司馬遼太郎のレビュー一覧
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ネタバレ「耳はばかですから」と、むかし酒を飲む席で秋田実氏がいわれた。この人は、いまは亡い。昭和初年に東京大学を出ると大阪にもどってきて、旧弊なマンザイを一新した人である。万歳を漫才という文字に変えたのもこの人だったと思うが、漫才はむしろ論理やつじつまが飛躍しなければならない。飛躍のあざやかさこそ漫才の本領なんです、と秋田さんはいわれた。ラジオの漫才を聞いている人は、例えば毛糸編みのアニメをかぞえながらでも聞くことができる。耳というのは言葉についてそれほど許容量の大きいものです、といわれた。「目はそうはいかない。実にうるさい」
驚くことはたやすくない。大型動物を見て樹の上に跳び上がるリスのように、生 -
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ネタバレ石油戦略という核心の部分は、むろん隠され、多くの別なことばにつつまれて窺うことができません。この構造を裏づけるに十分な経済力も戦力も日本にはないということまで、さまざまなことばによっておおいかくされ、人々に輝かしい気分をもたせたのです。敗戦の日に、佐々木邦というユーモア作家が「雲の峰 日本の夢は敗れたり」という俳句を作りましたが、この間の消息が想像できます。なにしろいまでもこの幻想を持続している人がいます。この幻想のもとに、そこに参加して生死した数百万の人々の青春も死霊も浮かばれないという気持ちがあるからでしょう。しかし自己を正確に認識するというリアリズムは、ほとんどの場合、自分が手負いになる
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ネタバレ人間というのは、よほど変人でないかぎり、自分の村や生国(こんにちでいえば母校やひいき球団もこれに入る)に自己愛の拡大されたものとしての愛をもっている。社会が広域化するにつれて、この土俗的な感情は、軽度の場合はユーモアになる。しかし重度の場合は、血なまぐさくて、みぐるしい。ついでながら、単なるナショナリズムは愛国という高度の倫理とは別のものである。
しかし、その社会も成熟しはじめたいまとなれば、それがこんにちの私どもを生んだ唯一の母胎であるといわれれば、そうでもないと言いたくなる。いまの社会の特性を列挙すると、行政管理の精度は高いが、平面的な統一性。また文化の均一性。さらには、ひとびとが共有す -
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ネタバレ本能寺の変で辛くも信長の手から四国を守った元親だったが、信長に代わり秀吉が四国へ攻めてきた。
家臣に説き伏せられ、また土佐一国になった元親。秀吉に登城を命じられ秀吉の器の大きさ、土佐の貧しさ、田舎ぶりを思い知る。
夢を失い、土地も失い、多くの犠牲への報いもできず、鬱々と過ごす元親。
唯一の希望は匂やかな美丈夫に育った弥三郎だったが。
まっすぐで清すぎる息子に不安も感じる。
「腹中に三百の悪徳を蔵った一つの美徳を行じよ。それが大将への道だ。」
弥三郎に女をモノのように扱えといいつつ、菜々を大事にしている様子が微笑ましい。
大阪ほど金品に恵まれてはいなかったけど、家族としては幸せそうな長曾我部一 -
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龍馬もだけど、この人、こういう人なのー!って驚きが面白い。
元親の小心なのか大物なのか微妙な描き方。
美濃から嫁いだ菜々の大らかというか豪胆というか。
「いくさに勝つということは、さほどむずかしいことではない。勝つ準備が敵よりもまさっていればもうそれで勝てるのだ。」とあっさりいう元親。それを理解し実行できるのはまさに天賦の才。
「武士の腹は真っ白でなければならぬが、しかし、大将はちがう。墨のような腹黒さこそ統一への最高の道徳だ」
臆病だからこそ誰よりも準備を重ねる。
土佐から阿波を切り取り、時には大きな犠牲を払い力で押し、いよいよ四国全てが目前となった時、信長が四国まで手を伸ばしてきた。
「天 -
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2年ぶりに読んだ司馬遼太郎は、以下、中篇3篇を収録。
豊臣秀吉による朝鮮出兵の際に祖国から連れてこられた朝鮮の民。彼らが抱く故郷への思いを哀切に描く「故郷忘れじがたく候」。
明治初年、会津討伐のため奥州に派遣された長州藩士/世良修蔵の悲劇を描く「斬殺」。
戦国時代、明智光秀の三女にして、細川忠興に嫁いだ明智たま(後の細川ガラシャ)の奇矯な生涯を描く「胡桃に酒」。
収録の基準はよく分かりません(落穂拾い的?)が、3篇のなかでとりわけ印象に深い作品は「胡桃に酒」。
なんといっても夫・忠興の嫉妬深いエピソードが過激。たまたまガラシャ夫人と目が合った植木職人の首を“目が合った”というだけで刎ねてし -
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紋;たしかに 墓には 紋が彫ってある。
『さがり藤』
調べてみたら。
本で多く使用されている家紋のひとつに、藤紋がある。藤は長寿で、繁殖力の強いめでたい植物。この藤をデザイン化したものが「藤紋」。藤紋は日本でもっとも栄えた藤原氏がもちいた紋。藤原氏はもと中臣氏で、中臣(藤原)鎌足が大和に藤原の里を下賜されてからおこり、のとのちまで栄えた氏だ。人々はこの藤原氏にあやかって藤紋を使用するようになったようだ。(丸に下り藤)
へぇ。驚いた。
天領と藩領
税金が違う。四公六民が 天領。紀州藩は 八公二民。
それは、すごいなぁ。
金と銀。
日本が ジパングと言われるには
金の精製技術にあった。
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千葉周作を 骨太に 描く。
馬面の馬医者を父親 幸右衛門とし、
千葉周作との 不思議な親子関係が、
なんとも言えない 味わいがある。
父親の挫折、そして 母親への愛情があふれ、
千葉周作への 想いも いいねぇ。
千葉周作が あまり話さないひとだったという
状況もありながらも、合理主義的な剣道の指導方法を
編み出したことに、司馬遼太郎は 高く評価する。
意味不明の言葉を駆逐して、『瞬息』という
先んずれば制するという 合理にたどり着いている。
なぜ、それにたどり着いたのかが、
良くわからないのが 司馬遼太郎らしい物語の作り方。
『心気力の一致』
千葉周作は かなり筆まめだったようだ。
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ネタバレあらためて劉邦が大きな空虚であることを思った。張良が将権を代行すると、まずいことが多かった。かれが一個の実質であるため、かれに協力する劉邦の幕下の多彩な才能群ともいうべき諸将は張良の意中をいろいろ忖度することに疲れ、結局はその命を持って動くのみで、みずからの能力と判断でうごかなくなってしまう。とくに後方補給と軍政の名人という点で張良以上である蕭何の場合、この幣がいちじるしかった。張良の作戦が正と奇を織り交ぜて複雑になるため、蕭何にすれば補給をどこに送っていいかわからず、結局は悪意でなく怠業状態におちいり、張良が後方の蕭何へ連絡者を走らせて命令と指示を伝えねばならなくなった。このため、張良も疲れ