司馬遼太郎のレビュー一覧

  • 翔ぶが如く(十)

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    つまらない戦争だった。西南戦争は薄っぺらい正義の戦争だったから。それでも事実だ。それを省みなかったから、太平洋戦争が…


     こんなふうに昭和の太平洋戦争が頭にチラつくのを禁じ得なかった。司馬遼太郎の作品だしね。


     10巻に及ぶ超大作は、面白くなかった。

     だから読みごたえはすごかった。また読み返したいとは思わなかったけれど、他の幕末シリーズ「世に棲む日々」を読もうと思った。

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    2015年10月28日
  • 十一番目の志士(下)

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    司馬遼太郎の作品にありがちなのだが、作品のプロットが途中で変わってきてしまっている。
    小栗上野介の暗殺の件はどうなったんだ?晋助を仇と狙う菊絵はどこへいったんだ?という感じ。
    最後も尻切れとんぼで終わってしまい、なんだか腑に落ちなかった。

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    2015年10月21日
  • 歴史と視点―私の雑記帖―

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    太平洋戦争には戦略というものはなかった。横井庄一氏のような兵隊を汽船に乗せ、地図にあるかぎりの島々にくばてまわり、配るについては海軍がその護衛をし、まるで棄民のように島々に捨て去りにしたあとは、東条英機という集団的政治発狂組合の事務局長のような人が、東京の大本営で「戦陣訓」というお題目をひたすら唱えつづけただけの戦争であった。20

    太平洋戦争というのは、それだけの戦争である。この戦争からひきだせる教訓などなにもない。

    「日本は地理的に対外戦争などできる国ではありませんね」というふうに言ってもらうほうがよく、いわゆる、十五年戦争に

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    2015年10月18日
  • 新装版 軍師二人

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    休日も育児で自分の時間を持つことも出来ないが、本日は一家で風邪。ダルいが、自室にこもり好きな本を飽きるまで読んでいられると言う状況は少し嬉しい。寝すぎて背中が痛いので、枕を3重にして頭の位置を高くして「軍師二人」を読む。

    黒田勘兵衛の話を読んだばかりで、軍師とは黒田勘兵衛と竹中半兵衛の話かと思いきゃ、さにあらず。関ヶ原の戦い前後の短編集。最初は著者が取材の中で集め、長編に入れられなかったマニアックな話で読みづらいなとも思ったが、読んでいくとはやり面白く、私の知識にある歴史とも繋がる部分があり興味深く読む。

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    2015年10月16日
  • この国のかたち(六)

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    「耳はばかですから」と、むかし酒を飲む席で秋田実氏がいわれた。この人は、いまは亡い。昭和初年に東京大学を出ると大阪にもどってきて、旧弊なマンザイを一新した人である。万歳を漫才という文字に変えたのもこの人だったと思うが、漫才はむしろ論理やつじつまが飛躍しなければならない。飛躍のあざやかさこそ漫才の本領なんです、と秋田さんはいわれた。ラジオの漫才を聞いている人は、例えば毛糸編みのアニメをかぞえながらでも聞くことができる。耳というのは言葉についてそれほど許容量の大きいものです、といわれた。「目はそうはいかない。実にうるさい」

    驚くことはたやすくない。大型動物を見て樹の上に跳び上がるリスのように、生

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    2015年10月02日
  • この国のかたち(四)

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    石油戦略という核心の部分は、むろん隠され、多くの別なことばにつつまれて窺うことができません。この構造を裏づけるに十分な経済力も戦力も日本にはないということまで、さまざまなことばによっておおいかくされ、人々に輝かしい気分をもたせたのです。敗戦の日に、佐々木邦というユーモア作家が「雲の峰 日本の夢は敗れたり」という俳句を作りましたが、この間の消息が想像できます。なにしろいまでもこの幻想を持続している人がいます。この幻想のもとに、そこに参加して生死した数百万の人々の青春も死霊も浮かばれないという気持ちがあるからでしょう。しかし自己を正確に認識するというリアリズムは、ほとんどの場合、自分が手負いになる

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    2015年10月02日
  • この国のかたち(三)

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    こういう不思議な例は、はるか千数百年くだって明治四年(一八七一年)の廃藩置県にもみられる。両方とも〝いまからはじまる世が、世界の普遍的な文明なのだ〟という国民的気分があって、みなやむなく従ったのかとおもえる。島国だけに、普遍性へのあこがれがつよいのである。

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    2015年10月02日
  • 人斬り以蔵

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    2015/9/30


    司馬遼太郎さんの、四冊目です。
    初めての短編。


    司馬さんは、その人の小説を書こうとするときに、
    きちんとその人の事を知って、肉体を持たせ、
    その人を愛して、そしてはじめて書くのだと思う。
    そうでなければ、あんな小説は書けないと思う。

    と、いう事を、
    山手線大崎駅の本屋前でふと思いました(笑)



    個人的には、
    『人斬り以蔵』がすきです。
    愚かさと、愛しさ、哀しさ。


    『鬼謀の人』
    大村益次郎の姿がとても魅力的に描かれていて、相変わらず司馬さんの手腕にため息。

    『おお、大砲』

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    2015年09月30日
  • この国のかたち(一)

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    ネタバレ

    人間というのは、よほど変人でないかぎり、自分の村や生国(こんにちでいえば母校やひいき球団もこれに入る)に自己愛の拡大されたものとしての愛をもっている。社会が広域化するにつれて、この土俗的な感情は、軽度の場合はユーモアになる。しかし重度の場合は、血なまぐさくて、みぐるしい。ついでながら、単なるナショナリズムは愛国という高度の倫理とは別のものである。

    しかし、その社会も成熟しはじめたいまとなれば、それがこんにちの私どもを生んだ唯一の母胎であるといわれれば、そうでもないと言いたくなる。いまの社会の特性を列挙すると、行政管理の精度は高いが、平面的な統一性。また文化の均一性。さらには、ひとびとが共有す

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    2015年09月19日
  • 夏草の賦(下)

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    ネタバレ

    本能寺の変で辛くも信長の手から四国を守った元親だったが、信長に代わり秀吉が四国へ攻めてきた。
    家臣に説き伏せられ、また土佐一国になった元親。秀吉に登城を命じられ秀吉の器の大きさ、土佐の貧しさ、田舎ぶりを思い知る。

    夢を失い、土地も失い、多くの犠牲への報いもできず、鬱々と過ごす元親。
    唯一の希望は匂やかな美丈夫に育った弥三郎だったが。
    まっすぐで清すぎる息子に不安も感じる。
    「腹中に三百の悪徳を蔵った一つの美徳を行じよ。それが大将への道だ。」
    弥三郎に女をモノのように扱えといいつつ、菜々を大事にしている様子が微笑ましい。
    大阪ほど金品に恵まれてはいなかったけど、家族としては幸せそうな長曾我部一

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    2015年09月17日
  • 夏草の賦(上)

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    龍馬もだけど、この人、こういう人なのー!って驚きが面白い。
    元親の小心なのか大物なのか微妙な描き方。
    美濃から嫁いだ菜々の大らかというか豪胆というか。
    「いくさに勝つということは、さほどむずかしいことではない。勝つ準備が敵よりもまさっていればもうそれで勝てるのだ。」とあっさりいう元親。それを理解し実行できるのはまさに天賦の才。
    「武士の腹は真っ白でなければならぬが、しかし、大将はちがう。墨のような腹黒さこそ統一への最高の道徳だ」
    臆病だからこそ誰よりも準備を重ねる。
    土佐から阿波を切り取り、時には大きな犠牲を払い力で押し、いよいよ四国全てが目前となった時、信長が四国まで手を伸ばしてきた。
    「天

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    2015年09月16日
  • 故郷忘じがたく候

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    2年ぶりに読んだ司馬遼太郎は、以下、中篇3篇を収録。

    豊臣秀吉による朝鮮出兵の際に祖国から連れてこられた朝鮮の民。彼らが抱く故郷への思いを哀切に描く「故郷忘れじがたく候」。
    明治初年、会津討伐のため奥州に派遣された長州藩士/世良修蔵の悲劇を描く「斬殺」。
    戦国時代、明智光秀の三女にして、細川忠興に嫁いだ明智たま(後の細川ガラシャ)の奇矯な生涯を描く「胡桃に酒」。

    収録の基準はよく分かりません(落穂拾い的?)が、3篇のなかでとりわけ印象に深い作品は「胡桃に酒」。
    なんといっても夫・忠興の嫉妬深いエピソードが過激。たまたまガラシャ夫人と目が合った植木職人の首を“目が合った”というだけで刎ねてし

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    2015年08月31日
  • 世に棲む日日(三)

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    藩主への忠誠と自分が行おうとしていることの矛盾。そこが特に表現されていたと思う。矛盾した感情の中で、他人に苛立ったりはするが、自分の考えに迷いはないという高杉晋作の人物像を見事に確立させたかと思う。

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    2015年08月29日
  • 新装版 箱根の坂(中)

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    20150827 展開がゆっくりなので少し読み疲れてしまった。この先が本来知りたかったところなので少し疲れをとってから読む事にする。

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    2015年08月27日
  • 新装版 最後の伊賀者

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    書名となっている「最後の伊賀者」の他に六篇の短編がおさめられている。
    始めからの三編は「伊賀者」がテーマであるが、むしろ「伊賀者」がテーマではない最後の三編「天明の絵師」、「盧雪を殺す」、「けろりの道頓」が私的には楽しめた。
    難しい表現も少なくて読みやすい短編集だ。

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    2015年08月26日
  • この国のかたち(二)

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    紋;たしかに 墓には 紋が彫ってある。
    『さがり藤』

    調べてみたら。
    本で多く使用されている家紋のひとつに、藤紋がある。藤は長寿で、繁殖力の強いめでたい植物。この藤をデザイン化したものが「藤紋」。藤紋は日本でもっとも栄えた藤原氏がもちいた紋。藤原氏はもと中臣氏で、中臣(藤原)鎌足が大和に藤原の里を下賜されてからおこり、のとのちまで栄えた氏だ。人々はこの藤原氏にあやかって藤紋を使用するようになったようだ。(丸に下り藤)

    へぇ。驚いた。

    天領と藩領
    税金が違う。四公六民が 天領。紀州藩は 八公二民。
    それは、すごいなぁ。

    金と銀。
    日本が ジパングと言われるには
    金の精製技術にあった。

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    2015年08月23日
  • 新装版 箱根の坂(上)

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    20150815 興味はあったがなかなか知る機会が無かった。大道の司馬遼太郎で書かれてない訳はなかったのだが。今の所、平坦なストーリー。この後、どう転換するのか?楽しみだ。

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    2015年08月16日
  • 翔ぶが如く(九)

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    ネタバレ

    西南戦争も佳境に入った。会津の山川浩や佐川官兵衛がでてきてテンションUP↑UP↑↑ 西南戦争は戊辰の復讐戦だぁ!



     ちょいちょい日露戦争に繋がる情報が出てくるところが司馬遼太郎。歴史の繋がりを感じる。だから明治維新は面白い。


     さらに、この頃の間違いが繰り返されているなぁと良く感じる。
     太平洋戦争はまさに同じ様相である。兵士の勇猛さに頼っただけの戦略。戦略じゃねぇ。でもこういうセンセーショナルなことの方が人々のハートをキャッチしちゃうんだなぁ。

     次巻、最終巻。長かった…。たのしみ、たのしみ。
     

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    2015年08月13日
  • ペルシャの幻術師

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    『兜率天の巡礼』ではキリスト教の異端として、5世紀東ローマ帝国の首都コンスタンチノーブルを東に逃れる一派についての記載がある。彼らは、ペルシャを経てインドへ入り、インド東岸から陸路で中国沿岸をつたいつつ東海の比奈ノ浦へ流れ着いた。兵庫県赤穂郡比奈ノ浦には大避(ダビデ)神社現存する。仏教よりはやく古代キリスト教が日本に伝わっていた可能性がある。同時期に読んでいた『風の武士』の安羅井国の住人とは日本に住み着いたイスラエル人であった。同時期に読んだ本がリンクしているのが面白い。

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    2015年08月12日
  • 城塞(下)

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    豊臣家の滅亡と戦国時代の終焉を描いた本。家康の嘆きや心配事が会社の会長に思える。いつの時代も老人の悩みは同じなのだろう。淀君さえいなければ豊臣家は復興できたのかもしれなれないと読むほどに思う。そして、自分の子どもは選択できる大人に育てたいと強く思った。真田幸村、後藤又兵衛、かっこよすぎる。これで司馬遼太郎の国とり物語から始まる戦国物は読破できたのではないか。なんか達成感があるな。

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    2015年08月12日