司馬遼太郎のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
1965年連載の、司馬遼太郎さんの小説。舞台は幕末。主人公は架空の人物です。珍しいですね。
司馬さんの小説の中では、「初期の終り」みたいな時期でしょうか。
#
主人公は天堂晋介。長州藩士。と言っても下層、ほぼ農奴のような出身。
この人が、実は超絶な剣の使い手。
高杉晋作に見いだされ、幕末の混乱期の京都で、「長州の殺し屋」として新選組などを向こうに回して、殺人を繰り返す大活躍…という内容。
史実で、「薩摩の中村半次郎」「土佐の岡田以蔵」は「人斬り」として有名ですが、長州藩はそういう人物が伝わっていない。
そんなところに着目して書かれた小説なのでしょう。
なんだかんだと土方歳三あたりと -
Posted by ブクログ
1965年連載の、司馬遼太郎さんの小説。舞台は幕末。主人公は架空の人物です。珍しいですね。
司馬さんの小説の中では、「初期の終り」みたいな時期でしょうか。
#
主人公は天堂晋介。長州藩士。と言っても下層、ほぼ農奴のような出身。
この人が、実は超絶な剣の使い手。
高杉晋作に見いだされ、幕末の混乱期の京都で、「長州の殺し屋」として新選組などを向こうに回して、殺人を繰り返す大活躍…という内容。
史実で、「薩摩の中村半次郎」「土佐の岡田以蔵」は「人斬り」として有名ですが、長州藩はそういう人物が伝わっていない。
そんなところに着目して書かれた小説なのでしょう。
なんだかんだと土方歳三あたりと -
Posted by ブクログ
【あらすじ】
西郷隆盛と大久保利通―ともに薩摩に生をうけ、維新の立役者となり、そして今や新政府の領袖である二人は、年来の友誼を捨て、征韓論をめぐり、鋭く対立した。
西郷=征韓論派、大久保=反征韓論派の激突は、政府を崩壊させ、日本中を大混乱におとしいれた。
事態の収拾を誤ることがあれば、この国は一気に滅ぶであろう…。
【内容まとめ】
1.もはや西郷vs大久保の一騎打ち。誰も間に入れない。
2.公卿はこの2人の前では無能
3.明治初期の時代、薩摩隼人がヤバすぎる。能力が高すぎる
【感想】
この時代において、薩摩隼人の影響力の高さは半端がない。
そしてその勇ましさはもはや野人。怖すぎる・・ -
Posted by ブクログ
ネタバレこれまでの蔵六には、情熱の対象が明確であった。人間ではなく、科学と技術である。かれは、オランダ文字をたどることによって、この未見の世界をすこしずつひらき、かれの頭のなかに、ほかの日本人にはない風景をつくりあげた。そこにはニュートンの力学であり、解剖台上の臓腑があり、蒸気機関のパイプとメーターがあり、そして曠野に進退する大群と砲声があり、このかれの頭脳のなかの風景のなかにかれは棲みに棲んで、飽くところを知らなかった、自然、生きた人間どもの誰彼に興味を薄くしかもたなかった。
そういう蔵六のことをお琴は、
「とんぼ獲り」
と、規定してしまっているが、蔵六にすれば、かれは自分の頭脳のなかの風景を追 -
Posted by ブクログ
(01)
媒体は週刊朝日,本書収録分は1973年から75年頃に取材され,記述され,掲載されたものである.三重,滋賀,大阪,奈良,兵庫(淡路),島根,岡山などへの旅の記録であるが,筆はもちろん周囲の地域や,海や島,半島や大陸へと及んでいく.
彼らの旅行は,著者のほかにも,挿画家,編集者などのほかに,ところどころの郷土史家(*02)が伴われ,取材や描写は,経営者をはじめ,道で出会った人,そこで働く人たちまでに及ぶ.
昭和50年代にかけては,鉄道やバス,旅客船など,ひととおりの公共交通手段も整っていたであろうが,彼らは主に自動車での移動を試みている.
こうした条件のもとに描かれる風景は,それでもなお -
Posted by ブクログ
昭和30年。まだ記者だった司馬遼太郎さんが書いたサラリーマン向けエッセイが新書になったとのことで、読んでみました。
時代感タップリ。まだ戦後で貧しかった日本。社会保障も十分ではなく、家制度も残っていた。そんな時代のサラリーマンは、日々、黙々と働くだけの存在ではありながら、毎月の給料にありつけ、苦労と引き換えに安定した生活が得られるという立場。司馬さんは、あわてず、くさらず、淡々とそんな立場を享受せよと説く。現代のビジネス環境とは大きく異なるため、そのまま参考にはならない内容もあるが、ナルホドね、というサラリーマン道の示唆は多く、気軽に楽しめる1冊。