【感想・ネタバレ】義経(上)のレビュー

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ 2022年03月11日

読みやすくて面白い。
鎌倉殿の13人を見ているので頭の中を整理したくて読み始めました。
歴史って面白い。

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Posted by ブクログ 2021年08月30日

私が初めて手に取った司馬遼太郎作品です。
著名ではありましたが、小難しい言葉で歴史を語る教科書の様な歴史小説の苦手イメージが、司馬遼太郎さんのこの一冊で払拭されました。とても読みやすく、面白く、その当時単純な私は義経の大ファンになりました。

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購入済み

さすがは司馬遼太郎

2020年06月30日

日本人がこれまで飽きるほど見たり聞いたりしてきた義経物語だが、司馬氏のてにかかるとここまで秀逸で欣快の書物となるのであろうか。

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Posted by ブクログ 2017年09月28日

軍神と称された幼稚な義経の物語。多くの点において、自らを重ねるところあり、政治感覚の無さ、他者への気持ちのわからなさ、自分を正しいと思う、思い込みの強さ、自らを重ねるようである。

しかし、痛快な30年弱の人生であっただろう。
初陣から壇ノ浦まで、古今類を見ない奇跡的な勝利、それはこの時代になかった...続きを読む
戦術、策、を用いた初めての戦いであり、またそれにより価値、勝てない戦を勝って、英雄となった。

鎌倉が恐れること、仲間だと思っていた身内が恐れることを「まったく」分からなかった。
その純粋さ、つまり「親のかたき討ち」以外には思いを寄せることが出来なかったことが、
結果、さわやかで痛快な、そして悲壮な人生を創造し、永久に忘れられない青春となった。

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Posted by ブクログ 2017年06月16日

機動戦士ガンダム。アムロ・レイ。zガンダム。カミーユ・ビダン。シャア・アズナブル。
うーん。彼らの原型が、「源九郎義経」だったとは。
ガンダムファン、必見、必読の作品だと思いました。



司馬遼太郎さん「義経」(文春文庫、上下)。1968年発表だそうです。

これは、面白い。

つまり、司馬遼太...続きを読む郎版の「平家物語」なんですね。

平清盛の栄華から。
少年義経の放浪。
頼朝の挙兵、木曽義仲の挙兵。
富士川の戦い、宇治川の戦い。木曽義仲の敗死。
一の谷の戦い、屋島の戦い、壇ノ浦の戦い。義経の絶頂。
義経と頼朝の対立、腰越状。
そして、義経の没落まで...。

いわゆる「源平」の美味しいところをわしづかみにした、上下巻です。



この小説と、「街道をゆく 三浦半島記」を読むと、立体的に判ってくるのが、司馬さんの解説する「鎌倉時代」というものです。

平安時代までは、基本の土地所有の仕組みがどうなっていたかというと。
つまり、日本全国の土地は全て、「政府=朝廷」のものだったんです。
ただこれは当然、徐々に形骸化していきます。
どうしてかというと、朝廷という言葉の中身が、実力者が、徐々に藤原一門にスライドしていきますね。
そうすると、藤原一門は、簡単に言うと私有財産が欲しい。私有地が欲しい。

そこで、新たに開発した新田などを、「荘園」として、一部貴族が所有できるようにしました。
これが味噌で、特殊例外以外は、「土地私有」が認められていなかったんですね。

さて、東国、関東を中心に、徐々に技術が進み、新しい田畑が増えていきます。
これを新田開発した、開発農民たちは、地域でのいざこざを日々乗り越えるために、たくましく武装します。
そして、一族で新たに開発した土地に執着します。必要なら戦います。「一所懸命」。

これが、武士の誕生です。

ただし、この武士たちは、頑張って新田開発しても、制度上、土地を私有できなかったんですね。

自分たちの親分にお願いをする。
お願いされた親分は、京都の貴族たちのところに行って、召使のような奉公をする。それも、ノーギャラで。
そうやってぺこぺこして、ようやっと、自分たちの田畑の、管理権みたいなものを認めてもらう。
かろうじて、「管理権」な訳です。

ところが、もう実際に現地で武力を持って土地を守って、耕作して収穫まで、一切は土地の農民=つまり武士、が経営している訳です。

なんだけど、貴族に、つまりピンハネされる。
みかじめ料みたいなものです。
それも、相手は物凄く威張ってて。見下される。

これは、おかしいなあ、と。改革が、革命が必要なんぢゃないか。
不満が溜まっていたわけです。
(恐らく、平将門の乱なども、こういう現象の延長にあるのでしょう)



大事なのは、この不満を取りまとめた英雄が、「朝廷=京都=貴族」というシステムと、決別することなんですね。

平清盛がそうですが、武士の大将が京都で実権を握っても、「貴族化」してしまったら、意味が無い。
「藤原」が「平氏」に代わるだけで、仕組みが変わらない。

仕組みを変えるためには、「朝廷=京都=貴族」というシステムを壊さないといけない。



これを痛いほど自覚していたのが、源頼朝。北条政子。北条時政。北条義時。このあたりだった。
と、言うのが司馬さんの説です。

この人たちは、圧倒的に革命家な訳です。

何しろ、「日本史上、全く前例のない、世の中の仕組み」を作らなくてはなりません。

平氏を武力で滅亡させるんだけど、「朝廷=京都=貴族」に、どれだけ誘われても、そこに参加しない。

圧倒的な武力で実力を握っておいて、「各地の土地所有の割り振り権限」を朝廷から奪って。

「幕府」という新しい政治の仕組みを作る。それも中心地を近畿ではなくて関東、「鎌倉」に置く。

これは全て、ずっと「朝廷=京都=貴族」に虐げられ、理不尽に搾取されてきた、「東日本を中心とした開発農民団体=武士」たちにとって、ついに訪れた「自分たちの時代」だった訳です。



というこの辺が、「地球に残った人類」「スペースコロニーの民」「コロニーの民の権利」「ニュータイプ」と言った、ガンダムの世界に良く似ていますね。
まあ、当然、過去の歴史的な葛藤から作られたフィクションな訳で、当たり前なんですが...



頼朝なぞは、挙兵した瞬間は、信じられないことに、総勢20名くらいだった訳です。
それも、「やばい、このままではどのみち平家に殺されるから仕方なく挙兵」だったそうです。
それが、連戦して割と連敗するんだけど、どんどん豪族たち、武士たちが味方についてくる。膨れ上がる。
それは全て、頼朝に「朝廷に隷属しない、新しい仕組み」を期待していたからなんですね。

それを、頼朝は判っていた。

判っていなかったのは、義経だった。



義経は、父を平氏に殺されて。(まあこれは当然、頼朝も同じなんですが)
幼かったから、色々苦労をして育ち。
ある時点で、復讐=平家の滅亡、だけを夢見て成人し。

あとは若いながらに戦争の現場に入ってしまったので、政治や土地所有の仕組みが判っていない。

単純に、平氏を滅ぼして、源氏が入れ替わりに京都を、朝廷を、我が物にすればそれで万々歳だと思っています。
なにより、兄・頼朝もそう思っている、と、思っている。
そして、平氏と、藤原氏と同じように、「血縁」であるがゆえに自分も尊重されるべきだ、と思っている。

これはこれ、京都的にはその頃の常識なわけです。

だけど、東国では、違いました。

まだ、長子相続すらちゃんと決まっていない。
兄弟でも武力で戦争が当たり前。
さらには、頼朝に求められているのは、「第二、第三の平氏や藤原氏になって、一族でウハウハになる」ことではなくて。
「東国の開発農民団の利益を誘導してくること」なんです。

東国の開発農民団=武士、からすれば、義経が弟だからって、重宝されて、領地とかばんばんもらったりしたら、噴飯ものなわけです。

このあたりの機微を、頼朝は痛いほどわかっていた。

そして、義経は笑えるほど、判っていなかった。



ただ、問題は。

その義経が、「戦争の天才だった」ということなんですね。

その天才ぶりが、哀しい輝きという感じですね。
なんかもう、機動戦士ガンダムのアムロであり、鉄腕アトムであり。
つまり、強い、かっこいいんだけど、それが幸せに繋がらない。却って疎まれたりする理由になる...。
そういう、「哀しい不器用な、強すぎる戦士」というヒーロー像の、元祖なのではないでしょうか。



とにかく、強い。
圧倒的に強い。
数年はかかる、かかっても無理かも、と思われた、「平家を滅亡させて、三種の神器を取り返す」という難行を、
またたく間に達成してしまう。作戦は常に電光石火。独断専行。天才の技。
そして、イッキに武士たちの間でその才は認められ、貴族平民の間ですらヒーローになってしまう...



その有様を、描くのに、司馬遼太郎さんはうってつけですね。

鎌倉時代、という分析や、物語能力に加えて。

何と言っても司馬さんの個性は、なんだかんだ言って「元軍人」ということだと思います。

凄くゆがんだ形で、結局は「戦争行為」というもの事態に興味があって、ある種の愛着があって。造詣が深い。

#

この「義経」が、小説として素晴らしいのは、

「鎌倉時代、という新しい、革命的な動きの中で。義経というのは貴種でありながら、野盗風情の仲間しか居ない、という、革新の動きの中でも、更に例外で異例な存在だった」

という、二重構造、入れ子構造が凄く、判りやすく面白く描かれます。

さらにもはや、善悪とかモラルではなく、

「新しい時代を判っている男」=頼朝

「判ってない男」=義経

という、ほぼ抱腹絶倒なすれ違いが、はっきりくっきり判ります。

もう、これは殺しあうしかないんですね...

(この延長線上に、頼家や実朝の悲劇があります。そのあたりは「街道をゆく 三浦半島記」が実にすばらしい。)



という視点がありながら、平家物語の美味しいドラマチックな名場面がてんこ盛り。
これは、たまりません。
最後、義経の没落の始まりで筆をおいて、死の場面までは描かない。
そんな手法が実に、司馬さんらしい合理性。つまり、もう司馬さんの描きたいドラマは終わってます、ということなんでしょうね。(あるいは、司馬さんが、飽きたのか)



実はこの「義経」上下巻。

多分、10歳の頃に生まれて初めて読んだ司馬遼太郎さん作品。
個人的には思い入れがあります。
それからもう30余年になりますが、多分どこかで一度は再読していたんだと思いますが、今回、初めて舐めるように魅力を味わえた気がします。
歳を取るのも愉しいものですね。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2015年09月12日

個性的な登場人物たちの数奇な運命は現在の創作物語に通じるほど特徴的なのにこれが完全にフィクションではないというのが不思議なところ
構成の脚色により物語として描かれているとはいえ、運命を感じざるをえないようなファンタジックな物語が我が国の歴史として存在しているのだからおもしろい

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Posted by ブクログ 2013年02月10日

大河ドラマの平清盛を見終わった後だし、登場人物を頭に思い浮かべながら読めてよかった。鞍馬にいる時は辛かったんだな。

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Posted by ブクログ 2012年12月27日

2012年の大河「清盛」は、低視聴率で有名になったが、平氏VS源氏について今までよくわかっていなかった自分にとっては見がいがあった。その一方、大河が真実をどこまで語っているか疑問であるため読書により、違う目で歴史について考える機会を持つために、この一冊を手にした。司馬遼太郎だけに、これまたどこまで真...続きを読む実かはわからないが、清盛と義経の関係、北条政子と頼朝・義経の関係は大河とは違う視点からのアプローチだったため、違う印象を受けた。義経だったら視聴率とれていたかもと思わせる作品であった。司馬作品の中でも1、2位を争うぐらい面白かった。

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Posted by ブクログ 2012年09月01日

おもしろくて上下巻一気読み。
義経贔屓の小説ではなく、義経を中心に、鎌倉、朝廷、平家、それぞれの思考、思惑を描いている。

なぜ鎌倉幕府という政権ができたのか、そもそも武士って何?がよくわかる良書。

ちなみに、大河ドラマ「平清盛」の後白河上皇のキャラ設定は、この小説の後白河を参考にしてると思う(体...続きを読む型以外)

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Posted by ブクログ 2012年08月26日

歴史の教科書にはただ淡々と「鎌倉幕府を作った男」とだけ書かれている頼朝の見る血縁関係と義経の持つ血縁に関する純粋な気持ちの対比が興味深い一冊。兄弟同士が血で血を洗う戦国時代が訪れるのはこの頃から定められていたのだと感ぜずにはいられない。

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Posted by ブクログ 2023年12月02日

 義経の欠落した性質を、その生い立ちにまで遡って創り上げているので無理なく読み進められます。焦点を当てるべき人物が少ないので、義経に集中して描かれている分、かなりはまり込んで読めました。

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Posted by ブクログ 2023年07月10日

久しぶりの司馬遼太郎。知らん事をそれっぽく書くなと思ってしまった。なので歴史小説なのか。
義経には子供の頃から興味を持っていたので「へー。」と思いながら読めた。

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Posted by ブクログ 2023年02月19日

1000年経っても残る判官贔屓の言葉、その人物と影響力の大きさは、日本史上の傑出した人物の一人であることを理解することができた。

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Posted by ブクログ 2022年07月27日

邪道かもしれませんが、大河ドラマを見てから読むと、人物に現実味が出て面白い。鎌倉殿の13人、結構忠実にこの流れに乗ってるなと。昔から気になってた木曾義仲やっぱり切ない。勿論義経もだけど。わかっていても後半が楽しみ。

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Posted by ブクログ 2022年02月09日

この著者の文体に引き込まれる。義経と義仲の対峙直前までが描かれている。ようやく表舞台に現れた義経。小さな頃の記憶では僕の中でヒーローだった彼の生い立ちに同情し、頼朝を毛嫌いしていたが、この年になって読み返すと、頼朝の大局観と政治力、そして既得権に左右されない、武家社会の樹立を志した偉大な人物に映る。...続きを読む義経の死生観は復讐心に見えてしまう。

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Posted by ブクログ 2017年09月09日

今から約1000年前の時代ではあるが大方史実に則ったものなのでしょう。もやもやした歴史知識が明確になり、相変わらず司馬作品は読後の充実感があります。平安から鎌倉時代は激乱の時代だったのですね。皇室も含めとても節操なく、道徳心や法律が育っていない時代ならではの展開に驚きます。司馬の作品は人物のセリフは...続きを読むすごく簡素に、心情はすごく深く描くもので、とても気に入っています。思慮ある弁慶の下巻での活躍が楽しみです。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2016年08月10日

義経も頼朝も義仲も、当然といえば当然だけど、歴史上の偉人なだけではなくて、憎らしかったりマヌケだったりもするのだなあと改めて思った。源氏と平家の性格の違いも知らなかった。

この時代の小説は「君の名残を」しか読んだことないので、どうしても義仲側にたって読んでしまう。先を思うとつらいなあ。
弁慶や文覚...続きを読むや義時や、平家や皇族や、知ってる名前が続々でてくるけど詳しくは知らないので人物相関図が欲しいところ。
下巻へ。

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Posted by ブクログ 2014年05月22日

義経に関してほとんど知識を持ち合わせていなかったので、歴史的背景もすっと入ってこなかったし、登場人物もわからない人ばかり。
それでもおもしろかった。
源氏と平家の複雑な血の関係。人間のいろいろな欲。
弁慶と弓の名手与一の登場。
下巻が楽しみ。

“後世、人前での涙はめめしいものという規律ができたが、...続きを読むこの時代、人はよく泣いた。頼朝ははじめてあうこの弟の顔をじっとみつめ、亡父の面影をさぐっていたが、すでに両眼から涙があふれ、見つづけることができない。義経も頼朝をあおぎ、なき義朝はこのようなお顔であったかとおもううち、顔をあげられぬほどに涙がこぼれた。どちらもあいさつのことばすらなく、見つめては泣き、ひたすら無言でいた。この情景は、並みいるひとびとをいやがうえにも感動させた。みなこの情景を待ちかねたように貰い泣きし、悪四郎といわれた岡崎義実などは馬のいななくような声をあげ、一座を主導するかのごとく華やかに泣いた。泣くことにも華やぎをあらわしたいというのが、坂東武者の心意気というものであろう。”

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Posted by ブクログ 2013年07月28日

平家の驕りと源氏の血族間の争いが生々しい。
政治家の頼朝、田舎者の義仲、若々しい義経のそれぞれの人間が見事に描かれている。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2013年02月04日

「戦争は天才、政治は痴呆」と言われた源義経の生涯を描く。

義経には日本人が好きな要素が詰まっている。義経はいくら頼朝に敵意をむき出しにされ、反逆者扱いされても、あくまで兄が自分を理解してくれるということを信じ抜いたことが、民衆の心の琴線に触れ同情を買った。本来一番の功労者として讃え称せられるべき立...続きを読む場であったにも関わらず、逆に「悪」として処刑された。本当の悪とは何なのだどうと言う言葉で締めくくられる。

兄に対する一途で向う見ずな感情や、政治のいろはの分からない、また理解しようとしない義経の少年っぽさ、それに似つかない、それまでの日本史にはあり得なかった戦術で平家を倒した天才的実力、また端正な外見といった点は、義経の持つ愛嬌だ。一方で、政治的感覚が薄いのであれば、それを学びとる姿勢を持っていたのであれば、あるいは別の結末が導かれたかもしれない。義経の美徳としての純粋な、一途な心を持った大人になるのも、いいかもしれない。

義経が幼少期、寺に預けられていたころ、源氏の残党である正近から自らの出生を知らされ、震え上がった。この時の感覚を義経は一生持ち続けたに違いない。血が騒ぐという感覚を大事にしたい。

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Posted by ブクログ 2017年08月15日

言わずと知れた義経です。
ちょいちょい文章の流れを止めて、蘊蓄を傾けてくれるので、義経のことを大体のことは知っている人が読むとへえ〜ということが多いです。

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Posted by ブクログ 2022年04月28日

初めて歴史小説を読みました。
義経の伝説はちょこちょこ知ってるものの、ちゃんとは理解できてなかったので、今年の大河ドラマの予習も兼ねて手に取ったのですが。
上巻は説明的なところが多く、いつ義経出てくんねん!と思いながら読んでましたが、最終的にはその状況説明がかえって重要で、平安時代にぐっとのめり込む...続きを読むように読み進めてました。

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Posted by ブクログ 2020年11月29日

司馬遼太郎の描く義経の何と愛らしいことか。

源義経、日本人ならば誰もが知っているその英雄の非凡人的な部分は、物事を極端にしか見ることしか出来ない政治的常識の欠落、牛若のころから変わらぬ思考であるとした。その欠落こそが、危なっかしくて放って置けない人としての魅力であると。

上巻では義経の華々しい活...続きを読む躍が一切ないため、義経という名を聞いて期待をすると物足りなく感じる。

だが、その人物像の無垢さを丁寧に書いているからこそ、皆が知っている晩年に更なる哀愁を感じさせる。

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Posted by ブクログ 2020年01月16日

少し意外だったのは、義経像をビジュアル面では決して美丈夫としては書いていない、言わば今風の表現でいう雰囲気イケメンの類として描写し、かつ特異であっても才覚の人物として書いていない点だろうか。
歪、あるいは異物と呼ばれるものは必ずしも自ずからそう産まれるものでなく、空気の滞留した環境とそれに根ざす人々...続きを読むとが升形になって形造られるのが本作に於ける牛若であり遮那王であり九郎義経と言える。
あと鞍馬寺ちんちんフェスタ

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Posted by ブクログ 2018年11月11日

京都生まれだからか牛若丸は馴染みと親しみがあり、なんとなくな感じで好きだった。改めて歴史を知ることで京都人の判官贔屓が理解できたことでその根拠が解った気がした。
義経の“青さ”と“不器用な実直さ”は魅力でもあり、それに弁慶たちも京都人もそして私も引き込まれたんだろう。
また昔は弁慶は強いとの印象があ...続きを読むったが、ただの強さではなく父親のような温かな強さであったと改めて感じた。

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Posted by ブクログ 2018年10月08日

この作品を読むまでは、源義経と聞けば、半ば神格化された英雄だと思っていました。

しかし、本作品で描かれている義経は人間臭く読んでいて新鮮でした。弁慶との出会いもある意味、史実に忠実なのかなーと感じました。
上巻はまだ義経が雌伏の時にあるので、下巻が楽しみです。

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Posted by ブクログ 2015年12月31日

司馬遼太郎の義経、上下巻読み終えた。

源平合戦がどのような戦いであったか、平家側の心理状況もよく分かり、戦いの描写も臨場感を感じながら読むことができた。

なぜ義経が頼朝に追われ、そして殺されなければならなかったのか、意外と理解していなかったのだが、義経の人物像からそれが十分伝わってきた。

どれ...続きを読むだけ才能があったとしても、組織の中で動く以上、政治がわからないといけない。組織で働く方にとっても示唆に富んだ内容だったと思う。

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Posted by ブクログ 2015年12月30日

頼朝、義経の出会いのシーンが感動的であったために、兄に従順な義経に胸が痛む…
頼朝、義仲視点で進む章も面白く、各所に挟まれる補足説明も勉強になります

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Posted by ブクログ 2013年12月08日

上巻は、義経の母である常磐が藤原長成に嫁ぐところから。
義経を中心にしつつ、鎌倉の頼朝、京に入った義仲にも
スポットを当てつつ司馬遼太郎の語る源平時代が繰り広げられる。

義経は、政治感覚が皆無の情に厚い人間として描かれる。

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Posted by ブクログ 2012年08月10日

司馬遼太郎はまるでその時代を見てきたかのような文章を書く。歴史小説というより、むしろ伝記に近い。郷土愛ではなく、あるのは人間への愛か。

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Posted by ブクログ 2015年07月14日

一時代に美術や音楽の天才というものは必ずいるものだ。
芸術の才能は人の才能の中で貴重ではない。
だがしかし、人の才能の中で最も持ちにくいものがある。
それが「軍事的な才能」つまり兵隊さんの能力である。
これは一時代どころか、一民族に一人か二人いればいいほうで、
それでは、日本人(大和民族)では誰なの...続きを読むかという事になると、
間違いなく名前があがるのが、この義経である。
上巻ではまだその真髄は見せられない。
日本人ならだれでも知ってるであろう頼朝と義経の物語はその才能を中心にくるくる旋回していき、そして日本人が誰でも知ってるであろう哀しい結末と誘うのである。

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