司馬遼太郎のレビュー一覧
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下巻、ついに官軍との北越戦争が始まる。あくまでギリギリまで戦争を回避しようとする河井継之助ではあるが、時代の流れが、それを許さず、結果として熾烈な戦となってしまう。
士農工商や幕府が瓦解することを見通し、長岡藩も無論なくなることが分かっていた河井継之助だけに、滅びの美しさや悲哀さが特に下巻には立ち込めており、所々描写される戦争に巻き込まれる一般人に対しては、何処かに矛盾した心情が隠しきれない。それはこの本を読む多くの人が思うことであろう。「早く降伏をすれば良かったのではないか?」と。
しかしその考えはあくまで現代的なものであり、降伏した者が、次の戦争の先兵として使われるだけでなく、河井継之助は長岡藩の武士であり、全巻を通して描かれるのは立場を通した身の処し方、それは河井継之助にとって、単なる藩の武士から、武士という希少な生き物として昇華され、時代の流れに上手く乗れない、理解できない(河井自身は理解を十二分にしていたのだが)人たちの代表としても存在することとなった。
それ故にもし官軍側に生まれていたなら、どういう活躍をしていたのかが惜しまれる人物ではある。
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永遠の青春小説
この有名な司馬遼太郎の原作を、だれかが「永遠の青春小説」と評していたことを思い出した。これほど売れてNHKの大河ドラマにもなった原作なのに、コミカライズが初めて というのに驚いた。絵柄はやや癖があるが、落ち着いた出だしで次巻以降が楽しみである。
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Posted by ブクログ
1963(昭和38)年刊。
幕末の頃の、攘夷運動などが盛んになりしきりと「暗殺」が流行した時勢を題材とした歴史小説集。司馬遼太郎さん自身は「暗殺は嫌いだ」と思いながらこの連作を書いたそうだ。
文体とか書法に独特な癖があるが、流麗に話が進行していく。そんなに読みやすい方ではないと思うが、世には熱烈な司馬ファンが相当数いるらしいから、人を夢中にさせる魅力があるのだろう。
かなり史実に基づいて書いているようだが、もちろん、人物に命を吹き込みしゃべらせたり独白させたりするにあたってかなりのフィクション化が施されている。当然そこも作者の歴史観によってコントロールされており、全体として世界が統一されている。
読んでみて、面白かった。読むのはそんなにスピーディーにはいかず、ワクワク感も強くなかったが、これで長編であれば、もっと夢中になって読んだかもしれない。しかし司馬遼太郎の長編は何巻にもわたる「大長編」が何タイトルもあるのだから、なかなか手を出しにくい。 -
購入済み
時代劇っぽい作画ですね
司馬遼太郎氏の出世作を漫画化しているので、内容は良いと思います。
ただ、史実というよりは青春小説ですので、フィクションとして楽しむのが良いのでしょうね。 -
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織田信長はこの時代の主役である。
信長公記、太平記、徳川家康などなど、
どの物語に登場し、活躍する。
いろいろなエピソードも惹きつけられる。
そのため誇張されているのではという
気がしないでもない。
この書では全面に出ていない。
1、2巻の続きでもあるので、
前半は斎藤道三は絡んで話は進む。
中盤から織田信長が出てくるが
同時に明智光秀も登場する。
今まで読んだ時代小説では
あまりパッとしない光秀だが
今作では、重要人物として描かれている。
信長と光秀、そして道三。
この三人を主要人物として話は進む。
信長編と言いながら
光秀にスポットが当たっているのが
面白い。 -
Posted by ブクログ
時節柄、ロシアの本質に迫るような本を読みたいなと思って手に取った。
副題の通り、ウラルより東の話が主なので、ウクライナの話は(クリミアの話が少々登場するする以外は)出てこないし、なんと言ってもまだソ連がある時の本なのだが、約二百年に渡るロシアと日本の外交関係を俯瞰するには大変な良書。
1945年ヤルタ協定の僅か3条の内容が、1条モンゴルの現状維持(ソ連勢力圏)、3条千島列島のロシアへの引渡(2条は日露戦争による日本の権益のロシアへの返還)、で、北方領土返還が即、モンゴルの中国返還(清朝時代の版図を正とすれば)に繋がり得るため、中国が注視している、ということは全然知らなかった。
パリの貴婦人が黒貂の毛皮を珍重しなければ、ロシアのシベリアへの進出の動機が無くなり、世界史が大きく変わっていたかもしれない、と考えると不思議な気持ちになる。