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西郷隆盛や小栗忠順は何がすごかったのか? “武士”はどのようにして滅んだのか?──実は謎の多い幕末・明治の実情を巨匠が語り下ろした『NHKブックス「明治」という国家(上・下)』は、ベストセラー&ロングセラーとなり、日本人の「明治観」の基礎となった。従来の上下巻を読みやすくまとめた新装版、この一冊で幕末・明治の空気が実感できる!
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Posted by ブクログ
封建国家から近代国家・国民国家に変わっていった日本を論じる本。 ・小栗上野介、勝海舟、坂本龍馬、大久保利通、西郷隆盛といった近代日本を作り上げた人物に着目し、彼らが何に影響を受け、何を考え、行動したのかを論じており、彼らの足跡を辿ってみたいという思いを起こさせる。 ・廃藩置県(=藩や身分制の廃止)が...続きを読むいかに大きな革命であったのかということ、それをやってのけた背景として、日本人の中で共有されていた「危機意識」(攘夷感情はその即物的反発)があったことは、我々が生きている近代日本の国家の根幹にあった出来事として記憶しておきたい。 ・侍の精神性、武士道を、西南戦争において賊としたことへの福沢諭吉の憤りが取り上げられている。こういった武士の精神の名残が明治国家を支えたことは興味深い。 ・幕末までの支配的な思想であった朱子学(及びそれに基づく攘夷思想)の存在、初期の明治政府すらカトリック・キリスト教への警戒意識はぬぐえなかったこと、プロテスタンティズムと江戸時代における日本人の歴史的な勤勉さ・質実剛健さの近似など、人々の行動・志向に影響を及ぼしてきた思想的・宗教的背景について厚く論じられているのもまた面白い。
「明治」という国家を、あくまで現在の日本とは切り離して、著者の歴史観をもとに論じている。著者は多くの人の死を好まない。そういった観点から勝海舟による無血開城が高く評価されている、等。 ひょうひょうとした語り口と熱い語り口のテンポ感が好き。読ませる文章。
司馬史観の集大成として、明治国家を概観する。 歴史が横でつながる。 ◯三人の国家設計者 ・改造:小栗豊後守忠順(上野介) ・解体:勝海舟 ・文明という普遍性:福沢諭吉 ・小栗上野介による横須賀ドックで、江戸幕府は土蔵付の売家に。 ◯藩の多様性 ・薩摩:物事の本質をおさえておおづかみに事を行う政...続きを読む治家や総司令官 ・長州:権力操作に長け、官僚機構をつくり動かす ・土佐:野にくだり、自由民権運動(長曾我部家から続く一領具足の郷士) ・佐賀:実直で有能な事務官(鍋島家の長崎警備かたの軍洋式化、学問・科学技術発達) ◯廃藩置県 ・津田出による和歌山でのミニ明治国家 ・廃藩置県の鎮魂としての荒城の月 ・倒幕の中の保守家・島津久光 ・植民地支配の恐怖が廃藩置県を円滑に進めた ・明治政府とプロテスタントの親和性
司馬遼太郎の明治国家論なのであるが、明治国家そのものというよりも江戸時代からの継承について冒頭の多くを割いて述べており、実はその部分が面白かった。江戸の知識階級とそれ以外の二極分化、補佐政治、江戸時代に培われた多様性と薩長土肥のお国柄、慶喜と勝の精神構造、維新後の西郷の虚無など。その後の国造りの話は...続きを読むそこまで真新しくも面白い訳でもない。 なお、講義調であるため、全般に脱線が多くやや論旨を見失いがちになるきらいあり。細かい点で、ドイツが第一次大戦に入った理由をドイツの憲法制度に置いているのは浅薄かなとも思う。
NHKの吉田直哉氏が退職の制作のためにと、司馬遼太郎に持ち込んだ「モンゴロイド家の人々」という企画が発展して「太郎の国の物語」というタイトルになって、NHKでの「幻の放映」と言われる司馬遼太郎が出演した貴重な作品となった。 それが出版され、タイトルも「明治という国家(上下)」になった。 司馬遼太郎...続きを読むは「いまさら、テレビという人前に出るなどは、自分の節制のゆるみ―老化である―としかおもえないが、しかし少年(*吉田直哉氏のこと)には抗しがたかった」と恥じて(実際は照れ?)いる。 内容は明治という時代を、「江戸時代からの遺産」「青写真なしの新国家」「廃藩置県―第2の革命」「勝海舟」「サムライの終焉あるいは武士の反乱」「自由と憲法」等々、多方面から分析しているので、一概には纏めにくいが、明治維新というのは、本当に想像を絶するというか、めちゃくちゃな革命と思われるが、世界史的にも流血の少ない形で成功したのは、何故だろうかと改めて考えさせられる。 常に手元に置いて読み返したい一冊である。 余談ではあるが、放送されたものはDVDになっていて、今や3万円というプレミアムが付いている。一度見たいと思っているが、二の足を踏んでいる状態が続いている。
司馬遼太郎の書く明治の小説はいくつか読んだことがあったが、明治という時代全体に対して論じているのを読むのは初めてだった。たびたび話が脇道にそれるものの、それらが全て興味深くこぼれ話満載な一冊だった。
「明治」というのは、特に司馬遼太郎のように敗戦、戦後の高度成長を知る人にとっては、顧みるべき時代なのだろう。 ただ、それは、今も何も変わらず、日本人としてのアイデンティティを考える際には、この時代を振り返り、何が起こり、誰がいて、その精神はどのようなものだったのか考える必要がある。 「明治人」から思...続きを読むい浮かべるものとは、 ・無私 ・理想を追い求めるエネルギー ・謙虚さ、学ぶ姿勢 ・柔軟な発想、先入観、固定観念に囚われない ・自らを律する精神 ・根拠のない自信 以下抜粋 ・1920年代のはじめぐらいまでの日本の官界、学界といった学歴社会は、ほとんど士族出身者で占めていました。 その理由は、士族には学問をするという、家中や個々の家々の文化があったこと、廃藩置県によって、勉強をして学校へゆく以外に自分を窮状からすくいだす道がないとされたことからくるエネルギーだったのでしょう。
過大評価
明治の暗い麺やはすべて目をつぶり、1部のエリートのみを取り上げて、駄作、
第一章 ブロードウエイの行進 遣米使節(1860年2月~11月)は、正使・新見豊前守正興、副使・村垣淡路守範正、目付・小栗豊後守忠順をはじめ、総勢77人。 当時のアメリカ人は、日本人の挙手動作、品の良さ、毅然とした態度の未知の民族に、大変上質なものを感じたという。「明治は多くの欠点をもちつつ、偉大と...続きを読むしかいいようがない」。透き通った格調の高い精神で支えられたリアリズムであった。それに対して昭和―昭和20年まで―はリアリズムがなかった、と評する。 第二章 徳川国家からの遺産 小栗忠順(ただまさ)は外国奉行にあり、金がない中で日本で最初の横須賀造船所(現、在日米軍横須賀海軍施設)を造った。施工監督を務めた幕臣の栗本瀬兵衛(せへえ)は、「あのドッグができあがった上はたとえ幕府が滅んでも”土蔵付き売り家”という名誉を残すでしょう」。明治という国家は、江戸を否定してできたのではなく、江戸270年の無形の精神遺産の上に成立した。 第三章 江戸日本の無形遺産“多様性” 薩摩(薩摩隼人・藩文化)は物事の本質をおさえておおづかみに事をおこなう政治家や総司令官タイプを多く出し、長州(長州人タイプ)は、権力の操作が上手なため、官僚機構をつくり、土佐(一領具足)は野にくだって自由民権運動をひろげ、佐賀(長崎警備・様式化)は着実にやっていく人材を明治国家に提供した。 第四章 “青写真”なしの新国家 西郷隆盛はじめ倒幕を進めた人びとには明治国家をつくる明確なプランがなかった。プランなしに革命をした後で欧米に国家見学をして、どのような国づくりをすべきか学んでいた。 第五章 廃藩置県-第二の革命 西郷隆盛は山県有朋から廃藩置県の話をもちかけられ、主君島津久光に相談なしに承諾。久光は西郷を逆臣と罵る。そして廃藩置県という第二の革命は無血で成った。士族の子弟は自らを救済する手段として学校(帝国大学進学)を選んだ。1920年代までの学歴社会は多くが士族出身者で占められた。 第六章 “文明”の誕生 日本に寄港した奴隷船マリア・ルス号(1872年)を断固として告発したのが副島外務卿であった。彼は早くも文明の名において裁いたが、それは日本国内の娼妓売買なども見直すことになったという。 第七章 『自助論』の世界 明治時代はキリスト教、特にプロテスタント精神と武士道精神が融合した時代であった。そんな中、サミュエル・スマイルズの『自助論(Self-help)』を翻訳した『西国立志編』(中村敬宇)がベストセラーになった。つまり、明治はプロテスタント精神を受け入れる素地が、江戸時代の武士道によって醸成されていた。 第八章 東郷の学んだカレッジ-テムズ河畔にて 東郷平八郎は1871年、26歳のときに英国の商船学校に留学(~1878年)したこと。そして、東郷と日露戦争の日本海海戦の戦術を作った秋山真之について言及している。詳細は『坂の上の雲』。 第九章 勝海舟とカッティンディーケ-“国民”の成立とオランダ 幕府が洋式海軍育成のために招いたオランダのカッティンディーケに学んだ。司馬氏は勝海舟について、“日本にまだ国民がいない頃、はじめて自分を国民にした”人物としている。幕臣でありながら、日本、特に世界の中でのわが国のことを考えた、ということであろう。家柄がそれ程でもない勝は、出自により階級がきまるような幕府には、期待できないと考えていたようである。そして、それは坂本竜馬に強い影響を与えることとなる。竜馬自身も勝海舟と出会う前からオランダの市民社会制度には関心を持っていた。つまり、勝海舟、坂本竜馬がそれぞれオランダから影響を受け、互いに影響しあって幕末の原動力になったといえるだろう。詳細は『竜馬がゆく』。 第十章 サムライの終焉あるいは武士の反乱 サムライの時代が終焉し、明治政府を形成した人々もいれば、西郷を押し立てて、西南戦争で散った薩摩武士集団がおり、また、キリスト教精神の中に身を置いた内村鑑三や新渡戸稲造らがいる。福沢諭吉が西郷を擁護する『丁丑(ていちゅう)公論』を執筆。それはなによりもサムライが死んでしまったこと、つまり日本人の品性や気骨、質実さが失われることのわびしさをいいたかったのではないか。 第十一章 「自由と憲法」をめぐる話-ネーションからステートへ 明治維新が多くの運動者に明晰な意識はなかったにせよ、“国民国家”の創出を目的としたものだった。板垣退助の自由民権運動もまた国民の創生運動だった。国民と作り出すには、国民に政治参加の権利を保持する必要がある。彼ら(中江兆民など一部を除き)の目的は「代議士や県会議員になることだけ」という面も。 おわりに “モンゴロイド家の人々”など モンゴロイド家の一派が「明治国家」という不思議なものを成立させた。つまり日本人の私物(歴史の一部)でない、人類の一遺産と考える方が気分をくっきりさせる。
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