いまして。

仕事でも、短期的に物事をガーと進められる人に注目が集まりますけど、さまざまな兵站をキッチリ意識して、長期的に組織的に物事を動かせる人の方が最終的な結果に結びつくのかなと。

この間、絶好調のアップルの決算発表がありましたが、今のアップルの収益性を支えるサプライチェーンとロジスティクスの仕組みを確立したのは、現アップルCEOのティム・クック氏だとの事。

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Posted by ブクログ 2013年02月09日

前半終了の第5巻。薩摩や西郷隆盛の出番はほとんど無し、大久保利通の外交交渉がメイン。この交渉での戦争回避が、この後の西南戦争につながるわけです。それにしても大久保利通の行動力、政治力は現在の政治家にも見習ってもらいたいものです。

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Posted by ブクログ 2013年01月07日

【本83】征台論決着。大久保の外交は圧巻だが、ちょっと強引。もっとも背景が背景なだけにしょうがないのだろうか。後半部分は宮崎に焦点が当たるのだが、これは著者の趣向だろう。

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Posted by ブクログ 2015年03月11日

 琉球人が台湾に住む蛮族の手により殺傷された。武力解決を望まない大久保が、大清国に乗り込み外交により解決を図る。大清国と日本の両国の思惑と利害においてぎりぎりの決着だった。当時の情勢を見ると琉球は両国に貢ぎものを献上している関係から、自国民同士の争い事とだと清国が突っぱねることもできたのだそうだ。歴...続きを読む史とは不思議なもので、この事件後、琉球は日本の領土であることを暗黙に了解され、今に至るわけである。

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Posted by ブクログ 2011年10月25日

激変の時代だけに物語のボリュームが凄い。

種々雑多な人々をその人の思想の背景まで詳しく供述している。

もはや、小説でなく、大説です。。

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Posted by ブクログ 2012年11月29日

征台騒動終息。宮崎八郎評論新聞入社まで。明治政府のゴタゴタ、大久保利通の対清交渉など話の内容は面白いのだが、司馬遼臭が鼻について長く読めない。

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Posted by ブクログ 2011年04月27日

征台問題で大久保が清国へ交渉に乗り出す。その後、宮崎八郎に主軸が移るが、入れ替わり立ち替わり人物が登場し頭の整理がつかなくなる。ときには筆者現在の視点で書かれている箇所もあり、小説の体をなしていないかもしれない。
なかなか読み進める事ができず、まるで坂道を自転車で進むようでした。

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Posted by ブクログ 2009年11月28日

遅まきながらこの革命にやがて思想性を付加しようとする運動がおこるのだが、しかしすでに革命を遂げて権力を握った太政官政府にとっては、遅くやってきた思想などは、邪魔物か、敵でしかない(237頁)

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