あらすじ
黒田官兵衛。戦国時代末期の異才。牢人の子に生まれながらも、22歳にして播州・小寺藩の一番家老になる。だが、「この程度の小天地であくせくして自分は生涯をおわるのか」という倦怠があった。欲のうすい官兵衛だが、「広い世界へ出て、才略ひとつで天下いじりがしてみたい」という気持ちは強かった。
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本のタイトルからはわかりにくいが、現在、大河ドラマで取り上げられている「黒田勘兵衛」を取り上げた小説。今回で読むのは三回目だが、ドラマを見た後で読むと、色々な発見があって更に面白い。
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黒田官兵衛の物語
初めましてな人、このときは珍しく大河ドラマも観てないから断片的にしかその人生も知らない。
これから続く物語を楽しもうと想います。
黒田家の起こり〜荒木村重との会談まで
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祖母に貰ってこの本を読みました。最初は退屈していましたが、その後は面白く読めました。やはり官兵衛は魅力的な偉人ですね。終盤の荒木村重と官兵衛の出会いは、米澤穂信氏の「黒牢城」を思い出させました。
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久しぶりの司馬遼太郎だった。
最近戦国時代に今更ながら凝っており、手を出してみた訳だがかなり面白かった。
個人的な感想だが、何となくでもある程度の知識があると、著者の考え方や歴史の見方が見えて一層面白いのだなと感じた。
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良い。
流石、司馬遼太郎。綿密な調査。
身近な地域が出て来て、かつてあった出来事を想像するみた。
戦国時代に私欲乏しかった黒田官兵衛、カッコいい。播磨の人らしい。
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・彼は自分に勇気があるとは思っておらず、勇気のなさを補うには着実に事をやる以外ないと思っていた。
・竹中半兵衛のような男がでてきたということ自体、戦国乱世ということが、ただ単に欲望がむらがり衝突する世界というのではなく、欲望が蒸留されて一個の文化現象のようなものが出はじめていることを証拠立てているのかもしれない。
・ものを考えるのはすべて頭脳であるとされるのは極端な迷信かもしれない。むしろ人間の感受性であることのほうが、割合としては大きいであろう。
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数年前の大河ドラマが頭にあり、いずれ読み返そうと思っていた本作を、三十数年ぶりに再読(初読は単行本)。
黒田官兵衛の祖先の成り立ちから、随想風に書き起こす司馬節を久しぶりに味わう。
膨大な史料蒐集と想像力で、稀代の謀略家官兵衛の生涯を綴る著者及び彼の博識に改めて畏敬の念を抱く。
この巻は、本来は歌詠みにでもなって世を過ごしたかったという官兵衛が、その才能を持て余している前半生が描かれている。
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大河ドラマが急に面白くなってきたので、見始めたところ、書店でたまたま見つけた作品。
室町という中世的な旧体制が少しずつ壊されていく過程。それは、キリスト教と茶の湯に代弁されている身分の相対化が物語っている。そして、その象徴ともいえるのが信長だったのだろう。門閥に囚われない、人物徴用。これに魅了された官兵衛。
戦国時代の外交、処世術もなかなか面白い。
司馬遼太郎が好きそうな主人公である。
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2年前に読んだものをもう一度・・家もなく薬売りだった家からなぜ小寺家に仕えるようにまでなったのか祖父の時代から詳しく書いてあります。
そして官兵衛が荒木村重に出会うまでを描いたもの。
物語がかなり回り道をすることもありサクサク読み進められず前回も1巻で断念。今回大河が面白いのでもういちど1から読んで続きも頑張って読んでみようと思う。。
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初、司馬遼太郎本。
大河ドラマの影響で読み始めたけど面白い。
播磨で退屈していた官兵衛がこれからどんな天下いじりをしていくのかが楽しみ。
それと意外と信長の評価の低くて驚いた。
でも天下への野心は毛利や他大名よりも強くて、だからこそ天下統一の一歩手前まで昇りつめることができたんだろうなと思った。
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言うまでもなく、今年の大河ドラマ「軍師官兵衛」の司馬遼太郎版。「世に棲む日々」に続く今年2作品目の長編。黒田官兵衛に関しては、大河ドラマを順調に観ているほか、「大河ドラマ・ストーリー」「黒田如水(吉川英治著)」、「新書太閤記(吉川英治著)」などを読んでいるため、流れはほぼ掴んでいる。あとは、司馬遼太郎氏なりの色付けを楽しむだけである。
本作品では、冒頭のかなりの部分を官兵衛の代よりも前の黒田家について説明がしてあり、家の成り立ちをしっかり理解出来た。その過程で、官兵衛の曽祖父高政が連歌の点者ではないかという想定で進めようとしていたところがユニークだった。根拠はまったくないにもかかわらず、近江から備前福岡までの移動について、旦那の館に泊まり、連歌の会を催し、行路も安全に次の土地へ進んだのに違いないという仮定をは半ば強引に打ち立てていく。
そして面白かったのが、足利義昭を奉じた細川藤孝に対して、たまたまそこに随行していた官兵衛が「織田どのがよろしかろう」と足利義昭の庇護先を提案するシーン。官兵衛はまだ信長に会ってもいないのである。これにより、後にそれが実現し、信長の天下取りの大きなきっかけになっていくのだ。官兵衛の先見の明を表すのにぴったりなアングルである。
以下はその他興味深かった点。
「人を罠にかけて殺す者は必ず似たような目にあう」ということを重隆はしきりに言い、人を憎むよりも憐れみをかける方がよほど身の安全になる、ということも絶えず言っていた。その重隆の性格や家訓がその後の黒田氏に重要な影響を与えることになる。
→因果応報ということである。この家訓が官兵衛を歴史に名を残しめたのだろう。
「頑健だからいいというものではない。おのれが脾弱であれば人の病弱をいたわることができ、また頑健な家来を大切にするという気持ちも出てくる。ゆらい、黒田氏の家系から頑健な者が出たことがない」
→幼少時代の官兵衛が父から言われた言葉。なるほど、物事はとらえようである。秋冬になるとかなり頻繁に風邪をひく私も脾弱なのかもしれず、ここ数年の悩みであったが、こう捉えれば良いのか。
信長は富士山に登ったようなものだという見方だろう。誰でも足腰さえ達者なら登れる。が、富士はその裾野を3カ国にまたがらせている。3カ国を平定してから登らねば、降りるにも降りられず、結局は下から槍で突き殺されるのが落ちだという。
→信長が足利義昭を奉じて京へ登った後を説明したものだが、実に巧いたとえである。
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秀吉の天下取りを支えた武将 、黒田官兵衛が主人公のお話。他の作品と同様に著者の綿密な下調べに裏打ちされた小説、それだけにとどまらずこの作品は官兵衛論を書いた歴史書としても十分な価値がある。特に司馬史観に基づき官兵衛のフィルターを通して観た信長に仕える秀吉像はとても新鮮。14年んの大河ドラマ主人公でもあり、ドラマを楽しむ上でも必読。
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豊臣秀吉に警戒された異能の軍師黒田官兵衛を主役にした大河小説。司馬遼太郎はやたら余談が多いが本作は冒頭からが余談。官兵衛の先祖から始まっている。多分調べているうちに楽しくなっちゃったんだろうなぁ…と思う。それでも官兵衛の親父が登場してくる辺りから面白くなってくる。官兵衛自身が優秀だったのは歴史が示す通りだが親父の影響も大きいし何よりキャラクターが良かった。
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●上巻ラスト 竹中半兵衛のエピ
武道の講義中に厠へ行こうとした息子を咎めて「そこでせよ、武道の話をしているときに中座するということがあるか」
●中巻
“官兵衛の思想は、大将たる者は金銀銅を一枚でも多く貯めるべく日用を節しなければならない。それを敵に勝つための用につかうという心くばりがなければ、とてもこういう時代に、一城一郡を保ってはゆけないのである。43
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官兵衛の考えでは、武士には中間がなく、源平いずれかに属して旗幟を鮮明にしなければならない。中間的存在というものはもしあり得ても双方から叩かれて結局はほろぼざるをえない。(273ページ)
台頭する織田信長の評価においては、既存の小大名たちは信長を過小評価し、決断できず様子見に徹する。
変化の時代においては、現状を正当化し変化を嫌う傾向に陥るものだと思うが、決断すべき時に決断することの難しさを改めて感じた。
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官兵衛には、およそそういうところがない。
かれはただ自分の中でうずいている才能をもてあましているだけであった。その才能をなんとかこの世で表現してみたいだけが欲望といえば欲望であり、そのいわば表現欲が、奇妙なことに自己の利を拡大してみようという我欲とは無縁のままで存在しているのである。そういう意味からいえば、彼は一種の奇人であった。
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司馬遼太郎が描く軍師・黒田官兵衛は、全4巻。
著者後期の作品(1973~1975年執筆)だからか、同じ戦国時代が舞台の「国盗り物語」や2年前に読んだ「峠」と比べ、登場人物の滾るような闘志だったり、白熱した展開、興奮冷めやらぬ読後感…といったものはなく、ただ淡々と物語が進んでいくような印象を受けました。だからといってつまらないわけではなく、黒田官兵衛、すなわち如水のあらましであったり、これまで知らなかった荒木村重など、戦国時代の見え方がまたひとつ明らかとなり、面白い作品でした。
ところで、如水という人物。あの秀吉が嫉妬したとされる天才軍師ですが、作中でも多く語られていたように、とにかく欲望の影がみえません。そればかりでなく、(特に荒木村重に囚われてからは)達観的で、野望というものを持たない人物として描かれています。一方で、秀吉の補佐をひとつの仕事として捉え、そこに美学を感じているように思えるところは、時代背景こそ異なりますが、一介の村医者から戊辰戦争を率い、日本陸軍の創設者となった大村益次郎と重なるなぁと思ったり。
そう考えると、欲の少なく、冷静沈着である如水を描く作品だからこそ、すらすらと流れるような物語の運び方にひとり納得の思いを感じるところです。
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小藩の家老職から乱世を生き抜き、ついには大名となった黒田官兵衛の生涯の物語。
播州を舞台に官兵衛が生まれるまでの経緯。
時代の波に流されるように、徐々に騒がしくなっていく世情。
織田家と関わるきっかけ。
荒木村重や高山右近との出会いを描いている。
物語では聡明な少年らしいエピソードが語られる。
同時に、繊細で傷つきやすい面を抱えているエピソードもある。
若者らしい傲慢さもあり、藩主を軽んじているような所業も見られる。
周囲の人間が自分より劣っている馬鹿にしか見えなかったのだろう。
だが、それを隠し通すほどの思慮はまだこの頃の官兵衛にはない。
今のように遠く離れた場所でも情報が手に入る時代ではない。
武将の名を耳にしても、田舎にいては実際はどんな人物なのか正確には掴めない。
官兵衛は小藩の家老職であり、国許にいればそれなりの扱いを期待できるのかもしれない。
けれど一歩藩を離れてしまえば、官兵衛など取るに足らない存在だ。
一方、官兵衛自身は自分の力を信じている。
試してみたいと思っている。
自分の思うように生きてみたいと思っている。
もっと世の中を知りたいと思っている。
武将としての官兵衛の人生はまだこれからだ。
第二巻ではどんな活躍が待っているのだろう。
本領を発揮する官兵衛を早く見てみたい。
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少し時代遅れだが、司馬遼太郎が描く黒田官兵衛の話。黒田官兵衛というと豊臣秀吉の参謀のイメージがあるが、この本を読むと少し異なった印象を持つ。それはこの本が豊臣秀吉に使える前の官兵衛の話に多くを割いているからである。小寺家→豊臣家→徳川家と仕える家を変えていくのは、時代の先を読みながら主君を細かく観察してその瞬間で誰につくのがベストかを考えることを示している。主君への忠誠心より自分の能力に自信がある武将であったのだろうか。組織か個人か...現代の我々の生き方にも通じる読み物。
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NHK大河ドラマになっているので読んでみた。全4巻。官兵衛のおじいさんくらいから始まる。序章なので有名どころはちらほら程度。官兵衛もなかなか出てきません。内容は歴史を知らなくても「歴史チックな物語」として読めると感じるくらいライト。敷居は高くないと思う。
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黒田官兵衛。戦国時代末期の鬼才。牢人の子に生まれながらも、二十二歳にして播州・小寺氏の一番家老になる。
だが、「この程度の小天地であくせくして自分は生涯をおわるのか」という倦怠があった。
欲のうすい官兵衛だが、「広い世界へ出て、才略ひとつで天下いじりがしてみたい」という気持ちが強かった。
(当書裏表紙あらすじより)
2014年大河ドラマに合わせた訳ではないんですが、偶然、本屋で見かけて買ってしまいました(^^ゞ
著者は安定の司馬遼太郎先生なので内容については不安はありませんでしたが、なかなか読むスピードが速くなりませんでした。
前半は黒田氏が興った経緯や播州にきた経緯が語られ、後半は織田信長の動向が中心にあったからだろ思います。
次巻からは秀吉が出てくるからもうちょっと盛り上がってくるんじゃないかな。
次も楽しみです♪
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黒田勘兵衛の物語。司馬遼太郎らしい、綿密な取材と文書に裏打ちされた、リアリティ感のハンパない歴史小説。事実を見ているような感覚になる。勘兵衛のキャラはあっさり目。透明度の高いキャラとして描かれている。
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謎に包まれていた黒田官兵衛の詳細が少しずつ分かりかけてきた。
当時、信長が置かれていた政治状況や他国との関係などが第三者が見た視点で冷静に描かれている点が良い。
まるで、一種のジャーナリズムを読んでいるかのよう。
第一巻では官兵衛が歴史の表舞台に出てこないので、次巻に期待。
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今年の年末年始用に購入。NHKの官兵衛の前に読み切る予定。官兵衛の祖先、近江の佐々木源氏までさかのぼり、話が始まる。長い助走から、始めるところが、司馬遼太郎らしい。面白いところはこれからか。