関ケ原決戦――徳川方についた伊右衛門は、この華々しい戦でも前線へ投入されたわけではない。勝ち負けさえわからぬほど遠くにあって銃声と馬蹄の轟きを聞いていた。しかし、戦後の行賞ではなんと土佐二十四万石が……。そこには長曽我部の旧臣たちの烈しい抵抗が燃えさかっていた。戦国痛快物語完結篇。
Posted by ブクログ 2022年11月23日
全4巻の物語の完結巻。山内一豊のことはよく知らなかったが、彼が千代のサポートのもと、見事土佐の大名に任ぜられるところまでは、痛快な話だった。しかし、土佐土着の武士、一領具足たちの反乱が治らなかったため、その指導者たちを騙し討ちのようにして虐殺する場面は悲しかった。
最後に、長い「おわりに」がある。一...続きを読む
Posted by ブクログ 2015年05月04日
もう、何年前になるだろうか?歴史系小説が好きになったきっかけの本。最近、歴史年表が気になっていて本書も再読してみる。再読してもやはり面白く、特に後半はグググッっと引き付けられる。
織田、秀吉、家康に使えてきた山内豊一の話。機転の利く妻の協力もあり、最後は四国の大名にまでなる。
織田、秀吉、家康と...続きを読む
Posted by ブクログ 2013年09月07日
関ヶ原で勝ち、土佐一国を拝領した時までは夫婦二人三脚で階段を一段一段駆け上がってきた努力が報われて良かったと読んでいて嬉しくなった。
しかし、土佐入国後に一豊のあまりの変わりようにガッカリさせられた。国主になったプレッシャーがあったのかな。最後は読んでいて寂しくなった。
土佐独自の身分制度が出来上が...続きを読む
Posted by ブクログ 2013年08月31日
あっという間に全巻読破。今まで数多く司馬遼太郎作品を読んで来たが、この作品ほどサクサクと読めた長編作品はなかった。ありていに言えば、面白くてためになる作品である。主人公を一土豪から一国一城の主へと出世を遂げた夫とその賢妻という視点も面白いし、信長、秀吉、家康という三英傑と微妙に絡み合うさまも日本史フ...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年08月13日
歴史長編小説。
四巻やっと読めました。
律儀だけが利点の旦那(この言い回しは何度も出てくるが、作者が結構歴史人物をディスっていて最初驚いた)
を一国の主へと上手に導いていく千代の賢さが面白かった。
これは、会社の上司に対しても使えるかも、などと勉強になりました。
これから先どうなっやって出世して...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年08月04日
山内一豊と千代の一代記。
山内一豊(伊右衛門)は千代の作品である
という軸に貫かれた作品。司馬遼太郎が描く主人公に共通する快活さや明晰や、人間的魅力は伊右衛門ではなくどちらかというと千代にそれが見いだされている。
出世や功名、その前提としての主人との関係というものを当時の武士、武将がどのように...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年07月20日
掛川城主6万石になった山内一豊(伊右衛門)は徳川方への忠誠を尽くし、関が原の合戦を経て、土佐二十四万石の領主になる。奥方・千代は大坂の屋敷に篭って関が原の合戦まで主人の帰りを待っていた。その後、土佐に住むことになるが、土佐の領主になった主人の変貌と領民への誹謗な行ないに千代の心は塞いでいく。シリーズ...続きを読む
※予約作品はカートに入りません