司馬遼太郎のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
空海は神秘的な要素が多い。
何かに導かれるように山を練り歩き、光を飲み込み、遣唐使の船に乗り込んで、遭難しかけるも長安まで辿り着いちゃう。
神童的な子供時代、唐に渡るまでの謎の期間、唐に渡ったらペラペラネイティブ。
失敗しない、ファインプレーの連続。
そして論理的でありながら、言葉で表現出来ない神秘的な要素を腹に持っていて、傍若無人に物事を乗り越えてゆく。
可愛げはゼロ。
本人の目線での感情表現が一切ないからかもしれないけど、とにかく最強という感じ。
書き方も、空海は辛かったと思うけど、どうだろ、正確には分かんない、って感じで書いてあるので、のっぺりしてる。
それでも長安に入っ -
購入済み
司馬歴史小説の享楽
司馬歴史小説ファンの輿望を担った作品の一つである。この巨魁の手に掛かれば歴史上無碍にされてきた人物を息を吹き返すゆえ。この書物も鎧袖一触の強さを持つようだ。
-
Posted by ブクログ
ネタバレ義経への解釈が、私のイメージに近くてよかった。
周囲に鈍感で生意気に見える戦の天才…みたいな。
民衆からみれば判官贔屓や伝説が生まれるような、魅力的な人物なのだと思うけど、
敵味方から見ると、「何をしでかすかわからないヤバいやつ」「イレギュラー」と言いたくなるような…そんな人物な気がする。
革新的な戦法は今でこそ当たり前だけど、当時は掟破りのルール違反。誇りやタブーを気にしない革新的な戦法。
兄に認められたいが、まるで兄のことがわかっていない。嫌われることばかりやる。
陰謀渦巻く時代において、あまりにもピュアな人物だったのでは。政治がわからないってそういうことかなと思いました。
司馬先生と -
購入済み
得意の幕末物
大阪出身の司馬先生は関西の幕末物が得意のようだ。この著作も豊富な調査データから刮目により当時の人物を生き生きと現代に通じる生身の人間として表している。随喜の極みだ。
-
購入済み
司馬史観の本領発揮
怜悧で英邁かつ鋭敏なる司馬先生による歴史館は目から鱗の世界のようである。この乃木に対する犀利で客観的な分析は思わず嘉悦してしまうほどだ。