【感想・ネタバレ】義経(下)のレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ 2022年06月08日

小学生の頃、日本昔ばなしの「牛若丸」を観て以来の「判官びいき」です。
今回、司馬遼太郎さんの作品を読んでみて、源氏と平氏の争いと言うよりは、源頼朝と後白河法皇の争いと言う印象を強く持ちました。
今、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」を毎週見ていることもあって大変興味深く読むことができました。

0

Posted by ブクログ 2022年04月07日

いやー面白い!
こんな天才的な人物ひどく惜しい。
が政治的能力がまるでないので頼朝に嫌われるのも仕方ないかな。
つい義経目線で読むので頼朝を憎みそうになるけど。
大河ドラマ、今後の展開楽しみ!

0

Posted by ブクログ 2018年04月15日

義経を評して「政治的痴呆」という形容が数限りなく出てきて可哀想な位だが、政治のみに長けた新宮行家よりは断然カッコいい。
地元唐津は義経とは何の関係もないが、唐津くんち四番曳山が「源義経の兜」な位ずっと義経が愛されてる「判官贔屓」の由来を、Wikipediaは「北条執権政治を正当化するために書かれた吾...続きを読む妻鏡による情報操作」として解説している。
義経は合戦の天才か?という点については、典型的な選択バイアスとも思えるが、伝説はとうの昔に完成しており、義経は永遠に英雄だ。

0

Posted by ブクログ 2017年06月16日

機動戦士ガンダム。アムロ・レイ。zガンダム。カミーユ・ビダン。シャア・アズナブル。
うーん。彼らの原型が、「源九郎義経」だったとは。
ガンダムファン、必見、必読の作品だと思いました。



司馬遼太郎さん「義経」(文春文庫、上下)。1968年発表だそうです。

これは、面白い。

つまり、司馬遼太...続きを読む郎版の「平家物語」なんですね。

平清盛の栄華から。
少年義経の放浪。
頼朝の挙兵、木曽義仲の挙兵。
富士川の戦い、宇治川の戦い。木曽義仲の敗死。
一の谷の戦い、屋島の戦い、壇ノ浦の戦い。義経の絶頂。
義経と頼朝の対立、腰越状。
そして、義経の没落まで...。

いわゆる「源平」の美味しいところをわしづかみにした、上下巻です。



この小説と、「街道をゆく 三浦半島記」を読むと、立体的に判ってくるのが、司馬さんの解説する「鎌倉時代」というものです。

平安時代までは、基本の土地所有の仕組みがどうなっていたかというと。
つまり、日本全国の土地は全て、「政府=朝廷」のものだったんです。
ただこれは当然、徐々に形骸化していきます。
どうしてかというと、朝廷という言葉の中身が、実力者が、徐々に藤原一門にスライドしていきますね。
そうすると、藤原一門は、簡単に言うと私有財産が欲しい。私有地が欲しい。

そこで、新たに開発した新田などを、「荘園」として、一部貴族が所有できるようにしました。
これが味噌で、特殊例外以外は、「土地私有」が認められていなかったんですね。

さて、東国、関東を中心に、徐々に技術が進み、新しい田畑が増えていきます。
これを新田開発した、開発農民たちは、地域でのいざこざを日々乗り越えるために、たくましく武装します。
そして、一族で新たに開発した土地に執着します。必要なら戦います。「一所懸命」。

これが、武士の誕生です。

ただし、この武士たちは、頑張って新田開発しても、制度上、土地を私有できなかったんですね。

自分たちの親分にお願いをする。
お願いされた親分は、京都の貴族たちのところに行って、召使のような奉公をする。それも、ノーギャラで。
そうやってぺこぺこして、ようやっと、自分たちの田畑の、管理権みたいなものを認めてもらう。
かろうじて、「管理権」な訳です。

ところが、もう実際に現地で武力を持って土地を守って、耕作して収穫まで、一切は土地の農民=つまり武士、が経営している訳です。

なんだけど、貴族に、つまりピンハネされる。
みかじめ料みたいなものです。
それも、相手は物凄く威張ってて。見下される。

これは、おかしいなあ、と。改革が、革命が必要なんぢゃないか。
不満が溜まっていたわけです。
(恐らく、平将門の乱なども、こういう現象の延長にあるのでしょう)



大事なのは、この不満を取りまとめた英雄が、「朝廷=京都=貴族」というシステムと、決別することなんですね。

平清盛がそうですが、武士の大将が京都で実権を握っても、「貴族化」してしまったら、意味が無い。
「藤原」が「平氏」に代わるだけで、仕組みが変わらない。

仕組みを変えるためには、「朝廷=京都=貴族」というシステムを壊さないといけない。



これを痛いほど自覚していたのが、源頼朝。北条政子。北条時政。北条義時。このあたりだった。
と、言うのが司馬さんの説です。

この人たちは、圧倒的に革命家な訳です。

何しろ、「日本史上、全く前例のない、世の中の仕組み」を作らなくてはなりません。

平氏を武力で滅亡させるんだけど、「朝廷=京都=貴族」に、どれだけ誘われても、そこに参加しない。

圧倒的な武力で実力を握っておいて、「各地の土地所有の割り振り権限」を朝廷から奪って。

「幕府」という新しい政治の仕組みを作る。それも中心地を近畿ではなくて関東、「鎌倉」に置く。

これは全て、ずっと「朝廷=京都=貴族」に虐げられ、理不尽に搾取されてきた、「東日本を中心とした開発農民団体=武士」たちにとって、ついに訪れた「自分たちの時代」だった訳です。



というこの辺が、「地球に残った人類」「スペースコロニーの民」「コロニーの民の権利」「ニュータイプ」と言った、ガンダムの世界に良く似ていますね。
まあ、当然、過去の歴史的な葛藤から作られたフィクションな訳で、当たり前なんですが...



頼朝なぞは、挙兵した瞬間は、信じられないことに、総勢20名くらいだった訳です。
それも、「やばい、このままではどのみち平家に殺されるから仕方なく挙兵」だったそうです。
それが、連戦して割と連敗するんだけど、どんどん豪族たち、武士たちが味方についてくる。膨れ上がる。
それは全て、頼朝に「朝廷に隷属しない、新しい仕組み」を期待していたからなんですね。

それを、頼朝は判っていた。

判っていなかったのは、義経だった。



義経は、父を平氏に殺されて。(まあこれは当然、頼朝も同じなんですが)
幼かったから、色々苦労をして育ち。
ある時点で、復讐=平家の滅亡、だけを夢見て成人し。

あとは若いながらに戦争の現場に入ってしまったので、政治や土地所有の仕組みが判っていない。

単純に、平氏を滅ぼして、源氏が入れ替わりに京都を、朝廷を、我が物にすればそれで万々歳だと思っています。
なにより、兄・頼朝もそう思っている、と、思っている。
そして、平氏と、藤原氏と同じように、「血縁」であるがゆえに自分も尊重されるべきだ、と思っている。

これはこれ、京都的にはその頃の常識なわけです。

だけど、東国では、違いました。

まだ、長子相続すらちゃんと決まっていない。
兄弟でも武力で戦争が当たり前。
さらには、頼朝に求められているのは、「第二、第三の平氏や藤原氏になって、一族でウハウハになる」ことではなくて。
「東国の開発農民団の利益を誘導してくること」なんです。

東国の開発農民団=武士、からすれば、義経が弟だからって、重宝されて、領地とかばんばんもらったりしたら、噴飯ものなわけです。

このあたりの機微を、頼朝は痛いほどわかっていた。

そして、義経は笑えるほど、判っていなかった。



ただ、問題は。

その義経が、「戦争の天才だった」ということなんですね。

その天才ぶりが、哀しい輝きという感じですね。
なんかもう、機動戦士ガンダムのアムロであり、鉄腕アトムであり。
つまり、強い、かっこいいんだけど、それが幸せに繋がらない。却って疎まれたりする理由になる...。
そういう、「哀しい不器用な、強すぎる戦士」というヒーロー像の、元祖なのではないでしょうか。



とにかく、強い。
圧倒的に強い。
数年はかかる、かかっても無理かも、と思われた、「平家を滅亡させて、三種の神器を取り返す」という難行を、
またたく間に達成してしまう。作戦は常に電光石火。独断専行。天才の技。
そして、イッキに武士たちの間でその才は認められ、貴族平民の間ですらヒーローになってしまう...



その有様を、描くのに、司馬遼太郎さんはうってつけですね。

鎌倉時代、という分析や、物語能力に加えて。

何と言っても司馬さんの個性は、なんだかんだ言って「元軍人」ということだと思います。

凄くゆがんだ形で、結局は「戦争行為」というもの事態に興味があって、ある種の愛着があって。造詣が深い。

#

この「義経」が、小説として素晴らしいのは、

「鎌倉時代、という新しい、革命的な動きの中で。義経というのは貴種でありながら、野盗風情の仲間しか居ない、という、革新の動きの中でも、更に例外で異例な存在だった」

という、二重構造、入れ子構造が凄く、判りやすく面白く描かれます。

さらにもはや、善悪とかモラルではなく、

「新しい時代を判っている男」=頼朝

「判ってない男」=義経

という、ほぼ抱腹絶倒なすれ違いが、はっきりくっきり判ります。

もう、これは殺しあうしかないんですね...

(この延長線上に、頼家や実朝の悲劇があります。そのあたりは「街道をゆく 三浦半島記」が実にすばらしい。)



という視点がありながら、平家物語の美味しいドラマチックな名場面がてんこ盛り。
これは、たまりません。
最後、義経の没落の始まりで筆をおいて、死の場面までは描かない。
そんな手法が実に、司馬さんらしい合理性。つまり、もう司馬さんの描きたいドラマは終わってます、ということなんでしょうね。(あるいは、司馬さんが、飽きたのか)



実はこの「義経」上下巻。

多分、10歳の頃に生まれて初めて読んだ司馬遼太郎さん作品。
個人的には思い入れがあります。
それからもう30余年になりますが、多分どこかで一度は再読していたんだと思いますが、今回、初めて舐めるように魅力を味わえた気がします。
歳を取るのも愉しいものですね。

0

Posted by ブクログ 2023年12月02日

 歪な義経が次第に際立ってくる感じが、終幕の気配を掻き立てます。終わりの呆気なさは、伝聞物らしさが出ていいと思います。実は後白河法皇に支えられた物語だったのかも、と思って妙に納得しました。

0

Posted by ブクログ 2023年07月10日

なんぼヒーローでも阿呆はあかんのやなと思った。どうやって義経が死ぬのか知らなかったのでサラリと書かれていたのが残念。

0

Posted by ブクログ 2023年02月19日

1000年経っても残る判官贔屓の言葉、その人物と影響力の大きさは、日本史上の傑出した人物の一人であることを理解することができた。

0

Posted by ブクログ 2023年02月11日

義経って不幸だなと思った。子供のまま大人になってしまった、その生い立ちも政治感覚の無さに関係してるんだろう。頼朝の考え方、葛藤もよく書けてるなーと思った。

0

Posted by ブクログ 2022年08月09日

戦での歴戦の雄でも思い浮かべられないような戦略と決断の早さ。一方で政治面の無知さや純粋さ幼さ。昔の英雄ならあたり前ではあっただろう好色さ。やはり切ない。追討の院宣が出て以降の最期は意外にシンプルに書かれているのが、多くのファンがいる義経への敬意なのかなと勝手に納得しました。

0

Posted by ブクログ 2022年06月06日

義経が一ノ谷の戦いで鵯越の逆落としをやった際に文中で「人よりも百倍臆病であるとすれば、百倍勇気を奮い立たせればいいではないか」という表現がとても人間味に溢れていて好きだ。

いくら奇襲だとしても、崖を目の前に馬に乗りながら駆け下りるなんて相当怖いだろう。

当時、就職の面接を控えていてこの言葉に勇気...続きを読むを貰った記憶がある。

0

Posted by ブクログ 2022年04月28日

下巻でついに義経登場!という感じです。
天才的戦術で勝ち誇っていくたびに、その後訪れる悲劇の種が何度も何度も描かれ、壇ノ浦のところでは「この戦を読み終えたら悲劇しかないー!」と思ってなかなか読み進められなかった思い出です。笑
ですが悲劇の種が描かれていたからこそ、その悲しみを受け止められたかなと思い...続きを読むます。
最後はあっさりした終わり方ではありましたが、読みごたえはじゅうぶんにあります。

0

Posted by ブクログ 2022年02月19日

戦の天才は平家を滅亡させて京へ凱旋する。この単純な思考を持つ天才は、なぜ頼朝が上洛しないのか?を理解することは生涯なかった。相手の立場を理解せずただ自分を見て欲しいとせがむ純粋さが悲哀。
奥州への都落のシーン、弁慶との逸話などが書かれていない。何故?あっさり終わる理由とは?謎に包まれた下巻である。

0

Posted by ブクログ 2020年10月15日

現代人がイメージする主従関係、戦術、戦略は、戦国時代のもので、平安末期、鎌倉時代のそれは非常に淡白であるけとがよくわかった。
結局、最後まで頼朝の考えを理解できなかった義経。
天才でありながら、鈍感。登場、活躍、栄華、没落が一生のなかで如実に分かれ、最後は悲しみを抱えながら、消えていく。
作中にもあ...続きを読むるように人々を惹きつける魅力が義経には揃っている。
まさに、諸行無常を体現する人物。


欲を言えば、義経が平泉で滅亡するまでを詳細に描いてほしかった。それにしても、頼朝、戦に行かなすぎ。

0
ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年06月13日

「国盗り物語」から司馬遼太郎さんの作品を読み始め、二作目です。
相変わらず、作者の知識量のすごさに圧倒されます。

日本史史上で珍しい「騎馬隊」を用いた武将で、とってもかっこいいです。そして、愛されるキャラクターでもあります。それ故に、頼朝に追われることになるのですが、、、
義経の結末は有名なだけに...続きを読む、読み進めていくことが少し辛くなっていきました。

0

Posted by ブクログ 2018年12月05日

私がこれまで描いていた義経像とは、まったく違う義経が描かれており新鮮で面白かったです。

子供のまま成人になってしまい哀れに感じるほど政治感覚がない本書での義経は、うっすら記憶に残っている大河ドラマの義経とはかけ離れていました。

この本から、周りの反応がおかしいなと感じたら、直す直さないは別にして...続きを読む自分の行動を反省するのは重要なことだと再認識しました。

0

Posted by ブクログ 2017年10月09日

義仲の滅亡から一ノ谷、矢島、壇ノ浦の戦いを経て義経の滅亡までを描く下巻。義経の戦における才能と裏腹に政治的才能も情勢を見極める事ができる家臣もなく、やがて落ちぶれていく過程が上手く描かれている。物語のきっかけとなる政治家の行家とうまく折り合えばと考えるが、それにしても歴史というものは際どい所で成り立...続きを読むっているものか。
終盤はかなり急ぎ足で締めくくっており、その後の頼朝の状況や義経の敗走のエピソード、安宅の関での弁慶との勧進帳の逸話も触れることなし。弁慶は出会いこそ劇的に描かれているが活躍の場があまりなく残念。
法王のあまりの俗人的なところは宮内庁あたりから文句が出そうな描かれ方で、ある意味人間臭さがあり面白い。
ともあれ、物語としてとても面白かった。

0

Posted by ブクログ 2017年05月03日

高橋克彦氏しかり、 川原正敏氏しかり他の書物に書かれている「義経」は多分に美化されていると思いはする。それ程、魅力的な人物だろう。欲はないが強い意志があり、後生にも通用するような、当時では斬新な軍事的戦略を使い、次と勝利を収める。
私の歴史観は多分に司馬氏に引っ張られて居るので、義経のイメージもまた...続きを読む修正されたが、それにしても義経の描写は厳しいと感じる。

下記のようにこの時代のイメージが膨らんだのは楽しい。

【学】
武士とは大農場主、大牧場主といった様なものである
源氏は東国に地盤を持ち、騎馬戦が強く、平家は西国に地盤を持ち、海戦と貿易に長じていた

0

Posted by ブクログ 2016年02月16日

平安、鎌倉時代の公家と武家の価値観の違いを具体的に知ることができる。連戦連勝の戦神義経は政治感覚の欠落により周りに踊らされたあげく、慕っていた兄に殺されるという悲劇の最期を遂げる。しかしその短すぎる一生は鎌倉武士ならではの華やかさに満ちている。

0
ネタバレ

Posted by ブクログ 2015年09月12日

子供の頃は義経に感情移入して頼朝をひとでなしだと感じていたものの、今になって読むと頼朝の気持ちも分からなくもない
でもやっぱりビビり過ぎの保身家という感じで好きにはなれないなあ

0

Posted by ブクログ 2014年07月06日

義経についての知識と言えば、小学生の頃に読んだ歴史漫画の記憶しか無い。弁慶と橋の上で闘う場面、壇ノ浦の合戦で舟から舟へと身軽に飛び移る場面、弁慶が無数の矢で討たれ仁王立ちで死ぬ場面。
この小説にはそんなシーンはなかったけど(笑)。
まったく無名の主人公が、木曾義仲を倒し、一の谷の合戦で勝利、屋島の合...続きを読む戦で勝利、壇ノ浦の合戦でついに平家を滅ぼす。
その当時常識とされていた戦い方をしない(人数的にできなかった理由もある)。自力で考えだした奇襲戦法や、圧倒的な行動力と判断力のすごさ。
最後は兄に追われ自害する。文献が残ってないのか、わざとなのか(多分後者)最後の終わり方が非常にあっけない。
血の争い、自己保身の為の政治的策略、正義とは正しいとは何なのか。
最後の終わり方を読む限り、作者は義経の人生を通して人間とは何なのか?という問いを投げかけたかったのかな。

“むしろ騎射の能力や力業といったその個人的武勇は亡父の義朝や、なき叔父の鎮西八郎為朝や亡兄の悪源太義平よりはるかに劣るであろう。しかし将としての戦場の姿がいい。宇治川の敵を蹴散らして京に突入して行ったときの義経の颯々としたすがたは、いまも目にみえるようである。ーーどこか、神に似通うていた。と、重忠はいう。ひるまず恐れず、一陣の風のように敵陣へ駆けてゆくその姿には、神秘的な風韻さえあったと重忠はいうのであろう。”

“(こどもだ)と、行家はおもうのである。驚嘆すべき勇敢さはあっても、人心の表裏を考え、世間を思惑し、配慮し、自分の保身を考えてゆくというおとなとしての感覚がまるで未熟であり、危険なほどに未熟であった。”

0

Posted by ブクログ 2014年01月02日

義経の天衣無縫ともいうべき戦術と頼朝の冷酷非情なまでの政治力の2つが日本を変えたのだが、最後はやはり無常な結末…

0

Posted by ブクログ 2017年08月15日

やっぱり頼朝は嫌な奴だ。でも彼じゃ無ければ幕府が成り立たないこともわかる。でも藤原氏が本気になれば鎌倉を倒せた気はします。

0

Posted by ブクログ 2021年03月10日

遮那王がただひたすらに法と秩序の名を冠した獣の顎の下で時を過ごし・待ち・窺い続けたのが上巻ならば、あとはもう楔から解かれた猟犬の如くそれら獣が老いさばらえたのを目敏く見抜き、喉元に食らいつき、そして"役"を勤め上げて煮らるるのが下巻

といった具合だろうか。そんな所感

0

Posted by ブクログ 2020年08月09日

日本人ならほとんどの人が知ってるであろう義経。
日本人の義経像の形成にもかなりの影響を及ぼしたであろう小説。

意外にも講談や多くの物語で取り上げられてい弁慶との逸話や、奥州落ちの物語が欠落して、最後はアッサリ終わっている。何かしらの意図があるのかな。

いくらでも大冊にできたであろうに、文庫二冊に...続きを読む納めている。もっと書き込んで欲しい部分もあった。

0

Posted by ブクログ 2020年07月27日

最後に、「悪とは、なんだろう」とあるが、本当になんだろうか。戦功があるから輝いて見えていただけで、それがなければダメ男。あまり魅力を感じなかった。かといって、法皇のように義経を愉しめるわけでもなく。こういう男性が身近にいたら厄介だろうなあと思った。別の角度から見たら魅力的に映るのだろうか。

0
ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年06月04日

義経への解釈が、私のイメージに近くてよかった。
周囲に鈍感で生意気に見える戦の天才…みたいな。

民衆からみれば判官贔屓や伝説が生まれるような、魅力的な人物なのだと思うけど、
敵味方から見ると、「何をしでかすかわからないヤバいやつ」「イレギュラー」と言いたくなるような…そんな人物な気がする。
革新的...続きを読むな戦法は今でこそ当たり前だけど、当時は掟破りのルール違反。誇りやタブーを気にしない革新的な戦法。
兄に認められたいが、まるで兄のことがわかっていない。嫌われることばかりやる。
陰謀渦巻く時代において、あまりにもピュアな人物だったのでは。政治がわからないってそういうことかなと思いました。

司馬先生といえば資料だし、現実的に見た義経像なんじゃないかな。

それにしても司馬先生は戦国時代以前は苦手なのかな…と感じます…。キレがない…。

0

Posted by ブクログ 2018年11月11日

京都生まれだからか牛若丸は馴染みと親しみがあり、なんとなくな感じで好きだった。改めて歴史を知ることで京都人の判官贔屓が理解できたことでその根拠が解った気がした。
義経の“青さ”と“不器用な実直さ”は魅力でもあり、それに弁慶たちも京都人もそして私も引き込まれたんだろう。
また昔は弁慶は強いとの印象があ...続きを読むったが、ただの強さではなく父親のような温かな強さであったと改めて感じた。

0

Posted by ブクログ 2016年01月17日

2016/01/17
悲しきヒーロー義経。
でも司馬遼太郎の描く義経は一般的に描かれてきた義経像とは若干違っている。
とても淡々と語り、そして最後があまりにあっけない。

0

Posted by ブクログ 2013年12月15日

下巻で初めて大江広元が登場する。
頼朝と大江広元がふたりきりで今後のことを相談する場面がある。
大江広元が謀臣という感じで素敵。

司馬遼太郎が、頼朝を「平素は古沼のように澄ましこんだこの男が」と
表現するのが面白くてツボに入った。

「世間というもの」が義経にとって冷酷すぎる。
義経は、頼朝の創り...続きを読むあげようとしている組織について理解が浅く、
頼朝が自分に対してどのような理由で疎ましく思っているか、
全くわかっていない。
しかも、肉親だから会って話せば誤解が解ける、と思っている。
そんな鈍感な人間でありながら、軍事的には天才であるために、
悲劇が起こった。

0

Posted by ブクログ 2015年07月14日

義経の華々しい合戦の描写はあるのだが、結局残るのは、
鎌倉どの(頼朝)と白河上皇の役者が違う存在感だった。
司馬遼太郎の大作は何度も読んでいるのでこの作品は片手間で書いているようなのは見ればわかる。
片手間であるが故に、素の文章に近くて面白い。
それにしても、司馬遼太郎はあまり皇室を描くのが上手では...続きを読むないような気がする、もしくは好きではないのか。
やはり、幕末ものに代表される武士を描くのが性に合っているのだろう。
私も鎌倉へ行き、頼朝の墓に手を合わせた事をふと思い出した。

0

シリーズ作品レビュー

「歴史・時代」ランキング