司馬遼太郎のレビュー一覧

  • 人斬り以蔵

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    司馬遼太郎先生の短編集。
    ウチの近くに『大村益次郎終焉の地』の石碑があり、感慨深い。
    幕末から明治初期、たくさんの、無念を抱えて亡くなった人たち。
    今更ながら、偲んだ。

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    2021年06月28日
  • 花咲ける上方武士道

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    公家侍(俺は存在すら知らなかった)が主人公は珍しい。時は幕末・万延二年(1861)、四位という高い位階と抜群の剣技を持つ「のちの右近衛少将藤原朝臣高野則近」が(道中が始まるまでが長いが)「関東の情勢を探れ」という秘命を受け、東海道を下ってゆく。不平等条約や治外法権や外来新種伝染病などで幕府=武家政権の権威は落ち経済も窮迫していた頃で、かえって隠密の彼に手を出すに違いない、という“鉄砲玉”の狙いらしい。やたら富裕な商人、伊賀忍者が同行し、司馬らしく当時の世情、身分制度家族制度に詳しいが忍者の説明は信じがたい

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    2021年06月14日
  • 「明治」という国家[新装版]

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    「明治」というのは、特に司馬遼太郎のように敗戦、戦後の高度成長を知る人にとっては、顧みるべき時代なのだろう。
    ただ、それは、今も何も変わらず、日本人としてのアイデンティティを考える際には、この時代を振り返り、何が起こり、誰がいて、その精神はどのようなものだったのか考える必要がある。
    「明治人」から思い浮かべるものとは、
    ・無私
    ・理想を追い求めるエネルギー
    ・謙虚さ、学ぶ姿勢
    ・柔軟な発想、先入観、固定観念に囚われない
    ・自らを律する精神
    ・根拠のない自信

    以下抜粋
    ・1920年代のはじめぐらいまでの日本の官界、学界といった学歴社会は、ほとんど士族出身者で占めていました。
    その理由は、士族に

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    2021年05月24日
  • 酔って候

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    山内容堂が生理的に苦手なので読もうか読むまいか迷いましたが、食わず嫌いもダメだなと思って読みました。
    山内容堂の「酔って候」、島津久光の「きつね馬」、伊達宗城の「伊達の黒船」、鍋島閑叟(かんそう)の「肥前の妖怪」、の4本を収めた短編集です。

    司馬先生はあとがきで、風雲の主役は藩の家来たちが担当したが、そんな中殿様たちはなにを思い、どう行動し、時流にどのように反応したのだろうかということが長い間の関心事だったと書いており、本書を書くきっかけになったようです。

    本書を読んだ感想はやはり幕末の殿様にはあまり興味をもてないなあと思いました。
    風雲の主役たちに比べてインパクトが薄すぎて、なかなか厳し

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    2021年05月15日
  • 新装版 王城の護衛者

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    5本入った短編集です。会津藩主・松平容保を描いた「王城の護衛者」は、容保が幕末に京都守護職を命ぜられ苦労したことと、新選組が何故会津藩お抱えになったのか、その背景を知ることができました。

    「人斬り以蔵」は土佐で足軽という低い身分に生まれた以蔵が武市半平太の弟子のような形になり、人を斬りまくり、最終的に武市を裏切るという悲しい話でした。

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    2021年04月27日
  • 世に棲む日日(二)

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    よくも悪くも、己の命よりも大切な物があった時代。

    渋沢栄一の大河ドラマでも吉田松陰がでてきてた(安政の大獄で処刑されたってナレーションだけど)。
    大河ドラマとも時代がリンクしてて、面白いです。

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    2021年05月09日
  • 世に棲む日日(一)

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    初めての司馬遼太郎です。

    とにかく取材量が半端ないのがわかります。
    ドキュメンタリー歴史小説っぽいのは、司馬遼太郎の作風なのか?それともこの小説だけなのか?
    先にも述べたように、初めての司馬遼太郎なので判断できません。

    やっぱり「普通じゃない人」って、当たり前だけど思考も行動も「普通じゃない」よね(笑)
    その形成要因も垣間見れて面白いです。

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    2021年04月11日
  • 街道をゆく 10

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    今回は山形と佐渡。米沢の上杉と佐渡の金山を見ながらの度という感じです。佐渡は一度行ってみないといけないと思いつつ、相川以外にも訪問すべき場所があるようで日帰りでは大変そうだなぁと。いや、一泊すればよいのだけど(司馬さんも日帰りではないし)

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    2021年04月09日
  • 世に棲む日日(四)

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    吉田松陰とその弟子である高杉晋作を描いた長編小説。あのようにしか描けなかったのも分かるが、ラストは意外とあっさりしたものだった。高杉晋作や吉田松陰は、30年足らずの短い生涯だったが、いろんなことが凝縮されたすごい方たちなんだよという作者のメッセージは、とても伝わった。正直、二人とも身近に居て欲しくないタイプだが。

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    2021年04月01日
  • 覇王の家(下)

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    覇王というくらいだから、大坂の陣であるとか、関ヶ原であるとかの詳細まで書いてあるのかと思いきや、小牧長久手の戦いに終始。
    個人個人、家康とそれを取り巻く人たちの性格、性根の機微が描かれた小説でした。
    ただ、エンターテイメント性は低いかなと。
    司馬遼太郎好きのおとんもあまり好評価ではなかったし、理解しました…

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    2021年03月27日
  • 義経(下)

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    遮那王がただひたすらに法と秩序の名を冠した獣の顎の下で時を過ごし・待ち・窺い続けたのが上巻ならば、あとはもう楔から解かれた猟犬の如くそれら獣が老いさばらえたのを目敏く見抜き、喉元に食らいつき、そして"役"を勤め上げて煮らるるのが下巻

    といった具合だろうか。そんな所感

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    2021年03月10日
  • 城塞(上)

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    ネタバレ

    ~全巻通してのレビューです~

    大坂冬の陣、夏の陣を描いた物語。

    「関ケ原」など今まで読んできたものと比べて、大野修理、淀殿、秀頼など小者がよく登場した影響で、なかなか読み進めず集中力の持続が難しかったですね。
    一か月かかりました。

    そんな中、真田幸村や後藤又兵衛、毛利勝永が出てくる場面は興味をもって読むことができました。
    ただ彼らの献策が大野修理や淀殿に受け入れられることが少なく、だんだんと彼らの登場場面も減っていきました。夏の陣になって最後増えはしましたが・・・

    大河「真田丸」を見ていた影響で、幸村は心の中で躍動しました。(もちろん幸村=堺雅人)

    冬の陣での講和で家康は大坂城の外濠

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    2021年02月27日
  • 覇王の家(上)

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    ネタバレ

    ~全巻通してのレビューです~

    「関ケ原」「城塞」と共に家康三部作とされている本書。
    家康が童だった頃の人質時代から天下を獲るまでを描いています。
    ただし、関ケ原の合戦や大坂冬の陣、夏の陣には触れられていません。

    具体的には信玄との三方ヶ原の戦い、本能寺の変後の上方脱出劇、秀吉との小牧・長久手の戦い、石川数正出奔劇などが中心に描かれています。

    家康は信玄をよっぽど尊敬していたんですね。
    井伊の赤備えもできましたし。

    また、信長の後継者に名乗りを上げた秀吉に対して、圧倒的兵力差がありながらも引かなかったのは凄いなと思いました。

    「関ケ原」「城塞」を読んだ後に読む本としてはいいのではないで

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    2021年02月27日
  • 夏草の賦(上)

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    ネタバレ

    ~全巻通してのレビューです~

    長宗我部は必ず?下の名前に「親」が付いて、どの時代のどの長宗我部がどの「○親」なのかよく知りませんでしたが、四国を平定したのは元親だったんですね。
    そしてその後、秀吉に屈服し土佐一国になるわけか。
    四国平定後、どうなったかは読むまで知りませんでした。

    元親はよく「僻地の土佐に生まれていなければ」と言ってましたが、まあそれはそうで不運なんですが、何度もその発言が出てきたので女々しく感じました。
    随分内省的な人であったようですが。

    秀吉の命令で九州征伐の先鋒になり、アホの仙石権兵衛のせいで、嫡子の信親を失って四男の盛親が世継ぎになるわけか。
    続きは「戦雲の夢」で

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    2021年02月27日
  • 新装版 戦雲の夢

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    ネタバレ

    長宗我部盛親の物語。

    関ケ原では当初東軍に味方する予定も、使者が西軍の関所だったかな?を通ることができず、
    結局西軍に味方することになります。

    で、所領を没収されて一介の牢人になるわけですが、
    父元親と似て内省的な性格でとにかく自問自答が多い。
    「自分はそもそも大名に向いていなかったのではないか?」とか、
    林豪という坊さんに色々言われて、また考えます。

    それで夏の陣で大坂方に立ち、最後死力をつくして戦うことができ、物語は終わりました・・・

    これといった出来事がすくなく盛親の自問自答がメインなので、盛り上がりには欠けますね。
    読むなら「夏草の賦」に続けてがいいでしょうね。
    なんだかうまく

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    2021年02月27日
  • 項羽と劉邦(中)

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    ネタバレ

    p.197
    酒があなたの体を得てよろこんで跳ねまわっているのです。

    天下の統一も人間の欲や妬みも、現代と大きく変わらず、そして、それが歴史を作っていくんだなーとしみじみ考えさせられてしまいます。

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    2021年02月25日
  • 殉死

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    司馬さんは、乃木ファンではない。
    では、何故この作品を書いたのか?
    確かに乃木希典の精神主義は、その後の日本陸軍に負の影響を与えた。
    だが日本男児には、生まれ持った武士道精神が宿っていて何故かこの愚将乃木希典に惹かれてしまうのかもしれない。
    奥さんには、同情しますが…。

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    2021年02月21日
  • 竜馬がゆく(三)

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    勝海舟登場の巻。

    勝さんの予備知識ほぼゼロでしたが、寡黙な方なのかと思ってました。

    とにかく早く先に進めます。

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    2021年02月05日
  • 街道をゆく 40

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    なんだか文章が固くてほかの街道をゆくのようにすらすらと読みすすまなかった。台湾の歴史については、考えさせられた。巻末の李登輝総統との対談は、大変良い内容だった

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    2021年01月11日
  • 覇王の家(下)

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    現在の日本人の道徳観、風習など、良きにつけ悪しきにつけ、徳川家康が造り上げた江戸時代に出来上がったものが、数限りなくある。
    司馬遼太郎のこの小説は、たんなる出来事の羅列でなく、当時の漢たちの、生き様、有り様を明らかにしようとしたところが、司馬遼太郎先生らしいと思いました。

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    2021年01月11日