司馬遼太郎のレビュー一覧

  • 功名が辻(二)

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    大河ドラマにもなった大人気歴史小説の第二巻。この巻は秀吉の中国征伐から豊臣秀次とその家族の処刑までが描かれる。この巻の中盤に登場する「千代紙」の語源に関するエピソードなどは、とても心に残った。

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    2018年09月09日
  • 翔ぶが如く(七)

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    【感想】
    本物語の10分の7が終わり、ようやく西南戦争が始まるかぁ。
    開戦に至る数々の過程を省略すべきではないが、「やっと」感が強い。
    むしろあと3巻ですべて終結するのかと思うと寂しさもあるが・・・

    幕末は英雄だった西郷隆盛の凋落が本作品には詰まっている。
    自身の能力が低下したからなのか、それとも周りのプッシュに諦めを持ち、投げやりの上で開戦する決意を持ったのか。
    おそらく後者だろう
    西郷自身の手記がないため、彼が抱えていた苦悩と絶望に関しては一切わからないが、彼が決してただの虚像ではないと信じたい。

    終盤になるにつれて、西郷と大久保の差を感じる作品になってきた。


    【あらすじ】
    明治十年二月、ついに西郷が立ちあがった!
    圧倒的な士気で熊本城を攻める薩軍と援軍を待つ政府との闘いが始まった。
    熊本、萩における士族の蜂起をただちに鎮圧した政府は、鹿児島への警戒を怠らなかった。
    殊に大警視川路利良の鹿児島私学校に対する牽制はすさまじい。
    川路に命を受けた密偵が西郷の暗殺を図っている―風聞が私学校に伝わった。
    明治十年二月六日、私学校本局では対政府挙兵の決議がなされた。
    大久保利通の衝撃は大きかった…。


    【内容まとめ】
    1.西南戦争はごく単純に言えば、私学校における若者の暴発から出発し、その暴発に西郷が身を委ねた事で起こった。
    西郷は敗北を決意したか、なるようになれというような自暴自棄に身をゆだねた。

    2.「木戸はつねに池のふちにいる。大久保はつねに飛び込んで池の中にいる。」

    3.薩人は、木強者(ぼっけもん)を喜ぶ。
    木強者とは、学問はさほどになくても勇敢、頑固、質朴、平素、必要以上に死を軽んずる者を言う。


    【引用】
    p69
    薩人は、木強者(ぼっけもん)を喜ぶ。
    木強者とは、学問はさほどになくても勇敢、頑固、質朴、平素、必要以上に死を軽んずる者を言う。
    この種の男を薩摩隼人の典型とした。


    p118
    「木戸はつねに池のふちにいる。大久保はつねに飛び込んで池の中にいる。」
    鯉を捕まえねばならぬときの2人を謳った評価。


    p264
    幕末の西郷は、あくまでも勝利を目標とする政略と戦略を考える人物であった。
    しかし彼は、ここで必ず勝つという政略と戦略を考えるべきであったが、少しも考えた形跡はなく、考えたことと言えばせいぜい挙兵の名目だけである。
    敗北を決意したか、なるようになれというような自暴自棄に身をゆだねたか、そのどちらかというほかない。


    p290
    二十歳以上の大人たちの集まりとは言えないほどに子供っぽい雰囲気が一座を浮かれさせていたし、この奇妙な非厳密さは、西郷と桐野それに篠原といった一種異様な3人の楽天家が醸し出している精神操作であるとしか言いようがなかった。


    p302
    西南戦争はごく単純に言えば、私学校における若者の暴発から出発し、その暴発に西郷が身を委ねた事で起こった。

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    2018年08月30日
  • 功名が辻(一)

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    大河ドラマにもなった大人気歴史小説の第一巻。主人公はこの作者には珍しく女性なのも面白い。主人公の内助の功もあって、50石の貧乏侍が、土佐藩藩主になるという出世物語。この巻では、有名な妻のへそくりで馬を買う話までが出てくる。

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    2018年08月30日
  • 胡蝶の夢(一)

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    主人公は司馬凌海・松本良順の2名に、次善で関寛斎。人物として魅力的なのは語学に悪魔的才能を持ちながら甚だしいコミュ障の司馬凌海。ポンぺが来日した頃の長崎の医学伝習所の描写部分は楽しめたが、それ以外はなぜか平凡な印象。開国で凋落する長崎こそまさに胡蝶の夢という感じ。幕末の西洋医学という舞台設定なのに意外と盛り上がらなかった。

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    2018年08月10日
  • この国のかたち(一)

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    某書でオススメされていたので購入。
    歴史系の本はあまり読んだことが無かったので新鮮。
    続きも読んでみたいと思う。

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    2018年08月02日
  • 人斬り以蔵

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    大村益次郎、岡田以蔵、吉田織部。
    三つ目までしか読んでません。
    他のもちょっと読んだけど、
    あまり興味を惹かれなかったので、、、。

    ただ、大村益次郎の事を知れたのは、
    かなりの収穫だった!!
    今後、大村益次郎についても勉強していきたいと思いました。

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    2018年07月31日
  • 草原の記

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    モンゴル旅行の予定があったので一読。

    【ザッと内容】
    司馬遼太郎自身のモンゴル渡航記×オゴタイ・ハーン(チンギスハーンの後継者)の歴史とその背景×数奇な人生を辿ったモンゴル人ツェベクマさんの回想、この3つが折り重なった一冊。小説ではないし、歴史書ではないし、渡航記というわけでもない。文中で司馬遼太郎自身が我ながらただただ書き綴っていると表現している。

    【こんな人にオススメ】
    ・これからモンゴル行く人
    ・モンゴルの文化や歴史について興味のある人

    【感想】
    司馬遼太郎がほんとにただただ書き連ねたような一冊。この一冊を読めばなんとなくモンゴルという国の概要を掴むことはできよう。特に印象的だったのがモンゴル人らしいとされているオゴタイハーンの思想。とにかく遊牧的で、「財宝や金銭は全て過ぎいく。永遠なものは何か?人間の記憶である」と考える。どうやらこの考え方を大国の王が本気で実践していたらしい。衝撃的であった。
    モンゴルという国自体が近代化しきれない根っこにはこの考え方があるようである。現代のモンゴルでは環境汚染も問題になっているが、技術がないというのも大きな理由の一つであるし、この小説を読むと納得感が増す。
    ぜひモンゴルに行く前に一読いただきたい。
    モンゴルの史実が文の多くを占めているのが少し残念で、司馬遼太郎の感じたものやツェベクマさんのストーリーの内容がもっとあったらよかった。一気読み的な類のものではなく、読み物。

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    2018年07月29日
  • 人斬り以蔵

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    あなたのために私は道化役になる

    幕末の混乱の中で、劣等感から命ぜられるままに人を斬る男の激情と苦悩を描く表題作ほか変革期に生きた人間像に焦点をあてた8編。

    自己流の暗殺剣法を編み出し、盲目的な殺し屋として幕末の世を震えあがらせた岡田以蔵の数奇な生涯を追跡する表題作。日本陸軍建軍の祖といわれる大村益次郎の半生を綴った『鬼謀の人』ほか、『割って、城を』『おお、大砲』『言い触らし団右衛門』『売ろう物語』など。時代の変革期に生きた人間の内面を鋭く抉り、長編とはまた異なる味わいの、人間理解の冴えを見せる好短編、全8編。

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    2018年07月28日
  • 功名が辻(一)

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    司馬遼太郎の話ぶりには引き込まれるが、「功名が辻」においてはちょっと著者の想像力が勝ちすぎている気がする。

    千代の位置付けも疑問。そこまで積極的に政治に関与していたのだろうか?男尊女卑の時代においては旦那を介してという手法はあるだろうが、千代の計画とその結果は出来過ぎに感じる…それに、六平や甲賀の忍びの女も必要だったのか?

    一豊及び千代の死までではなく、その後の高知がどう変遷していったかまで触れて欲しかった…


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    2018年07月20日
  • 新装版 箱根の坂(下)

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    早雲に関する史実をよく分かってない状態で読んだので、想像とは大分違う展開でした。。
    相模一国をものにする過程の長さ、自分の長長命への確信が何とも不思議な感じがしました。

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    2018年07月12日
  • 新装版 播磨灘物語(1)

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    司馬遼太郎が描く軍師・黒田官兵衛は、全4巻。
    著者後期の作品(1973~1975年執筆)だからか、同じ戦国時代が舞台の「国盗り物語」や2年前に読んだ「峠」と比べ、登場人物の滾るような闘志だったり、白熱した展開、興奮冷めやらぬ読後感…といったものはなく、ただ淡々と物語が進んでいくような印象を受けました。だからといってつまらないわけではなく、黒田官兵衛、すなわち如水のあらましであったり、これまで知らなかった荒木村重など、戦国時代の見え方がまたひとつ明らかとなり、面白い作品でした。

    ところで、如水という人物。あの秀吉が嫉妬したとされる天才軍師ですが、作中でも多く語られていたように、とにかく欲望の影がみえません。そればかりでなく、(特に荒木村重に囚われてからは)達観的で、野望というものを持たない人物として描かれています。一方で、秀吉の補佐をひとつの仕事として捉え、そこに美学を感じているように思えるところは、時代背景こそ異なりますが、一介の村医者から戊辰戦争を率い、日本陸軍の創設者となった大村益次郎と重なるなぁと思ったり。
    そう考えると、欲の少なく、冷静沈着である如水を描く作品だからこそ、すらすらと流れるような物語の運び方にひとり納得の思いを感じるところです。

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    2018年07月08日
  • 新装版 箱根の坂(中)

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    あれよあれよと言う間に50代後半。まだ、甥っ子を守護にしたとこまで。ここからどうやって関東の覇者に駆け上がるのか。楽しみ。

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    2018年07月07日
  • 翔ぶが如く(十)

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    「翔ぶが如く(10)」(司馬遼太郎)を読んだ。

    最後に死ぬためだけに走り出した彼の胸中を思うとき、虚しさだけが降り積もる砂のように私の胸の中を満たしていくのな。
    『鹿児島旧城下は桜島という光源があざやかでない日は、べつの街のように陰鬱な表情をみせるのである。』(翔ぶが如く(7)本文より)

    この長い物語を読み終わった今、
    「いつかきっと桜島をこの目で見に行こう。」
    私はそう強く心に誓った。

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    2018年07月06日
  • 翔ぶが如く(九)

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    「翔ぶが如く(9)」(司馬遼太郎)を読んだ。

    『要するに田原坂の激突は薩人が残らず死ぬまで繰りかえされるべきものであり、薩軍の将帥にはそれ以外に思慮がなかった。』(本文より)

    (私は根が単純なので)怨嗟をこめて叫びたくなる。
    彼だけが悪いんじゃないが。

    「き〜り〜の〜!!」

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    2018年07月06日
  • 翔ぶが如く(八)

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    「翔ぶが如く(8)」(司馬遼太郎)を読んだ。
    『西郷一人の声望に無限にちかい価値を置き、それのみを政・戦略の代用としてきた薩軍の欠陥は、このときもまた露呈した。』(本文より)
    あまりに杜撰すぎないか?
    この決起の有り様はまさに悲劇としか言いようがないと思うのだが。

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    2018年07月06日
  • 翔ぶが如く(七)

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    「翔ぶが如く(7)」(司馬遼太郎)を読んだ。
    『自分は、何もいうことはない。一同がその気であればそれでよいのである。自分はこの体を差しあげますから、あとはよいようにして下され。』(本文より)
    そう言った時西郷隆盛の胸中を何が去来したのかを想うと私は少し哀しくなってしまうのである。

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    2018年07月06日
  • 翔ぶが如く(六)

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    「翔ぶが如く(6)」(司馬遼太郎)を読んだ。
    『要するに、神風連ノ乱は日本における思想現象のなかで、思想が暴発したという点では明治後最初のものであった。』(本文より)
    と言われてもなあ。そもそも「神風連ノ乱」そのものを知らずにこれまで私は生きてきたのだよ。
    西郷どんいまだ動かず

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    2018年07月06日
  • 翔ぶが如く(五)

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    「翔ぶが如く(5)」(司馬遼太郎)を読んだ。

    『日本の明治維新そのものが、人類が共有すべき普遍的な思想を拠りどころにして成立したのではなかった。』(本文より)
    明治維新というものに対して私は誤った認識を抱いていたのかもしれないな。

    西郷どんも謎だけど大久保利通もまた謎である。

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    2018年07月06日
  • 翔ぶが如く(四)

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    「翔ぶが如く(4)」(司馬遼太郎)を読んだ。

    『結局、人はその古巣に還ってくる。その古巣の中の現実にまみれ、足をとられてゆくのが人生であるのかもしれない。』(本文より)
    蓋し名言である。

    しかしまあ明治政府がこんだけ迷走していたとは知らなかったよ。

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    2018年07月06日
  • 翔ぶが如く(三)

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    「翔ぶが如く(3)」(司馬遼太郎)を読んだ。

    『しかしながらひるがえっていえば歴史は現実の別名である以上、歴史において仮説は成立しえない。』(本文より)

    とはいっても『もしもあの時・・・』と思ってしまう歴史の転換点が数多あるのも事実でだよなぁ。

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    2018年07月06日